WSFあらかわ1・26グローバルアクション ワークショップ「格差をなくせ!貧困なくせ!非正規労働者の未来と労働組合の役割」報告 | |||||||
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新自由主義・規制緩和による格差・貧困・非正規労働者の問題と労働運動の課題を議論する報告:西山直洋(連帯ユニオン関西地区生コン支部執行委員) 私たち連帯ユニオン関西地区生コン支部(関生支部)の主催するワークショップ「格差をなくせ!貧困なくせ!非正規労働者の未来と労働組合の役割」は荒川区・アクト21で開催し、60人が参加されました。ここでは、新自由主義・規制緩和によって引き起こされている格差・貧困・非正規労働者という問題に焦点を当て、非正規労働者を組織する労働組合などが集まって、その実態と取り組み、そして、これからどのような運動が求められているのかを議論しました。 第1部では、パネルディスカッションを行いました。コーディネーターは、関西側として管理職ユニオン・関西の仲村実副委員長、関東側として派遣ユニオンの高井晃副委員長で行い、パネラーとしてガテン系連帯の池田一慶共同代表、アルバイト・派遣・パート関西労働組合の有川洋美さん、国鉄労働組合岡山地方本部の山本真也副委員長、関生支部からは執行委員の西山直洋でした。 この中で、管理職ユニオン・関西の仲村副委員長は、製造業における派遣労働者が正規職化を求めて闘っているといった事例を紹介し、大きな方向性として非正規労働者の産業別・職種別労働組合を目指すべき、と語りました。また、関西では様々な労組が集まって「協同センター」作りに取り組んでいることを紹介しました。 派遣ユニオンの高井副委員長は、現在積極的に取り組んでいる労働者派遣法の抜本改正を中心に報告しました。これについては、加盟する連合の中でも活発に議論し、多くの政党・労働組合を巻き込んで国会内集会なども数回に渡って開催していることが紹介されました。 そして、労働組合は個別の問題、自労組の組合員の問題だけ取り組むのではなく、もっと労働者全体の利益、その経済的社会的地位向上、それに制度や法律を視野に入れて闘うべきではないか、そうでなければ個別の組合員の利益も守れないのではないか、と提起しました。 ガテン系連帯の池田共同代表は、自身の職場である日野自動車の派遣労働者の実態を報告してくれました。ここでは、同じ仕事をしていても直接雇用されている労働者と年収が100万円も違うなど、製造現場における派遣労働者の悲惨な状況が明らかになりました。そして、そこで労働組合を作り、行動したことによって、様々な賃金・労働条件の改善を勝ち取ったことを報告し、労働組合の可能性や仲間と団結し行動することの素晴らしさを強調しました。 アルバイト・派遣・パート関西労働組合の有川さんは、自身がパートとして11年間働いてきた船場吉兆の問題を報告してくれました。テレビで今回の偽装問題を知り、労働組合に入ったこと。そして、女将や経営者たちと団体交渉を行っていく様子やその時の思い、船場吉兆の劣悪な労働環境を詳しく説明してくれました。特に、労働組合に入って労働者の権利を初めて知り、「パートでもこんなに権利があるということを同じ立場の人にもっと知って欲しい」と発言しました。 国鉄労働組合岡山地方本部の山本副委員長は、国鉄・分割民営化の攻撃に怒りを感じて闘ってきたと話し、JR尼崎事故に見られるように民営化後のJRが利益優先で安全を切り捨ててきた、と訴えました。さらに、これからは下請企業などで働くJR関連労働者を組織化し、交通ユニオンを立ち上げて闘っていきたいと決意を述べられました。 最後に、関生支部の西山は、これまでの関生支部の取り組みを報告しました。関生支部では、結成当初から非正規労働者の問題に取り組んでおり、同一労働・同一賃金を追及してきたこと。07春闘では、正規労働者が自らの問題として、非正規労働者の賃上げ・労働条件改善に取組み、成果を上げたこと。また、正規職化も勝ち取ったこと。一切の差別を認めない運動を今後も展開していくこと、などを報告しました。 さらに今後は、このような関西の生コン産業の成果を他産業にも広げていくことや、労働者供給事業を使って「派遣」を労働者に有利なものに変けるのではないか、と発言しました。 さらに第2部では、会場に参加した様々な団体から取り組みの報告・意見交換がされました。 ここでは、製造業の非正規労働者(中部)、郵政労働者(関西)、水道検針労働者(関東)、野宿労働者(関東・関西)など、多種多様な労働者・労働組合からその労働実態とそれに対する取り組みの報告がありました。 主催者である関生支部では、この分科会をきっかけにこのような取り組みを今後も継続し、格差や貧困に対して闘う労働組合のネットワークを作り、これと有効に闘う新たな労働運動を展開したい、と考えています。 現在の新自由主義・グローバリゼーションの攻撃の中において、資本の分断・差別政策にのみ込まれることなく、多くの労働者が違いを超えて、連帯し、団結を一層固めるべきです。 労働者本位の「もう一つの世界」を求めて、私たちは今後も奮闘していきたいと思います。 ワークショップに参加して下さったみなさん、それに、主催者のみなさんにこの場をお借りして感謝の意を申し上げます。これからも共に闘いましょう。 写真:高幣真公(レイバーネット日本) Created by takaheims. Last modified on 2008-02-03 16:08:39 Copyright: Default |