レイバーネットTV第20号放送「JAL解雇争議」特集・テキスト版 | |||||||
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レイバーネットTV第20号放送(10月6日)の全テキスト版です。ご活用ください。(作成=ゆか、写真=杭迫隆太)。なおアーカイブ映像85分は下記でご覧になれます。 http://www.ustream.tv/recorded/17715288
土屋:震災以降、様々な労働問題が陰に隠れてしまっていますが、実は!注目すべき労働裁判の一つがが大詰めを迎えております。今日の特集は、題して【JAL解雇争議 空の安全が危ない!】、20時20分頃からお伝えいたします。ここでお馴染みになってきました、ワンポイント英会話。まあ何といっても、ニューヨークのウォール街の占拠が今話題ですけどもね。 松元:ホットな話題ですね今ね。 土屋:これを英語で言うと何と言えばいいですか? 松元:「ウォール街を占拠しろ!」=occupy wall street.[occupy a'kjəpai, wɔ:'l stri:'t] 土屋:オキュパイ ウォール ストリート。 はい皆さんご一緒に。 松元:Occupy wall street.で、今度、東京も占拠するって話もありますけど!じゃあ、東京を占拠しよう!言ってみましょう。 Occupy Tokyo![a'kjəpai, toʊ'kioʊ,] 土屋:これを合言葉にね、この数日後に呼びかけがあるということですけどね。 松元:はい。あると思います。 土屋:とんでもない世の中になってますけども。 松元:今晩のレイバーネットTVは、神楽坂の第2スタジオ、スキャットセミナールームから放送しています。 土屋:なんか戻ってきましたね。 松元:また戻りました(笑)。今晩も沢山の方がお集まりです。スタジオの外からもツイッターでご質問やご意見などお寄せください。ハッシュタグは#labornettvです。まずは今月のニュースダイジェストをお伝えします。尾澤さん、よろしくお願いします。 【ニュースダイジェスト】 こんばんは。まず、原発関連のニュースからお伝えいたします。子どもたちを放射能から守る福島ネットワークの佐藤幸子さん、福島の子どもたちを守る会の泉かおりさんたち6名による訪米報告記者会見が、9月25日、経済産業省前で行われました。佐藤さんたちは、9月18日から25日まで訪米し、ニューヨークとワシントンで市民団体、議員、アメリカ原子力規制委員会などに福島の実態を訴えました。 <映像:TV報道> また国連前でスタンディングデモを行いました。国連の原子力安全に関する首脳会議で野田首相は「日本の原発の安全性を世界最高水準に高める」と表明しましたが、佐藤さんは野田首相に「子どもたちの命を守ってほしい、日本が世界の手本になるように原発を止めてほしい」と直接訴えて来ました。 <映像:佐藤幸子さん、経産省前> アメリカの市民団体やメディアからは、日本の情報が入ってこないという声が多く聞かれたそうです。「福島にはまだ子どもたちが生活しているのか!」という驚きの反応もあったという報告もされました。会見の後半にはこれからの闘い方についての意見交換も行われ、泉かおりさんは「来年にかけ全国の停止している原発の再稼働を許さず、すべての原発を止めていきたい」と強く語りました。 さて、この本「ボクが東電前に立ったわけ」。この著者である園良太さんが、9月23日「差別・排外主義にNO!9.23行動」のデモで逮捕されました。いきなりデモになだれ込んだ多数の警察官に押し倒され、拉致されるように連れ去られたのでした。ねらい打ち逮捕であり、許せません。園さんは10月4日に釈放されました。 釈放後のインタビューの映像がありますのでご覧下さい。 <映像:釈放後の園良太さんインタビュー> 園:普通、逮捕されたって聞いた時には、こっちから何かしたんじゃないかっていう風に、一般の人は思うと思うんですけども、僕の場合は本当にただ、歩いて、横断幕をこうやって掲げてただけなんだけれども、公安警察がわあっと手を引っ張ってきて、押し倒す。でその後ろにいた、警察の部隊長のような人間が、「あいつをやれ!」という指示を出して、で後ろにいた警官が突っ込んできて、押し倒されて。 本当にひどい逮捕です。原発に反対する運動をつぶそうとするこのような弾圧に、断固抗議したいと思います。 次です。「全国で1万4千人が「雇い止め解雇」〜郵政の横暴に怒りの座り込み」のニュースです。日本郵政は、9月末で65才を越える非正規社員1万4千人を一斉に解雇。これに対し郵政ユニオンは、9月27、28日に本社前で抗議の座り込みを行いました。コールセンター電話受付業務をしてきた深尾忠典さんは「何より許せないのは何の説明もなく、就業規則が変わったというだけでクビになること。職場の実態を考えていない」と怒っています。配達ドライバーの丹羽良子さんは「私の職場では4人が雇い止めになり、仕事が回らなくなる。ハローワークに行ったら、同じ業務の求人が出されていた。本当にふざけている。職場は混乱し、業務サービスの低下は必至だ」と厳しい口調で語りました。郵政ユニオン所属の雇い止め対象者は32人いますが、提訴も検討中とのことです。 さて、今アメリカでは、「ウォール街を占拠しろ」の連帯デモが燃え拡がっています。グローバル資本主義の金融的中心地ウォール街で、9月17日から行われている「ウォール街を占拠しろ」キャンペーンへの連帯デモが、10月1日全米各地で行われました。ニューヨークでは約1万人がデモに参加。ブルックリンブリッジ上で警察がデモ隊の先頭を誘導して車道にあふれさせる原因をつくり、約700人を逮捕しました。 <映像:アメリカ「ウォール街を占拠しろ」写真> 9月29日のニューヨーク占拠宣言では、「我々の政府は、人間よりも利潤、正義より自己利益、平等より抑圧を重んじる企業によって動かされているのです。我々は多くの人たちにこの事実を知らしめるために、市民としての権利のもと、ここに平和的に集まって抗議をしているのです」と訴えています。映画監督のマイケル・ムーアや芸術家のオノ・ヨーコさんなどもキャンペーンへの支持を表明しています。すでに全米116都市で賛同者がグループを結成。10月15日には、全世界での一斉行動がよびかけられています。 以上、ニュースダイジェストをお伝えいたしました。 土屋:はい。 尾澤さんありがとうございました。続いては、乱さんジョニーさんの【不満★自慢】のコーナーです。今日は、会社が逆ギレしてきた、とんでもない事件を紹介いたします。 【不満★自慢】 ♪ ジョニー:不満自慢コーナーのお時間がやってまいりました。 お相手は私ジョニーHと。 乱:川柳界の永遠の若手、乱鬼龍です。 ジョニー:ここのところ、ずっと原発関係をこのコーナーでやってましたが、今日は久々にレギュラーバージョン、ということです。 ということで、今日の気になる不満職場は? 早速届いているメールを紹介、というところですが、今日は何とご本人登場します。 乱:生出演。(笑) ジョニー:不満を訴える方が出演しておりますので、ご紹介します。 衣川清子さんです。(拍手) 衣川:衣川です。テレビ出演は全く初めてなので緊張しています。よろしくお願いします。 ジョニー:「街宣行動をストーカーにすりかえる裁判所〜川口学園事件で緊急院内集会」というニュースがレイバーニュースに載ったんですけども、具体的にどんなことなのか、お話していただけますか? 衣川:私は元々、川口学園が運営する、埼玉女子短期大学という所に1989年から19年間勤めておりました。専任教員として、最初は専任講師だったんですが、それから准教授になって、ずっといたんですが、2008年、急に解雇を言い渡されました。その理由の一つに挙がったのが、研究室でお菓子を配った、と。それで苦情が出た、というものです。裁判自体は負けてしまいまして、去年の9月に、最高裁でも、もう教員としての地位がないことは確定した、ということになってしまいました。でもこんな、お菓子で解雇された、というのは、納得できませんので。それからも、組合と一緒に、学園の前で宣伝をしたり、団体交渉を申し入れたりしていたんです。 ジョニー:場所は大体どの辺あたりですか? 衣川:学園は、高田馬場の駅のすぐそばにあります。 ジョニー:あーじゃあ、高田馬場の駅前、ですか? 