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過労死なくそう!龍基金授賞式〜ワタミ過労死の両親が訴える
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「おかしい、おかしい」と悩んで死んだ娘のような労働者をこれ以上増やしてはならない・・。過労死をなくすために闘う森豪さんと祐子さんが、第6回龍基金・中島富雄賞に選ばれた。二人は、居酒屋・ワタミでの長時間労働が原因で26歳の娘を過労自殺で亡くしている。

8月5日に東京・葛飾で開催された授賞式で、母親の祐子さんは、人間が判断するために最小限必要な睡眠をもワタミに奪い取られたと、娘の美菜さんを入社2ヶ月で自死に追いやったワタミに対して怒りをあらわにした。2008年6月12日に美菜さんが建物から飛び降り自殺をはかってから今日まで、二人が闘い続けてこられた原動力は、この「母としての怒り」だったという。

当初、地元警察には「墜落死」だと片付けられていたが、祐子さんはあきらめずに会社と地元労働基準監督署を追及し、ついに神奈川県労働基準監督署に娘の死を「過労死」と認定させた。

美菜さんが残した領収書などから、当日は研修や買い物などに出かけ、これからの生活を感じさせる行動を取っていたことがわかったという祐子さんは「娘には『死ぬ』という自覚があったのだろうか」と疑問を持った。「本当にくやしいです。娘の死はワタミで働いたことが原因だとはっきりしている。」

その後、会社の代理人と一度交渉で会ってはいるが、まったく誠意が感じられず「かなりばかにしている」態度だったと祐子さんは話した。会社は示談に応じる中で、ある程度の和解内容を提示してきてはいるが、そのままを受け入れるということだけはしたくないというのが祐子さんの本心だ。

「店長は管理監督者と思わされているため、長時間労働の被害者であるとともに、加害者にもなってしまっている。問題は、現場責任者の考えを変えなければ解決しない」と祐子さんは語る。そのうえで、会社には責任をはっきりと認識させ、若い人たちには我慢して働き続けず、理不尽だと思うことには声をあげてほしいと訴えた。祐子さんと豪さんは、これからも美菜さんの遺志を継いで会社に対して声をあげていくことを誓った。

「過労死をなくそう!龍基金」の須田光照事務局次長は、「亡くなる一ヶ月前に『体が痛いです。体が辛いです。早く動けません。どうか助けてください』と言わせる会社、過労死させる会社に対して、私たちは怒らなければいけない」と言う。昨年の東京都知事選挙に立候補したワタミ社長の渡邉美樹氏が「自殺ゼロの社会をつくりたい」と語ったことなどを紹介し、「きっちり責任をとらせるべきだ」と訴えた。(松元ちえ)


Created by staff01. Last modified on 2012-08-05 22:00:58 Copyright: Default

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