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東京・全国の仲間の皆さんへ。

被処分者の会・東京「君が代」裁判原告団の近藤です。

「処分撤回を求めて(217):日弁連会長声明/東京弁護士会会長声明」を送信し
ます。

1・16最高裁判決について日本弁護士連合会(日弁連)及び東京弁護士会の会長声
明を紹介します。
いずれも戒告処分容認を強く批判しつつも、減給・停職処分取消を「君が代」処分に
「歯止め」と評価しています。

◆日弁連会長声明
   ↓
http://www.nichibenren.or.jp/activity/document/statement/year/2012/120119.ht
ml

君が代斉唱時の不起立等を理由とした懲戒処分取消等請求訴訟の最高裁判決に対する
会長声明

本年1月16日、最高裁判所第一小法廷は、東京都内の教諭ら計約170人が、入学
式などにおける国歌斉唱の際に起立斉唱あるいは伴奏を命じる校長の職務命令に従わ
なかったことを理由にされた停職、減給ないし戒告の懲戒処分の取消し及び国家賠償
を求めた計3件の訴訟の上告審判決で、上記職務命令は憲法19条に違反しないこと
を前提としつつ、「減給や停職には過去の処分歴や本人の態度に照らして慎重な考慮
が必要」との初判断を示した上で、停職の2人のうち1人と減給の1人の処分を取り
消し、一方で「学校の規律の見地から重過ぎない範囲での懲戒処分は裁量権の範囲
内」とも判断し、戒告を受けた教諭らの処分を取り消した2審判決を破棄し、逆転敗
訴とした。

これまで当連合会は、君が代について、大日本帝国憲法下の歴史的経緯に照らし、君
が代の起立・斉唱・伴奏に抵抗があると考える国民が少なからず存在しており、こう
した考え方も憲法19条により憲法上の保護を受けるものと解されることを指摘し、
君が代の起立・斉唱・伴奏行為は日の丸・君が代に対する敬意の表明をその不可分の
目的とするものであるから卒業式等においてこれらを職務命令で強制することは思
想・良心の自由を侵害するものであると重ねて表明してきた(平成23年6月10日
付け会長声明等)。

したがって、今回の判決が戒告処分を容認した点は強く批判されるべきものである
が、過去の不起立などによる処分の累積で停職、減給とされた合計2人について「処
分は重過ぎて社会観念上著しく妥当性を欠く」と取り消した点は、注目されるべきで
ある。すなわち、本判決は、不起立等の行為が教員個人の歴史観ないし世界観等に由
来するものにとどまり、式典の積極的な妨害に及ばない場合は、戒告処分が累積して
もより重い減給以上の処分を選択するのは違法であるとの判断を示したものであり、
君が代不起立に対する処分の濫用に一定の歯止めをかけたものと評価し得る。

この点について、本判決に補足意見を付した櫻井龍子裁判官は、起立斉唱することに
自らの歴史観・世界観との間で強い葛藤を感じる職員が、式典の度に不起立を繰り返
すことで処分が加重され不利益が増していくと、「自らの信条に忠実であればあるほ
ど心理的に追い込まれ、上記の不利益の増大を受忍するか、自らの信条を捨てるかの
選択を迫られる状態に置かれる」として、このように過酷な結果を職員個人にもたら
す懲戒処分の加重量定は法の許容する懲戒権の範囲を逸脱すると厳しく批判してい
る。

また、反対意見を述べた宮川光治裁判官は、本件職務命令が憲法19条に違反すると
の理由に加え、懲戒処分の裁量審査について、戒告処分であっても勤勉手当の減額、
退職金や年金支給額への影響等の実質的な不利益を受けること、他の処分実績との比
較でも過剰に過ぎ比例原則に反することを指摘し、たとえ戒告処分であっても懲戒権
者の裁量権の範囲を逸脱すると明快に述べている。

以上の補足意見と反対意見の趣旨からも、本判決は、東京都及び立川市公立学校の教
職員に対する国歌斉唱時の起立・斉唱・伴奏の強制や、大阪府で昨年来続いている教
職員に国歌起立斉唱を強制する服務規律条例の制定や教育基本条例案による懲戒分限
基準の策定への厳しい警告となるものといえる。

当連合会は、これまでの関連する声明を踏まえ、改めて、東京都、立川市及び各教育
委員会を含め、広く教育行政担当者に対し、教職員に君が代斉唱の際の起立・斉唱・
伴奏を含め国旗・国歌を強制することのないよう強く要請するとともに、あわせて、
大阪府及び大阪市の各地方議会に対し、君が代不起立に対し分限免職を可能とする教
育基本条例を制定しないよう求めるものである。

2012年(平成24年)1月19日

日本弁護士連合会
会長 宇都宮 健児

◆東京弁護士会会長声明
   ↓
http://www.toben.or.jp/message/seimei/post-261.html

国旗国歌強制問題に関する最高裁判決に対する会長声明

2012年01月18日

東京弁護士会 会長 竹之内 明

本年1月16日,最高裁判所第一小法廷は,都立高等学校及び都立養護学校の教職員ら
が,卒業式等の式典における国歌斉唱の際に国旗に向かって起立して斉唱すること等
を命ずる校長の職務命令に従わなかったことを理由としてなされた懲戒処分について
その取消し等を求めた3件の同種事案に関し,1人の停職処分と1人の減給処分を取り
消す一方で,その余の懲戒処分を全て是認した。

