フィリピン非常事態宣言に労働者・市民が抗議 | |||||||
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「労働情報」3月15日号掲載予定のレポートです。 喜多幡 +++ 86年2月の「エドサ革命」の20周年を前に、アロヨ大統領は2月24日、非常 事態宣言を布告した。 同日、非常事態宣言に抗議して5千人の労働者・市民がケソンシティーに集まり、 エドサ通りでデモを行ったが、警官隊が阻止線を張り、放水や催涙弾で襲いかかり、 ラバン・ナン・マサ(新しい政府の樹立を目指す労働組合・労働者グループの連合) のネメンソ代表、フィリピン大学教授のランディー・ダビッド氏などの多数の活動家 を逮捕した(同日、全員釈放された)。 さらに、同25日には、政府を批判した新聞社を強制捜索し、編集用の機材を押収 した。また、下院議員のベルトラン氏(元KMU議長)を令状なしで逮捕した。 以下はラバン・ナン・マサに参加しているAPL(進歩的労働者連合)の2月25 日付の声明の抄訳である。 APL(進歩的労働者連合)は「デイリー・トリビューン」紙と「マラヤ」紙に対 する強制捜索を、戒厳令の時代と同様の報道の自由に対する恥知らずな攻撃として非 難する。 アロヨ大統領は報道の自由を直接に攻撃しているだけでなく、報道に携わる何百人 もの労働者の職を脅かしている。 労働運動のリーダーであるクリスピン・ベルトラン氏を、マルコス政権時代の反乱 扇動罪で逮捕し、サトゥール・オカンポ下院議員を逮捕しようとしていることは、大 統領が労働組合や進歩的運動の活動家を弾圧の最大の対象としていることを示してい る。・・・ 私たちは、大統領が違法な原理に基づいて行動しているという私たちの立場を再確 認する。非常事態なるものは法律上の虚構であり、私たちの前にあるのは、議会の同 意などの憲法上の制約をすり抜けた「布告なき戒厳令」である。 今後も、さらに逮捕や攻撃が続くと予想される。なぜなら、この粗雑な力の誇示の 背景に、政権の深い危機があるからである。・・・20年前に独裁体制を倒したにも かかわらず、現在、ふたたび権力にしがみつくために強権的措置を発動する恥知らず な大統領と闘わなければならないというのは残念なことである。 Created by staff01. Last modified on 2006-03-01 20:41:26 Copyright: Default |