衣川:はい。 ジョニー:どんなスタイルで? 衣川:このスタイルです。 <「『お菓子解雇』本人」というたすきを見せる>(笑) ジョニー:本人ですよっていうことで。 乱:選挙みたいだな。 ジョニー:それで「お菓子解雇事件」とか言われてるようですけども。他にどんなことがあったんですか? 衣川:あとは、学長の論文を批判した、ということを言われました。ただ、論文を批判する、っていうのは、大学ではよくあることなんですよね。 ジョニー:学長っていう方から、嫉妬されたとかそういうことはないですか?(笑) 衣川:いや〜…そうは思わないんですけども。でもそういう風に仰る方もいます。 ジョニー:ねえ。そういう方もいらっしゃいますよね。他には、騒音がどうのこうの、っていうことを。 衣川:そうなんです。私、お菓子をいつも研究室に準備してあったんです。 ジョニー:ちょっと待って。そのお菓子がどんなものかってのを。具体的にね。例えば高級なマロングラッセとか…。あれだとなんかちょっとねえ、アレですけど。 衣川:普通のお菓子です。 ジョニー:あ〜高級な(笑)。ひかえおろう納豆、うまい棒30本入り、1本10円。そういうのを学生さんに、研究室で。大学いも。やっぱり大学だから。高校で配ったら? 乱:いくらか短くなる。タンキ大学だから。 ジョニー:ああ!出ましたね。(笑) 衣川:緊張してる学生もいますから、お菓子を出して、「これ新製品なんだけど、どう?」と話のきっかけの小道具に使ってたんです。 ジョニー:なるほどね。それはでも、コミュニケーションを図るためとか、ねえ。大変失礼なことを言うと、学生からは、こういうものをあげてるから人気があんじゃねえか、なんていう嫉妬心とかね、そういうことあるかもしれないし。もっと何か具体的なことありますか? これだけでクビじゃねえ、ちょっといくらなんでもひどすぎる。 松元:私なんて辞めさせられちゃいますよ。 ジョニー:お菓子の会社どうすんですか。(笑) 衣川:私が誕生日7月なんですけども、学生が集まって、誕生会を開いてくれたんですよ。いつも先生お菓子をありがとう、ということで。 ジョニー:それはどっか飲み屋とかそういう? 衣川:いえいえ、私の研究室に集まって。それでその時にバースデイソングを歌った。その音がうるさかったと。 ジョニー:相当じゃあ大勢、300人ぐらい? 衣川:10人ぐらい?(笑) ジョニー:うるさい、っていう騒音だったわけでしょ? 乱:それ誰が聞いててうるさいっつったわけ? 衣川:いやわからないです。匿名の人が言ってきた、っていうふうに。 乱:それはあれだね。そう言ってきたとこがやかましい、みたいな。(笑) ジョニー:ねえ。乱さんどうですか?さっき建てつけがどうのって言ってたけど。 乱:常識的にさ、壁があって10人ぐらいで話してるのが騒音だってのは、どっかでおかしな話だよな。お菓子裁判だからさ。(笑) ジョニー:それで今、裁判所のほうから具体的に何をしちゃいけないって言われてるんですか? 衣川:妨害禁止仮処分、ということで。一つは、学園や短大の周囲200メートル以内には立ち入り禁止。 ジョニー:立ち入り禁止って、そこに入ったところで逮捕される可能性もあるってこと? 衣川:はい、そうです。徘徊とか、立っていることもダメっていうふうに書いてあります。 松元:信じられない。組合活動なんですけど。組合の権利はどこに? 衣川:はい、そうなんです。 ジョニー:それで、200メートル以内っていうと、立地的に言うと、高田馬場の駅の構内も全部入っちゃう、という。 衣川:はい。(笑) ジョニー:そうすると、衣川さんに限らず、衣川さんが所属している組合の方は、そこを通れないから、通過する時には遠回りしなきゃいけない。どうやって?新宿かどこかで乗り換えて行く?っていうことですよね? 松元:信じられない。 ジョニー:ああそれがそれがストーカー扱い、みたいな感じで。他にこれダメだ、ってのありますか? 衣川:あと、架電といって、電話をかけることらしいんですが、裁判所用語では架電ていうらしいんですが、架電禁止。 ジョニー:誰が誰に電話しちゃいけないの? 衣川:組合や私が、学園に電話をかけてはいけない。 松元:ええ〜!? 乱:カデンって、架線の架? 衣川:はい。 ジョニー:(笑)間違い電話とかかけちゃえば。 衣川:(笑) 乱:わかんねえな。 ジョニー:理由がわかんないよね。 乱:そういうことを電話して聞いてみたら?(笑) ジョニー:なんでいけないんでしょうか?って?いいですね!(笑) 乱:デンワ急げ、ってね。(笑) ジョニー:衣川さん、どうもありがとうございました。結構こういう所で言うの、勇気いることなんですよね。 乱:でも勇気出るでしょ?こうやってやるとね。 衣川:はい。ありがとう。ございます 乱:こんなオカシなことで黙ってられるか。 衣川:ほんとです。 ジョニー:最高裁で判決が出たとしても、地位の部分がどうなった、っていうことで、例えば生存権だとか、パワハラの部分だとか、そういった労働争議ってのは残ってるわけで。それはどんどん訴えなきゃ。訴えてる限り労働争議は残っている、ということですね。実は私自身も今最高裁で上告受理されて裁判続けてるんですけども。そもそも労働争議っていうのは、裁判所はその前の段階で、雇用主と労働者との間でやらなきゃいけない、っていうのが基本だそうです。それで、どうしてもっていうときには裁判になるんですが、マーこの裁判所っていうのはね、最高裁も含めて、その下の裁判所も雇用者側に圧倒的に有利な内容の、無理ぐりな判決を出していく。この後も出てきますけども。そういったことで、話し合いに応ずる態度を雇用者がとらないんですね。で、雇用者のほうが「納得いかなければ裁判でも起こしたら?どうせ負けるんだけど…へっへっへっ」みたいな、そういう態度できている。これは誰が悪いんでしょうかね? これは司法、それから裁判所が悪いんで、その司法や裁判所の暴走を止めるためにも、この衣川さんと所属組合を守るというか、応援するというね。訴えられてることですからね。守って、支援したいな、と思っております。乱さん、ここで一句お願いします。 乱:今日の一句は、これです。「菓子解雇 甘くみるなと 苦りきり 乱鬼龍」 甘くないよ!なめんじゃねえぞ!キャンディじゃねえぞ!というね。 ジョニー:乱さん自信ない時は色々出てくるんで。(笑) 拍手が出ないと。(拍手)私の方は歌でいきます。 お菓子解雇事件の歌(ハッピーバースディの替え歌) 乱:乱鬼龍でした。 ジョニー:と、今日のゲストの衣川さんでした。 ♪ 松元:次は【特集 JAL解雇争議 空の安全があぶない!】です。 【特集 JAL解雇争議 空の安全があぶない!】 キャスター右:土屋 トカチさん ゲスト右:新聞労連委員長 JAL争議共闘会議幹事 東海林智さん ゲスト中:客室乗務員 原告団長 内田 妙子さん ゲスト左:JALパイロット 原告団長 山口 宏弥さん キャスター左:松元 ちえさん 土屋:今日ご紹介するのは、JALパイロット原告団長の山口宏弥さん、客室乗務員の原告団長内田妙子さん、新聞労連委員長でJAL争議共闘会議幹事を務める東海林智さんです。(拍手) 松元:昨年大晦日に165人が整理解雇されてから、もう1年になろうとしています。非正規の労働者だけでなく、もはや正社員でもこんなふうに大解雇されてしまうんだ、と唖然としたことを覚えています。会社は一体、人間と、その人の仕事を何だと思っているんだ、と問い質したい。その責任ある日本航空の、稲盛会長の証人尋問が、先週ありました。JAL争議第2弾、9月30日、東京地裁の大法廷で、稲盛氏がどんな発言をしたのか、まずは映像をご覧ください。 <映像> テロップ:2011年2月8日 日本記者クラブ会見 司会:改めて今日のゲストをご紹介申し上げます。 日本航空会長兼、CEOの稲盛和夫さんです。 稲盛:債権者、金融機関、あらゆる所に更正計画を出して、それを照準にしていただいて、じゃあこれがJALが実行すれば、再生できるだろう、ということを認めていただいたものなんです。その人数が、最後残ったのが160名。その160名を残すことが経営上不可能かというと、そうではないのは皆さんもうおわかりになると思いますから。私もそう思いました。しかし、一度約束をし、裁判所も、債権者も、皆も大変な犠牲を払ってやって、じゃあこれならよろしい、と認めたことを、1年も経たないうちにですね、それを反故にしてしまうと。