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LNJ Logo 平和・協同ジャーナリスト基金賞:熱いスピーチが続いた
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レイバーネットTVは、今年の平和・協同ジャーナリスト基金賞の奨励賞に選ばれ、14日に授賞式があった。

代表で賞状と盾を受け取ったキャスターの松元ちえさん(写真上)は、受賞スピーチで、ジャーナリストのあこがれの賞をいただけたことの感謝と、今後インターネットなど私たちのようなインディーズメディア(小規模メディア)の重要性を語った。また、対局にあるマスメディアと対立するのではなく、お互いに補完し合っていくことの大事さを強調した。また低予算での工夫、技術の提供、手作り感満載の番組作りのおもしろさにも触れ、続けていくことによって、支援者、応援者、テーマの持ち込みなど、多くの人に支えられていることに感謝した。

主催者の岩垂弘さんは、この賞をもらうと、結構世間から注目されるようになるからと何回もおっしゃってくださっていたが、それも今後の私たちの放送の内容次第だと思う。しっかりといいものを送り続けたいと、改めて思った。

今年の推薦作品は74点と、例年の50〜60点を大きく上回っていたということだった。映像部門は35点。その中のからレイバーネットTVと長崎放送の『静かな声』の2点が奨励賞をうけた。「政治や経済など様々な面で空気が変わろうとし、前途多難が予想される時代に求められるであろう映像表現を予感させたもの」としての選定であった。

『静かな声』は、被曝体験の語り部をしてきた80歳を超える松添博さんに寄り添ったドキュメンタリー。松添さんが咽頭がんで声を失い、失意の中にいる時から病床に通い始め、語り部を続けたいと人工咽頭を使っての発声練習に取り込む様を記録し、68年前の被爆を現代につなげている見事さが受賞対象になった。ディレクターの岩本彩さん(写真上)は松添さんの孫世代である。彼女は街頭インタビューで原爆のことに関心のない若者たちに驚きながらも、どちらかというと、自分もそれに近かったと述べたのが印象的だった。

ほかの受賞作品、沖縄タイムズの企画記事『基地で働く』は、米軍の占領時代に基地で働いていた人たちがそこで何をしていたかというに光を当てたもの。当時働いていた人は既に高齢になり今記録しないと、消えてしまうという危機感から、一人ひとり聞ながら記事にしていった。そのうちに自ら名乗り出る人も現れ、139回、1年3ヵ月に及ぶ連載になったという。中には昨日までお話しますと言っていた方が、当日に断わられる。その理由が「息子がいま基地で働いているから……」と未だに現在進行形の葛藤の中に生きている現実に気づいたとか。また辞めてから仲間7人で保育園を始めた女性たちは、ベトナム戦争で命を奪うことに協力していた償いとして、命を育むことをしているという話しなど、胸につまされるものがあった。

授賞式でのスピーチは、どなたからも熱い思いが伝わってきて、近頃忘れていた感情、「人間っていいなぁ」を思い起こさせてくれた。

スピーチをした9人のうち、4人までが若い女性だったことは嬉しかったし、変化の兆しを感じた。

受賞8点は次の通り。

◆基金賞=大賞 

東京新聞憲法取材班『憲法に関する一連企画』

◆奨励賞 

朝日新聞『原発と裁判官 なぜ司法は「メルトダウン」を許したのか』

沖縄タイムス『基地で働く 軍作業員の戦後』

長崎放送『静かな声』

共同通信『人はなぜ人を殺したのか』(ポルポトの生き残りの証言)

フォトジャーナリスト山本宗補さんの写真集『戦後はまだ…刻まれた加害と被害』

労働者と市民のためのメディア「レイバーネットTV」

◆特別賞・持続する志賞

熊本日日新聞「水俣病は終わっていない」        (報告 笠原眞弓)


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