警察権力に守られて「服務事故再発防止研修」を強行 | |||||||
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警察権力に守られて「服務事故再発防止研修」を強行田中聡史さん「服務事故再発防止研修」中止要請・抗議行動の報告報告=根津公子 7月28日、卒業式・入学式ともに「君が代」不起立をした田中聡史さん(板橋特別支援学校教員)に対して、都教委が学校に押しかけて行う「服務事故再発防止研修」の2回目が強行されました(14時から15時まで)。前回6月10日の「研修」では、中止を求める要請書を校長に手渡そうと訪ねた私たちを、学校側は警察を使って排除しましたから、私たちはこのようなことをやめるよう、事前に申し入れをし、今日の行動に臨んでいました。しかし、今日も、学校側は面会を求める私たちを、警察の力で排除しました。以下、行動の報告です。 朝は出勤する職員に4人でチラシを配布しました。会釈をして受け取ってくれる人が何人もいます。警察を出動させた前回の弾圧について、詩人の石川逸子さんが「あっていいの こんなこと」という詩をつくってくださったので、チラシに紹介するとともに、道行く人が読めるようボードに掲げたところ、通りがかりの中年の女性が詩の題に目をやり足を止め、「詩がほしい」と言われました。この方は、「君が代」不起立にかかわる「服務事故再発防止研修」をご存じでした。 途中から主幹教員が私たちの前に立ち、監視を始めました。 12時半、学校の正門前に行くと、すでにパトカーが学校の周りをまわっていました。校長が要請したということでしょう。12時37分、副校長が玄関から出てきて、私たちの数メートル手前でとまり、私たちに向かってお辞儀をし、それだけで玄関の中に入っていきました。13時、副校長は今度は正門まで来て門扉越しに、「暑いのに大丈夫ですか」と言いました。しかし、続けざまに、「敷地に入らないようにしてください。もう一度言います。敷地に入らないよう、お願いします」と言いました。「どういうことですか」と訊きましたが、副校長は答えずに中に入ってしまいました。
私たちは25日に「質問と要請」書を校長にファックスで送り、その「質問と要請」書の下には、「28日13時30分頃、これに対する回答をお聞きするために伺います。数分、立ち話で結構ですので、時間をとってください。もし、この時間帯がご都合悪ければ、この日の中で時間をご指定くださいますようお願い申し上げます。」と手書きしておきました。その後、学校にファックス到着確認の電話を入れ、校長にしっかり伝えてほしいと話していたのです。 副校長は私たちの質問には答えないし、校長には事前に連絡をしていたので、13時半、私たち14人は校長から回答を得るべく、玄関の中の受付に行こうと門をくぐりました。と、玄関から副校長と2人の主幹が走ってきて両手を広げ、「敷地には入らないでください。申し訳ありませんが、敷地に入らないでください。」「宣言します。敷地から出てください。」「出ていかなければ、警察に通報します」と続けざまに言いました。 私たちは校長に回答をもらうために受付窓口に行きたい旨を、経過を含めて話しましたが、副校長は全く聞く耳を持っていませんでした。Hさんは「憲法16条・請願権『何人も、損害の救済、公務員の罷免、法律、命令又は規則の制定、廃止又は改正その他の事項に関し、平穏に請願する権利を有し、何人も、かかる請願をしたためにいかなる差別待遇も受けない。』 請願法第5条『この法律に適合する請願は、官公署において、これを受理し誠実に処理しなければならない』」と、大きく表示した用紙を副校長の前に広げ、市民には請願権があること、官公署の一つである公立学校、そして公務員は憲法及びこの法を遵守する義務があることを言いました。 要請や抗議については、法的には請願権の範疇ではないですが、国民の意見を広く聞くという点で、官公署は請願権に準じた取り扱いをすべきです。問答無用な対応はとりわけ教育の場にあってはならないことについても、何人かが副校長をただしました。これについても副校長は無言でした。弁解も説得しようとする気もないようでした。校長たちは教員に対しては、「説明責任がある」とよく言いますが、この学校の校長や副校長にこそ、それを求めたいと思います。 副校長が反応したのは、「教員になった時に、憲法を遵守すると宣言したでしょう』の問いに、「しました」。「都教委は“開かれた学校”を掲げますが、この学校はそれを謳っていますか」の問いに、「当然です」。「敷地から出ろ、警察を呼ぶ、というのは校長の判断ですか」の問いに大きく頷いたことくらい。終始、「出てください。警察に通報します」を繰り返すだけでした。 この間、副校長は何度か、携帯電話を手にして校舎内に入っていきました。警察と連絡を取っていたのでしょうか。14時7分、制服警官2名が入り、その後さみだれしきに制服警官9名、やや間をとって私服警官7名が校内にはいりました。警官は「管理者が出て行けと言っている。出てください。」と言い、私たちは敷地外に追い出されました。しかし、私たちは学校側が「学校は開かれている。都民、市民の声を聴きます」と言っているではなではないか。私たちは学校が作ったルールにのっとり請願、要請に来ている。にもかかわらず私たちをどうして排除するのか。その理由を言ってほしいとそれぞれが訴え、抗議し続けました。 とりわけジョニーH氏は、ギターを爪弾き、学校の横暴をあばく歌、田中さんを応援する歌を即興で作り、歌い上げ、その場を大いに盛り上げました。 前回は通報から10分と置かずに23人もの警官が出動、それに比べれば今回は警官出動は37分後。多少は慎重さを見せなければいけないと警察は判断したということなのでしょう。前回よりも丁寧な言葉づかいでした。しかし、結果的には何の反省もありません。 校長にとって都合の悪い市民からの質問、要請は徹底して排除する。そのためには警察の力も借りる。警察と連携して「秩序維持」を図り、思想の転向を迫る再発防止研修を強行するとは、あまりに恥ずかしいことです。 敷地外に出された私たちは「研修」終了予定時刻の15時、田中さん支援、都教委・校長糾弾のシュプレヒコールをし、監視行動を終えました。 私たちは黙ってはいません。引き続き、「日の丸・君が代」の強制・「君が代」不起立処分・それに伴う「服務事故再発防止研修」に反対し、行動していきます。 ■最後に参加した一人、Hさんの感想を紹介します。 私たちは、一都民として権利を行使しようとしました。学校側は、公務員として、法に基づいて行動しなければならないのにも関わらず、法的根拠も示さずに、都民の権利行使を妨害しました。あまつさえ、警察権力を導入して私たちを排除しました。警察も、排除の根拠を説明できず、ただ校長の「パシリ」になってました。 都民の抗議や陳情に対しては、高島平警察署だって人数と時間は不当に制限したけれど受けることは受けたのに、校長の行動には教育者としても公務員としても何の正当性もありません。 再発防止研修は、警察権力に守られた、思想弾圧であるとの性格が益々はっきりしたといえるのではないでしょうか。 Created by staff01. Last modified on 2014-08-06 11:15:39 Copyright: Default |