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LNJ Logo 停職「出勤」報告4〜韓国からの訪問者
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News Item 20050619m1
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根津公子です。停職「出勤」報告4をお送りします。

 転送可です(海外に転送してくださる方もいらして、海外からのメールもいただいています。世界中の人に、日本の、東京の教育の異常さを知っていただきたいので、転送していただけるのはありがたいです)。

停職処分発令から今日(6月17日)で3週間。悪いことなどまったくしていないのだから、私は仕事をしたい、授業をしたいと、一人「出勤」している、ただそれだけのことに対し、今週は停職「出勤」報告を読まれて遠くから何人もの方が校門前に私を訪ねてくださいました。クラクションで軽く合図をして下さる方、毎日挨拶を交わす方、いろいろな出会いを楽しませていただいています。今週も2日間は雨でした。でも、Tさんからゴアテックスという合羽とズボンを校門前でプレゼントされて、さっそく着たところ、雨はしっかりはじいてしかも通気性が抜群。すっかり気に入りました。何と言ってもうれしいのは、生徒からの有形、無形のプレゼント。修学旅行のお土産、処分に対する抗議と励ましのアピールを書いた色紙、優しいことばなどなど。本当に幸せです。週末の今日一番多くもらった言葉は、「先生、あと何日?」「早く戻って来てよ(来いよ)」でした。毎日毎日うれしいことや、新しい出会いなどあって、処分にははらわたが煮えくり返りますが、意味ある非日常を送っています。

 17日の訪問者のお一人を紹介します。小学校の教員をされている韓国の女性で、今年の4月から1年留学中のTさんです。メールで私のことを知られ、ご自分のことと重なって駆けつけてくださったとのこと。彼女は、1980年に教員になり弾圧下にあって子どもにとってのよい教育と労働環境の改善のために主張し、行動してこられた。韓国ではこの頃、労働組合活動は非合法。その中で闘い、1989年に解雇される。一人、また一人と全部で1000何百人の教員が解雇され、しかし、学校からは締め出されても諦めることなく闘い続け、学校の中の人たちに働きかけ、中と外とで結びつき、全国にまたがって活動をしてこられた。10年後、金大中政権になって復職する道が拓かれたことを私もニュースで聞いたことはありましたが、彼女はその一人。職場復帰をし、現在に至ります。

 彼女(たち)に対する教育省の攻撃の仕方は日本のいまと、私が受けた攻撃とまったく同じです。解雇のために保護者が使われる。利用された保護者たちが校門前で「Tを辞めさせろ」とデモを繰り広げたと言います。転任して直後、まだ授業をしていないうちから教育省に「教え方がおかしい」と保護者からの「苦情」が届く。同僚たちが、自分の身を守るために黙り、変容していったという話。また、今でも転任後、同僚からはしばらく一緒に仕事をしてから、「聞かされていたTさんとはぜんぜん違う」と言われることもしばしばだそうです。 私には、多摩中で、嘘八百を言う校長が開催した根津糾弾のための緊急保護者会とその中で利用された保護者たちの姿がぴったり重なりました。着任と同時に「教育委員会に楯突く困った先生」と保護者たちに流されていたことも同じでした。どこの同僚からも、「とんでもないやつが来る、と聞いていたのよ」と明かされたこともまた同じ。権力者もさらにひどい管理・支配をたくらんで、時代を超え、国を超えて学んでいることがわかります。

でも、学び方は、権力者とは逆ですが、私たちも同じですね。非合法時代、彼女や韓国の教員たちは、攻撃の中で、石川達三の「人間の壁」に教育労働者としてのあるべき姿を見、灰谷健次郎の「兎の目」に教育観・子どもに対する見方を学び、闘ってこられたとのことでした。

ひとは何歳になっても変わり得るという実例も聞きました。彼女が解雇される前のことです。その職場には彼女ともう一人、ものを言う若い人がいて、校長・教育省は彼女たち二人の監視・指導を年配の教員にさせたのだそうです。しかし、教育省らの思惑に反し、その老教員は彼女たちの教育に対する思いに共感していき、とうとう彼女たちと一緒に行動するに至り、解雇も一緒にされてしまう。だが、老教員は、「それまで気づかずに来たものが見えるようになり幸せだ」と言い、変わられ、現在も一緒に活動されているとのことでした。素敵な話です。ここまでではないけれど、私もこれに近い体験は何度かあります。だから、人はすてきですね。損得なしの人と人との繋がりは宝です。Tさんの訪問はとても有意義でした。お昼ご飯はTさんがつくって来てくださった韓国海苔巻きをお腹いっぱいいただき、食欲がいつも120%の私は、とても幸せでした。ありがとうTさん!!

 16日の午後は、外国人記者クラブで会見をしました。他にも海外からの取材もいくつかあります。


Created byStaff. Created on 2005-06-19 15:20:51 / Last modified on 2005-09-05 03:00:30 Copyright: Default

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