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怒り心頭「山城さんを返せ!」〜沖縄訪問報告

                  尾澤邦子

      *写真=たたかいの先頭に立つ山城博治さん

●沖縄訪問報告1 沖縄の自己決定権

 2月14〜17日、「戦争協力にNO!葛飾ネットワーク」の仲間たち5人で沖縄に行ってきました。今回のツアーは、15日(日)に沖縄国際大学で行われたフォーラム「道標(しるべ)求めて−沖縄の自己決定権を問う」の参加と、辺野古・高江の闘いの支援激励が目的でした。

 那覇空港に着陸して、飛行機の窓からまず見えたのは、「海上自衛隊」の文字と戦闘機。基地の島であることを思い知らされました。レンタカーを借りて首里城公園へ。沖縄にゆかりのある仲間の案内で、付近をゆっくりと探索。沖縄には独特の文化が根付いているのだと実感しました。

 翌15日の午前中は、対馬丸記念館(写真)と不屈館(瀬長亀次郎と民衆資料)を見学。1944年8月学童疎開の子供たちを乗せた対馬丸が、米潜水艦により沈められ、1,482名が犠牲になったことや、沖縄戦のこと、また沖縄の祖国復帰と平和な社会の実現をめざして命がけで闘った瀬長亀次郎のことや沖縄民衆の闘いを学びました。

 午後は沖縄国際大学でのフォーラムに参加。沖縄の人々の民意を無視し続ける日本政府に対し、人びとがどれほど怒っているかを感じました。600名の会場はあふれ、第2会場も設置していました。講師の姜尚中さん(写真)は基調報告で「沖縄から基地を取り除くためには、朝鮮半島の冷戦終結が必要だ」など、東北アジア諸国連合についてなど話しました。「歴史の教訓、そして未来へ」と題する第1部のフォーラムでは、「琉球処分は国際法違反」「国際的な議論が必要」、「辺野古の問題は、自己決定権を持っている琉球の人々を無視した人権問題」などのお話があり、考えさせられました。

●沖縄訪問報告2 辺野古へ

 16日朝6時半、雨の中キャンプシュワブゲート前に到着。7時からの抗議行動に参加。不屈座り込み225日目。「新基地反対」「海を殺すな」「埋め立て反対」などのプラカードを持ち、「工事を止めろ!」「海保を通すな!」などのシュプレヒコールを行いながら、ゲート前を歩き回りました。海上保安庁の暴力をやめさせるため、また工事車両を通させないために、人々が続々と集まってきました。特に混乱はなく、8時半にいったん休憩に入ったので、辺野古浜に行きました。

 辺野古浜のテントには、東京から移住した写真家の山本英夫さんがいて、現在の状況について説明してくれました。海上保安庁の巡視船が3艘、四六時中監視しているとのこと。この日は工事は行われていませんでしたが、沖縄防衛局に雇いあげられた漁船が数隻出ていて、カヌー隊は元気に沖に出て行きました。

 ゲート前に戻ると、集会が行われていました。東京の練馬区職の方があいさつをしていました。「沖縄『建白書』を実現し未来を拓く島ぐるみ会議」で、沖縄各地からバスで応援に駆け付けています。那覇からは毎日バスが出ているとのこと。読谷村から来た女性たちは、名物の「ポーポー」という手作りのお菓子をたくさん差し入れてくれました。司会者が沖縄の闘いについて話してくれました。戦後の食べていけない時代の必死の闘い、70年代の米軍やりたい放題に対する闘い、それから辺野古新基地反対の闘い。「今の闘いは今までとは違う。沖縄の未来が軍隊に縛り付けられてしまう」と話していました。

 沖縄一坪反戦地主会関東ブロックの代表であった上原成信さん(写真)が那覇から来ていて、しばらくぶりにお会いしました。「関東で70年やってきた。ここは楽しい。安倍のような政府は倒して、楽しく生きよう」とアピールしていました。

 午後1時半からは、沖縄平和運動センターの山城博治さん(写真)の司会で集会が行われました。山城さんは「沖縄防衛局が巨大なコンクリートブロックを海に投入し、サンゴを傷つけていることに対し、翁長知事が工事中止を申し入れる」と話しました。「翁長県政がやっと動き出した。みんなで支えていこう」と。そして、大浦湾を一望できる瀬嵩の丘に行ってカヌー隊を応援しようという行動提起がありました。那覇からきたバスに乗り込み、丘に登って「新基地建設反対!」「海を壊すな!」「カヌー隊がんばれ!」と声を上げてきました。

 瀬嵩の丘から戻ると、滋賀から来た方が、ギターをかかえて歌っていました。ここでは文化活動も行われていることがわかりました。山城さんは「24時間の監視体制で酒は禁止。歌を歌って楽しくやろう」と言っていましたが、替え歌やダンスも楽しく行われていました。

●沖縄訪問報告3 「山城さんを返せ!」

 17日朝6時半、キャンプシュワブゲート前に到着すると、すでに激しい抗議の声。夜中に灯火を消したトレーラーが2台、ゲートから入ったとのこと。沖縄県警が誘導し、無灯火のトレーラーをゲートに入れたことに対し、抗議し、座り込んでいました。さらに、作業用の車20台がゲートに入ろうと、どこかに待機しているとの情報。メインゲートと工事用車両ゲート、他と3か所に分散して抗議行動をしました。

 8時10分頃、何かあったようだと声がかかり、工事用車両ゲートに向かって走ると、「山城さんを返せ!」の声。マイクで抗議していた山城さんの顔を警官が殴り、怒って抗議した山城さんに対し「カクホ!」といっせいに飛び掛かってきて、もみあいになりひきずられてしまったとのこと。なんということかと怒り心頭! ゲート前でシュプレヒコールを繰り返しました。約40分後、「釈放するから道を開けろ」と言われ、両側にひいて待っていると出てきました。「よかった!」と思いながらも、これもやつらの作戦なのかと思うと、本当に腹立たしくなりました。

 山城さんを心配して、ヘリ基地反対協の安次富さんや名護市選出の玉木県議(写真)も駆けつけました。玉木さんは「建設阻止にきっちりもっていきたい。あらゆる手段を使うというのが知事の公約。その第一弾が始まったところ。今私たちは国家権力と対峙している。希望と勇気をもって闘いぬこう」とあいさつしました。山城さんは「翁長知事を支え、一体となって現場でがんばろう」とあいさつし、さらに「県政の行為を国が無視するのはありえない。沖縄をないがしろにするならば、ゼネストで県民が決起しなければならない。22日、ゲート前へ大結集しよう。政府の暴走を止めるのは私たちだ」と訴えました。

 うれしかったことがありました。20年前に沖縄に移住した友人と、ゲート前で再会したこと。20年ぶりに闘いの現場で偶然に出会えたことを、抱き合って喜びました。

辺野古から高江へ

 なつかしい友人と別れて、東村高江に向かいました。私たち「戦争協力にNO!葛飾ネットワーク」は、昨年「標的の村」の上映会を行いました。その後、高江がどうなっているか、とても気になるところでした。N1テントで説明していただきました。映画に出てくるのはN4地点。工事を止めきれなかったが、その後昨年7月からは工事は行われていないとのこと。工事予定のN1地点は森の中にあるので、県道入り口で監視しています。テントで、ハガキやTシャツや手ぬぐいなど買ってきました。


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