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LNJ Logo 「裁判所前の男・大高正二」の最終意見陳述〜私は無罪、裁判所は犯罪組織である
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「裁判所前の男」こと大高正二さんの「公務執行妨害・傷害」事件の東京高裁・控訴審判決が、12月20日に迫っている。裁判所にとって目の上のたんこぶだった大高正二さんは、微罪事件(しかも裁判所の強制排除が原因)を仕立てられて起訴され、すでに1年以上東京拘置所に勾留されている。これは、国家権力に逆らうものへの「見せしめ」だった。裁判は、地裁・高裁ともボディチェック付きの429号警備法廷で行われ、強制退廷連発の「暗黒裁判」だった。大高さんはそれにひるむことなく、裁判でも果敢に異議を申し立て、9月25日の結審では、以下の最終陳述書を発表した。それは、裁判のおかしさを知り尽くしている大高さんならではの「裁判痛烈批判書」でもある。腐りきってしまった裁判所。いったい裁かれるべきものはどちらなのだろうか。なお、判決公判は12月20日(金)13.30東京高裁429号法廷。(M)

*写真=2010年8月10日。この日もいつもと同じように裁判所前で裁判所批判のアピール行動をしていた。このあとある裁判の傍聴で中に入った大高さんは、ケータイ電話を所持していることを理由に10数人の警備員・職員に強制的に排除された。このとき大高さんはケガをし、救急車を呼んでいる(診断書もあり)。大高さんはこの件で丸の内署に裁判所の暴力を訴えた。しかし、丸の内署はそれを取りあげるどころか、逆にその3ヶ月後の11月。大高さんのほうが突然、丸の内署に逮捕されてしまった。理由は、8月10日強制退去のあと大高さんが南門で守衛の頭を殴ったという理由だった。殴られたKさんは、最初は「こぶができた」と言っていたが、三田病院の診察結果などからこぶがなかったことが判明している。

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私は無罪です

大高正二・最終陳述書 2013年9月25日

東京高等裁判所第12刑事部御中
         東京拘置所内 被告人 大高正二

1.本件は捏造事件です

イ.私は無罪

私は被害者と名乗るS氏を殴っていません。従って、傷害を負わせていません。本件は東京高等裁判所事務局長の岡健太郎が事件を捏造し、私を犯人に仕立て上げたものです。捏造事件である為に証拠が何一つありません。公正な判決を求めます。

裁判所職員3人を目撃証人にして、「私が暴行を働いた」としています。しかし、その証言の全てが偽証です。その証明は一審最終弁論書、同被告人最終意見陳述書、控訴理由書で詳述しています。それらを参照すると一審判決がでたらめ判決であることがすぐに判明します。

ロ.裁判所職員の証言は証拠能力がない

目撃証言は全員裁判所の職員です。事件を告発した東京裁判所に所属しています。すなわち、東京高等裁判所の意向に従う者達であるから、その証言は証拠能力がありません。

ハ.目撃証言は偽証ばかり

偽証の主なものの一つは、「直径5センチメートル、膨らみ5ミリメートルのコブが出来た」とS氏と3人の証人は証言しました。しかし、この4人は事前に行なわれた警察での調書において、全員がコブの存在を話していません。コブは被害の大小を表す為には重要な要素であるにも拘わらず、「聴かれなかったから話さなかった」と子供の様な証言を証人尋問でしています。しかも、S氏が殴られて2時間後に診察に行った港区三田の三田病院では、視診、触診、CTスキャン、レントゲン撮影の結果、「コブは無かった」と診断されています。従って、治療も薬の処方もされていません。この事は三田病院武藤医師の証言とカルテで証明されています。露木医師の証人尋問と意見書でも「コブが消える為には数日を要する。数時間で消える事はない」としています。これらの事からコブは当初から存在しなかった事が証明されています。従って、容疑とされている暴行傷害の事実はなかったのです。目撃証人の証言は偽証だったのです。

ニ.職員は公務中に犯罪を働いていた

次に公務執行妨害について陳述します。起訴状に依ると「構外退去命令を執行中に起きた事件である」としています。構内監視カメラの映像に多数の職員に依って手と頭を抑え付けられ、更に、足までも持ち上げられた私が構外退去させられている事が写っています。東京高等裁判所の主張でも、有形力を使っての執行であることを認めています。しかし、個人の持物ではない「国民の全てが利用する、国民の共有施設である裁判所」において、有形力を使って利用者を構外退去させる事は法律で禁止されています。この事は一審において2人の法律学者の意見書で、更に二審において法律学者の証人尋問で証明されています。すなわち、裁判所の職員が執務中に有形力を使った行為は暴力そのものです。暴力は犯罪です。公務とする事は出来ません。従って、公務執行妨害容疑は成立しません。

