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99回目の官邸前行動〜「あきらめない」たたかい続く

               木下昌明

動画(6分)

 官邸前抗議行動は、今回で99回になるという。ゴールデンウィークの5月2日の金曜日は100回めになる。あきらめやすい性格の日本人といわれながら、延々と抗議活動をしてきた。これは世界でも希有なことといえないか。

 けさ(4/26)の『東京新聞』の一面での「金曜日の声」欄で「すべての原発が止まっているのは、この行動の一つの成果と思いたい。国も再稼働に向けて必死だから、こちらもあきらめては終わりだ」という54歳の女性の訴えがのっていた。この声は、ここで抗議する人々の訴えを集約していた。今回のフリースピーチでもオバマも安倍も一緒だと批判するなかで、人々は異口同音に「あきらめないこと」を訴えていた。

 このフリースピーチ運動は、ベトナム戦争の時代に戦争に反対するカリフォルニア大学バークレー校の学生たちがはじめた運動だった。かれらは大学の広場に侵入してきたパトカーを止め、その屋根に一人ひとりのぼってスピーチする。権力機関のシンボルともいうべきパトカーを踏み台代わりにする。しかし土足ではなく、ちゃんと靴を脱いでのぼる。これが重要なのだ。非暴力運動に欠かせないモラルといえよう。その上で一人ひとりが声を上げることによって、政治の非道を徹底的に批判する。自分が何を考え、何を訴えたいかを明らかにする。自分の言葉をもつことの大切さ。

 99回を迎えた日本の官邸前フリースピーチの中にもこの精神が活きていると、私は感じた。


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