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こだまです。

1月29日、NHK裁判判決と報告集会の様子を報告します。
写真はhttp://blog.so-net.ne.jp/tamashige/
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NHK裁判、1月29日東京高裁、勝訴

1)1月29日東京高裁でおこなわれたNHK裁判控訴審判決にて、勝訴を勝ち取った。判決は、原告VAWW-NETの損害賠償請求について、被告NHK、NHKエンタープライズ(以下NEP)、ドキュメンタリージャパン(以下DJ)に対し、200万円支払えと命じた。このNHK裁判傍聴と報告集会には、160人が参加した。

2)判決は、ドキュメンタリー番組作成にあたり、NHKサイドからの事前のVAWW-NETに対する説明から逸脱し、趣旨と異なる番組に勝手に改変し、しかもVAWW-NETに説明もせず放送したことは、取材対象者であるVAWW-NETの期待権を侵害し、説明責任を果たしておらず、VAWW-NETの自己決定権を侵害したものであると明確に判断した。

この編集改変行為は、NHKの主張した「報道の自由、表現の自由、編集権」によって正当化されないとし、第一審判決を覆した。

判決は、「政治家からの圧力」という言葉は使用していないものの、安倍晋三官房副長官、中川昭一自民党政調会長などとNHK幹部の面談後、編集改変が強行的に行われ、しかもそれは通常のやり方ではなくNHK上層部が直接指示して行われた経過を事実認定として認めた。

日本やアメリカでは、メディアの編集権というと、経営者の権利である意味合いが強いが、判決は、NHK上層部が取材したジャーナリストの意向を無視し、かつ取材対象者であるVAWW-NETに説明もせず、政治家の面談後改編したことをもって、編集権の乱用・逸脱と認定し、その上でNHKは自ら「報道の自由、表現の自由、編集権」を放棄したのであるから、「報道の自由、表現の自由、編集権」を主張し正当化するには当たらないとの判断を示しており、「報道の自由、表現の自由、編集権」と「期待権、自己決定権」との関係について、踏み込んだ判断をしている。「ジャーナリズムの報道の自由」と「被取材者の自己決定権」との関係を明確に述べており、この点を原告側弁護士は高く評価した。

3)1月29日19時のNHKニューズは、判決について、「政治的介入はなかったことが認められた」と報じた。飯田正剛弁護団長は、「このNHK報道は誤りである」とし、次のように批判した。判決は、安倍・中川などの政治家との面談以降、特に2001年1月29日安倍晋三が松尾放送局長、野島担当局長らNHK幹部を呼びつけて「公正中立の放送を命じた」あと、NHKが番組改編を行った経緯を事実認定として認めており、安倍や中川から番組改編せよとの直接的な言葉があったと確認できなかっただけである。通常政治家の圧力は抽象的な言葉でなされるのであって、具体的個別的に指示して介入する場合はむしろ少ない。判決に対するNHKのこのような対応、すなわち政治家の介入ではなくNHKが自主的に改編したとする態度は、政治家にルイが及ばないようにすることで政府自民党におもねるNHKを表現しており、そのこと自体が判決も指摘しているNHK自身のジャーナリズムとしての責任の放棄、「報道の自由、編集権の放棄」に他ならない。

NHKに対して、判決が命じたNHKの責任、認めた事実認定に対してどう考えるのか、引き続きその責任は追及されなければならない。

4)VAWW-NET共同代表、西野瑠美子さんは、裁判報告集会で、次のように訴えた。国際女性戦犯法廷で追及された元「慰安婦」に対する戦時性暴力被害の告発に対して、この裁判が始まった2001年以降、政府自民党はマスメディアを使って反VAWW-NETキャンペーンを行い、元「慰安婦」問題の政治的無化を狙ってきた。NHK番組の改編以降、マスメディアは揃って態度を変え、VAWW-NETを取材したり、その主張を報道する新聞、メディアはなくなった。また、勇気を持って告発したNHKの永田チーフプロデューサー、長井チーフプロデューサーや政治家の介入を報じた朝日新聞記者は左遷された。さらに現在では1993年の「河野談話」見直し動き発言が相次いでいる。このような右傾化する状況のなかで闘われた裁判であり、本日の勝利判決である。この判決を広め、政府自民党の歴史認識改変の動きに対し、今後も引き続き粘り強く闘っていかなければならない。

Created by staff01. Last modified on 2007-01-30 11:53:30 Copyright: Default

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