各判決の多数意見は,「不起立行為等に対する懲戒において戒告を超えてより重い減
給以上の処分を選択することについては,本件事案の性質等を踏まえた慎重な考慮が
必要」と判示し,懲戒処分の累積加重による国歌斉唱等の強制に歯止めをかけたもの
として,評価できる。

しかし,多数意見は,前記職務命令につき,憲法19条の保障する思想・良心の自由に
抵触するものでないことは明らかであるとしたうえ,多くの教職員らになされた戒告
処分について,学校の規律や秩序の保持等の見地からその相当性が基礎づけられるも
のであって将来の昇給等への影響等を勘案しても基本的に懲戒権者の裁量権の範囲内
に属する事柄であり,裁量権の範囲の逸脱又はその濫用に当たるとは解しがたいと
し,その処分を是認した。かかる判断は,憲法が思想・良心の自由を保障している趣
旨を完全に等閑視した誤った判断であるといわざるを得ない。
 
この点,宮川光治裁判官は,職務命令に従わなかったのは,「君が代」や「日の丸」
が過去の我が国において果たした役割にかかわる教職員らの歴史観ないし世界観及び
教育上の信念に基づくものだとした原審の認定を引いたうえ,「そのように真摯なも
のである場合は,その行為は第1審原告らの思想及び良心の核心の表出であるか少な
くともこれに密接に関連しているとみることができ(中略)本件職務命令はいわゆる
厳格な基準による憲法審査の対象となり,その結果,憲法19条に違反する可能性があ
る」と唯一の反対意見を述べているが,これは当会がこれまで表明してきた見解に合
致するものである。

同裁判官は,「教員には,幅広い知識と教養,真理を求め,個人の価値を尊重する姿
勢,創造性を希求する自律的精神の持ち主であること等が求められるのであり,(教
育基本法2条で定められた)教育の目標を考慮すると,教員における精神の自由は,
取り分けて尊重されなければならない」とも述べており,これは,自己の信念に基づ
いて職務にあたる現場の教職員らを勇気づけるものとして評価できる。

大阪市では現在,大阪府についで,公立校の教職員に君が代の起立斉唱を義務づける
条例の制定が検討されており,しかも,職務命令違反を一定の回数繰り返すと機械的
に重い処分が科せられることが予定されているという。しかし,このような規制は,
上記最高裁判決多数意見の趣旨にさえ反するものであって,教職員の思想・良心の自
由を侵害するのみならず,児童生徒にも心理的強制を加えその思想・良心の自由の侵
害につながるものといわざるをえず,到底是認できない。

当会はこれまで,「『国旗・国歌実施指針』に基づく教職員処分等に関する意見書」
(2004年9月7日),会長声明(2006年9月28日,2011年3月14日及び同年6月14日)な
どで,繰り返し,教職員らの思想・良心の自由に対する制約を行わないよう求めてき
た。

これからも,都及び都教育委員会だけでなく,いかなる自治体及び教育委員会に対し
ても,国旗国歌を強制する職務命令への違反を理由として教職員に懲戒処分等の不利
益取扱いをしないよう要請していく所存である。

◆後続訴訟も絶大な支援を!
 ―地裁・高裁の裁判傍聴へ来て下さい。
 
★東京「君が代」裁判三次訴訟第6回口頭弁論
(東京地裁民事11部、07・08・09年処分取消請求、原告50名)
 2月3日(金)
  15時40分傍聴抽選〆切(予定)
  16時開廷
  東京地裁527号(定員42名)
  *多くの人に抽選に並んでいただき大法廷の復活を訴えましょう!

★再雇用拒否撤回第2次訴訟第11回口頭弁論
(東京地裁民事36部、原告24名。07・08・09年の再雇用拒否の損害賠償請
求。)
 2月16日(木)
  14時30分集合 15時開廷(抽選なし・先着順)
  東京地裁103号(大法廷、定員100名)

<東京地裁・高裁への行き方> 地下鉄霞ヶ関A1出口。徒歩1分


◆予防訴訟判決まで最高裁要請署名を継続します。
*個人署名は6万筆を超えています。目標の10万筆達成まで頑張ります。

★予防訴訟・第6回最高裁要請行動
 2月1日(水)
  13時45分最高裁東門集合
  14時〜 要請(代表17名)
<最高裁東門への行き方>
地下鉄永田町下車・4番出口から青山通りを三宅坂交差点方面に下り、徒歩3分で最
高裁南門。南門からフェンス沿いに右へ徒歩2分で東門。


HPで1・16最高裁判決全文、原告・弁護団声明を速報掲載。
行動予定・最高裁要請署名用紙入手可能。
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「日の丸・君が代」不当処分撤回を求める被処分者の会
東京「日の丸・君が代」処分取消訴訟原告団
事務局長 近藤 徹
携帯:090−5327−8318
e-mail:qq947sh9@vanilla.ocn.ne.jp
被処分者の会HP↓(1月18日新規更新。下の青のアドレスをクリック・アクセス
可)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~hishobunshanokai/
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