ただし、犯人が逃亡しようとしたり、暴れて他の者に危害を与える危険がある場合は取り押さえる程度の最小限の有形力の行使は最高裁の判例で認められています。監視カメラの影像は傍聴者には公開されていません。その理由は示されていません。この影像には、私の逃亡、暴行の気配はありません。

ホ.裁判所は犯罪組織である

 本件は私が一審の時から主張してきた様に控訴棄却されなければなりません。しかし、東京高等裁判所が捏造した事件である為に、控訴を棄却する事に依って、“事件の捏造という”裁判所の犯罪が発覚してしまいます。法律を守る役目の裁判所が組織的に犯罪を働いている事実が暴露されると司法制度は大崩壊します。その為、裁判官は弁護人が真実を見極める為に行う必要な要求を検察官と共謀して棄却し続けたのです。その様子は公判調書を参照すると判明します。

 インターネットの http://www.ootakasyouji.com/に本件の裁判資料が全部掲載されています。裁判所の犯罪は絶対に許さない。

2.裁判は「憲法と法律を守る」事で成立する

 本件、控訴審が無効であると思われる点を陳述します。裁判は「憲法と法律を守る」事で成立します。しかるに当控訴審はでたらめが多過ぎます。その主なものをいくつか陳述します。

イ.被告人の発言禁止は憲法違反

控訴審において被告人は法廷での発言を禁止されました。「刑事訴訟法388条を適用したものである」と裁判長井上弘通が裁判所見解として第3回公判で示しました。見解は公判調書に記述されています。

ロ.憲法は法律より優先する

“法廷で被告人が発言出来ない”とすると、被告人は傍聴者と同じ立場になり、“裁判を受けている”事になりません。憲法37条には「すべての刑事事件においては、被告人は公平な裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利を有する」と定められています。すなわち、憲法37条と刑事訴訟法388条は全く逆の定めになっています。憲法と法律の定めるところが逆の場合は憲法が優先されなければなりません。すなわち裁判長井上弘通は憲法違反の訴訟指揮をしたのです。

ハ.最高裁の見解が必要

さらに、井上弘通裁判長は第3回公判調書に記述されている様に東京高裁の見解であって、最高裁の見解と共通であるとは言っていません。憲法は全国に及ぶものでありますので、憲法に関わる問題を東京高裁という一地域の裁判所の見解では殆ど用を足しません。東京高裁の見解が最高裁の見解と同じであることを証明しなければなりません。しかし、その証明がなされていません。法律は憲法に詳しくない国会議員が作る為か、実際には使われていない法律が多数あります。私の弁護人の4人は388条を知っていますが、適用された裁判を受けた事があるとは言っていません。「問題のある法律であるから、使われていない」と話しています。私は約2年半前に東京高裁で刑事裁判を経験しています。その時の裁判長は山崎学です。この時の裁判では388条は適用されていません。私は山崎学裁判長と通常の会話をしました。同じ刑事事件の控訴審であるにも拘わらず、適用される場合とされない場合があると言うことは問題がある法律だからです。

井上弘通君はどんな事をしてでも私を有罪にしろと命令されてますか?

3.傍聴人の手荷物一時預りは憲法違反

429号法廷では、傍聴人に対して、手荷物を法廷に持ち込ませず、法廷入口で裁判所に預けさせています。この措置は霞ヶ関裁判所の中では、この法廷だけで行われています。特別のものです。“預ける”と言う行為は任意なものです。預けたくなければ預けなくても良いものです。しかし、「手荷物を預けなければ傍聴させない」としていますから、預りではなく“強制”と言う事です。“強制”であれば、“押収”と言う言葉を使わなければなりません。重要な手荷物を持参している人は預ける事が出来ず、傍聴を諦めています。物品を押収する場合には、憲法35条に「押収する“場所”“物品”を明示した令状がなければ出来ない」とされています。すなわち、429号法廷で行われている“傍聴人の手荷物の一時預り”は憲法35条違反です。

イ.手荷物の一時預りは“でたらめ裁判隠し”

一時預りの目的は、録音、録画機を法廷内に持ち込ませない為の措置です。ポケットにある録音、録画機も金属探知で検査されて取り上げられます。録音、録画されたものが世の中に公開された場合はでたらめ裁判の実体(実態?)が世の中に暴露され、司法の信頼を失います。それだから裁判所は法廷で録音、録画される事を非常に怖れているのです。被告人の私は裁判の全てを公開する事を強く望んでいます。遠慮なく録音、録画をして欲しいと望んでいます。被告人が望んでいるのに裁判所が禁止するのは裁判所の都合で禁止しているのに過ぎません。すなわち、でたらめ裁判隠しの為です。裁判は公開が原則です。いつのまに、録音、録画を禁止したのですか?