今までJALの経営者は全て、そういうことを反故にしてきたと。そのために、信用ならないんだ、ということをあえて突きつけたんだと。だから、わずかかもしれない。それで、しのびないかもしれないけれども、それで助けてあげたいのは山々かもしれないけれども、それは、全体でもって、裁判所も金融機関も債権者も、皆がそれを前提に認めたんだから、ということでした。 テロップ:9月30日 東京地裁 チラシ配布女性:今日稲盛会長が証人尋問に出ます! 原告:私たちを解雇した理由をちゃんと述べて欲しいです。必ず私達勝ちますので。 テロップ:傍聴者は… 取材者:どんな感じ? 稲盛氏。 傍聴者:稲盛氏? あれは…ひどいねぇ。全くよく、ホント、何の責任もないお飾り、という自分を演出してましたよ。 テロップ:続きはスタジオから <稲盛仮面登場、東海林氏が拳を振り上げるそぶり>(笑) 稲盛仮面:知らなかった。管財人が決めたことだ。記憶にない。覚えていない。知らない。いや、うっすら覚えているかもしれない。(笑) 利益なくして安全なし。 土屋:ていうようなことを言っている稲盛和夫さん、こういう方ですけどね。 松元:まず、皆さん当然傍聴されたと思うんですけど、どんなことを稲盛会長は言ってたんですか?今みたいな? 山口:そうですね、特徴的だったのは2つですね。”今回の整理解雇については、私に責任はない”と。”判断をした、実行したのは管財人らであって、私は単なるアドバイザーであった”。 土屋:会長だけどアドバイザー、もう要らないな。 山口:もう一つ、特徴的だったのは、安全問題に対して、全く関心がなかった、ということが尋問の中で明らかになったことだと思いますね。 松元:ええ!関心がないんですか!(笑) 土屋:京セラと混同してんじゃないんですかね。 東海林:”私は航空の素人ですが”ってね、言ってましたよね。”素人だから知らなくていいんだ”って。 稲盛仮面:すいません。 松元:全く関心がないっていうのは、ちょっと、飛行機飛ばしてるんですけど、っていう感じなんですけど(怒)。(笑) どうですか?パイロットとしてそういう発言を聞いて。 山口:2005年に日本航空、安全トラブルが多発しましてね。その時に2005年の4月に福知山線の事故なんかがあって、国土交通省で安全の問題に対して、公共交通機関の安全に対する対策、って言いますか、そういうのがとられる中で、日本航空の場合には、いわゆる事業改善命令が出ましたけども、それを受けて、社外の有識者で安全アドバイザーリーグループ( http://www.jal.com/ja/safety/advisory/ )という有識者の学者・研究者のグループができまして、これは国の指導でできたんですけども、そういう提言をしたわけです。その提言が2005年の12月にあって、その後、一昨年の12月に、これは第2回目の提言ということで、これは日本航空が経営危機の中で、どうなのか?ということで、アドバイザリーグループが提言しているんですけども。その提言というのは、”安全への投資”ですね。”色々な取り組みについては、経営に左右されてはならない、財務状況に左右されてはならない”ってことを提言してるんですね。”経営危機の時こそ、安全に対して重点的に行うべきだ”ということを提言してるんですけども。それについて、原告の代理人から、「ご存知ですか?」ということを聞きましたら、「知りませんでした」と。 松元:(笑)会長なんですけど。 山口:その時に、同じく航空法の改訂になりまして、103条というところですね。”常に航空事業者は安全の向上に努めなければならない”という常務があるんですけども、(2009年度 JAL グループ安全報告書=http://www.jal.com/ja/safety/pdf/safety_report_2009.pdf )(航空法=http://www.houko.com/00/01/S27/231.HTM#s7 )その点についても、”知らない”ということで、はっきりと表明されたんで、私たちは、だからこそ”利益なくして安全なし”と、利益がなくて安全は担保できないんだということを平気で言われているっていいますかね、全くそういったものに耳を傾けてこなかったし、また周囲の関係者も、そういった点について過去の連続事故の歴史やそういったものに対して、ブリーフィングといいますか、説明とか全くしてなかったか、まあどちらかなんです。いずれにしても深刻な問題だっていうふうに、航空企業、航空会社の経営者としての資質が問われると。公共交通機関ですから。そういう点について、私たちは非常に今回の裁判で、びっくりした、といいますかね。はっきりしたことだと思います。 松元:私いつも乗るほう、なので、責任者があんなこと言ってるって。 稲盛仮面:ああJALに乗ってる? ありがとう。稲盛です。(笑) 松元:JALに乗りますよ。今は乗らないんですけど。でも責任者があんなこと言ってるの。ええ!こんなのちょっと、乗ったら怖いな、と思いますよね。皆に聞いてもらいたいです。内田さんも、当時傍聴されていて、しかも直に稲盛会長に質問されてる、尋問されてると聞いたんですけど。 内田:今の点についても、私は想定内、でしたね。 松元:想定内。(笑) 稲盛仮面:いい加減だと。 内田:それも悪びれずに、知らなくても当然のようにお答えになってらっしゃったのもさもありなん、っていう感じはあったんですよね。というのは、なぜかと言いますと、日本航空の整備出身の大西社長とも、団体交渉で色々この整理解雇問題をめぐってやり取りがあったんですが、安全との関係で、日本航空で、過去どれぐらいの事故で犠牲者を出したか、勿論大西社長ご存知ですよね?って伺ったことがあるんですよ。その時に、1000人〜1500人かな?って言われたことがあるんですね。(笑)735人なんですけれども。 土屋:全然数知らないんだ。 内田:ええ、もう、JALの出身者の社長でさえそういうお話でしたので。 松元:人の命なんですけど、っていう感じですよね。 内田:そうなんです。ですからまあそういった方たちに取り巻かれていらっしゃる稲盛会長が、そういうことも知らなくてもやっていけるんだろうな、っていう。 まあ経営の、上のほうの問題でもあると思いますけれども、そういうふうに思いました、あの発言を伺って。 松元:法廷内で直接聞いた質問というのは? 内田:稲盛会長と私、去年の2月10日に、2月1日に就任されましたので、初めて、各労組、8つの労働組合その時ありましたが、代表が面談、ということで、その場が持たれたんですね。で、その時に少しやり取りがあったんですけれども。それ以降、昨年整理解雇が9月以降持ち出されて、稲盛会長の出席を再三要請していたんですよ。解雇されてからも、山口団長と私で、両名からの面談も申し入れしてたんですが、一向にお会いしてくださらないので、9月30日の法廷の場で、2月10日以来の対面、ということになりまして、私はその間の、こちらの色々と伝えたいこともありましたので、原告から尋問させていただく、という時間をとっていただいて。 松元:稲盛氏、そこにいますが、是非。 内田:そうなんです。では稲盛さんよろしいでしょうか。(笑) 原告、内田として色々伺います。 稲盛仮面:はい。 内田:あなたは、会長就任間もない2月10日、労働組合と顔合わせの場を持ったということは覚えてらっしゃいますか? 稲盛仮面:うっすら、覚えている。 松元:うっすら…。(笑) 内田:その時に、誠実に話し合いたいと。私は、労働組合と会長で、情報を共有するために、協議の場を持っていただきたい、というふうに言ったことも覚えてらっしゃいますか? 稲盛仮面:覚えておりませんね。 内田:覚えていない。 稲盛仮面:覚えていない。記憶にありません。 内田:あー。あなたはその時わざわざ、マイクを手にとって、「一つ一つごもっともです、そういう方向で改善して行きたいと思います」って仰ったんですが、そのことも覚えてらっしゃいませんか? 稲盛仮面:うっすら、覚えていますね。 内田:うっすらですか? 稲盛仮面:うっすらと…。ちょっとトシなんでね。(笑) 内田:(笑)そういう中で、私達何度も面談申し入れていたのですが、伝わっていましたか? 稲盛仮面:伝わっていないですね。知らないな、うん。