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LNJ Logo テキスト版完成、ご活用を〜レイバーネットTV第24号放送「被ばく労働で死にたくない!」
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以下は、2011年12月15日に放送された「レイバーネットTV」第24号の全テキストです。作成はちおさん、写真は杭迫隆太さんです。
ぜひご活用ください。なお、アーカイブは http://www.ustream.tv/recorded/19157058 でご覧いただけます。

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キャスター右:土屋 トカチさん キャスター左:松元 ちえさん

松元:こんばんは(笑)。労働者の、労働者による、労働者のためのメディア、レイバーネットTVの時間がやってまいりました。キャスターの松元ちえです。

土屋:同じく土屋トカチです。今日も1時間半、ギッシリ詰まった内容でお送りいたします。今日は無事始まってよかったですね。

松元:そうだ。(笑)前回すごかったですもんね。

土屋:今日の特集は、「被曝労働で死にたくない!」。30年前ほど前に原発で労働組合を立ち上げた、斉藤征二さんにおこしいただいております。20時20分頃、何もなければね、(笑)20時20分頃からお送りする予定ですので、お楽しみ、というところです。

松元:大丈夫です。

土屋:ところでワンポイント英会話ですけども。今年まあ最後ですけどもね、色んな言葉を思い出したんですけども、「よいお年を」とかね、何か。

松元:「絆」とかね(笑)。

土屋:色々候補があったんですけど、結局あんまり面白くないな、ということになってですね。(笑)で何でしたっけ?下請け労働、今日斉藤征二さん来られてますので、下請け労働というのは英語で何て言うのかな?と。

松元:はい。下請けの会社は、「Subcontractor」。

土屋:でも実質は?実質的には奴隷のような仕事させられてるわけですからね。この後色々お話聞くわけですけど。奴隷労働だったら何て?

松元:奴隷は「Slave」。労働は「Labor」。「Slave labor」。

会場:Slave labornet。(笑)

松元:確かにー。皆ボランティアでやってるし。(笑)

土屋:まあ別にそこまで言わなくてもいいけどね。まあでもそれくらい過酷な労働だ、ってことをちょっと覚えておくとね、便利かもしれません。残業で帰れない時はね、「俺達は今日はSlave laborだ」という感じで使うと、話が盛り上がるか盛り下がるかわかりませんけどね、そういう感じで使っていただければと思います。

松元:はい。今晩のレイバーネットTVは、神楽坂の第二スタジオ、スキャットセミナールームから放送しています。今日は今年最後の回ですので、たくさんの方がスタジオにお集まりでーす。(拍手)

松元:スタジオの外からでも、ツイッターなどでご意見や質問などお寄せください。ハッシュタグは#labornettvです。まずは、今月のニュースダイジェストを。尾澤さん、お願いします。


【ニュースダイジェスト】

担当:尾澤 邦子さん

こんばんは、
JAL不当解雇撤回裁判は、パイロット原告裁判が12月19日、客室乗務員原告裁判が21日に結審を迎え、来春にも判決が出される見通しです。
<映像:12月6日 JAL不当解雇撤回総決起集会の様子、国民共闘ニュースより>
12月6日、東京・池袋で、JAL不当解雇撤回総決起集会が開催され、652人が参加しました。JAL整理解雇を争う裁判も大詰めを迎え、支援の輪を一層広げようという集いでした。集会で一番好評だったのは、原告によるJAL職場を再現した寸劇でした。「安全より、売上げ・もうけ」を部下に強制する上司の姿は、JR民営化のやり方と全く同じ。ベテラン労働者が排除され、労働の質が低下し、空の安全が危なくなっていることがビビッドに伝わってきました。
12月8日、JAL不当解雇撤回国民共闘と原告は、東京地裁に「公正な判決を求める署名」を提出しました。提出した署名は12月7日までに集約された第1次分、35,000筆。署名提出に先立ち、原告、国民共闘の要請団、支援者は、地裁前でマイク宣伝とビラの配布を行いました。

次のニュースです。
郵政の非正規労働者、5人の被解雇者が裁判に立ち上がりました。
<映像:座りこみの様子、記者会見の模様など>
9月末、65才以上の郵政期間雇用社員が一斉に「雇い止め」解雇されました。その数は全国で1万4000人。これに対して、12月9日、首都圏の5人の被解雇者が立ち上がりました。解雇の無効と、有期雇用社員に対して定年制を設けた就業規則そのものが反社会的であり無効であるとして、東京地裁に提訴しました。
提訴後、記者会見が開かれ、それぞれの思いが訴えられました。民営化以前から長年働いてきた方もいれば、65才を越えてから職場に採用された方もいます。ベテラン社員を大量に欠いた職場は今大混乱しています。募集しても人が集まらない、採用されても携帯端末の処理や煩雑な仕事の段取り、何よりも長時間・過密労働に耐えられなくてひと月そこらで辞めていく人も少なくありません。
赤字を理由とした一方的なリストラは許せません。郵政ユニオンは、原告団を支援していくことを表明しています。

次は、労働者派遣法についてのニュースです。
同一労働でありながら低賃金で、最終的にはゴミのように捨てられる、そんな言葉が派遣労働者から次々と出たのは、12月7日昼、衆議院議員会館で行われた「派遣法改正案の骨抜きを許さない緊急集会」でした。
<映像:12月7日の緊急集会、抗議行動>
多くの派遣労働者が仕事も家も失い、日比谷公園に集まった2008年末よりも事態はさらに深刻化しています。現在、国内の非正規労働者率は40%近くになっています。なのに、さらに労働者の使い捨てを許すような修正案が国会に提出されたのです。付帯決議案には、登録型派遣の禁止や製造業への派遣を禁止する規定が削除され、偽装請負という違法行為が発覚したときには、直接雇用とみなす制度は法施行から3年後に施行するとされています。
全労協、全労連、派遣切り裁判当事者、首都圏青年ユニオン、働く女性の全国センターなど「労働者派遣法の抜本改正をめざす共同行動」は、国会前での座り込み、抗議行動を行いました。12月7日夜、派遣法の大幅修正案は衆議院厚生労働委員会だけの可決で、とりあえず継続審議になりました。働く女性の全国センターでは、来年の通常国会に向け、労働現場の声を届けよう、働く者に我慢を強いる派遣法「改正案」の大幅修正案撤回を求めるFAXを国会議員に送ろうと呼びかけています。
( http://www.labornetjp.org/news/2011/1323215495485staff01 )


次は、東京・荒川河川敷で起きている、野宿者排除の動きについてのニュースです。
<映像:荒川河川敷(墨田区堀切橋下流)、日比谷公園〜12月2日の国交省デモ>
墨田区の荒川河川敷では、約50名の野宿者が、小屋・テントを建てて生活していました。国土交通省は、この地域で暮らす人たちに対して、今年8月、「工事をするので、9月末までに退去せよ」と、工事の具体的な内容の説明もせず、一方的に警告。草刈りや木の伐採を開始しました。以降、小屋のまわりを重機やトラックが走り回る、たいへん危険な状態になっているうえ、持ち主が数日間留守にしただけの小屋が次々とつぶされています。さらに10月末からは、まだ人が住んでいる場所を含む、河川敷の全周囲がフェンスで封鎖され、立ち入り禁止区域とされてしまいました。このような中で、野宿者は半分以下の約20名にまで減ってしまいました。
ここで暮らす野宿者たちの多くは、若いころから山谷などの寄せ場で日雇い労働者として働いてきました。建設業界が縮小し、寄せ場の仕事が激減するなかで、野宿を余儀なくされ、長い人は20年以上、この荒川河川敷を生活の場としてきました。現在も残っている野宿者たちは、「追い出しを目的とした工事は許さない。一方的な立ち退き強要には屈しない」と、今月2日に霞が関でデモを行いました。厳寒期を前にして、荒川河川敷の野宿者たちの「生きるためのたたかい」は今日も続いています。

ニュースダイジェスト、お伝えいたしました。

土屋:ありがとうございます、尾澤さん。なんか、知ってるおじさんが。

尾澤:そうなんですよ。ビックリしました(笑)。とても元気そうなので。

松元:ツイッターで、「荒川河川敷、どのへんだろう?」って。

尾澤:私が前いた職場、亀梨です。亀梨に出てきてたおじさんがね、よく来てました。

土屋:お買い物に来てたの?

尾澤:そうです。お買い物に来てました。

会場:何買ってたの?

尾澤:(笑)色々。猫のえさとか。(笑)

土屋:かわいい。色々売ってんですね。育ててはるのかな?大丈夫かな?尾澤さんありがとうございました。続きましては、ジョニーHさん、乱鬼龍さんの【不満★自慢】のコーナーです。


【不満★自慢】

右:ジョニーHさん
左:乱 鬼龍さん


誰にだって不満はあるさ 特に仕事をしていれば
その不満 とんでもない 労働問題かもしれないぜ


ジョニー:不満自慢コーナーがやってまいりました。お相手は私ジョニーHと。

乱:川柳界の若手、乱鬼龍です。(拍手)

ジョニー:事前に菅野在さんがまた登場してくれることだったんですけども、今年末でですね、今まさに団交をやってる最中で、一時金に関することをやってくるということで、今日残念ながら出られません、ということで、またいつか在さん来てね(笑)。で、さっきの尾澤さんの河川敷の問題とかあったんだけど、あそこは野宿者の問題もありまして、レイバーフェスタでですね、えぐれ笹島さん。これは笹島地区という、愛知県のほうのそういう場所でやってらっしゃるんですけども、それに関するブログがあったんで、ちょっと読みたいと思います。
「レイバーフェスタ11はえぐれ笹島お姉さんのライブで全体が盛り上がった!さすがお笑い芸人だ!歌も話しも笑える話でした。もっと時間があれば良かったが、時間がなかったのが残念だ!しーでーを買って車に乗るときいつも聞いています。暫くはえぐれ笹島さんの歌を聞くのがマイブームです!同じウクレレだし・・みんな闘うお笑い芸人、えぐれ笹島さんの歌を聞こう!
えぐれ笹島お姉さんが来年はあなたも一緒に歌おう!私(=えぐれさん)が『ひきこもりミュージシャン』として紹介してあげると言ったのには笑えた。『ひきこもり』ではなく『人に表現しないミュージシャン』だよ、と応えました」ということで。なんか謎の方ですが(笑)。「宝の山」というブログでした。( http://blogs.yahoo.co.jp/huwawatanpopo2000/28558249.html )ちなみにこの方は、制服向上委員会のフィナーレのことも書いてくださいまして、サインももらったと。周りが知らない人だったから、テレずに歌えた、と。(笑)おじさんでも歌えたと。だからおじさんらしいですね。

