村民の声が反映されているのか?〜避難指示解除に向けた「飯舘村住民懇談会」 | |||||||
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村民の声が反映されているのか?〜避難指示解除に向けた「飯舘村住民懇談会」湯本雅典5月11日、飯舘村の避難指示解除に向けた住民懇談会が福島市の福島県青少年会館で開催され、会場は飯舘村民でぎっしり埋まった(共催:国・飯舘村・飯舘村議会)。この日は5回開催されるうちの5回目、主に福島市に避難している飯舘村民対象の懇談会だ。 住民懇談会に先立つ4月5日、飯舘村と飯舘村議会は政府に対し、帰還困難区域を除く区域の避難指示解除を2017年3月末とし、準備のための長期宿泊を今年7月から開始するよう正式に要請していた。 今回の住民懇談会は、この流れを村民に説明するためのものであった。懇談会の冒頭、飯舘村の菅野典雄村長は、「平成29年3月に解除になることで、少しでも皆さんが帰れる条件が整うであろうと思います。精神的賠償は切れるので、苦労されている皆さんのために少しでも多くの財物的賠償を得たいです」と語った。 以下、村民と行政とのやりとりの一部である。 ・村民「広島、長崎との比較、チェルノブイリとの比較というが、この事故はチェルノブイリにひけをとらない歴史に残る大事故ではなかったのではないでしょうか」 ・内閣府担当者「いくらお話しても私どもの話は信用できないというご意見は重く受け止めたいと思います。しかし科学の世界の見解ということで申しあげます。広島、長崎の被爆を50年追跡調査しました。その結果、100mSv/年以下では、発がんリスクは少ないのです」 ・村民「懇談会の話はすべての村民が聞いているわけではありません。今日の資料をぜひ全家庭に配り、全村民からの意見を集めてください」「今回のやりかたは、順番が逆です。4月にいきなり新聞発表があり、今回の懇談会です。もっと村民を信じてください」 ・菅野村長「懇談会の資料を全家庭に配布することは、やれるよう努力します。順番が逆というが、皆さんの話を聞くというのは大切ですが、私たちは国と最前線で向かいあっています。村民のみなさんのことを考えると、帰れる条件が整うまで待つというのは、何ら保障がない中に皆さんを置くことがいいのかどうかということです」 ・村民「フレコンバックは、来年3月までどれだけ減るのですか?」 ・環境省担当者「来年3月までに搬出できるフレコンバックは、5000個です。現在あるのは160万個です。いつまでに搬出が完了するかは中間貯蔵施設の整備にかかっています」 少なくとも村民からの意見、質問の時間では、来年3月末避難指示解除に積極的に賛成する意見は出なかった。また、この模様を報道するメディアもほとんどない。政府がすすめる避難指示解除と賠償打ち切りはスケジュール通りにすすんでいる。しかしそれでいいのかどうか、今が最も注目すべき時だ。(取材・5月11日) Created by staff01. Last modified on 2016-05-18 11:24:18 Copyright: Default |