(笑) 内田:12月9日から12月末の間に、あなたに団体交渉の出席を求めたんですけれども、それも伝わっていませんでしたか? 稲盛仮面:うん、伝わっていないですね。 内田:先ほどの尋問の中で、客室乗務員の削減目標はもう達成していたということがありましたけれども、あなたにそのことは伝わってましたか? 稲盛仮面:伝わっていないですね。 内田:私たちは団体交渉で、整理解雇の回避措置の提案をいくつも再三しましたけれども、そのことは伝わっていましたか? 稲盛仮面:いや、伝わっていないですね。おれ会長だったかな?何だったかな?忘れちゃうなあ。(笑) 内田:では、私達が提案していたことについて、耳を傾けようというふうにも思われなかったんですね? 稲盛仮面:思ってないですね。 内田:あなた自身、解雇以外の方法で、何とかやりたいといういう思いを持ってらっしゃったと思うんですけれども、そういう意味では、私達のこの提案を聞いていただければ、その思いは叶ったんではないですか? 稲盛仮面:聞いてないから、わからないですね。会長だけどね、うん。(笑) 内田:今までのお話を伺いますと、正確な情報が伝わっていなかった、ということになりますね。 稲盛仮面:その通りですね。 内田:以上、終わります。という形で(笑)。 土屋:何のためにこの…すごいですね。 松元:本当にそんな問答だったんですか!? 山口:うん本当ですね。 稲盛仮面:会長サイコー!会長だぞ!(笑) 山口:内田さんは想定内、でしたけど私は想定外でした。会長を信じてましたからずっと。 内田:えっ!?(笑) 稲盛仮面:信じてくれてたのに、申し訳ないね。 内田:私たちもね、2月10日のあの場で”本当に仰ることはごもっともだ”って言っていただいた時には感激したんですよね。稲盛会長の下で再建が進められるということについて、まあ今までの労使関係の問題様々ありましたので、そういったこともいい方向に進んでいくんだろうな、と期待した部分もあったんですよ。ところが一度も出席してくださらなくて、まして解雇されてから、法廷の場でお会いすることになるとは、夢思ってもいませんでしたけれども、もっと早くに私達の話を聞いていただけていれば、この解雇はなかったかもしれない、というふうにも思いますよね。 松元:う〜ん…そうですかね〜。いや私はけっこうそこシビアに…(笑)。なんかまるで、嘘ついてるんじゃないですか法廷で?っていう感じに思っちゃうんですけども、そうは思われないですかね? 内田:いや、意外に。管財人が全て決めたということを、しきりに繰り返し仰ってましたけれども、それも…確かにあったんだろうな、とゆうふうにも思います。 山口:稲盛会長は9月9日に陳述書というのを、証人尋問に出ますんでね、裁判所に出してるんですけども、その中で”私は航空の素人です”ていうのをね、3回入ってるんですよ。(笑) 要するに、先手を打つ、って言っちゃ何ですけども、先に予防線、ていいますかね、この後何か起きても自分は素人だったと。あなた方、プロであるにも関わらず何故私に言わなかったんだ?と、責任はあなたですよ、とまあそういうことを先に宣言してるのかな?というふうに思いましたけどね。 土屋:会長で素人って、すごいねー。 内田:今の点で言いますとね、一つやはり大きな問題があるというのは、稲盛会長が管財人支援機構から、そして政府からも要請されて、ご本人の仰ることでは、ですよ、”お断りしようと思った”と。それでもまあ、請われてね、就くことにした、と。それはもう社員の皆さんを幸せにしたい、ということもあってですね、 松元:(笑)全く逆のことしてんですけど。 内田:幸せにしたい、という気持ちもあって、最後のおつとめと思って引き受けた、って仰るわけですよ。その方は、日本航空で絶大なる力を持ってらっしゃったはずなんですよね。にも関わらず、ことこの整理解雇問題については言いなりだったとするならば、一体あの方は何のために会長として日本航空にいらっしゃったんでしょうか?という、そこの点は非常に大きな問題点であると思います。 松元:あなたは、人を幸せにする、って、人の仕事をとるっていうことなんですか?っていうふうに聞きたいですけれども。東海林さんは、JAL争議共闘会議代表幹事をされてるそうなんですけども、傍聴されて、先ほども映像にありましたけれども、どうですか今のやり取り?私も聞いてびっくりしましたけれども。 東海林:でもほんと、昔の国会議員がね、罪に問われる時に、”秘書が、秘書が…”って逃げるのと一緒ですよね。(笑) ”管財人が、管財人が…”っていうことで。しまいにはね、”私が決めたんじゃなくて管財人の計画なんだ!”っていうふうに開き直ってましたんで。 松元:じゃあ管財人に会長になってもらいましょう。(笑) 東海林:うん。じゃああなたの仕事は何か?と聞かれたら、”経営のアドバイスをすることです”ということを言ってて。要するに、ほんとなら自分は責任はないんだ、ってことを延々言ってましたね。でさっきの、就任の時の話もありましたけど、彼が今言ってたのは、残された社員の幸せ、っていうことを言ってましたよね。クビ切った人はもう全然知らないと。 松元:165人もいるんですけどね。 東海林:だからもう全然そこらへんはほんとに知らなかったし。僕が一番わら…笑ったっつったらアレですけど。彼が、先ほどの冒頭の、160人を整理解雇する必要はなかった、と、経営上、っていうふうに言ったわけですよね。さっき見たとおり。それをね、”経営上”を”経理上”っていうふうに、まず言いかえたね。”経営上”っていうと自分の判断が入ってくるから、 松元:そうですよね。管財人のせいにするために。 東海林:”経理上”っていうふうに言いかえて。でまあ、ああいうこと言って、整理解雇必要なかった、って言ったわけですよ。で、裁判長に最後に、”あなたがあの発言をしたのは、原告などが裁判に提訴した後に、ああいうことをあなたは、必要なかった、って言ったんだけど、波紋が広がるとは思いませんでしたか?”って聞かれて、”軽率な発言だと深く反省しています” 稲盛仮面:スマン!スマン! 松元:軽率な”発言”のほうか。 東海林:はい。だから、非常に本当、無責任で。で、あれで、これまで一人もクビを切ったことがないとかいって、経営の神様だ、っていうふうに言ってきた、それのメッキはもうバリバリと剥がれて。本当に、僕は、報告集会でも言ったんですけど、僕本当、高齢者には敬意を表するんですけども、本当に、哀れな老人に見えました。 松元:いやだってあの後、何十億使ってペンキ塗り替えてね、やったりしてますからね、確かに必要なかったんですけど。今社内でまだ、先ほど幸せにしたいって言ってたのは、もし今残ってらっしゃる方であれば、社内の仕事仲間とまだコンタクトがあると思うんですけども、 山口:もちろんです。 松元:中ではどういう話になってるんでしょうか? 山口:今の現場の影響ってのがですね、まあパイロットの職場で言いますと、3つあると思うんですね。一つは、ベテランがいなくなったということで、まあどこの社会でもそうだと思うんですけども、技術の伝承ですね。これが一つ。それから二つ目は、自分が果たしてこの会社で、定年まで安心して働けるのかという、その不安ですね。それが、将来展望が失う、ということで、モチベーションの低下。これはもう既に、今年になってから、整理解雇の後ですね。30代の副操縦士が、もう20人以上辞めてるんですね。これは自分からの退職です。私の職場ではそうなんですけど。そういう形で辞めて、競争してる他社に行ってるわけですね。それから三つ目が、非常に今回の整理解雇で深刻なのは、人選基準で。先ほどお話しましたけど、過去の身体上の検査とか、病気を理由に切られた、ということが非常に大きな影響があるんです、これは直接的な。 皆さん覚えてらっしゃるかと思いますけど、1982年に羽田沖事故が、機長の逆噴射という問題があって、その時にパイロットの健康管理っていうのが、非常に社会的な問題になってですね、それまでは産業医がやってたんですけども、航空身体検査ですね、それを国が、航空医学センターというのを立ち上げて、国がまあ、監視するっていいますかね、国がモニターしながらやるということで、基準もかなり厳しくなったんですね。パイロットの中で多いのは、腰痛とか、航空性中耳炎とかですね。他には、癌なんかも比較的、他の職業の人と比べると。