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LNJ Logo 報告 : 草の根ファシズムの台頭の中で「君が代」強制を考える
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草の根ファシズム台頭のなかで「君が代強制」を考える

愛国に走る若者たちと「君が代」不起立を続ける教員の田中聡史さん。対極に立つ両者の分かれ道はどこにあったのか。3月15日都内で、田中さんとジャーナリスト安田浩一さんの対談があった。コーディネーターはレイバーネットの松原明さん。主催は「河原井さん根津さんらの『君が代』解雇をさせない会」で、参加者は幅広く55名が集まった。会場は終始熱気に包まれた。

安田さん(写真下)は、今右傾化しているのは、若者たちだけではない。大人や、社会生活に不満のない層も、まさにわたしたちの隣人が叫びだしている。こうした草の根ファシズムに呼応するように、マスメディアや行政が上からのファシズムを組織していると語った。

田中さん(写真下)は、自分は在特会の中心メンバーと同世代(40代)。自分と同じように被差別部落や在日問題を経験した人々が、レイシズムの走っているのを知って衝撃を受けた。自分と彼らの分かれ道はどこにあったのか。1989年のXデー(天皇の死)をきっかけに、天皇の戦争責任や侵略戦争の加害責任を問う本を読んだ。本の影響や社会問題への関心が分かれ道につながっている気がすると話した。

戦後民主主義へのバックラッシュとして出てきた在特会などは、「人権より大切なものがある」というようなシンプルで力強いことばを駆使すると安田さん。スローガンにたよる従来の運動ではたちうちできない。わたしたちは、かれらに届くことばを見つけ出し、対抗言論を作りだす必要があると強調した。

安田さんは、田中さんの闘いが、田中さん個人対学校・東京都になっているように見える。新大久保の嫌韓デモをカウンター運動が阻止したように、「君が代強制」を社会問題化し、多くの人が参加して社会がこれを許さない構図を作りだしてほしいと注文した。

「『君が代』が流れている間、すわっているのは苦痛ではないですか?」と安田さん。田中さんは「不本意に起っていた時期があるので、座るのはむしろすがすがしかった。強制されず、やりたいことをやっているから」と。安田さんは最後に、「しなやかにしたたかに闘ってほしい。社会に届くことばを見つけてほしい」とエールを送った。

3月19日は、田中さんの卒業式だ。「解雇させない会」では、朝7時半から10時くらいまで板橋特別支援学校の門前で支援行動をする。

当日は、公募した「君が代」川柳の発表と講評が乱鬼龍さんからあった。優秀作は以下の3点。

誰のため 口パク探す えらい人  オオヨシキリ

君が代と ブラック企業は お友達  可不可

「国歌斉唱」 走り回るや 副校長  根津公子
                               (報告=佐々木有美)


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