松元:おじさんばっかり歌ってた。大好評でしたよ。

ジョニー:そうですか。触発されたと。で、さっきの荒川河川敷の件もありますんで、今日は、えぐれ笹島さん3曲目に「笹島アオカン野郎」という歌を歌う予定だったんですが、急にえぐれ笹島の履歴書コーナーに入っちゃいましてですね、すっかり飛んじゃって。しーでーのテーマであった「笹島アオカン野郎」という曲をやれなかったんで、急遽ここで私が【不満★自慢】コーナーでやるんですけど、せっかくやるんで、笹島ではなくて、山谷で。地区を変えて。ていうのは、さっきの話ですよ。やりたいなと思ってますが。そこで乱さんが、これに関して1句。今日は早いですけど。

乱:先ほどの河川敷の問題もあったけどね、この寒い冬を迎えて。
「厳冬を 越すぞ越さすぞ 命の灯 乱鬼龍」
「越すぞ」っていうのは自分自身が越えるぞ、ってこと。「越さすぞ」っていうのは皆の力を合わせて越えさせよう、越えよう、というような意味で。両方の意味をかけました。

土屋:いつになく真面目です。

松元:いいこと言うね。(拍手)

乱:私もね、三鷹の道路清掃、ホームレスの人たちと三多摩自由労組、あの人たちと一緒にやったことあんだけど。なかなか、やっぱり今、クビになったらすぐホームレスになるっていうのはね、ひと事じゃない世の中だから。こういうことをきちんとやれぬ世の中なり闘いなりではいけないと。労働組合は何やってるんだってことも含めて。こういう一句を作りました。

会場:乱さん、最後の3番目は「テント村」にしたらどうでしょうか?(笑)

乱:んん?ああそれで、経産省前のテント、私も殆ど泊まってるんですけど、「霞ヶ関ホテル」だっつってんだけど。(笑)そこから仕事に通ってんだけどよ。今日も泊まりに行くんだ。

松元:(笑)いいね。ドヤだな。

乱:だけど、先日もまた右翼が来たりなんかして、やはりこれも越すか越さないか。非常に微妙なところにおりますので、何とか頑張って。今福島の女性たちを中心に「とつきとおか」の座り込みをやるっつってやってますんで。正月も餅つき大会やったりなんかしてとか。クリスマスはクリスマスでやるって言ってますので。じゃあよろしくお願いしまーす。

ジョニー:じゃあ、「銀座カンカン娘」。これは高峰秀子さんの。

松元:ふっる〜(笑)。

ジョニー:それの替え歌を笹島さんが「笹島アオカン野郎」と替え歌にしたのを、ジョニーHが「山谷のアオカン野郎」にして、オリジナルに近い状態でやりたいと思います。

「山谷アオカン野郎」 編曲ジョニーH

おいら悲しきアオカン暮らし コンクリートに段ボール敷いて
話し相手は夜空の星よ 仕事探して山谷に通い
これが山谷のアオカン野郎

雨に降られてアオカン暮らし ビニルテントで雨音聴いて
夏の暑さはがまんもするけど 冬の寒さと冷たい雨には
涙ポロリのアオカン野郎

仕事にあぶれてアオカン暮らし アルミ缶や銀杏拾い
コンビニ弁当や残飯集めて 生きんがための必死のやりくり
これが山谷のアオカン野郎

切ない思いのアオカン暮らし 少ない仕事と区による追い出し
少年達の心なき襲撃 耐えてはいるけど泣き寝入りはせぬ
これが山谷のアオカン野郎

都庁に向かってアオカン野郎 五輪招致に邪魔だとほざくな(そうだ!)
スカイツリーは俺らが作った できてしまえばお払い箱か
これじゃ恨みの不愉快ツリー


松元:これいいね!

ジョニー:笹島さん観てますか?こんなに変わっちゃいましたけども。ということで私、18日に福島に行ってまいります。福島のAOZEという駅前で、「ひまわり感謝祭〜共に生きる仲間コンサート〜」午後2時頃出ますので、もしお近くの人いたら、是非。AOZEで会おうぜということでございます。それからお知らせ。乱さんのほうからもう一点。

乱:年明けて、2月2日でしたよね。レイバーネットTVでですね、新春でもありますから、さる所の歌会はじめに対抗して、(笑)こちらは新春初句会をやろうと。TVの中でやっちゃおうと。NHKの「俳句王国」に負けるなって感じで。それでお題を、かなり有名な、ご存知の方もいらっしゃるでしょうけども、高鶴礼子さんにお願いしまして。出していただいた題が「牙」という題で。なかなかいい題だと思いますね。題からして。1月15日締切で、2月2日のレイバーネットTVの中でご紹介します。句会の総評も含めてね。1人3句までね。宛先は、レイバーネットのHPの川柳ページまで。( http://1000ryu.masaki-design.biz/ )あるいは、手書きの方はFAX=03-3530-8578 レイバーネットまでお寄せいただければ、こちらで選んで豪華賞品などを用意したいと思っているので。(笑)

松元:本当?(笑)楽しみにしちゃおう。

ジョニー:さる方に対抗した賞品ですよね。

山口:ウタガイはじめ、とか。(笑)

ジョニー:ウタガイ、うまい!まいったな〜。今の山口さんですよ。

乱:皆で疑おう、というね。

ジョニー:ということで、このコーナーをしめたいと思います。来年もよろしくお願いしまーす。(拍手)


ちょっとだけ教えて 小さな声でいいからさ
もしかしたらもしかしたら ひょっとしたらひょっとしたら 解決するかもしれないぜ


ジョニー:ありがとうございました〜また〜。

松元:ありがとうございました。次は、【特集 被ばく労働で死にたくない!】のコーナーです。


【特集 被ばく労働で死にたくない!】

ゲスト:元原発下請け労組委員長・斎藤征二さん

土屋:今日の特集ですけども、【被ばく労働で死にたくない!】のコーナーではですね、福井県の敦賀原発で30年前に労働組合を作られた、斉藤征二さんにおこしいただいております。本当に遠くからどうもありがとうございます。(拍手)


松元:斉藤さん遠くからどうもありがとうございます。こんばんは。ようこそいらっしゃいました。東京にはもう、4回か5回ぐらいいらしてるっていうふうにおっしゃってましたけれども。今日はどちらからいらしたんですか?

斉藤:今日は敦賀から。1時の列車に乗って、ここに4時10分に着きました。

松元:結構遠いですね、やっぱり。

会場:ありがとうございます。

斉藤:まあ3時間ぐらいですね。

松元:まあでも全国各地を回っておられるというお話だったんですけれども、敦賀原発で30年前に働いてらしたということなんdねすが。仕事は何を主にされてたんですか?

斉藤:仕事はですね、定検が始まる前ですから、まだ稼動していました。だけどその稼動してる中で、自分が何を作業したかわかりません。それは何故か。それは、中でする作業が、殆どが除染。除染除去の作業です。これは、排水、要するに蒸気漏れ、それから水漏れ、まあそういったものを、漏れたやつを、雑巾、モップ、それからウエス、そういったものでまずふきとってですね、それからモーターとかポンプとか、ていう修理にかかっていくだけです。ですからその除染作業が、非常に困難な作業なんです。非常に楽な作業で、全く何をしてるかわからない。何もついてない。ピカピカ光ってる。そこをウエス持って、雑巾みたいなの持って、放射性物質をふき取る。それがまず原発の放射線除去。これの手順だと思います。

松元:その時に、斉藤さんから提供していただいた映像があるんですけれども、その当時撮られた。

土屋:30年ほど前のね。

松元:これは確か、ニュースの報道ですよね。

斉藤:はい。

松元:あ、映画ですか。それをちょっとじゃあご覧いただきたいんですけど。当時の映像です。

土屋:若かりし頃の斉藤さんも出てきますよね。

<映像:「原発はいま」>

敦賀で、一連の事故隠しが発覚した3ヶ月後の7月1日、原発の歴史を変える大ニュースが世界中を駆け巡った。
[組合結成時記者会見]
原発で働く下請け労働者たちが、突如として、労働組合結成の名乗りを上げたのだ。世界でも初めての、下請け労働者達の決起。その名は全日本運輸一般、関西地区生コン支部、原子力発電分会である。原発には、電力会社の社員のほかにたくさんの下請け労働者たちが働いている。原発下請け労働者。これまで、誰からも顧みられず、訴える術も持たなかった彼らに、胸をはってものを言う。原発労組結成は、政府、電力会社に、大きな打撃を与えた。同時に、このニュースは、全国の原発で働く下請け労働者は勿論、様々な分野の人々を勇気づける。
斉藤征二分会長「まあ僕も、原発で15年ほど働いてきて。その中で、組合を作ったきっかけというのは、一連の事故隠し。これが大きなきっかけですけど、ただ言えることはやはり、原発の中で働く我々の労働、それはひと括りにして、我々のもらっている賃金というのは、被ばくを受けて貰っている。そしてその被ばくを受けて貰っているその労働者に、何一つ補償がないわけですね。健康保険、雇用保険…他の補償が一つもない。ましてその原発の除染作業いうのは、職人は要らないわけですね。結局まあ何もなくてもお金をくれる。ただもう親方が、とにかく強い親方ならば、大勢お金を貰える。これが原発。やっぱりこれは僕ら職人から見て、許しておくわけにはいかない。そこが大きな、労働組合を作った僕の、大きなきっかけでもあるわけです」

松元:ということなんですけど、聞きました?世界で初めて原子力発電所の分会ができた。労働組合が30年前にできた。

土屋:そこの委員長だったわけですね、斉藤さんはめ。

松元:「誰からも顧みられず」、「電力会社、政府に大きな打撃を与えた」んですよ。この動き。すごいですよね。30年前ですけど。組合を作られたきっかけというのは、事故隠しというふうに映像では言ってたんですけど、この事故隠しというのはいつの?

斉藤:これは、56年の1月の初めに、第4給水加熱器という、これ今日一つ持ってきたんですけど。これは要するに、原発の中でよく出てきます。要するに復水器という。ここの上にタービンがあって、それで、ここの中、タービンから落ちた蒸気がここの間を通って下に抜けて、そして一次器へ返っていくんです。ここの、この穴が空いてる中は、海水が通ります。こちらから海水が入って、こちらから海水が出ていく。

松元:これはパイプの中っていうことですね?