宇宙性被曝かどうかわかりませんけども、そういった影響もあるんですけども、特に腰痛とか、四十肩ですか。このぐらい(肩辺り)まで腕が上がれば普通仕事に差し支えないんですけども、パイロットの場合、この辺までしか上がらないと、乗務できないわけです。上のパネルに手が届きませんしね。大体腰痛なんかになりますと、大体1週間か2週間では治りませんから、そういう点では、過去そういう検査で休んだり、2ヶ月、41日とか61日とか、解雇するに基準がありましたけども。他にも例えば、基準の中では、風邪薬を飲みますね。風邪薬を飲むと、24時間フライトできないと。 私なんかも、クビ切られる前は産業医の所行って風邪薬もらいますと大体「次はフライトいつですか?」と聞かれて「3日後です」と言いますと、大体2日分しか風邪薬っていただいたことなかったんです。乗務に差し支えますから。クビ切られてから、風邪ひいてクリニック行って、4日分もらいましたので、家族で分けて飲んだ飲んだぐらい。(笑) ですから、市販の風邪薬でも飲んだら、翌日は自分から申告して休みますと。これがいわゆる安全をお互いに担保する形できたわけですね。会社のほうも。 それが今回こういう形で切られたことによって、今産業医も、職場の報告ですと、色んなコメントを書く時に、あまり書くとどんなことがあるかわからんからね、困りますね、ということで、ほんとに自ら自分の健康状態を申告して、またそれを聞くドクターのほうもそれを判断して、っていうようなとこが今ないんですね。ですから、非常に無理して飛ぶ、というのが今。それは健康上の問題もそうですけども、また1月から新人事賃金制度ってのが入ってきまして、給料については3割以上もカットになって、昨年から更にですね。そういう中で、出来高払いというのもできまして、非常に休みにくくなってる、っていうんですかね、病気を申告しにくくなった。休暇を取りにくくなった、そういう状況ですね、今。 東海林:病気になっても隠すよね。 松元:ねえ。人数少ないし。 東海林:病気なんて言ったらクビになっちゃうかもしれないわけだし。病気隠して運転させるのは怖いよね。 土屋:客としては怖いねえ。 山口:それともう一つ大きなのは、稲盛会長が言われてる、”利益第一主義”ですね。経営の神様と言われてましたから、神話が崩壊したとは思ってんですけども。神様と言われてる中で、やはり経営トップの言うことってのは非常に入るんですね。特に管理職の人っていうのは、それをストレートに出しますから。この前報告あったのでは、この前台風来ましたよね。その台風の時に、まあ勿論会社に行って出頭して、フライトプランとか整備の状況とかチェックするんですけども、そこで、例えば東京から沖縄に行くまでには、航路はどこを選ぶか、っていうのをやって、そこで燃料を搭載してるんですけども。台風が来たら大体避けて、フライトプランっていうのを、そういう計画のものを持って、まあ自分が納得しなければ別なプランを作ってもらったりするんですけども。今回ある機長が、ディスパッチっていう運航管理との話が終わって機材のほうに行って、ブリーフィングを客室乗務員とするんですけども”今日は台風来てるけども、このルートで行くと、燃料費が20万円余計にかかるので、避けずに行くので、揺れるから、サービスはなかなか難しいから、そこんとこは注意してやりましょう”というようなことでの話ですね。 土屋:揺れたい方はJALに。 山口:本人はそれに対して、これは自分が悪いことだとか、そういうことよりも、経営トップから言われて、本当に素直に。まあなかなか個人のアレもあるんですけども、そういう状況が出てるっていうのが、非常に深刻な状況だと思います。ですからやはり、経営が安全なくして利益は出ないんだ、というようなことを、やはり言っていただかないと。 松元:でもその人にとってみたらそれが生き残り手段なんですから、そうなってもおかしくないですよね。内田さんは、社内のお仲間とお話されてますか? 内田:はい。私まだ執行委員でやってますので、解雇されましたけれども。色々な報告は聞いてます。実際、直接現場の方からの報告もあがったり、大会でも色々な意見が交わされるんですけれども。”物心両面不幸です”っていうのが皆言ってますね。 松元:ブッシン…ごめんなさい。(笑) 内田:稲盛会長は”物心両面幸せにしたい”って仰ってるんですが、現場の人たちは”物心両面不幸です”って言ってるんですね。今、少し話が出ましたように、1月から賃金大幅カットで、4割減ぐらいになってますから。 土屋:4割減!ひどいね。 内田:はい。もう若い人も、生活が非常に厳しい、ということで、お家賃も含めてですね、相当困っているんですよ。それも、今後将来的に上がる見込みがあるのかっていうと、なかなかそういう制度ではないので、もうずっとその賃金なのかな、と思うと、仕事を変えたほうがいいかな?っていうのは、比較的若い方たちが退職が続いてる、って聞いてます。もう他社に移っていく、っていう形で見切りつけて辞めるっていう。そういう人が若い人に増えている、っていうのを聞いてますし。 松元:一緒に飛ぶのも怖いですもんね、だってそんな状態で。 内田:整備の方たちも、中堅、資格持ってるような方たちがどんどん離職してる、っていうふうに聞くんですよね。ですから、運航乗務員、パイロット、客室乗務員、将来のある人たちですね、それから整備の資格者、どんどん他社に流出している、ということで。 会場:他社に行くんですか? 内田:他社です。客室乗務員でしたらもう全く異なる仕事選んだり、っていうことになるんですけれども、やっぱり航空会社っていうのは、人で持ってますからね。 現場力っていうのは非常に大事で。そういった整理解雇で随分ベテランがいなくなって、また次の層が辞めていってる、っていうのは、将来的に日本航空の経営上の大きなデメリットになっていくと思いますよ。 稲盛仮面:あれ?俺経営の神様だったはずですけどね。なんでこんなに嫌われてんのかなあ?(笑) 松元:たまたま私も3月11日、裁判傍聴した時に震災があって、そこでバタバタとあって、こんなに大きい争議なのに、ちょっと忘れられちゃった感があるんじゃないかと思うんですね。東海林さん、そういった所は支援共闘会議ではどう見られてるんですか? これからの支援の仕方とかあれば。 東海林:3月11日以降、取り上げられ方とかも勿論あったんですけど、それ以前から、これだけの、165名の整理解雇っていう大きな争議なんですけども、ある意味世間の目は非常に冷たかったんですね。 松元:それは何ですか? 稲盛がいるから?(笑) 東海林:要するに潰れた会社である、ということと。一般的なイメージとして、航空労働者は高給取りである、と。仕方ないんじゃないの?ということで、非常に冷たい雰囲気があったんですけども。でも実際、今日お話聞いてもらってわかる通り、全く法に適ってない解雇なんですね。整理解雇の4要件も満たしてないし、全く法に適ってない解雇である。これは要するに、財界が、こういう潰れた会社あるいは経営が傾いている会社では、もう解雇していいんだ、と。要するに解雇の自由化をやりたくて、ギリギリとやった解雇だと僕は見てるんですね。だからこれが、傾いた会社だったから、とか、前高給取りだったから、ということで黙ってたら、もう解雇の自由を許すことになっちゃうんですね。そういうことで、心ある労働組合が集まって、絶対これは客乗組合と乗員組合、2つの戦いだけではなくて、全体的な支援が必要だ、ということで、共闘会議が作られていった。それでようやく輪が拡がってきて、今全国に5つですかね?支援共闘会議。東京だけじゃなくて、京都、大阪、福岡、なんかにもできてます。支援の輪は拡がってきているんですね。 稲盛、さんのですね、こないだの尋問で決定的にわかった形になったんで。まあ益々これからも支援は拡げていきますけども。でも長い闘いなんでね、色んな形で。雇用保険も?もう切れた人もいるんですね。生活のこともありますんで、今度、支援共闘会議中心に、この争議を支える会、っていうのを作りました。 ( http://www.phenix.or.jp/jkkk/index.html ) まもなく、発足集会を11月7日、文京区民センターでやりますんで、 松元:早速さっきメールに流れてましたよ。 東海林:はい。これは皆さんに会員になってもらって、原告闘争団を支えようという、そういう会になりますんで、是非とも。