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映画『あいときぼうのまち』〜福島に生きる、東電に翻弄された四世代家族のドラマ

                            ジョニーH

6月19日、東京・六本木シネマートで、映画『あいときぼうのまち』試写会に先立って監督や出演者たちによる舞台挨拶イベントが行われ、出演者たちがそれぞれの思いを語った。

監督した菅乃廣さんは

「福島県出身の私の父が生前『この奇病は昔原発で浴びた放射能が原因かもしれないと』という一言がずっと頭に残っていました。2011年3月11日の地震と大津波と福島第一原発大爆発の後、放射能汚染の理由で福島ナンバーの車にガソリン販売拒否されたり、福島からの転校生に近づかないようにする小学生とそれを見て見ぬふりをする教師たちなどのニュースを知り、このままだと、福島は故郷を失い、福島県民は難民になってしまう。なんとかしなくては、自分にできることは何だろうと考えました。

原発を扱う作品はタブー視扱い。年間200億円もの広告料を出すスポンサーである東京電力に対して広告業界や映画業界では、その東京電力を擁護する風潮があります。作り手としては納得いかないことですが、キャスティングに苦労しました。「原発」を取り扱った作品と分かると、大手の芸能事務所からはCM出演に影響が出ると懸念されて協力を拒否されました。

そんな逆風の中で、西山愛子役を快諾してくれたのは夏樹陽子さん、彼女は『被災地のために何か役立つことがしたい』と趣旨に賛同してくれて、2012年にやっと撮影にはいることができ、いわき市でのロケハンを経て2年間かけて完成し、やっと上映できることになりました。

生々しく訴えてくるドキュメンタリー映画に比べフィクション映画の訴えは弱いと思います。しかしフィクション映画にはドキュメンタリー映画と異なる訴え方ができると思います。

福島原発爆発と放射能汚染問題に怒っていない人はいないと思います。いわき市の試写上映会後、観客の方が『私たちの思っていることをよくぞ言ってくれた』と握手を求めてきました」と語った。

       

脚本を手がけた井上淳一さんは

「大島渚監督の第一作作品『鳩を売る少年』は会社から『愛と希望の街』と改題され不満を持ったが、『それならば、愛がないこと希望がないことを徹底的に表現しようと思って』作ったそうです。その当時に比べ愛も希望もかなり曖昧になってしまっている現代を表現するという気持ちをこめて、平仮名で『あいときぼうのまち』というタイトルをこの映画につけました。

80%の人が原発に反対しているのに原発を再稼働しようしたり『結局、金目だろう』と嘯いている政治家たちの言動を許すわけにはいきません。憲法改悪しようしたり解釈改憲することを平気で言葉にする国会議員には怒りを感じます。

映画やTVドラマで『東京電力』という言葉を使うことが規制され自粛されています。『関東電力』などという架空の言葉が使われています。映画『あいときぼうのまち』では、『東京電力』『東電』という言葉をはっきり言っています。 『表現の自由、検閲の禁止』を謳っている日本国憲法21条に従っています」

と熱い思いを語った。

映画『あいときぼうのまち』は「福島に生きる、東電に翻弄された四世代の家族を通して、70年間に亘る日本の歩みを描いた人間ドラマ。

福島県石川町ではウラン採掘が行われている1945年、 福島県双葉郡では原発建設反対運動が潰された1966年、 福島県南相馬市で暮らす家族に津波と原発事故が押し寄せた2011年、 そして震災後の2012年の東京に生きる人々が交差して描かれていく。

そのたびに象徴として映し出される看板「原子力 明るい未来のエネルギー」の標語を背景に、物語は展開していく。 原発事故と放射能汚染をすっかり忘れた様子の東京で出会う、原発事故避難少女と寄付金詐欺青年。渋谷ハチ公前スクランブル交差点と復興しない故郷。時代時代に真面目に抵抗した人が次々と自殺していくのは何故なのか。

曖昧な「愛とあい」「希望ときぼう」の中で、鬱状態から自分は脱することはできるのか。 私たちの未来は明るいのだろうか。私たちは未来の人たちから感謝される生き方を今しているのだろうか。この映画はそんな質問を投げかけてくる。

心ある広告業界と映画業界しか取り扱わない映画『あいときぼうのまち』はまずは見るべき。この映画の広告を出すメディアは信用できる。

映画『あいときぼうのまち』は、6月21日からテアトル新宿・テアトル梅田・シネマスコーレで怒りのロードショー

・映画『あいときぼうのまち』予告編 https://www.youtube.com/watch?v=Duw9Gw40fs8

・映画『あいときぼうのまち』公式サイト http://www.u-picc.com/aitokibou/  


Created by staff01. Last modified on 2014-06-20 20:15:39 Copyright: Default

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