斉藤:はいそうです。パイプの中を海水が通るわけです。パイプの中は、海水が通って、蒸気がこの間を抜けていくわけです。ここはもう溶接してるわけですから、こっち側も溶接。そういう状態の中で、こちらから海水が出ていって、また海に戻るんです。そして蒸気がこちらに行って、さっき言った加熱器という、第4給水加熱器といって、5器の加熱器があるわけですけど、この水になった、100度以下になった水をまた温めて、一次器へ返す。この第4給水加熱、4番目は、下のほうにひび割れが起きて、それをまず僕らが、一番最初親方と行って、ハンマーで叩いて、そこをふさいで、その蒸気漏れを止めたわけです。そこまでは止まったんだけど、また同じそこから漏れだして、今度はひび割れが入って。そこに何を巻いたかいうと、一つは厚みが10ミリぐらい、幅10センチぐらいのゴムを、周1メートル500ぐらいある、これは10メートルぐらいありますから、この復水器、蒸気加熱器というのは。これにゴムを巻いて、その上に同じような鉄板で、10ミリぐらいの鉄板をくるくるっと巻きつけて、もう一つ上に、鉄板を今度は半割れにしたやつ、こう下から半割れにして、ボルトで2本セットして、この上のボルトには穴を空けて、今度は上からジャッキで、ボルトで鉄板を押し付けて、それで止めるという、そういう方法をとったわけです。ところがこれは電気事業法にひっかかってですね、これはボイラー関係ということで、これは原子力を止めて作業をやらなければならない。ところがそれを止めずにやったもんだから、これが大きな問題になって、結局は当時の通産大臣の田中六助さんがここに入ってこられて、そして5月から定期検査が始まるいうことだったんだけれど、突然定期検査も止まって、停止になったわけです、定期検査。それは何故か。まだまだ事故隠しというのがたくさん出てきてですね、色んな、一般排水溝から放射性物質を含んだ水が海に流れておった、コバルトが出てきた、そういうふうな状態が起こって、結局は通産省、色んな方が立ち入って、中を調査するということで、1000名から集まっておった労働者が皆もう要らないということで、結局クビを切られちゃったわけです。そこで、僕らが組合を結成したということなんです。

土屋:これ、当時の組合ニュースです。

松元:当時の組合ニュース、「原発ニュース」というんですけれども、組合結成された時の漫画ですね。「俺たちゃボロ布じゃない 全国からこだまがきこえる」という。

土屋:ここに、構図が書いてますね。これ是非見てほしい。これ前、樋口健二さんも仰ってたようなことですね。

松元:下請け労働の構図ですよね。

土屋:下に行けば行くほど、どんどんピンハネされて。

松元:結局のところ。一番大本の原電は、3万8000円から4万円支払ってるのにも関わらず、一番下の労働者には7、8000円しかこないと。

土屋:斉藤さんたちには7、8000円だったっていうことですね。当時7、8000円でしたか?

斉藤:僕は12000円貰ってました。安い人で大体7、8000円。

松元:これ、すごいですよ。「バラバラの労働者が原電と対等に話をするためには、組合を作るしかない」と言ってるんですよ。

土屋:しびれますね。

松元:で、組合を結成された時は何名ぐらい?

斉藤:市民権を得るために、200名集めろ、ということで、182名は集まったわけです。これは、集まったけれども、顔を出して、そこで組合に入りました、ということは、これはできなかったわけです。これはもう、そういうことをするとすぐクビ切られて、解雇されるわけです。そのために、さっき出てきた名和君と僕とが、2人が出て、名和君が書記長で、僕が分会長で、それでやろうということで、それで7月1日に公然化したということなんです。1981年です。

松元:1981年、30年前ですね、ちょうど。それは、182名の組合員を。これはでも、敦賀原発だけではなく、他にも?

斉藤:まあ大体敦賀原発にいとった人が多かったですけれども、他の、福島の方から来られとった人も入ってました。だけど彼らは原発ジプシーと言われとって、全国津々浦々、原発のある所をね、転々とする人たちで、なかなかそういう人たちをですね、組織するのは非常に難しいんです。それで敦賀原発で働いてる労働者を主に、毎晩、1時2時、遅いとこは。オルグ活動もしました。その時には、暴力団もおり、警察官かもわかんない人が、いっぱい後をつけてきてですね、私の家のガラスは割られるし、無言の電話もものすごくありました。そういう中で、これはもうどうしても黙っていられないと。これはもう権力と、電力独占との闘いだと。いうことをその時ね、はっきりわかったわけです。

松元:その182名の方たちは、何社ぐらいの下請けの会社の方たちですか?

斉藤:多い時はですね、元請けあり、下請けあり、孫請けあり、ひ孫請け、そして我々労働者、もう一つ下もあります。その中で、次々にピンハネされていく。そして、そういう構造にならないと、人は集まってこないんですね。一つの企業だけだったら、下請けだけだったら、人が集まらない。それが、原発というものは、今東電に見られるように、たくさんの人を集めるためには、例えば私が親方になって、3人集めて、それにもう一人、私の部下にまた誰か集めて来い、と。また人を集めてくると。そういう構造なんですね。原発なんかは、先ほど言ったように、労働力も使わないんですわ。技術が要らない。何が要るか?人が要るんですよ。これは皆が被ばくを分け合って作業するということなんです。

松元:被ばくを分け合ってね…。これ、「3月高い放射能を持った廃棄が廊下にあふれ出す。すくい出す作業に使われるのは、ちり取り、雑巾、ポリバケツ。蒸気漏れにはサランラップ」ですよ?

土屋:すごいね。

松元:(笑)これはちょっと。こんなやり方でいいのかっていう。(笑)

土屋:これが最新技術の粋を集めたっていう現場ですよ。これがね。すごいですよね。

松元:驚きますよね。

土屋:単に家で水こぼした時と同じですよね。

松元:本当。私でもできるって。「科学の粋を集めたはずの原発は、実に前近代的な雇用形態と、おそまつな(管理)で動かされているのだ。」って書いてある。

土屋:サランラップなんか、本当に使ってたんですか?

斉藤:はい。

土屋:(笑)すごいですね。

斉藤:まさしくこの通り。中には部品が100万個以上と言われてるわけですね。その中で主なのは、配管とバルブ。そしてポンプですね。他にフユータースラッジタンクといってですね、これは要するに、放射性物質を含んだ蒸気とか水とか、そういったものを除去するために、そういうタンクがあります。このタンクがとにかく、ひび割れを起こしたり、このジョイントのところが漏れたり、それの除染をする、除去する。下に溜まった廃液みたいなね、塊みたいなものを小さなスコップ持って手で取り除くという。ここはものすごく放射線量が高いです。高い所は、僕は3分ほどの作業をやりました。これは当時は、80ミリセット、0.8ミリシーベルトいうこと。これは1日。ところが、0.8ミリが2分3分で終わるわけです。それだけ線量が高い。そのためには何をするか。人海戦術。同じ作業するのに、配管1本するのにたくさんの人が後ろに並んで、防護マスクつけて、そしてじっと待機して、一人が出てきたらまたそこに入っていく。そういう作業。

松元:2分経ったらまた次の人、みたいな。

斉藤:そうそう。

土屋:交代していくわけ。

斉藤:はい。交代していくわけ。だから人がたくさん要るいうことなんです。

松元:ちょっと以前もお話してたんですけれども、斉藤さんは30年前はそういうことが起こってたんだけれども、今の福島の現状っていうのは、こんなもんじゃないって、もっと酷いと思う、って仰ってたんですけど。

斉藤:これはだけどね、福島というのはね、ここにね、手帳の中にあるんだけどね、

土屋:放射線管理手帳。

斉藤:管理手帳の中に。

松元:「教育歴」というのがありますねー。

斉藤:これは、除染除去という、その手順があるんです。手順と書いてるんです。除染するには、まずどうするか。

土屋:項目5番目ね。

斉藤:はい、5番です。それはまず、防護マスク、そして、防護服。これは、防護服というのは、フードがついて、そして頭からかぶって。そして全面マスクですね。これをするためには、ここにフィルターがついています。よくテレビに出ます。このフィルターというものは、ゆるめたら絶対ダメなん。ところがこれが、よく漏れるやつがあるんです。これはもう前もって、自分でこうやってここに手をあてて、息を吹きかけて、調べる。これが必要なわけ。だけどこういうことはまあ、この内容では全く言いません。ところがですね、この防護マスクもそうですけど、もう一つは、ここに手袋あります。

松元:これ(笑)、普通のビニール手袋なんですけど。(笑)

土屋:家庭でもね、なんか便所掃除する時使うみたいな。

斉藤:これを先にはいて、それからビニールテープ。

松元:これ、3重ぐらいにするんですよね、一応ね。

斉藤:はい。これもう、線量の高い高線区域と、高線量区域ゆうのがあります。それのためには、これ3枚ほどはいてする。そしてここをガムテープで固縛するわけです。

松元:だけどだって、これ、別に…。

土屋:特別な素材とかじゃないですよね。

斉藤:ないですね。こういったものを使ってですね、それでまあ、被ばくを防ぐんですかね。要するに物質を、肌につけないということなんです。物質が一番怖いという。これを、今東京電力は、これは先に放射性物質いうものを除去する。それをするために、ウエスを持ったり、ボロ布を持って、それで拭き取る。取れない時にはアルコール持って拭き取る。ピカピカ光ってるポンプを拭き取るわけです。だけど、それを水で洗い流したんでは、これは意味がないんです。またそこを拭かなければならない。拭き取って、ビニールの袋に入れる。だけど東京電力は、あれは何ですかあれは。拭き取るどころじゃないですよ。皆その中に突っ込んで入っていってですね。もうほんまにあれは、放射線がどのくらいあるのか。まあ僕らは見当つきません、はっきり言って。だからあの作業ゆうのは、実際行ったら、もう皆さん命をそこに、投げ出して作業やってるような。僕はそう思います。そしてあの事故が起きた時、あの免震重要棟から出て行かれた東電の社員の人たち。あの人たちは昔の特攻隊みたいですね。もうあの中に、自分の命を擲ったと、そういう覚悟で僕は行ったと思うんです。だから本当に、東京電力の中は、これは普通一般考えられる原発でする作業とは、全く違うということですこれは。これはもうどのぐらい放射線を浴びとるか、どのくらい被ばくしとるのか、それで中にどういう放射性物質があるのか。セシウムの中には、よく言われている、ストロンチウムとか、ですね。そしてそれから出てくる放射性というのは、原発でなければ作られない放射線っていうのがあるんです。これは中性子線と、よく言われているα線、これはもう他のものからは出てきません。これはもう専門家も言ってます。そういうふうにね。だからこれを吸い込むことによって、内部被ばくが起こる。そのために、フィルターをゆるめたら、この物質ゆうのはまあ、非常になんか粒子が大きいそうで、なかなかこの物質が、中に入ると止まって、β線とかx線みたいに、体を貫通しないから、体の中に全て残っていくんだと。それから放射線がぼんぼん出て、細胞をやられる。血管やられる。そして内部被ばく。色んな病気がそこで発覚するわけですね。

松元:それはやっぱり皆さん関心があるというか、心配されていることなんですけれども、今ツイッターで、「斉藤さんは体を壊されなかったですか?」作業をしておられて。

斉藤:いや、僕はもう全部壊しました。先ず目は、一つはこれは白内障ではありません。緑内障、両眼手術しています。そしてここには甲状腺、ここ切ってる。ここには2センチぐらいの血の塊ができました。これも悪性ではなかった。ほんでここの中には、体の中には、今ステントが5本入っています。これは心筋梗塞。もう3分遅かったらアウトというところまでいったわけです。だけど今まあこういう状態で、ぼつぼつやっています。だから、全てこれが原発の放射能かどうかはわかりません。私は22.6ミリシーベルト。これは6ヶ月間。半年間で、日本原電の中で放射線をこれだけ浴びとります。

松元:日本原電の中で何年ぐらい仕事されてたんですか?