ここにカンパすることで、この争議を支えていただきたい。それも、ゆくゆくは自分たち、僕たちが働く上で、解雇の自由なんてもの認めない、っていう戦いにもなりますんで、是非声をあげてください。黙ってれば認めることになっちゃいます。是非ご協力を。 松元:あと、私は多分乗らないと思いますけど、 山口:いやそんなこと言わずに。(笑) 松元:(笑)いや戻られたら是非私、山口さんの飛行機に乗りたいです!とか言いながら行きますけど。(笑)確か内田さんがされているこのスカーフも、共闘会議のものであって、このバッヂもそうなんですね。だからこういうのをつけながら飛行機に乗って、”私裁判支援してます”というふうに。 東海林:1個300円。 松元:素敵ですよね。 土屋:カッコいいですよね。 山口:これ「沈まぬ太陽」のカラーをイメージした。 松元:私もこのスカーフいただいて持ってるんですけど、是非していただきたい。 それから、「支える会」もそうですけども、お二人も、皆さんお仲間もそうだと思うんですけども、解雇されると突然収入が絶たれて。私なんて失業保険もなかったので全然なかったんですけど、今それも切れているということで、お二人とも生活は大丈夫ですか? 山口:私どもは歳が高いのでまだ大丈夫なんですけども、あと2ヶ月。 松元:生活を支えていく、というのは、皆さんご家族もいらっしゃるでしょうし、大変なことだと思います。仕事をしながら、仕事の先が見えないながら、裁判を闘っていく、というのはすごく精神的にも辛いですし、時間、又は年齢も不安が募ると思うので、是非そこらへんも皆さんと交流を。レイバーネットTVをご覧の方は是非「支える会」に。 山口・内田:よろしくお願いします。 東海林:まあ、この原告団は強いと思いますよ。やっぱり、誇りをかけて闘ってますからね。復職も勿論ですけども、全く理由のないことで、法的に正当でないことでクビを切られた。これまで何十年と働いてきた、その誇りをかけて闘ってるんで、強いですよ。まあ強いとはいえ、お金が必要なんで、是非「支える会」に。 松元:私さっき山口さんのお話聞いてて、すごく厳しい環境の中で仕事をされてきて、お二人ともそれを誇りに思ってらっしゃるのに、その仕事を奪われたということは、どれだけのね…。 山口:想定外。 内田:早く戻りたいって皆思ってるんですよね。一つ付け加えておきますと、元管財人代理でいらっしゃった方が、DVDで全社員教育のDVDに出演されていて、この会社の更正に携わってどうだったかという話をされてるんですよ。その中で非常に重要な発言されてるんですね。”皆さんは、安全、安全、ということを言いたいのであれば、京セラのように内部留保1兆円になってから言え”という発言を、全社員教育向けの映像で講義してるんですね。 東海林:ひっでー…1兆円ためるまでは安全と言うな、と。 山口:加藤管財人でしたっけ? 内田:はい、確か某加藤さんだったと思います。 松元:某加藤さん、覚えておきましょう。 内田:それで、ものが言えないという雰囲気がものすごく作られてるんですね。その方は不当労働行為された方なんですけれども、その方を映像に使って、ましてや安全を言うな、と、利益を上げてから言え、と稲盛さんの”利益なくして安全なし”というようなことを話されているんですよ。そういう、やっぱりおかしいことが色濃く中でまかり通ると、先ほど山口さんが仰った安全運航も危うい状態になりますので、そういったことが言われないような、言うことができないような職場にしなきゃいけない、ということで、私達、一刻も早く戻って、正しいことは正しい、おかしいことはおかしい、と言える職場にしていきたい、というふうに思います。 松元:それには是非戻っていただかないといけない。 内田:そうです。 土屋:質問が来てますよ。 松元:”山口さんはまたパイロットで復職されるんですか?” 山口:はい。そのつもりで頑張っています。(拍手) 会場:ツイッターでも寄せられていますが、原発との共通点の意見を寄せられている方もいますけど、東電、JAL、側のほうに見られていて、どうですか? 山口:東電の破綻も、JALの破綻も、原因と責任がどこにあるか?っていうところだと思うんですね。私たちは今まで、航空の会社の、リゾート開発とか、本業以外の投資ですね。こういうものもありますけど、具体的には1300億をドブに捨てたようなこともしてきましたし。やはり航空行政ですね、特に日米の貿易摩擦、不均衡是正のために大型機を大量に導入して、しかも買いすぎて砂漠に4機乗せておく、とかですね、そういうこともそうですけど。あと空港の乱造ですか、無理やり政治的な路線もあって、地方路線ですね。 土屋:全然飛んでないのにね。 山口:しかもそのための、いわゆる公租公課って言われてるものですね。全日空も日本航空も、1700億円ですね、年間に税金払ってるわけですね。これって収入の1割なんですね。こういうところをきちっと、無駄な公共投資とかそういったことを、もう少し均衡あるためには、お金の使い方ってのは色々あると思ってます。 松元:一句、川柳が来ました。「空を飛ぶにも 地上の支えから」(拍手) 山口:そうですね。 松元:そうです。是非この裁判を、皆さんで支援していきましょう! 内田さん、山口さん、東海林さん、お忙しいところありがとうございました。(拍手)山口さん、制服も着ていただいてありがとうございます。最後に。 山口:<揺るぎ無い安全運航のためにまず強く思うこと。『連鎖を断ち切る!』運航本部長 期間限定掲示:2011年2月14日〜24日>これは、去年の整理解雇前後して、非常にトラブルが多く発生しました。それに対して、運航本部長が檄を飛ばしたんですね。新年の挨拶もそうなんですけども、新年の挨拶でも、「繰り返し実施した雇用調整施策によって運航本部に所属する皆さんには心身ともに疲弊し、お互いへの信頼感も揺らいでしまった」と感じています。というふうなことで、色んなトラブルで、こういう文章が貼られました。今までになかったことです。 会場:「連鎖を断ち切る」…どういう意味ですか? 山口:航空機事故っていうのは、意外と連鎖性を持っているんですね。何故か?っていうのはなかなか証明するのは難しいんですけども。例えば規制緩和の影響があるとかね。色んな所でひずみが出る時に、連続して出る。鉄道事故なんかでもよく言われますけどね。 松元:…ということです。続いては、【木下昌明の 今月の一本】です。 【木下昌明の 今月の一本】 担当:木下昌明さん 土屋:かの有名な木下昌明さんです。男二人で今日はやらしていただきますけど。(拍手) 木下:あ、そうなの。 土屋:後で電話があるんで。今日紹介していただく映画はどんな映画でしたっけ? 木下:今日紹介しますのは、「明りを灯す人」という映画です。(公式サイト= http://www.bitters.co.jp/akari/ )これは、キルギス共和国のアクタン・アリム・クバトという、ちょっと舌をかみそうな監督なんですけども、その人が昨年作った劇映画なんですね。これは小さな村の電気工が主人公なんですけども。ここで結構自転車を使ってるんですよね。僕も自転車をよく使っていますから、そこでまず共感しました。 土屋:(笑)そっから。まずそこで。 木下:そうです。キルギスは、中国の天山山脈がありますよね、有名な。そこの反対側にあるところなんですけど、草原地帯なんですけども、そこは日本の大体半分くらいの広さなんですね。人口も560万と非常に少ないんですけども。それと同時に、あそこは遊牧民族が住んでいた所なんで、産業もあまり発達してないわけです。映画もそれほど発達してなくて、日本では「あの娘と自転者に乗って」(公式サイト= http://www.bitters.co.jp/filmbook/bccl/bccl_top.html )という映画と、「旅立ちの汽笛」(公式サイト= http://www.bitters.co.jp/tabi/ )という映画があります。これは2本ともアクタン監督が作ったものなんですけども。非常に明るくて気持ちのいい、素朴というか、純朴というか。日本の戦後の優れた映画なんかを観ているような感じです。 そういう映画を作った人なんです。今度の「明りを灯す人」も、丁度我々のような、放射能下に生きている人間の心を洗ってくれるような、そういう映画です。 ちょっと予告編観てください。 <映像:予告編= http://www.bitters.co.jp/akari/yokoku.html > 木下:この映画の主人公は、監督自身が演じてるわけです。 非常に童顔で、子どもっぽい感じで、とてもこの映画の主人公に似合ってるんですね。だからこの主人公を見てると非常に楽しくなってくるわけですけども。主人公は、電気代が払えなくて困っている家へ行って、メーターを奇妙に細工して、それでとにかく安くしてしまう、とかそういうことをしちゃうんですね。 土屋:ほー。東電にも見習って欲しいですね。(笑) 木下:(笑)そうそう。そのために、今度は警察に捕まっちゃうんですけども。それからまた、子どもが高い木に登って、降りられなくなるんですね。そうしたら本人は仕事中だったんですけども、その子どものために駆けつけていって、木に登るんです。木に登ったら、子どもは木にしがみついてるんですけども、その子どもに向かって”どうして登ったの?”って聞くんですね。そうすると子どもは”山の向こうが見たかったんだ”って。遠く、おそらく天山山脈の向こう側を見ようと思ったんだと思うんですけども。そうしたら、”僕もそうだったよ。小さい時木に登って”と主人公。そうすると子どもは気持ちが安らぐんですね。そういうふうな、非常にやさしい人で、”明り屋さん”っていうふうに周りで言われてる人なんです。彼がこの冒頭のシーンで、風車が出てきますね。彼の風車なんですけども、あれは奥さんが”あなたのオモチャだ”と言ってからかうんですね。それに対して”いや、これは電源なんだよ”って言うんです。そのシーンに僕はとても感心したんですけども、彼がある夢を持ってるんです。 川向こうの渓谷の、風が強い所に風車をたくさん作って、村全体の電力をまかなう様な、そういうものを構想してるんですね。そういうものを作りたい、と夢見ているわけなんです。そういうことは、我々の今の日本の問題にもぴったり重なるわけですけども。私、キルギスはソ連が崩壊してから独立したものの、経済的な疲弊が激しいんですね。それで若い働き手たちは皆外国へ出稼ぎに行ってるわけです。 その、誰も耕さなくなった土地を、今度は企業が入り込んできて、一儲けしようということで、中国人の投資家なんかを呼んできて、それで儲けようとするんですね。そういう紛糾なんかも描かれてまして、現在のキルギスがおかれてる問題なんかもちゃんと捉えてるわけですね。そういう中で、我々はどういう風に生きたらいいんだか、という問題提起をしているのがこの映画です。だから、我々と丁度問題が重なるので、是非観てほしいと思います。以上です。(拍手) 土屋:はい、ありがとうございます。10月8日から、東京ではイメージフォーラムでスタートしますので、是非チェックしてみてください。(関西では第七藝術劇場など。上映情報= http://www.bitters.co.jp/akari/movie-info.php ) 【ニューヨークとのスカイプ交信】 松元:木下さん、ありがとうございます。(拍手)実は今、ニューヨークにスカイプで繋がっています!(拍手) 土屋:ニューヨークに行きたいか! 松元:お相手は中村みのりさん。こんばんは! 中村:こんばんは。(拍手) 松元:すみません、朝早くからお邪魔します。レイバーネットTVです。 中村:大丈夫です。 土屋:ニューヨークは今、何時でしょうか? 中村:8時25分です。 土屋:お忙しい時にありがとうございます。 松元:ありがとうございます。早速なんですけれども、今すごくホットで、日本でもガンガン報道されていますけれど、”ウォールストリートを占拠しろ!”という、”Occupy Wall Street”といって、先ほどちょっとお話をお伺いしたんですけれども、中村さんは、実際にそちらにいらした、とお聞きしてるんですが。 中村:はい。昨日の10月5日の労組、コミュニティ団体、学生が主辞を表明したデモと、あと先週の土曜日、10月1日の、ブルックリンブリッジで700人が逮捕された、まさにあれを見てたんですけど、今のところ2回行ってます。 松元:すごい。700人逮捕された、ってのは、非暴力のデモだって言われてるんですけども、何故逮捕されたんですか? 中村:本当に非暴力です。すごくピースフルなデモだったんですけど、私は実際逮捕されてるとこは見たんですけど、何が起こったかは見てはないんですけど、話によると、警察に誘導されて、ベインのブルックリンブリッジを渡ってたとこだったんですけど、もう一個下に小さい道があって、そこに先頭の人が誘導されて、いるべきでない所にいた、って言われていきなり。まあ不当逮捕だね、っていうことですよね。 松元:まあでもアメリカは、デモ隊を散らすために、遠くに離れた所でまた釈放する、とかいう話をよく聞くんですけれども、そんな感じなんですか? 中村:700人だから、多分そうだったんじゃないかなと思うんですけど、その夜には出てきた人たちが見てたんで。多分そんなことだったんだろうとは思うんですけど。 松元:700人も収容できるところがない、と(笑)。 中村:そうですね。まあやっぱりでも、700人逮捕されて、向こうは脅迫的にやったんでしょうけど、結局人数がそれ以上集まるっていうので、昨日行ったのも、また更に大きくなってて、労組が入ってきた関係もあると思うんですけども、まあ3万人ぐらい軽く超えたと思います。 土屋:3万人!すごい。(拍手) 松元:ごめんなさい、労組っていうのは、私達レイバーネットTVといって、労働組合の方たちとか、今日も争議で話があったんですけれども、アメリカの労組は、どの辺りが参加してるんですか? 中村:私まさに去年までニューヨークの労組で働いてたんですけど、彼らも来てて。ニューヨークシティの職員の労組だとか、あと地下鉄の労組、先生たちの労組とか、その辺が。まあどこも大きい労組なんで、そこが来てたのと。今私が働いているのはコミュニティ団体でNGOなんですけども、その辺も、リベラルな所が全部サポートを表明したんで。あと学生ですよね。特に公立大学とかの学生が来てた感じで。それらが一つになって昨日大きなデモが起こったんですけど。まあやっぱり労組がすごい、労組色が強くて。ブルックリンブリッジの土曜日のデモは、若い人がすごく多くて、Occupy Wall Streetの中心メンバーが若い人が多いためもあると思うんですけど、昨日労組が入ったことによって、まさにすごく色んな人たちが増えてきた、という感じをすごく受けましたね。 松元:これは”Occupy”っていうことなので、集会だけじゃなくてそこにもう何日もいる、という感じなんですが。 中村:そうなんですよ。これがすごく面白い所で、この運動のまさに特徴だと思うんですけど。ウォールストリートのすぐ近くの、リバティプラザっていう広場みたいな所があるんですけども、そこを占拠してまして、そこを開放空間として、そこに何百人もの人が寝泊りをしてる人がいる感じなんですよね。そこに色んな思いを持った人たちが集まって、いつでも行けるような感じになってて、それがすごく面白くて。例えばOccupy Wall Street、あえてリーダーシップを持ってないとか。あと、共通の細かい要求が特にはなくて、大きいもので、今の格差社会とか、生活危機への不満、ていうのはあるんですけども、細かくはやってないっていう所が面白い所で。だから昨日の労組のサポートの支持だとか、他のコミュニティ団体だとか、そういうのが入りやすい、っていうのもあると思うんですけどね。で、占拠して開放空間があるっていうことで、初心者とか、今まで参加したことがない人たちも入りやすい、みたいな感じがあって。私がちょこちょこ行ってるのを知ってて、同僚とかも”俺も行ってみたい”みたいな感じで。仕事終わったら同僚連れて行くつもりなんですけれども。どんどん拡がってってる感じがあるんで、特徴としては面白いなと。 松元:私達もちょこっと写真を見てたんですけど、何となく公園ではフリーマーケットがやってるみたいな、そんな雰囲気なんですけど(笑)? 中村:そうなんですよ。で食事とかも、それは労組、1199SEIU、彼らも結構最初からお金を寄付してて、食料、ピザとかがあったりとか、タダで食べられるようになってて、そういうのも面白いなと思います。 松元:要求としては、皆同じような要求を持っていて、資本主義に対する意見、抗議、ということだと思うんですけれども、そこはやはり、皆さん統一した意見を持ってらっしゃる、ということですよね? 