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2009年1月6日

社団法人日本経済団体連合会
会 長 御手洗 冨士夫 様

JMIUいすゞ自動車支部
執行委員長 松 本 浩 利
   
日産ディーゼルユニオン   
委 員 長 荒 井 健太郎     

首都圏青年ユニオン
執行委員長 武 田  敦

全造船機械関東地協いすゞ自動車分会
執行委員長 風呂橋  修

全トヨタ労働組合  
執行委員長 若 月 忠 夫

日野自動車ユニオン
執行委員長 佐 藤 弘 之

JMIU静岡西部地域支部
執行委員長 フランシスコ・フレイタス

日研総業ユニオン大分キヤノン分会  
分 会 長 加 藤 州 平

日本経団連・御手洗会長への公開質問状

 新年明けましておめでとうございます
 「派遣切り」「期間工切り」「請負切り」とよばれる大量解雇の嵐が日本列島を吹き荒れています。私たちは、この不当な解雇に立ち向かって結成されたユニオンの代表です。
 年の瀬に仕事と住まいを奪われ、日比谷公園の「派遣村」に身を寄せる労働者は500人にも及びました。「派遣切り」が重大な社会問題になっているのは十分ご承知のことだと思います。本日の新年賀詞交歓会にあたり、私たちは下記の通り公開質問状を提出しますので、この現実と働く者の声を真摯に受け止め、回答して下さるようお願い致します。
 なお、回答は、本日から3日程度を目安に、私たちに直接行っていただくのが望ましいのですが、主要メディアに対する会見のかたちで行っていただいてもかまいません。



1.「派遣切り」「期間工切り」「請負切り」を率先して行ったのは、御手洗会長ご自身のキヤノンやトヨタをはじめとする日本経団連の会員企業です。
この乱暴な大量解雇の結果、すでに厚生労働省の調査によるだけでも8万人を超す非正規社員が、仕事ばかりか住まいまで奪い取られ、文字通り人間としての生存の危機に直面 させられているのは、いまや明白な事実です。
  しかし、これほど重大な社会不安を生み出しておきながら、御手洗会長をはじめ日本を代表する企業経営者たちの口からは、率直な反省の弁すら、ただのひと言も聞かれません。
 耐え難い苦痛を強いた非正規社員たちに対して、また、これら非正規社員のサポートに 正月返上で奔走してきた国や自治体、NPO、ボランティア、無数の市民たちに対して、誠実に謝罪する考えはありませんか?
  また、年度末にかけてさらなる「派遣切り」が起きるとも言われています。これ以上の事態の悪化をくい止めるべく、こうした安易な解雇を即座に中止し、雇用の維持に務める こと、また、寮などからの追い出しを即座に中止することを、日本経団連はじめ主要経済団体で速やかに決議する考えはありませんか?

2.何の保障もなしに放り出された非正規社員を救おうと、各地の労働組合・団体や、国・自治体が、住まいの確保、生活支援、再就職支援などに懸命の努力を重ねています。大分県では、匿名の一市民が市役所に100万円もの寄付金を届け、高校生らが街頭募金活動に立ちました。
  しかし、「派遣切り」「期間工切り」「請負切り」を行った企業だけが、解雇は派遣会社が決めたことだなどと責任を転嫁して自らは何もしていません。おかしな話です。
  日本経団連の会員企業が、ほぼ揃って史上最高益を過去5年間連続更新し、内部留保を倍増できたのは、製造現場を支えた非正規社員の貢献があったからです。この際、解雇された非正規社員の住まい、生活、再就職支援のために、会員企業が思い切った資金の拠出を決断し、社会的責任を果たす考えはありませんか?
  なお、御手洗会長ご自身は、朝日新聞の新年インタビューで、「企業が基金をつくり、失職に伴う住宅確保や新しい仕事に就職するための職業訓練を支援する仕組みをつくるべき。政府や自治体と協力してもいい」と言明されました。これが口先だけのきれいごとでないというなら、各政党や私たち労働組合・団体と速やかに話し合う考えはありますか?
なお、「派遣切り」で生じた解雇問題について、団体交渉すら拒否している日本経団連の会員企業もあります。労働法令を遵守し、労働組合と真摯に話し合うのも大企業の社会的責任ではありませんか?

3.「派遣切り」などの残酷な現実を前にして、日本経団連が提唱してきた労働者派遣制度の有期雇用契約労働の自由化の誤りが、いまやだれの目にも明らかになりました。雇用創出や就業機会の多様化を謳い文句にした労働者派遣法や労働基準法の改正は、大量のワーキングプアを生み出しただけではなく、結局のところ、大企業がなにひとつ責任をとらず、労働者をいとも簡単に大量首切り(解雇)する暴挙を、法律の名で正当化するのに役立っただけでした。これら法制度の抜本改正に道筋をつけるべきです。
  国会にはいま、政府の見せかけの労働者派遣法改正案が提出されていますが、「派遣切り」という残酷な現実をふまえて、私たちと意見交換しつつ、派遣法抜本改正の議論をはじめからやり直す考えはありませんか?

全日本建設運輸連帯労働組合
小谷野毅

東京都千代田区岩本町3−6−5木所ビル
TEL03(5820)0868 FAX03(5820)0870
Eメール koyano@tu-rentai.org

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