福島県民、避難者の実態を見ない原子力損害賠償紛争審査会
今すぐ区域外避難者に正当な賠償を!
12月6日、文部科学省内で第18回原子力損害賠償紛争審査会(以下「原賠審」)が開かれた。会場は、福島からの避難者をはじめ支援者で一杯となった。今回の議題の柱は「自主避難者」への賠償についてである。
原発震災から8ヶ月たってもなお放射線量は下がらず、原発の収束の見込みも立っていない。そして政府の定めた「強制避難」の基準20mSv/年という高い基準を前に当然にも不安を感じ県外に避難した「自主」避難者には、未だに何ら補償がなされていない。区域外避難者(「自主」避難者)への賠償問題は、今最も重要な課題のひとつなのだ。
しかし今回の「原賠審」は、「自主」避難者に一律の金額設定をし、さらには子ども、妊婦に対してさえ今年12月までという期限を区切るという議論に終始した。言うまでもなく避難者の生活苦は今後も継続されていくものである。またこれまで「自主」避難のために失ったものやかかった経費は莫大であり、当然ひとりひとりかかった金額は異なる。であるにもかかわらず、「原賠審」は個々の避難者の実態を調べようともせず、一律に「見舞金」として処理をしようとしているのだ。
この議論に、傍聴した福島県民をはじめ支援者は怒りをあらわにした。福島市西郷村から傍聴にかけつけた地脇美和さん(写真上)は、「50万円は高すぎるから、40万円ぐらいだったらどうかなんて言う話じゃないでしょう。子どものために全てをなげうって県外に出た人たちの気持ちをまったく考えていない」と話した。
これまでもいく度となく福島県民の声は「原賠審」に届けられてきた。第15回「原賠審」(10月20日)では、県民が審査会で直接訴えたのだ。
区域外避難者(「自主」避難者)への賠償問題は、待ったなしだ。今回の「原賠審」の決定を許さず、変更をせまる取り組みを全国からすすめていかなければならない。(湯本雅典)
*FoE Japanおよび福島老朽原発を考える会(フクロウの会)の声明
http://fukurou.txt-nifty.com/fukurou/2011/12/post-4937.html
→動画(YouTube)
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staff01.
Last modified on 2011-12-07 09:48:25
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