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LNJ Logo 報告 : ロスジェネ世代からの「反貧困」のプロジェクト
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   写真と報告 大地実

 11月24日、14:00から<ロスジェネ世代からの「反貧困」のプロジェクト>をテーマにしたシンポが東京・高田馬場で行なわれた。市民社会フォーラムと老人党リアルグループ「護憲+」が共催し、氷河期ユニオンが協力した企画である。
 司会者は大澤信亮さん(超左翼雑誌「ロスジェネ」編集長)で、パネリストは河添誠さん(「首都圏青年ユニオン)書記長)、富樫匡孝さん(自立生活サポートセンター「もやい」スタッフ)、杉田俊介さん(有限責任事業組合「フリーターズフリー」編集者)たちであった。
 討論終了後、会場の参加者からの質疑も時間をかなりオーバーするほど活発だった。                     

●参加したSさんの報告

 Sです。

 昨日(11月24日)は東京例会に参加してきました。 大変盛り上がり、よかったと思います。
 河添さんの報告にありましたが、派遣会社(工場)の「寮」が貧困者を食い物にしたシステムであり、抜け出すにも貯金がないために自立が阻まれている点は深刻だと感じました。
 レンタルの布団やテレビにも「使用料」を取るなんて驚きですね。
 あと富樫さんの指摘にもあるように、ナイーブな知的議論だけでなく、当事者の実態に即した運動をどこまで作れるかに、反貧困運動拡大の成否がかかっていると思います。
 実際のところ、ロスジェネを主体とする反貧困運動は、まだ同世代でもどこまで知られているかは疑問です。 いわゆる「運動圏」の外に拡大させるには、もっともっと宣伝とアピールが必要ですよね。

 報告者の発表で気になった点は、政治に対してある種の失望、あるいは「自民に入れても民主に入れても変わらない(小政党はそもそも念頭にない)」的なニュアンスが感じられた点です。
 確かにどこに投票すれば直ちによくなる、というわけではないと思います。しかし、企業献金を受ける自民党などの大政党と、いわゆる「護憲政党」では経済政策が全く違うことも事実です。

 格差・貧困を作り出してきた大きな原因が自公政権の新自由主義的な政策にあるならば、少なくとも「反自公」をはっきりとさせ、「既存政党」も含めてそれに明確に異議を申し立てている勢力と一層交流を深めていくことも重要ではないでしょうか。

 労働者派遣法の見直し、抜本的な改革は確かに大変重要だと思いますが、貧困の問題を解決する上で同じく重要な、税制や「富の再配分」の問題にほとんど触れられていなかったことが残念です。
 麻生政権は3年後に消費税増税を打ち出しています。
もし消費税が8%、10%と引き上げられれば、現在すでに困窮 している貧困層、派遣労働者にとって大打撃になるのは確実です。
 目の前に大負担増の危機が迫っている割には、危機感が少ないような印象を受けました。

 確かに社会保障の充実には財源が必要ですが、反貧困の立場からは、「税金を通して再配分を実現せよ」と政府に迫ることも重要ではないでしょうか。
 逆進性が強く、弱者の生活を脅かす消費税の増税ではなく、所得税の累進課税強化、相続税・贈与税・固定資産税などの強化などを通し、高所得者、大企業、資産家など「持てる者」に対して応分の負担を求めていく姿勢を、もっと明確に打ち出してもいいと思います。
 バブル時代以降相次いで進められてきた、高所得者や資産家に有利な税制改革が、格差拡大や社会保障削減、貧困の原因にあることは否定できないでしょう。
 オバマ大統領は年収数千万円以上の高所得者に対し、数パーセントの所得税増税を打ち出しています。
日本でもこれにならい、「消費税以外の手段による社会保障の充実」をもっと要求してもいいのではないでしょうか。
また、五兆円に達する軍事費などを、社会保障に充てることも、要求に入れるべきではないかと思います。
(民主党が主張する、「官僚の天下り禁止」「官僚癒着をやめる」だけでは、財源は出ません)
その上で、要求で一致する政党や議員との協力関係を、もっと深めてほしいと思います。
 世代間の対立・亀裂を乗り越えていく接着剤の役割を果たしてほしいと期待します。

 政治の世界や既成政党というのは、何かと敬遠されがちな傾向がありますが、常に「よりまし」な政治勢力がどこであるか見極め、幅広く交流し、連帯を築いていってほしいと思います。


Created by staff01. Last modified on 2008-11-27 22:15:12 Copyright: Default

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