私たちは人間だ!解雇撤回!〜東芝府中工場のフィリピン労働者が立ち上がる | |||||||
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私たちは人間だ!解雇撤回!〜東芝府中工場のフィリピン労働者が立ち上がる*正門前で組合旗「KABISIG(団結)」を掲げたフィリピン労働者 不正経理問題で経営危機に陥った東芝。しかし経営陣は一人も責任をとるどこ ろか、大リストラを推進し、そのしわ寄せを労働者に押しつけてきた。東京・府 中工場で長年エレベーター塗装の仕事をしてきた「中村塗装店」も下請け契約が 解除され、そこで働くフィリピン労働者は3月末の雇い止め解雇を通告された。 みんな家族持ちであり、生活は待ったなしだ。途方にくれたかれらは3月7日「府 中緊急派遣村労組」に駆け込み、10人で労働組合「KABISIG(カビシギ)分会」 を結成した。組合名はタガログ語で「一緒に進む。団結」の意味である。
さっそく「中村塗装店」に団交を申し入れ、解雇撤回・継続雇用の要求書を突 きつけた。また3月16日午後3時には、親会社でかれらの職場である「東芝府中事 業所」に出向き、要請行動を行なった。当該メンバーはパチェコ委員長ら3人。 かれらはこうした経験はまったく初めてで、表情も固くドキドキしているのがよ くわかった。しかし、36年間東芝とたたかってきた松野哲二さんら「府中緊急派 遣村労組」の中心メンバーが集まり、かれらを支えた。
まず東芝府中工場受付事務所で「要請書を渡したい」と組合が言ったが、 事務所内は急な出来事で慌てている様子だった。しばらく待たされたあと、ガー ドマンを通じての答えは「当社は関係ない。会わないし、要請は受け取らない」 の繰り返しだった。組合は「歴代3社長が2248億円の不正会計をして業績を 悪化させた。かれらは一人も逮捕されていない。一方でまじめにギリギリの賃金 で働いてきたフィリピン労働者を使い捨てにしていいのか! 首にされる気 持ちがわかるか!」とマイクで声を上げた。 フィリピン労働者は、この日のためにつくった手作り組合旗「KABISIG(カビ シギ)」を取り出して掲げた。もっとも弱い立場のかれらが初めて会社にNO! を 突きつけた瞬間だった。ガードマンたちはそれをやめさせようと妨害を繰り返し たが、「解雇を撤回せよ!」とシュプレヒコールのほうがまさっていた。 その後一行は、府中工場南門にまわって、午後5時に工場から退勤する労働者 への情宣活動を行うことにした。原発関連・鉄道関連など重電機を扱う府中工場 には現在約8000人が働いている。移住労働者も数百人以上がいるとみられてい る。5時を過ぎると、たくさんの労働者がぞろぞろと出てきた。「東芝リスト ラ」への不安が高いのか、ビラの受け取りはとてもよかった。
ここには当該メンバー6人が参加し、片言の日本語や英語でマイクアピールし た。かれらは言う。「中村塗装店は、日本語がよくわからない私たちに日本語の 雇い止め通知書を一通渡したのみで、英語の文書も説明もしてくれなかった。わ けがわからないうちに解雇になる。これは差別だ。本当に許さない」。 南門前ではみんな「ヘッドバンド」(はちまき)を付けた。分会長のパチェコ さん(勤続5年)が自らマジックで書いた文字は、「WE ARE HUMAN(私たちは人間 だ)」だった。 16年間「包装業務」で働いてきた女性のアルマさんも「悔しい」といい、タガログ語で「TAO KAMI 私たちは人間だ」と書いた。 またコルテスさん(勤続8年)は「IRRESPONSIBLE!(無責任だ!)と書いた。 「会社は使うだけ使って突然解雇、説明もしない、あまりにも無責任だ。まと もな人間として扱ってくれ!」というのが、かれらの叫びだった。こうしたアク ションはかれらには初めて。でもみんな声をあげて満足そうだった。「中村塗装 店」からは、3月25日に団交を受ける、との回答があった。 なお、この日松野さんは「東芝労組書記長」にこの問題で話し合いたいと組合 事務所に電話し、フィリピン労働者の話を聞いてほしいと要請した。約30分近く の電話のやりとり。しかし書記長の答えは「うちの組合員でないので関係ない。 一切会わない」という冷たい返事だった。大企業労組の「御用化」は知っていた が、それを目の当たりにして愕然とした。(M)
●組合は支援カンパを要請しています。 <府中緊急派遣村労組 連絡先> Created by staff01. Last modified on 2016-03-18 09:27:44 Copyright: Default |