斉藤:日本原電、1年です。日本原電の中では正味6ヶ月。だから日本原電の作業で全て放射線を浴びた。

松元:そうですよね。6ヶ月でね。もうリミットを超しちゃう。

斉藤:はい。それも2分3分の作業もあるしね。

松元:それ以上になっちゃうので、もう原発では働けません、っていうこと。

斉藤:ダメですね。それから先作業する予定だったけど、先ほど言ったように、中で通産省で停止ということになったもんだから、結局もうその当時は原発の作業なかったわけですね。

松元:今の福島の、原発で働かれている方たちのお話があったんですけれども、先ほども、放射線が原因かどうかわからないけど、皆さん、ここもあそこもこっちも悪くなってる、というふうに言われて、何名か除染作業をされていて、倒れた方たちもいらっしゃるんですけど。

斉藤:僕は見ましたよ。これはもう九州で見て。同じ、大きな食堂でご飯食べる時に、そこの大きな長いすの上でのたれ打って血を吐いて。あいつは、原発の放射能でいかれたんだ、と。同僚がそういうこと言ってるんですよ。あいつは白血病だ、そういうことを話してました。私達は、2号機の建設で行ってました。もう1号機は稼動していました。そして同じとこで、食堂でご飯を食べた時にそういう人を見たわけです。これはもう私はその時は、もう原発の、そういうとこは行きたくないと、行くまいと思ったんだけど、今まで建設で働いてきて、そういう補修作業は携わったことはないから、1回だけとにかく行ってみようということで、敦賀原電に入ったわけで、はい。

松元:今ツイッターで「斉藤さん、合計でどれくらいの線量被ばくしたんですか?」って話なんですけど。今、22.6ミリシーベルト。それが斉藤さんが浴びられた。

土屋:ここに手帳が。

松元:手帳に書いてあるというものですね。それ以上はもう入れなくて、仕事はされてないということなんですけれども。

斉藤:はい。

土屋:手帳に健康診断の項目があるんですけど、すごいですよね。先ほど斉藤さんのお話聞いてビックリしたんですけど。健康診断の履歴があるんですけど。

斉藤:これは健康診断の手帳なんです。

土屋:で、こっちのね、右側のお医者さんのハンコ、あるじゃないですか。これはね、全部偽装されているそうですね。

松元:「林外科医院」。

土屋:外科医院の人が、うちのハンコじゃないって証言されてるそうですね。勝手に捺されてる。

松元:えっ!?勝手に(笑)!?

斉藤:勝手に捺してる(笑)。うちのゴム印はこれです、ゆうて見せてもらいました。

松元:それ原電がやったんですか?

土屋:形が全然違うんですよ。

斉藤:これにも載ってます。そういうとこは。テレビにも載ってます。先ほどの映像にも。

土屋:でこれ、林外科が捺したハンコじゃなくて、偽装されたハンコで捺されてて、「異常なし」って。で左に、数値が何も書いてないんだよ、線だけでしょ。調べてないから書けないんですよね。で、「異常なし」って書いてんだよね(笑)。調べてないけど「異常なし」って、すごいよね。

松元:適当ですね。

土屋:人のことなんだと思ってるんだ。健康診断でも何でもないですよねこれ。こんなのは、斉藤さんだけじゃなくて、他の労働者の方も皆さんそうなんですか?

斉藤:はい。たくさんあります。

松元:でね、斉藤さんたちが組合を作られた時、なんで組合を作るのか?という話で。まあ先ほど、きっかけとして事故隠しがあって、自分達の職場の安全を守るため、っていうことだったんですけれども。ここにですね、「要求書を作ろう!皆思ってることを出してくれ!」ってこの漫画に書いてあるんですけど、ここに「勝手にクビ切るな!」「ピンハネやめろ!」「病気になった時の補償を!」「放射線量をごまかすな!」「何人も死んでるのを知ってるぞ!」こういう意見が一気に飛び出してきたってことなんですよね、これ。

会場:ということは、そうなってるっていうことなの?

斉藤:要求書は、20項目あります。

松元:はい、要求書、これ。

土屋:これが歴史的な。

松元:歴史的な、貴重な要求書です。こっちが要求書ですね。

斉藤:これは日本原電と…。

土屋:関西地区生コン支部って今でいう全日建ですよね。

斉藤:はいそうです。

松元:「不当労働行為申立書」、ですよ。すごいですね〜。で、ちゃんと答弁書があるんです。

土屋:おぁ〜、すごいすごい。答弁があったと。

松元:答弁されてるんです。

斉藤:日本原電。

松元:で、この要求書には、どういったことが書いてあるんですか?

斉藤:原電に対しての、それから元請けの、当時元請けは関電興業といって、これは関西電力の子会社です。この原電と関電興業に対してですね、要するに使用者使役。使用者は、おたくらは私たちを使ってるんじゃないか。雇用従属性があるんじゃないか。ということを追求したわけです。ところが原電はどう言ったか。「うちは施設の管理と、運転の管理しかしてない」。そういう労働者の管理はしてませんよ、と。

土屋:ああ、別の会社が、と。

斉藤:はい。それはもう元請けがみんなしとんだ、と。ほで原電は、ホールボディカウンターというね、内部検査の、これだけをやって、運転の時に立ち会う。というまあそういう程度で。ほで後は元請けですね。元請けというのは、当時はあっこは東芝・日立系統ですから、そういうプラントありました。で私たちは関西電力子会社の関電興業で働き、関電興業は元請けとして、そういう作業を自分達が私たちに与えてきたわけです。その作業でも、関電興業は直接じゃなくて、関電興業がまた下請けに渡し、その下請けがまた下請けに渡す。そしてまた私たちの親方へ渡す。そしたらそこへじゃあ誰が立ち会うのか。現場責任者がいないんですよずっと。ずっといない。ずっといると、皆さん被ばくしてもう作業できないから。だから入れ替わり立ち代わり。放射線の高いとこは、また違う人がその明くる日には行く。そういう現場の作業内容は毎日毎日変わるわけです。日々日々。線量は同じ人が一気にたくさん浴びたら、もうそれで終わりですから、低い人がそこへ行く。だから一つのものを完成するのに、色んな業者が入って、色んな人が入ってですね、作業するわけです。ポンプを一つ組み立てるにしても。だからなかなかうまいこと稼動しない。すぐに故障したり、トラブルを起こす。そういうことが絶えず。毎日もう起こってるんです。原発の中は。小さなトラブルが。それを私たちが、下請け労働者が直してる。これは私から言わすと、下請けではないんだ、と。原発の中には、今まで使った工具がたくさんあります。これは持ち出すことはできません。放射線を浴びてる、放射能がついてる。だから、最終的には何かゆうと、人を送り込んで、そして作業さす。定検にはたくさん、10倍ぐらいの人が要ります。大体200人か300人が定検になると、もう6ヶ月になると、2000人ぐらいの人が入っていく。

会場:定検ってなんですか?

斉藤:定期検査です。これは13ヶ月連続運転すると、停めなければならない。今度はもう皆、来年の3月、全てが停まるらしいんです。そうするとものすごく人が要ります。今日本原電にも、3000人ぐらいいると言われています。1号機2号機も今停まっています。若狭湾だけで3万人ぐらいいると言われていたんですが、今はまあどうなっているかはわかりません。

松元:一つ私が先ほどお聞きして、笑っちゃうな、と思ったのは、「請負じゃない」っていうことを会社側が主張する。本当は偽装請負なんですけれども。それぞれが、会社の言い訳っていうのが、事故があったものを皆がどわーっと緊急に来て、それを修理してるんだ、って言ってるんですよね。

土屋:よくわかんないよね(笑)。

斉藤:はい。これ説明するとね、稼動すると突発工事ゆうのがある。突発工事ゆうたらですね、いわゆるトラブルとか色んな、まあ事故になるかそらわかりません。それを原子力ゆうのは、停めるとものすごい損失になるわけですから、ほんまに停めなければならないやつを、さっき言ったような、ああいう事故隠しというね、事故隠しという表現で新聞に報道されたわけですけど、そういった小さなトラブルは、私たちにもわかりません。事故か故障か、そういうものは。だけど私たちは常に稼動しとる時に、中で作業やるのは、そういった作業をやるわけです。蒸気漏れ、バルブから蒸気が漏れた、配管から蒸気が漏れた、そういったものを行って修理するわけです。それはもう非常に放射線量が高いんです。それも一人でできないとこもあります。だからそういうね、そういうものをやるためには、これは請負ではないんですよ。コースでいくんです。コース。1日1人働いていくら。今さっき言ったように、元請けで出るのは4万円。それで後はピンハネしていく。コースでやって、作業が終わると、最終的にはコースで何人かかったということを原電に請求書を回す。これは、はっきり関電興業は言っています。

松元:でも、突発のトラブルがあった時に、わーっと人を呼んでるんですよ、それが口実なんですけど、それを言ってるんだったら、じゃあ原電さん、あなたの所はたくさんトラブルがあるんですね?ということになるわけなんですよ(笑)。

土屋:しょっちゅうトラブルだよね。

斉藤:その通りなんですよ。

土屋:全然安定的じゃないよね。

松元:(笑)そうなんですけどね、実際。だけどちゃんと労働者として労働者として雇っていれば、そんな矛盾した言い訳をしなくてもいいのに、そういう言い訳をずっとしていたということで。で、今、中がぐちゃぐちゃだっていうお話をされてたんですけど、福島の地震の時にも、福島原発の中で私、タービン建屋にいた方のお話を聞いてるんですけど、地震当時、天井が落っこってきたっていう話をしていて、もうガタガタなんですよね、中はもう古くて、40年前に建てられたということで。で今日これ持ってきていただいたんですが。

土屋:見慣れないものですけど、これは?

