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「君が代処分」最高裁判決報告集会のレポート(寺本)
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大阪教育合同労組・寺本さんの「判決報告集会」のレポート

ーーその1ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

現在、河原井さん・根津さんの判決報告集会に参加しています。

戸田弁護士は、この判決を画期的なものと評価し、大阪の動きに対する歯止めを期待していました。

また早稲田大学の岡田さんは、分断判決について、最高裁内部で激しい対立があり、政治的な妥協が図られたからではないか、教育行政の暴走に対して最高裁が一定の見識を示したものと述べました。

本日出された「君が代」不起立処分に関わる3つの最高裁判決をまとめると、以下のようになります。

河原井さん・根津さんへの停職処分については、分断判決となりました。河原井さんの停職処分が取り消され、損害賠償が高裁へ差し戻された一方で、根津さんの停職処分はそのまま容認されました。

アイム89組合員への戒告処分は、高裁での処分取り消し判決が破棄され、処分が容認される判決でした。

さらに続けて出された戒告処分、減給処分取り消し訴訟では、戒告処分は容認されたものの、減給処分は取り消されました。

根津・河原井裁判では、宮川裁判官が反対意見、櫻井裁判官が反対に近い補足意見がついています。結局、3対2の多数でこの判決が出されたことになるでしょう。

この判決の結果、不起立のみの処分では、戒告はやむをえないとしても、減給・停職は認められないというのが最高裁の考え方であるということになります。

大阪における「君が代」強制条例、教育基本条例案の動きに対する最高裁なりの考え方を示したものといえます。これを何とかテコにして、教育基本条例案を廃案に、不起立処分反対の闘いをさらにすすめていかなければなりません。

ーーその2ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

引き続いて、報告集会の様子です。

独協大学・市川さん「戒告と減給の間に線を引かせたことは大きな意味がある、ただ根津さんへの判決は明らかに政治的な判決であり許されない」

新潟大学・世取山さん「最高裁は、教育公務員としてではなく、一般公務員として判断を下したが、宮川裁判官は、教育公務員にはより広範囲の自由が必要だから、処分は重すぎるとの反対意見を出してくれたので、本来の教育のあるべき姿が見えてきたことは意義がある」

高島伸欣さん「まだまだ闘いの余地がある。この判決を土台にして、次には大法廷を開かせて、ひっくり返させたい」

内田雅俊弁護士(アイムの弁護士)「全体としては、君が代裁判については一歩前進したと思う.教員が日頃言っていることと行為を一致させたいという思いを高裁の大橋裁判長は考えてくれた。その考え方は、宮川裁判官の反対意見に伝えられている。今日の判決の下支えをしたのが大橋判決」

河原井さん「今日は絶対開きたくない旗を開くことになってしまった。法廷で聞いたときは、大阪を止められないと思った。しかし、いまは逆転勝訴の旗を出していいんだと思う。大阪への影響もある。分断判決は許されないが、裁判に頼らず、抵抗のエネルギーを絶やさないことが大事。味噌作りと憲法学集会を全国行脚でやりたい。」

根津さん「ターゲットにはされたが、それで停職処分はダメという判決を得られたことはよかった。不起立を続ける者がいなければ、停職処分も出なかった。停職6ヶ月の裁判があと3つあるので、絶対勝ちたい。」

ーーその3ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

河原井・根津裁判の報告集会に続いて、被処分者の会裁判の報告集会が行われています。

現在、弁護団から判決文の説明がおこなわれています。

加藤弁護士「宮川裁判官の反対意見は、旭川学テ判決をきっちり読み込んでいる。とくに「地方公務員であっても、教育を司る教員であるからこそ、一般行政に携わる者とは異なって、自由が保障されなければならない側面があると考えるのである」と書かれていることは私たちの主張を入れたもので評価できる。」

「高裁判決で勝利した上で口頭弁論が開かれたことで危機感を感じたが、減給のところで歯止めをかけられたことは大きな成果。多くの人々が裁判を起こしたからこそ、この判決をかちとれた。」

水口弁護士「根津さんの停職処分、高裁で取り消された戒告処分では勝てなかったが、最高裁で、減給、停職が取り消させたことは全員の勝利であったことを確信して、今後の裁判をがんばりたい」





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