本文の先頭へ
LNJ Logo 安全と健康、快適な職場づくりを〜職場改善事例発表会
Home 検索
 




User Guest
ログイン
情報提供
News Item 0513rouan
Status: published
View


職場改善事例発表会の報告

 5月13日(金)夜、東京労働安全衛生センター(TOSHC)4階会議室で恒例の職場改善事例発表会が開催された。TOSHCでは毎年、事業場の労働安全衛生委員会や労働組合が取り組んだ安全衛生活動の成果や良好実践例を持ち寄って発表し、経験交流を行っている。

 今回はエントリーした事業所、労働組合が少なかったのが残念だったが、日頃から全員参加で熱心に職場の労働安全衛生に取り組んでいる江戸川区のE製罐(株)の発表が光った。  E製罐(株)は従業員数約30名。毎年TOSHCが主催する東京労働安全衛生学校を安全衛生研修に社員を送り、安全衛生委員会が中心となって職場改善活動に取り組んでいる。

 TOSHCが提唱する「職場改善のためのアクションチェックリスト」を使って、毎月、工場構内の部署を決めて安全衛生委員が全員で巡回する。部署ごとの良い事例に着目しつつ、改善すべき点があれば対策を検討する。リスク(危険度)評価は、災害が発生する可能性と負傷又は疾病の重篤度を1−2−3の3段階に区分している。危険度が大きく重篤な負傷が考えられる3のときは改善が実行されるまで作業停止する。2では作業の制限を行い、1なら経過を観察する。こうして優先順位を決めて対策を進める。

 E製罐の最近の改善事例を紹介しよう。スポット溶接機の作動スイッチが足踏みタイプのため、誤ってスイッチを踏んで手を溶接部に挟む事故が起きた。改善策としてスイッチを上に上げ両手押すようにして手を挟む危険をなくした。自前の「職場改善報告書」には改善前と改善後の写真を掲載し、一目でわかるようにしている。自作したため改善コストもかからない。

 亀戸ひまわり診療所の三橋徹医師は、今年の3月まで産業医を勤めていた障害者の訪問介護事業所(府中市)での活動を発表した。お互いの信頼関係をベースに利用者の安全確保と介護者の健康対策(例えば腰痛など)の両面から居宅の生活環境を改善した事例が紹介された。

 全統一労働組合からは安全健康プロジェクトの活動が報告された。安全健康プロジェクトには職場の分会の担当者が出席。業種も職種も異なる組合員が一緒に議論し、対策を考える。今年度の課題はメンタルヘルス対策。6月からは学習会も企画することにしている。

 その他、小規模事業場の継続的な職場改善が評価され2010年度日本産業衛生学会の、グッドプラクティス奨励賞を受賞した自主生産企業(金属プレス加工業)の改善事例が報告された。

 このように中小零細事業場では、現場労使の参加によるリスク評価と実現可能な低コスト改善活動が大きな成果をもたらす。アクション・チェックリストや改善事例集、安全衛生委員よるグループワークは現場の知恵と工夫、経験を引き出すための重要なツールだ。 

 安全と健康、快適な職場づくりはみんなの願いだ。労働組合はもっと参加型手法を取り入れ安全衛生活動のイニシアティブをとるべきだ。東京労働安全衛生センターはそのための支援を惜しまない。(飯田勝康)


Created by staff01. Last modified on 2011-05-17 01:16:36 Copyright: Default

このページの先頭に戻る

レイバーネット日本 / このサイトに関する連絡は <staff@labornetjp.org> 宛にお願いします。 サイトの記事利用について