松元:中がこういう構造になっているというのを、作ってもらったもので。

斉藤:これは、私は沸騰水型では建設はしたことありませんけど、加圧水型ですね、美浜、高浜、大飯、それから今問題の玄海。これが天井に。これはテンプレートといいます。そしてこれはUラグといいます。ここがUになってる。

松元:ここがコンクリートの中に。

斉藤:これがコンクリートの中にはめこむ。はい、天井のね。原発のね、加圧水型の場合は、天井は全て鉄筋コンクリートなんです。鉄じゃありません。鉄筋コンクリートでできていて、鉄筋コンクリートの中にこれが埋め込まれているわけですこれが。そしてこのテンプレートというのが天井にたくさんくっついています。これに配管とか色んなものをぶら下げる金具をこれにくっつけて溶接していくわけです。そしてこれがロッドと言ってですね。下はパイプクランプ。これは小さなパイプですけど、こんなパイプではありません。直径30センチ40センチというようなパイプが、すごく大きいやつがこれにぶら下がって、長さも1メーター、1メーター500、長いやつがあります。そしてここへ、一つは揺れ止めというのがついています。防震器というのがついています。これは私が当時聞いたのは、震度7というふうに設定されておるというふうに聞きましたけど、今はわかりません、どうなってるのか。こういう配管が1メーターか、1メーター500くらいのとこをたくさん天井を這い回っています。そしてこの先には、大きな500キロ以上のバルブがぶら下がっています。繋がっています。このバルブというのは、先ほど、東京電力でも事故が起きました。先日美浜でも、バルブから蒸気漏れ。1トン半の蒸気。ほんで4トンからの水が漏れたというふうに言っています。このバルブが、全て大きなやつが、殆どが、電気でコントロールされる。電動で。そしてエアー弁。だから、電気が停まったら、これはもうどうしようもないんです。だから東京電力のあの事故は、間違いなしにあれは地震です!私はそう思います。

土屋:地震で壊れたと。

斉藤:はい、地震で壊れた。私は津波ではないと思います。そしてバルブが、開閉が効かなかった。手動にいったけど、配管から蒸気が噴いておるから、もうそこに行かれなかった。操作ができなかった。そういう状態になったんではないかと、私はそう思っています。これは原発の中の配管と、バルブというのは、フランジではありません。みんな溶接で繋がっています。これは何故か。フランジにパッキンを入れるとそこから漏ります。ボルトで。丁度事故が起きてすぐ、1次系と2次系の、タービン建屋と原子炉建屋、あの時朝のモーニングを観ていました。鳥越俊太郎さんが、「あそこはボルトが緩んではないか?」と、、ばーっと蒸気が出ていました。あれは1次系はステンレス、2次系は鉄のパイプだから、ここはもうフランジしかないんです。溶接することができないんです。だからここにパッキンが入っとった。あの地震で、ボルトが緩んでガタガタになった。そっから蒸気が噴いとった。私はこれは間違いないと思います。だからあの地震で、下にたくさんの色んな器機があります。その器機、配管、そんでこの配管は天井だけではありません。壁にもついています。壁にはこういうブラケットがついています。こういうやつが。このブラケットがですね。これは壁に同じようについていて、埋め込まれています。この先に、長い配管がこの上をたくさん通っています。細い配管は、2メーター間隔でこれがとんとことんとこついています。天井裏にはダクト。ダクトというのは、中の排気を。高い排気塔がありましたね。あの排気塔に入れるダクトがたくさん繋がっています。その下には電気の、コンジットといって、これはトレと言います。この中に電気の線、それからケーブルですね、それとかビニールのホース、そういったものが中に入っています。そしてこれもたくさん、もうだんごになってついています、壁に。これは皆壁の中に埋め込まれています。配管もあり、色んなものがこれに載っています。

松元:そういう、事故とか災害の時なんですけれども。私驚いたのは、福島の人たちがそういう訓練なんて受けてないよ、っていうふうに言われてたんですけど、原発の中で働く時には訓練を一応受けるっていうふうに聞いてるんですけど。

斉藤:はい。安全教育は先ほどの手帳に。約2時間ほどですね。

土屋:短いですよね(笑)。

斉藤:短いですけど。これは何かというと、防護服の着け方なんですよ。防護服をこう着けてこうしなさいと。そして、これから中で作業する時に、例えばタンクの中を除染する時にはカッパを着る。ほんでエアーラインマスクをつける。カッパをつけないと、水が服に直接付くと、中の放射性物質が染みこんで入る、ということでカッパを着ます。ビニールの。このカッパは皆廃棄です。これは全部焼却してしまいます。ですから原発の中というのは、東京電力の中は、これ果たしてあの人たちは、カッパを着て作業してるのか?何を着てるのかね?作業服の下は全て、パンツから赤服から全て、赤シャツ皆着替えるわけです。自分のものは全て穿き替えてる。ところが東電の中で、先日聞いた、パンツだけは自分のものをつけてますよ、という話を聞きましたけど、これは私は見たことありませんから、事実かどうかわかりませんけど、大変な、あの中は作業だと思います。普通人間が入ってする場所ではないと。これから私は、健康被害が相当出てくるんではないかと、そういうことを心配しています。

松元:それなんですけれども。30年前に斉藤さんはお仲間と182人、これだけの仲間を集めて、下請けで、会社も皆違ったのに、これだけの仲間を集めて組合を作ったわけじゃないですか。で、やっぱり、今の福島だけじゃないですけれども、こないだ地震があったような新潟柏崎刈羽とか、そういったところの原発で今働いている方たちが、じゃあ自分たちの職場の環境をちゃんと守って、自分たちの健康も命も守っていくには、何ができるのか?っていうことなんですが。やはりこれは労働組合を結成することっていうのは必要なんでしょうか?

斉藤:はい。そらもう、労働組合ができれば、これはそれにこしたことはないんですけど、これもうなかなか難しいと思います。皆もう、下請け孫請けひ孫請けゆうような人をですね、組織するゆうことは、やっぱり常に同じ地域にいないと、なかなかできないんです。ジプシーのように日本全国を歩く人は、なかなか組織できない。

土屋:流動的ですね、皆さん。

斉藤:はい。私たちも、まあそういう人たちを集めたものだから、なかなかまとまったことはできなかったわけですね。私たちが組合を作った時は、地域の人がたくさんいましたし、毎晩夜中の2時頃までオルグ活動をして、それで私たちが作った要求書を持って、これに入ったらどうですか?要求書に書かれたような、これを改善していきますよ、ということで、皆さんが小さな加入用紙に名前を書いて、加入してくれたわけです。

松元:この漫画にも書いてあるんですけど「夏にはキャラバン隊を組み、各地で原発労働に呼びかけた」。オルグ行動に回ったのは全国ですか?

斉藤:はい。これはね、その明くる年1982年の3月7日から、12日までだったんかね?宮城県から東京電力、中部電力、それだけのとこキャラバンしてきたわけです。下のほうには行ってません。ここで1つだけビックリしたのはですね、東京電力ですね、やはり。原発で、我々が大きなマイクをつけて、10人ほど乗って中に行ったとたん、後ろ尾行して、車入れ替わり立ち代わり。ほんで私たちが泊まるとこまで来て。そしてあの東京電力の長いゲートの前へ行った時、バーンと私たちもやりました。その時、ゲートの前へずらっと並んでいました。1メーターおきぐらいに。ピッとね、整列して。「おたくらは、東京電力の社員さんですか?」ということを訊ねました。「自衛隊です」

松元:ええーー!?

斉藤:あれを聞いたときに、やはり権力と、そういったものが一体となってやっとんだな、と、ここで初めてわかったんです。そしてまた私たちがキャラバンに行って、色んな所行って、そこに出てくるのは何か。右翼ですね。右翼がバンバン回って。そこにわけのわからない機動隊みたいなのが来て、ずーっと押し付けていくような。そういうこともありました。だから東京電力の前で、この1号ビラをざっと撒きました。皆バスの中で取ってくれました。これもう5000枚ほどが、1日でなくなるんですね。すると、入り口の守衛に皆没収なんです。

松元:そうですよね。

土屋:どこでも一緒ですけど、すごいですね。

斉藤:だから東京電力というとこはやっぱりすごいなと。権力に守られて、国家の、自衛隊みたいなのを使ってやるゆうことは、これはほんとに並々ならぬ(笑)。

土屋:自衛隊、ってなかなかないですよね。

松元:自衛隊使って防衛させるっていうのは、ちょっとどうかと思いますけどね。

斉藤:私もあの時はね、ほんまビックリしました。「自衛隊です」ゆうてパッと言われた時にはね、私たち、皆いた人たちが「ええっ!?」っていう顔してですね(笑)。

松元:ねえ。なんで自衛隊がいち企業を守ってるんだ。またツイッターでも質問があったんですけども。「斉藤さんが組合を結成する時、すごく困難じゃなかったですか?」っていう質問があったんですけれども、どうですか?

斉藤:はい。もう困難もいいとこですね。僕ら組合作ると同時に何があったか。僕と名和君の写真を、各原発の詰め所に指名手配のようにばーっと貼られました。

松元:(笑)話すべからず、みたいな。

土屋:これが分会長だ、これが書記長だ、みたいな。

斉藤:それで私の社長がすぐ電話かけてくれました。「斉藤、お前何をしたんだ?」と。そりゃやっぱりビックリするわけですよ。だけどまあ、皆さんもね、私たちがやってくれとることは、やっぱり理解してくれたわけですね。労働者は、皆さん喜ぶんですよ。私の家内もその当時、小さなおでん屋を作りました。すると、「斉藤のとこへ行くな、あっこは斉藤の嫁がしとんだ、あっこへ行くな、あっこへ行っても原発の中の話は絶対するな」。そういう拘束令とか、禁足令みたいなのがバーンと出されて。事故が起きた時もそうでした。たくさんの人が来ました、マスコミが。食堂へ何を買いに行くにしても、「絶対マスコミと話をするな、すぐ帰ってこい」そういう状態です。

松元:福島原発で働く人たちは、誓約書を書かされるらしいんですけど、「マスコミに取材を受けるな」っていうのを。

斉藤:それはもう、勿論ですね。

会場:そんな厳しい中で、180人も組織したっていうのは、どういうふうに語りかけたんですか?

