ひどかった「ガイアの夜明け」JAL特集 | |||||||
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JAL問題をテーマにした「ガイアの夜明け・JAL再建の真実」がテレビ東京で、2月1日夜に放送されました。最初のほうで、12月末の整理解雇にいたる客室乗務員の人たち(キャビンクルーユニオンの内田妙子委員長が中心)のたたかいや思いを追っていて、ちょっと期待してみていたのですが、中段から後半への展開は「ひどい」の一言でした。 「整理解雇」の問題点に迫ることはなく、番組のメインテーマは、「経営再建は社員の意識改革にあり」とするもので、稲盛和夫会長の「経営哲学」を実践する幹部パイロット(100数十名のパイロットのトップ)の話が軸になっています。このパイロットは「今まで経営のことを考えたことはなかった。これからはパイロットもお客を増やすこと、営業を考えなくてはいけない」というわけです。職場のあちこちには「稲盛哲学の言葉」が掲げられています。 この幹部パイロットの部下である一般パイロットが、さっそく「営業」を実践し、そのシーンが番組のハイライトです。この一般パイロットは、出発前のロビーにいる乗客の子どもにシールを配ったり、ケータイ写真を撮ってあげたり、愛想を振りまきます。もっとも力を入れているのが、機内アナウンスでここでお客の心をつかもうと文章を練ります。パイロットが、お客の歓心を引くことに力を入れているのです。これらを見ていて、はっきりいって気持ちが悪くなりました。国鉄がJRになったときのことを思い出しました。JRになるときに一番強調されたのがやはり「意識改革」でした。その意味は「国労をやめること、組合活動をやめること、上司にモノいわず黙って従うこと」でした。そしてJRは金儲けに突っ走っていったのです。その帰結が「尼崎事故」でした。 JAL再建を考える上で、もっとも重要な問題はなぜJALが巨額な負債を負ったかという問題ですが、番組では、ここがすっぽり抜けていました。だから、過剰投資や放漫経営、ジャンボ機の無駄買い、時の政権との癒着も何一つ出てきません。御巣鷹山事故のことが1シーンもないことにも驚きました。 この番組を見た人の印象は、「破綻の原因の高給とりの社員にあった。でも今は少し反省して意識改革している」というところでしょう。日本経済新聞社がバックのテレビ東京の番組ですから、期待しても仕方ないのですが、あまりにひどいので、批判の意見を番組宛にメールしました。「ガイアの夜明け」のキャッチコピーは「真実はガイアで。」とのことですが、「財界の主張はガイアで。」に変えていただきたいです。 真実とは程遠い歪んだ認識を流布するこうしたマスコミが、日本を悪くしていることだけは間違いないでしょう。(松原明) *以下参考 ●「ガイアの夜明け」番組ページ ●キャビンクルーユニオン内田さんの記者会見発言。JAL破綻の原因に言及しています。 Created by staff01. Last modified on 2011-02-02 10:01:15 Copyright: Default |