3.不当な退廷命令を連発する“429号法廷”

イ.傍聴人の騒乱は“でたらめ裁判”の証拠

429号法廷では頻繁に傍聴人が退廷させられています。「聞こえません」「大きな声で言って下さい」と一言発言しただけで退廷させられています。女性がハンカチーフを頭に巻いて傍聴していたら退廷、傍聴者同志(同士?)が小声で会話していても退廷です。席を移動しても退廷と脅されます。裁判当事者の発言に賛同して拍手すると退廷。当事者の奇妙な発言に笑ったら退廷です。この程度の事が「法廷の秩序を乱した」とする退廷理由になるのでしょうか?

裁判官が不公平、不公正な訴訟指揮をしたと思われる時は大きなブーイングが起きます。その時は退廷させないで、裁判所は常日頃から「国民に分かり易い裁判を心掛けている」と発言しているのですから、穏やかに傍聴者に説明すべきではありませんか?私は毎日の様に裁判所に来ていますが、一度もそんな場面を見た事がありません。裁判所は言っている事とやっている事は逆ばかりです。私は裁判官が公平、公正な裁判を行っている限り、法廷が騒乱する事がないと確信しています。

ロ.退去命令はでたらめ裁判の証拠

私は第3回公判と第4回公判において、私が挙手をして「発言」と2回言っただけで退去させられました。傍聴者の多くが驚きの声をあげました。傍聴者は35〜6人いました。満席です。公判調書には「不規則発言した」と記述されていますが、事実は「発言」と2回言っただけです。でたらめ判決をする為には被告人が邪魔なのです。

5.陳述書、申立書、意見書は必ず法廷で読むべき

裁判所の法廷は真実を見極める為の場所です。しかし、現在の法廷は、“書面の授受”と次回公判日の決定の場とされています。この状態では傍聴人が裁判の内容を知る事が出来ません。裁判の争点が何なのか理解出来ません。これでは「裁判は公開の原則」の趣旨が半減してしまいます。書面を授受する事も良いですが、それらは必ず法廷で読み上げる事が必要です。読まれた事を聞き、裁判の争点を知り、判決の妥当性を判断出来ます。書面を法廷で読み上げないやり方はでたらめ判決の温床になります。書面は出来るだけ法廷で読み上げる事。少なくとも、陳述書、申立書、意見書は必ず法廷で読み上げるべきです。ここでも「国民に分かり難い裁判」が行われています。

6.全ての弁護士は奮起するべき

本件裁判は“東京高等裁判所が捏造した”ありもしない事件であるから、被告人は完全無罪の判決が出されなければなりません。しかし、前述した様に“でたらめ裁判”が行われたものであるから予断は許されません。私の弁護団は良く健闘してくれました。にも拘わらず、真実を見極める為の必要な要求は裁判官と検察官に依って受け入れて貰えず跳ね返されてしまいました。裁判官は中立の立場ではありませんでした。これでは裁判とは言えません。弁護団の皆さんは「極めて強く無力感に浸っているのではないか」と私は想像しています。

国民は高額な弁護士料を払っても、正当な勝訴を得られない事を知り、弁護士を頼まない、いわゆる本人訴訟で裁判を争っています。「裁判の7割近くが本人訴訟で争われている」と新聞で報道されています。又、新しく弁護士資格を取得した2000人のうち400人が失業しているとも報道されています。弁護士の営業環境は厳しいものがあります。“健全な司法を構築する”事に依って、営業環境を好転させる事が出来ます。すべての弁護人に更なる奮起を促します。

7.最終意見陳述は弁護人が代読する

私は法廷での発言を禁止されています。その為、控訴理由書の時と同様に弁護人に依って最終意見陳述書を法廷で代読します。                                 以上

*一部名前の部分をイニシャルに代えてあります


Created by staff01. Last modified on 2013-12-16 14:40:14 Copyright: Default

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