斉藤:182名というのは、市民権を得るために、まず200名を組織しろ、ということを言われたわけです。そしてその中で、毎晩のようにオルグ活動もして、これ持っていって、労働者はこれを読んでいただいて、初めて、ああこれいいな、と。だけど、そこにはさっき言ったような、色んな迫害もありました。無言の電話もあり。毎晩オルグ活動の後には、何かわからない人がたくさんつけてきたり、尾行してくるわけですね。

松元:仲間に声をかけた時にはこの、「ピンハネやめろ!」とか「勝手にクビ切るな!」とか「病気になった時に補償しろ!」とか、じゃあそれを訴えていこう!っていうふうに呼びかけられたんですか?

斉藤:はい。呼びかけ、ゆうよりも、そういう要求書を作ったわけです。要求書もあります。20項目の要求書を、労働者だけではなしに、地域の、例えば事故が起きた時には補償しなさい、と。福島のように、漁業を補償しなさい、それも皆入れていきました。だからやっぱり地域の人たちも組合を作って、この映画を作った時、500人600人の人が集まってこられて、これはもう酷い、と。ものすごく皆さんから反響がありました。こういうフィルムとか映像とか、要求書を持っていくと、どうにもならない、っていうことですね。

松元:この「原発ニュース」にも書いてあるんですけど、「原発労働者の安全なくして、地域の安全はありません」というふうに書いてありますが、今敦賀のほうで、この福島の事故があってから、斉藤さんは原発に一時働いてらして、しかも原発地域に住まわれているということで、今福島の状況というのはなかなかそういう所では声を上げづらいというふうにお聞きしているんですが、原発は、やっぱりこの社会にあってはいけないものなんだ、というふうに思われておられるんですよね。

斉藤:はい。

松元:で、それを、どういうふうに声をあげていったらいいのか。今敦賀のほうではかなり脱原発の運動は盛んだとお聞きしてるんですけども。

斉藤:私は今、一番言いたいことは、原発の中は先ほど言ったように、コンクリ。東京電力のような、ああいう建物だったら、これほんま、いつ地震がいっても、崩壊しても、これはもうどうしようもないです。あれ鉄骨がぼろぼろっと落ちて、コンクリというものが全然見えなかったです。あの爆発した時はコンクリが吹き飛びました。原発の中のコンクリの耐用年数ゆうのは、30年と言われています。なんで30年かというと、コンクリというのはアルカリ骨材反応といって、分離してしまう。バラスとセメントが分離して砂状態になってしまう。ところが30年以上経ったものが今全国に19基あります。敦賀原発はもう42年ですね。だからこういったものは今すぐ停止から廃炉。30年以上のものは、全て私は停止から廃炉にしてほしい。今度東京電力で起きたあの地震のようなものが起きると、どこで30年以上のものが崩壊するかわからない。

土屋:どこでも同じ状況になるということですね。

斉藤:はい。先ほど言ったこれを天井からぶら下げる。こういったものが、下の設備の上にドンッと落ちることがですね、もうたまったものではないです、これは。爆発どころではないと思います。だからこういう意味で、今もう原発というものは、東京電力は勿論これはもう廃炉ですね。他の、敦賀の原発、美浜原発3基とも廃炉。私はこれ今言っています。もう、30年以上のものは全て廃炉にして欲しい。そして後のものは、もうこれから再稼動ささずに、さっき言ったように、コンクリのストレステストゆうね、あのテストを、こんなのいくら程度上げても、津波あんなん来なかったら終わりです。それより地震がきて中身が崩壊したら、中は鉄とステンレスです。これは応力ひび割れゆうて、ひび割れが起こるんですね。ひび割れが起きて、配管が破損する。破裂する。中の蒸気は280度からの蒸気。で、150気圧からの気圧がかかっています。ものすごい勢いで流れています。こういったものが、もし破裂したら。5年前に美浜でもありました。平成5年ですね、あれは。5名から亡くなって、12名が大火傷しました。ああいうことがこれから起きても、どこにも不思議じゃないんです。もう老朽化してるわけです。こんな大きな配管は、取り替えることができるんですよ。

松元:やっぱり実際そういうことがあったとしても、中で働いてる方たちっていうのは、まあ廃炉になってもそこで仕事とかあるんですけども、その雇用を確保しながら、補償しながら、脱原発を訴えていこうっていうのは、やっぱり現地で働いてる方とか、そこで交付金が入るから、っていうふうに考えている、雇用が創出されるから、という地元の方たちの理解を得るのっていうのは、なかなか難しいと思うんですけれども。

斉藤:私はね、交付金は皆廃止してほしい。いらないあんなもの。それよりね、原発労働者のそういった生活と命を守るためには、そこにお金をつぎ込んで、健康診断というものは、毎月1回、絶対やって欲しいです。これから老朽化すると、放射線量がものすごく高くなってきます。もう東電なんて、当然ですこれは。ほんまにこれはもう。毎日でもやって欲しいです。

松元:最後になるんですけれども、結局敦賀原発で組織した分会ですけれども、闘いが拡がって、賃金が上がったとか、安全管理が強くなったとか、やっぱり要求してみるもんだ、と仲間は皆思ったわけですね。ところが最終的にはどうなってしまったんでしょうか?

斉藤:組織というものは、地労委はこれ20数回やりましたけど、組合そのものが、まあ色んなことがあって、結局5年少々でまあ、分裂した、ゆうんですかね。そういう状態になって、今組合の機能というのはありません。だけどこの事故をきっかけに、今までしてきたことをもう一度、そこで皆さんに訴えて、原発労働者の命をどう守っていくか。これから一つずつ要求書を作り直して、やっぱり私も頑張っていきたいなと、そう考えております。(拍手)

松元:素晴らしい。ここで、「一人でも加入できます」という原発ニュースなんですけれども。ここには、まあこれには原電で働く方たちに呼びかけていたものなんですけれども、ちょっと読みたいと思います。「原電で働く仲間の皆さん。私達はこのほど労働組合を結成いたしました。今まで私達は、下請け、孫請け、そのまた下請けといった、およそ時代の先端を行く職場にふさわしくない前近代的な状況の中で、労働者同士がバラバラで、希望も権利もなく、あるのは被ばくの危険と雇用不安だけという、ひどい実態です。私たちの組合は、職場や企業が違っても、あなた一人だけでも加入できる、個人加盟の組合です。あなたもこの分会に加入して、労働者として希望と誇りの持てる生活、そしてガラス張りの原発を築くために、共に力を尽くしてみませんか?心から歓迎します。」という一文があります。(拍手)やっぱり組合を作って、労働者がバラバラではいけない。皆で固まって、力になって、そして要求するものを要求して、自分達の安全と健康を守ろう、ということで。是非、これからもし頑張っていただけるんであれば、斉藤さん是非。声を大にして。

斉藤:色々ね、色んな誤解があってもね、やっぱり皆が団結して、今もう原発の運動というのは、ものすごく盛り上がっています。原発反対の人たち。そして地域の住民たち。今敦賀でも大きく盛り上がっています。たから、そういった地域の住民達を引き入れた、労働者だけ見るんじゃなしに、そういう闘いを、是非していきたいと思っています。

土屋:地元も労働者も繋がる運動を、ってことですね。本当に必要だと思います。

松元:はい。一緒に頑張っていきましょう。今日は本当にどうもありがとうございました。(拍手)

土屋:続いては、山口正紀さんのピリ辛コラムのコーナーです。


【山口正紀の ピリ辛コラム】

担当:山口 正紀さん

土屋・松元:はい、こんばんは。

松元:どうですか、今のお話。素晴らしい。

山口:いやー。今日お話しようと思ってた、<新たな原発神話>

土屋:今月のテーマでございます。
<新たな原発神話>

山口:斉藤さんのお話と本当に直接繋がっている問題だと思っています。最初に感想を言えば、今の斉藤さんのお話を、東京電力で働いている労働者、それから東京電力の労働組合、あるいは連合の幹部に、是非聞いて欲しい。この番組を是非観て、自分達の労働運動のあり方を是非考えて欲しいな、ってすごく思いました。(拍手)それと、今からお話しする原発神話のことなんですけども。3月11日の前、原子力っていうのは、クリーンなエネルギーで、安全なエネルギーで、絶対に事故を起こさない、20数年、30数年かかって作ってきた。完全に崩壊したわけですね。ところが今、事故から9ヶ月経って、またその新たな原発神話が作られつつある、って僕は思っているんですね。それは具体的に言うと、事故そのものが大したことはない、と。もう収束に向かっているんだ、ということが一つ。それからもう一つ、他の原発は大丈夫だ、という。この二つが進行していると思うんですね。今日はその、新たな原発神話作り、世論操作について、自分が感じていることを皆さんに訴えたいなと思っています。具体的に新たな神話作り、始めたのは、やっぱり野田首相だと思うんですね。彼は9月22日に国連で演説をして、事故収束に向けて、年内冷温停止するなど。それから、日本は、原発の安全性を世界最高水準に高める。

土屋:バカじゃないの?

