報告 : 多彩な企画満載のレイバーフェスタ | |||||||
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12月15日、東京・新大久保のR’sアートコートで「レイバーフェスタ2012」が開催された。「いま、たたかいの文化を」を合言葉に、映画、講談、川柳、コンサートなど、今年も多彩な企画を満載。約130人の来場者が、師走の一日をともに過ごした。 最初に上映された映画「X年後」は、衝撃的だ。1954年、アメリカの水爆実験で第五福竜丸とその乗組員が被ばくしたことは広く知ら れているが、そこには隠されていた事実があった。この作品は、同じように周辺海域で被ばくし、次々と死んでいった犠牲者らを丹念に追跡した、渾身のドキュメンタリーである。 こうした貴重な映像が、大手メディアの電波に乗ることは極めて稀だ。私たちはやはり、手弁当でコツコツと上映運動をしていくしかないのだろうか。とにかく大勢の人々に、今こそ見てほしい1本だ。 「ワーキングプア川柳」や「3分ビデオ」など、公募コーナーも定着。いずれも私が最も楽しみにしているプログラムで、当初は応募数が伸び悩んだという。それでも最終的には例年並みの本数が揃った。特に川柳は、川柳家の尾藤一泉さんが直接講評。スクリーンに映し出された作品を、わかりやすく解説し、川柳の奥深い魅力を語った。 中川五郎さんは、知る人ぞ知る日本フォーク界の先達。『理想と現実』、『腰まで泥まみれ』など、メッセージ性の高いオリジナル曲を熱唱し、会場の大きな喝さいを浴びた。 後半、司会の土屋トカチさんは、したたかに続く金曜デモや官邸行動の映像を題材に、人々が訴えるスローガンを取りあげ、「その言葉に、愛はあるか」と問いかけた。この提起は、運動の大きな盛り上がりのなかで、同じフレーズを連呼することや、一人のリーダーを神格化することの危険性を指摘したもの。特定のグループに限らず、どの団体も陥る可能性のある問題で、今後論議を呼びそうだ。 松元ちえさんは、「ゼネラルアッセンブリ」というコミュニケーションの手法を紹介。発言者の言葉を、拡声機を使わず参加者全員が復唱することで伝え、みずからの意思として確認していく。その過程の重要性を訴えた。 当日は都知事選・衆院選投票日の前日だった。もちろんフェスタの日程が先に決まっていたのだが、都政放り出し、無計画解散と、身勝手に設定された逆境にも屈せず、準備が進められた。 ロビーには、「レイバー報道写真展」「風刺漫画展」「山谷写真展」などおなじみの展示も。メインホールの催しだけでなく、フェスタ全体を俯瞰して、その出来栄えはどうだったか。成果や課題は何か。忌憚のない意見をぜひ聞いてみたい。(Y) ↓賑わったロビー ↓歌のコーナーに登場した幸野夫妻 ↓階段ではさまざまな展示があった ↓ワーキングプア川柳・尾藤一泉さんが講評した ↓熱唱する中川五郎さん Created by staff01. Last modified on 2012-12-16 23:06:40 Copyright: Default |