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ダイバーシティ推進プロジェクト講演会・藤田裕貴さん「ピンクウォッシング構造にならないために」

            ジョニーH

 レイバーネットTV109号にゲスト出演した藤田裕貴(NPO法人レインボーアクション代表理事・事務局長)さんが、10月28日(金)早稲田大学小野記念講堂で、早稲田大学ダイバーシティ推進室主催「ダイバーシティと「LGBT」、セクシャルマイノリティをめぐって」という題名の講演をした。 藤田さんは、学生中心に300人近く集まった聴衆に対して、「渋谷区の例」「イスラエルの例」を挙げ、最後には、出身校の「早稲田大学ダイバーシティ」の取り組みに対して半ば檄を飛ばす形で話した。

●藤田裕貴さんの話の流れ

(1) 渋谷区の行政―野宿者を排除して「LGBT」を歓迎するというピンクウォッシング 「宮下公園の野宿者の人権を踏みにじる排斥行為」というイメージダウン行政を一方でしながら、「同性バートナーシップ条例」で「先進的」「マイノリティーに寛容的」「人権に配慮している」かのようなイメージアップを図る、こういったダブルスタンダードな状態を「ピンクウォッシング構造」という、渋谷区は更に有料の「同性パートナーシップ証明」ありきで、マイノリティーの中の富裕層からの税収増加を狙っているようにみえる。「LGBTへの理解を深める取り組み」などの、本来取り組むべきことを優先すべきだ。

(2) イスラエル―パレスチナを排除して「LGBT」を歓迎するピンクウォッシング 東京で行われているレインボーパレードのパンフレットには、毎年イスラエル大使館 の自国民の「LGBT」に「寛容的」な一方、パレスチナに対しては戦争を継続している。 またエルサレムで開催されたプライドパレードではヘイトクライムというべき殺傷事件が起きていて、これらの「イスラエルの現実」は「LGBTにフレンドリーである」「人権的である」というイメージからかけ離れたダブルスタンダード状態で、ピンクウォッシング構造そのものだ。

(3) 「早稲田のダイバーシティ」に対する提言 中身の伴った「早稲田のダイバーシティ」を実現するために。学生への周知と教職員と の相談窓口の連携などを検討すべきだ。 職員の採用選考と入学試験に「LGBT」等への配慮、「LGBT」等への奨学金制度の創設などを提言する。 そして、「ピンクウォッシング構造」を避けるためには、早稲田大学は非常勤講師に対する差別雇用問題をしっかり改善しなければならない。

 学生たちからは「プライドパレードについて教えてほしい」「自分の身の回りでLGBTへの差別発言があったときには、どう対処したらいいか」「メディアはLGBTに関してどんな配慮をしているのか、していないのか」など活発な質問が出た。

 藤田さんは最後に、「身近に差別発言している人がいたら、その人との人間関係を保ちながら、緩やかに適格に指摘してほしい」と結んだ。


Created by staff01. Last modified on 2016-10-30 14:28:05 Copyright: Default

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