松元:(笑)

山口:それでもう一つは、日本は原子力を模索する国々に対して、その関心に応える。この三つ言ってるんですね。いずれも、日本は原発を捨てない、と。むしろ積極的に安全性を高めて、海外へ売るんだ、という、原発推進宣言を。こういう推進宣言しているのに、メディアでは殆ど問題にされなかった。これ以降、確実に、政府の動き、東電の動き、見ていくと、この野田路線に沿って動いてる。それからさっき言ったような神話があるんですけど、4つ僕はあると思ってるんですね。一つは、いわゆる冷温停止っていう言葉です。これに繋がる神話。二つ目は、除染っていう言葉です。除染で安全だ、という。三つ目は、ストレステスト。これをやるともう大丈夫だ、と。四つ目は、だから海外輸出やるんだ、と。

1.冷温停止
2.除染→安全
3.ストレステスト
4.海外輸出

土屋:すごいねー。

松元:どういう展開なのかわかんないこれ(笑)。

山口:こういう4つがセットになって、今新たに、段々原発事故は大したことないという方向に、メディアも向けられつつあると思うんです。1番目の冷温停止ですけども、野田首相が国連演説したのは9月22日。その直後、30日には、原発半径20キロ、30キロ圏の、いわゆる緊急時避難準備区域、これの指定を解除してるんですよ。その時経産省が何て言ったかっていったら、「1、3号機共、いずれも冷温停止に向かってる。ただちに危険性はないんだ」ということから、危険性がなくなってきた、という宣伝が始まる。更にその後、10月17日になると、工程表っていうのが出されて、ここで年内の冷温停止だ、ということをもう一回。今日朝日新聞によると、明日野田首相がまた記者会見して、冷温停止宣言というのをするそうなんですね。もうそこまで。そのように、一体冷温停止ってなんなんだと。

土屋:言っちゃったから、一応宣言しないとダメなんですね。

山口:そう。京都大学の小出さんが仰ってるのは、冷温停止っていうのは、先ほど出てきたように、いわゆる定期検査のために、普通に動いてる原発を停めて、そしてそれが安全な状態で冷温停止するんだ。福島の原発は底抜けてるじゃないか。(笑)メルトスルーで下まで突き抜けちゃってるわけでしょ?その突き抜けた中に、水が循環するはずがない。こんなものを冷温停止って言うのは詐欺だ。こんな詐欺みたいなことを一国の首相がやろうとしてる。それをメディアが何の批判もなしにね、そのまま流してる。というところに僕は今、新たな、冷温停止で事故収束っていう神話の怖さを感じます。これで、まあ大したことないんだね、っていうふうになっている。

松元:(笑)思わせられますよね、そうやってね。(笑)

山口:そう、ほんとにね。言葉そのものが嘘。言葉の詐術としか言いようがないと思います。二つ目が、除染すれば、というね。この除染そのものは、元々東京大学の児玉先生たちが、非常に危険な地域行って、今子どもたちが暮らしてる学校とか幼稚園とか、その場所で緊急措置として始めたものなんですよ。それはそれで必要だったと。しかし、今言ってる除染っていうのはそうじゃないんですね。もう今や、除染すれば安全になるんだよ、そういうキャンペーンとして始まってるんです。

松元:そう。家に帰れますよ、ってことですもんね。

山口:それもまた、11月11日に政府が、除染の基本方針っていうのを発表して。これは年間1ミリシーベルトの範囲内の地域全部を政府の責任で除染しますよ、と宣言したわけですよ。これ一体ね、計算したらどうなるか。ある人は、500兆円かかるって言ってました。

土屋:500兆!すごいねえ!

松元:そんなことより廃炉してくれっていう。

山口:そう。それでもやる。しかしそれでも本当にできるのか?っていうと、実は僕先日福島県議選挙で、応援に行ってきたんですね。応援っていうのは、ここレイバーネットTVで会えた佐々木慶子さん。彼女の選挙で応援に行って、福島を2日間回ったんですけど。確かに学校で除染してるんですよ。しかしそれね、したところが、土に青いビニールシートを被せたままほったらかしなんですよ。街中だれも子どもなんかいないんですよ。こういうふうな状態で、福島市内でそうでしょ。これを全域でやるってのは、そんなのできるはずがない。できるはずがないことを言って、あたかも除染すれば安全だと。これ逆に言うと、今福島のお母さんたちが、子どもたちを何とかして避難させたいと思ってるのに対して、除染するからここに留まれ、というね。こういう圧力なんですね。飯舘村なんか特にそうですね。もう地域の殆どが山林、田んぼ。土めくれるはずがない。(笑)

土屋:(笑)どうすんの。

松元:永遠にかいていって、ねえ。

土屋:なくなっちゃうじゃん。

山口:そう。村長は20年かけてやるって言ってるんですよ。飯舘の僕の知ってる青年は、20年間じゃあここで我慢しろって言うのか!っていうね。

土屋:ほんとだよ。

山口:まだ10代なんです、彼は。40代半ばまで、ここで結婚して子ども育てろと言うのか!というね。そういう形で除染って言葉が扱われ、使われている。これまさに避難させないための方策。と同時に、除染ビジネスっていうね、今造園業者とか建設業者とか、そういう所に大量に公費をつぎ込んで、そして地域振興しようというね、そういうものと繋がってる。

土屋:でも現場で除染の作業している労働者も…ねえ。

松元:私この間村長にね、「除染をこんなに無理にして、なんでそんなに無理やり皆を戻したいんですか?」って言ったら、怒られて。「あなたもっと勉強しなさい!」とかって言われました。「そんなこと言ってないでしょ!」とかって。

山口:(笑)

土屋:何を?

山口:福島でビックリしたのが、除染ボランティアってのを募集してたんですよ。それをタダで。実際に何の防備もしないでね、防護服もつけないでやってる人いるんですよ。

土屋:斉藤さんのお話にもあったように、そういう塵とかが怖いわけですよね。

山口:そう。そういうことで、危険なことやりながら、しかし除染すれば何とかなるというね、こういう幻想を作り出してる。原発事故の大変な規模、福島から郡山に至る中通の酷さを、覆い隠すような役割を果たしてる。これが除染の問題。それから三つ目がストレステスト。これは10月27日、一番最初、関西電力の大飯原発3号機について、ストレステストの報告書を出したんです。それ以降、大飯原発、それから四国の伊方、北海道の泊、そして昨日は九州の玄海と川内、これ全部について、ストレステストの報告書が出たんですよ。これが出て、年明けにはテストの結果を原子力保安員で検討して、GOサイン出しましょう、っていう方向にもう既に動いてるんですよ。でも、そもそもストレステストってあれ何なのか?っていうね(笑)。あれ自分達で、原発推進のIAEAが身内でアリバイ作りのために出したものであって、なんら新しく今の原発の仕組みを見直すわけじゃない。特に問題なのは、今福島原発の事故について、あれは津波が原因だと言い張ってるわけ。

土屋:言い張ってますね。

山口:で、もし津波じゃなく、先ほど斉藤さんが仰ったように、配管の問題で、地震によって配管がずれたり亀裂が入ったりであれば、どこの原発も全部危ないわけですよ。

松元:建て替えなきゃいけないってわけですよね。

山口:そう。で、それについて今必死で言ってるのは、「あれは津波だ、津波だ」と。で、今日持ってきた、東京新聞、この記事。素晴らしい記事だと思うんですが。東京新聞が出したのは、つまり地震による事故の可能性がある。<記事:地震で亀裂の可能性>これ特集にもなって、2ページに詳しく載ってるんです。もしこうであれば、原子力安全・保安院がこれを認めれば、ストレステスト全部終わりですよ。

土屋:意味なくなっちゃう。

松元:原子力保安院認めますかね(笑)?

山口:だって今ストレステストでは、シュミレーションしかやってないわけですから。で、津波の問題しかやってないわけですからね。ここをどうやって明らかにしていくかっていうのが非常に大きな問題。ただ、メディアはこのストレステストの問題について、殆ど今僕が言っているような問題点を全く指摘してない。殆どアリバイ作りにすぎないんですね。このへんの問題。

土屋:そうですよね。茶番だね。

山口:そうなんです。で僕は、ストレステストはこれから年内、年明けどんどん出てくると思うんですけど、これに注目する必要がある。それから四つ目が、さっきから言ってた海外輸出の話。

土屋:とんでもないオチですけどね、これはね。

山口:これはね、要は僕は”海外輸出できるほど安全なんだよ”という、そういうキャンペーンに使われていく、っていう感じがするんですよ。菅政権が最後の方で土壇場で、菅さん最後ろくなことしなかったけど(笑)、とりあえず浜岡を停めると、ベトナムを停めると。この2つだけがいいことなんだけど、その2つとも野田さんは潰そうとしている。

土屋:骨抜きにしようとしてね。

山口:骨抜きにしようとしている。で、ロシア、韓国、ヨルダン、ベトナム、更にインドですね。この5ヶ国に向けて、日本の原発を持っていく。だから、結局要するに津波だからダメだったんだ、と。地震では大丈夫だよ、という線を守ることで、海外に持って行こうと。

土屋:(笑)信じられない。

山口:それを裏返していくと、新規はやらないと言いながら実際にはもう新規に向けても、海外に出すんだから国内で作れ、というね、そういう裏返しの声が出てくるわけですよ。そういう方向に持って行こうとしてる。って僕は思うんです。だから、今メディアの中で、段々原発問題について、TVなんかでもう、今日の斉藤さんみたいな話出てこないわけですよ。そこをもう一回、僕らはアピールしていきながら、今政府がやろうとしている、新たな神話作り、事故は大したことない、海外へ出せるほど日本の原発は優秀なんだ、このキャンペーンに対抗して、具体的な問題点を指摘しながら、当面、再稼動を1個1個停めていく。

松元:そうですね。あと8基ですからね。

土屋:今月の結論ですね。
<今月の結論 新「神話」見抜き再稼動阻止へ>

山口:一つ一つの現場で再稼動を停めるというね、そこに集中して、僕は色んな運動を集中していくべきだし、僕はこのレイバーネットの今日の斉藤さんのお話なんて、本当にたくさんの人に観てもらって、地域の子どもたちの心配をしているお母さんとか、それから、原発で働いている労働者と、この危険にさらされている人たちをどう結びつけて、僕らが本当に自分達の問題としてこの問題に取り組んでいくか、っていうことがこれからの大きな課題だ、というふうに思います。

土屋:山口さん、どうもありがとうございます。(拍手)

松元:ツイッターの川柳紹介を。
「汚染除去 まず必要な マスメディア」(拍手)

土屋:(笑)マスメディアがまず汚染されてると。

松元:なるほど〜。じゃあよろしいでしょうか?最後に「原発御用大賞」の発表です。

土屋:先日の12月4日に開催したレイバーフェスタでも既に発表させていただきましたし、ブログでも発表済みですけども、一応今年の番組締めくくりということで、発表させていただきます。色々、ご批評とかご賛同もあったりしたこの賞ですけれども、これで一応終わり、ということですね。300票ほど集まりましたけどね。

松元:樋口健二さんは「面白いじゃん!」と元気よく仰ってくださいましたが。

土屋:色んなことがあっていいですよ。ということで、発表させていただきます。ジャジャジャン!
最初に学者部門。全身御用賞!皆さんご存知の、山下俊一さんですね。

松元:もう当然という感じがしますけどね。

土屋:今福島を走り回っているそうですけどね。どこ行ってるかわかんないそうですけどね。

松元:甲状腺がんの検査を、各地でやってらっしゃるそうです。

土屋:ちゃんとやれよ、っていう感じですけどね。

山口:福島では「ダマシタ俊一」って言われてる。(笑)

土屋:次が、ずっぽり御用賞が斑目春樹さん。

松元:銀賞ですね。

土屋:デタラメ春樹さんと呼んでおりますけどね。

土屋:べったり御用賞は、大橋弘忠さん。プルトニウム飲んでも大丈夫、っていう人ですね。

松元:銅賞。プルトニウム飲んでますからねこれ。

土屋:モーニングプルトニウム。

松元:(笑)はい。そして文化人部門です。金賞、全身御用賞。ジャジャン!勝間和代さん。一応取材申し入れしたんですけどね。ちょっと。

土屋:何も連絡ないですけどね。

松元:分野以外では取材お受けできません、というHPに載せてありましたが。

土屋:連絡あった?メール?