中村:そうですね。さっきも言ったんですけど、すごく大まかな意見しかないというか、共通要求というのが意図的に欠如していて、基本的に、デモに参加する人が言ってるのは”We are 99%”っていって、富裕層だけが得をしてる社会に対して文句を言おう、という感じの枠組みの中で、色々な人たちが集まってきてるような感じなんで、なんか面白いな、と思います。 松元:すごくいい感じで、こういうふうにやったら日本でもこのくらい大きくなるのかな、って今思ってたんですけども。実は10月15日に、世界一斉行動が呼びかけられていますよね。今”Occupy Tokyo”といって、誰が始めたかわからないようなブログやFacebookなども始まっていて。日本の大手町、兜町を占拠してもつまらないので、六本木が資本主義の象徴みたいな所だ、成金の象徴みたいな所だ、っていうことで、六本木に15日に集まろうじゃないか、っていう話ができてるんですけども。例えば10月15日に、ウォール街の皆さんとスカイプで繋げて、連帯を誓う、っていうようなことはできるんでしょうか? 中村:私とやりますか?(笑) 松元:ああ、いいですね!(拍手)できればね、多分夕方になると思うんですけども、六本木に巨大スクリーンを出して、そこで、ウォールストリートの人たちはどんな占拠の仕方をしてるのか、映像の交換とかし合ったらいいかなと思ってるんですけども。 中村:ああ、いいですね、是非! 松元:是非是非。ということで、10月15日にはそういうことがあると思うので、是非これから密に連絡を取りあっていきたいと思います。 土屋:やりましょう! 中村:よろしくお願いいたします。 会場1:この闘争は、終わり方は考えてんの? 何を獲得して終わるの? 会場2:これからどうなるかが、知りたい。 松元:Occupy Wall Streetというのは、期限はないんですね? 限定されているわけではないんですよね? 中村:そうなんですね。これからどうなるか、よく見えてないんですけど。とにかく昨日の労組とかの表明でまた次の段階に来たな、段々メディアも無視はできなくなってきてる、という感じで。あとまあ皆さん勿論知ってると思うんですけど、全米各地に飛び火してるんで、だから運動としてはかなり確立される可能性が高いと思います。 松元:確か9月の17日ぐらいでしたっけ?に始まったんですよね? 中村:はい。だからもうすぐ…。 松元:一ヶ月ですもんね。 木下:ちょっと聞きたいんですけどもね。マイケル・ムーアの「Capitalism」っていう映画がありますよね。あれで、ウォールストリートのビルを、テープを巻いて犯罪現場っていうふうにして、告発しますよね。ああいうものが、今度の動きに影響していますかね、それがヒントになってるとか、そういうことは聞いてないですか? 中村:そうですね。勿論それもそうで。彼も毎日のように来てて、昨日も来てたし。一昨日もリバティプラザに来て。勿論マイケル・ムーアの影響もあると思うんですけど、色々背景としては、格差社会への不満が爆発し始めてて、こういう運動が始まるのに満を期していた。あとはオバマ政権への失望。チュニジア、エジプトでの革命、などもそうですけど。あとやっぱり、1999年から、シアトルのWTOのデモが起きた辺りから、色々ちょこちょここういう運動は起きてて。私が労組で働いてた時もそうでしたし、今もNGOとかでも働いてるんで、ちょこちょこコミュニティ団体がこういう訴えをしてるだとか、労組がこういう訴えをしてるだとかって、そういうのはあったと思うんですけども、一歩下がると、皆、ああやっぱり経済システムがおかしいんだ、ということに気付いて、その枠組みを作ってくれたのがOccupy Wall Streetだったんじゃないかな、と思うんですけど。あともう一個、忘れちゃいけないのが、2011年ウィスコンシン州であった労働運動。労働組合が頑張った例だったと思うんですけど。色々続いてきて、今まさにニューヨークで爆発した、という感じかなと思います。勿論マイケル・ムーアも影響はしてるとは思うんですけど。 松元:少しずつ怒りが爆発してきて、それが一つになった、っていう感じだということですよね。それが多分、世界中に波及していくと思うので、是非私達も波及する波の一つになりたいと思います。 中村:はい!頑張ります! 松元:今日はお忙しいところ、どうもありがとうございました!(拍手)ということで、ニューヨークからでした。 土屋:ありがとうございました!(拍手) 松元:次は、視聴者プレゼントの発表です。 土屋:お名前を読み上げますね。前回のプレゼントはノレの会のCD「うたOh!」でしたけれども、当選者の発表です! 東京都のトミタさん 大阪府のトヨシマさん 愛知県のキムラさん が当選されました!おめでとうございます!(拍手) 松元:おめでとうございます!(拍手)レイバーネットTVでは引き続き、視聴者プレゼントを紹介していきたいと思います。そしてまだまだ募集しております、「原発御用大賞」はまだ公募期間です!(公式ブログ= http://goyotaisyo.exblog.jp/ )次回、10月20日、第21号の放送までです。 あと2週間ですね。 土屋:どんどん受け付けてますからね。是非是非ね、忘れずに。あ、あの人もいたな、こんな人もいたな、ってね。 松元:そうそう、まだ公募期間ですから。20日まで公募して、公募を選抜して立候補を挙げて、そこで投票していきます。 土屋:どしどし募集しておりますので、お名前を挙げていただければと思います。 自薦(笑)も待ってますんでね、よろしくお願いします。(笑) 松元:11月3日から、11月17日が投票期間です。レイバーネットTVでは、これからも大手メディアが報道できないようなニュースをどんどん紹介していきます。 今日の感想や次回の希望など何でもいいので、メールでご意見もお寄せください。 (メールアドレス= labor-staff@labornetjp.org ) 今日もたくさんツイッターでコメント寄せられましたけど。ありがとうございました。 土屋:”画面が青いぞ!”っていう意見でもなんでもいいので、よろしくお願いします。(笑) レイバーネットTVは皆様の寄付で運営されています。この番組いいね、とか、もう少し回線がうまくいくといいね(笑)、というご寄付をいただきましたらね、どんどんハード面が充実していきますんでね、ご協力よろしくお願いいたします。(★レイバーネットTV基金カンパ受付中 郵便振替 00150-2-607244 レイバーネット日本 または 〇一九店(019)当座 0607244 ) 松元:次回放送は10月20日。【特集 TPPってなに? 知らないうちにハゲタカの餌食】。これスゴイですよ、主演者。大野和興さん、本田宏さん、他、にご出演いただきます。 土屋:まず、「TPPってなんだろう?」ってことをわからない人は特に観ましょうね。 松元:スゴイですよこれ。食いものにされてる。 土屋:とんでもない、恐ろしいことが起きようとしていますので、是非観てください。その他、10月16日には反貧困世直し大集会(公式サイト= http://www.k5.dion.ne.jp/~hinky/event/111016yonaoshi2011.html ) と、青年大集会(ツイッター= http://twitter.com/#!/zenkoku_seinen )は、レイバーネットTVでも中継を予定していますので、ご覧ください。 松元:16日は反貧困世直し大集会ということで、法政大学でやるんですけども、ぶっ通し5時間、反貧困TV、OurPlanetTVとPARC(アジア太平洋資料センター)と、レイバーネットTVの協力で行います。 土屋:今回もお付き合いいただきましてありがとうございます。ちょっとブルーだったですけど。(笑) 松元:すみません。 土屋:ブルーな気分で終わってしまいましたが、これからもやっていきましょう、ということで、是非お付き合いください。 松元:次回10月20日にお会いしましょう。 土屋:さようなら。 ↓スタジオはそのまま二次会会場に変身 Created by staff01. Last modified on 2011-10-13 16:41:24 Copyright: Default |