松元:ないです。

土屋:ああ、残念ですね。

山口:壱花花さんの画ですよね。素晴らしいですよね。

松元:そうです。素晴らしいです。銀賞、ずっぽり御用賞。

土屋:ジャジャン!

松元:まあ彼は色んな賞をとってもいいかなっていう気もしますけど(笑)田原総一朗さんです。

土屋:メディアでお馴染みの。ありがとうございます。

松元:そして。銅賞、べったり御用賞。大越健介さん。

土屋:大本営発表、って書いてますね。

松元:NHKはね、もうひとかた、若い堀順さんが先日カミングアウトしましたけど。

土屋:何のカミングアウト?

松元:脱原発カミングアウトっていうのを。

土屋:いろんな方がいるんでしょうね。まあこの方は…どっちかよくわかりませんけどね。

松元:政府の言うことを聞いてはいけない。はい、そして政治家部門です。

土屋:ジャジャン!

松元:金賞、全身御用賞。絶対この人でしょう。枝野幸男さん。

土屋:「ただちに影響はありません」

松元:「7回しか言っていません」(笑)

土屋:7回しか言ってないそうですけど、皆覚えています。なんであれが流行語大賞とかにならなかったんでしょうね?

松元:ならないでしょう〜(笑)。絆もいっぱい言ったから、7回ぐらい。

山口:あれ主催がユーキャンだもんねえ。

土屋:ああそうか。

松元:銅賞、べったり御用賞。

土屋:ジャジャン!これも皆さんお馴染みの。

松元:石原慎ちゃんでーす。

土屋:息子もノミネートしてましたけどね。残念ながら落選で。

松元:家族一緒に。そして、特別賞です。やっぱりこの人でしょう。

土屋:ドンですね。

松元:諸悪の根源て言おうと思ったら、あんまり諸悪の根源ていうわけでもないけれども、まあ原発に関しては。

土屋:かなり親玉ではありますよね。

松元:中曽根ドンです。

土屋:ということで、一応ここで発表ですけども。アポイントを一応正式にとってみたんですね。特に金賞の方、全身御用賞の方、それぞれアポイントメントを取ってみたんですけども、その様子をVTRでまとめてありますのでね。

松元:突撃授与式。

山口:あれ面白かったですね。

土屋:それも含めて、どうぞ。

<映像:あなたが選ぶ原発御用大賞 授賞式ダイジェスト>
電話:福島医科大学でございます。

松元:もしもし、すみません、報道関係の者なんですけれども。松元と申しますが。山下俊一先生お願いしたいんですけれども。

電話:はい、お待ちくださいませ。
<保留音>

電話:取材に関しましては、受ける受けないの前に、取材申込書というのを作成していただきたいんですね。

<取材申込書フォーマットが届く>

スタッフ:山下さんへの取材申込書作りましたね。

松元:「100ミリシーベルトは安全」「笑っている人には放射能の影響はない」などと発言されたことが、これまで批判されていますが、本当にそういうふうに思っているのか、ということを聞きたい、というのと。あと、日本とか福島のために色々やってきたんだけれども、一部の人たちからは、彼は本当は、真意でやっているんだと思うんですけれども、またはそういった発言とか言っているんですけれども、本当にそう思われて…?自分は言ってるのになんで批判されなきゃいけないんだろう、と思っているかもしれないので。

電話:はい、枝野幸男事務所でございます。

土屋:すみません。私、レイバーネットTVという者です。インターネットでTV放送している者なんですけれども。枝野幸男さんに取材を申し込みたいと思いまして、こちらの方に連絡させていただきました。

電話:はい、中曽根事務所でございます。

松元:すみません。私、報道関係の者なんですけれども、松元と申しますが、お世話様です。

<いずれもFAXでの取材申込が必要だった>

松元:じゃあ、FAXしないとダメだってことだ。

スタッフ:勝間はわかんないんだっけ?

土屋:勝間さんは、メールでしか受けなくて。連絡先はここ「取材、講演依頼の方へ」をクリックする。すると、取材依頼については、条件があると。で我々は非営利団体なんでしょうかね?よくわかりませんけれども。

松元:非営利団体。うん。

土屋:でいいですかね。で、「•金融・経済関連 •若年層の雇用問題 •男女共同参画」このモチーフにある、どういうふうな切り口で連絡をすればいいのか、ね。別に取材依頼もそうですけど、賞をあげたい、というシンプルな依頼はどうすればいいのっていうね?

松元:うーん…。

スタッフ:もうこの人の場合はさ、もうそういう風に言っちゃった方がいいんじゃない?取材依頼自身が、ここで制限されちゃってるわけなんだから。

土屋:賞を渡したい。

<取材申込は いずれも断られた>

松元:もしもし、私レイバーネットTVの松元と申しますけれども。

<声:山下俊一研究室秘書>

声:えっ…とですね、色々検査が今始まっておりまして。その都合で今先生のほうが指揮のほうにあたっておられて、今後も多分、そういった検査等で、ということでお断りだっ…たんです…けど…。

松元:検査?何の検査ですか?

声:甲状腺検査です。

松元:あ、はいはいはい。

声:そちらのほうで先生指揮にあたっておられまして、今後どうなるかはわからない、ということで、お断りを、ということだったんですけども。

松元:そうですか。ということは福島にいらっしゃるということですかね?

<「福島のどこかに…」>

声:福島のどこかには…。

松元:福島のどこかにはいらっしゃるということですか(笑)。そうですか。じゃあFAXをもう一度差し上げますので、それをお渡しいただけますか?

声:はい。

松元:よろしくお願いいたします。

<政治家部門特別賞 受賞者へ直接交渉>

森ビル30

松元:中曽根事務所、8階ですよ。

社員:どのようなご用件でしょうか?

松元:こんにちは。レイバーネットTVという者ですが。6月…でしたっけ?「原発御用大賞」というのを、視聴者の皆さん代表として…

社員:ちょ、ちょっと待ってください。撮影はやめてください。

<取材拒否>

松元:とってもいい方で、ちゃんと対応していただいたんですけど、電話でも。でも、ちょっと彼が個人的に怒ることではないんじゃないかな?っていうのと、直接中曽根さんに話をして、中曽根さんがああいう態度をとられるんであれば、私はすごく理解できるんですけれども、でも少なくとも、ちゃんと話をして。さっきも、「聞く耳持たない!っていうふうに(レイバーネットTVのことを)思ったから!」って言うんですけど、聞く耳持ってるからこそ、取材お願いしてるわけであって、それをどう処理するっていうのは、当然個人の感情もあるので、その処理の仕方っていうのは仕方がないと思いますが。まああの一応、今回表彰状を受け取っていただいたので、似顔絵と一緒にお渡しできましたから、中曽根さんからどういう反応があるかわかりませんが、まあ、もしかしたらゴミ箱に捨てられるかな、っていう感じもします。一応お役目達成!ということでした。読み上げられなかったのは残念でしたが。(笑)

カメラ:そうでしたね(笑)そういう雰囲気なかったですよね。

<映像終了>

土屋:はい、ありがとうございました。(拍手)

松元:ということで、本当に読み上げられなかったのが大変申し訳ない。そういう約束で行ったのに。後ろにちゃんと皆のコメントがぐわーっ!と書いてあったんですけどね。

土屋:そういう空気じゃなかったので。あれ全部不幸の手紙のように印字されてますからね。(笑)

松元:是非本当は、1回だけでもいいから読んでもらいたい。

土屋:読んでねー。まあ一応受け取ってはいただいたので。申し訳なかったですけども。

山口:でもまた募集してもいいんじゃないですかね?第2次御用大賞(笑)。

土屋:疲れちゃう(笑)。

松元:行く身にもなってください(笑)。

山口:野田なんて是非やりたいですねー。

土屋:でもまだ賞状渡してない方もいらっしゃいますからね。またコンタクトとりながら、是非お渡ししたいと思ってますのでね。

松元:はい。引き続き授与式の機会を探って行こうと思っています。

土屋:受賞者の方は、暫くお待ちくださいね。(笑)

松元:楽しみですね。

土屋:今年最後のレイバーネットTV第24回放送でしたけれども、いかがだったでしょうか?レイバーネットTVでは、これからも大手メディアが報道できないようなニュースをどんどんご紹介していきます。今日の番組、次回へのご意見、など、なんでもいいのでお寄せください。
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松元:レイバーネットTVはみなさまからの寄付で運営されています。「この番組いいね」と評価していただけるのであれば、カンパを是非是非寄せてください!お願いしまーす!皆ボランティアで頑張っています。
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土屋:機材もよくなってね。今回トラブルなかったもんね。よかったね。

松元:新しいのは買ってないですよ、まだ。

土屋:そうなんだ。

松元:寄付をいただいた方のお名前は番組終了時のエンドロールに流れます。少しでも歓迎ですので、多くのみなさまからご協力いただけると大変嬉しいです。

土屋:次回は来年になりますけども、まだはっきり予定が決まってないんですね。1月下旬か、もしくは2月2日の、先ほどやった川柳の特集が第1回になるかもしれませんけども、また情報を流させていただきますのでよろしくお願いいたします。今月もやりたいっていう人もいますけどね、まあ色々。

松元:今月もう1回やりたいかなー。(笑)

土屋:神出鬼没でね。

松元:見逃さないように!色々HPとか、出演者のツイッターとかで流しますので是非是非。今晩いかがでしたでしょうか。私はとってもいいお話がいっぱい聞けたかな、と思います。

土屋:お付き合い、どうもありがとうございました。よいお年を、ということでしょうかね?また来年お会いしましょう!

松元:Happy New Year!またお会いしましょう〜。



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