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検察、ストライキ・集会関連の捜査を理由に多数の労働・社会運動サイトのサーバーを8時間にわたり停止

検察の過剰押収捜索に強い反発…波紋拡大か

パクチョンギュcast@cast.or.kr

検察は9月6日(木)午後3時頃、瑞草洞にある韓国インターネットデータセンター (KIDC)で、建設産業連盟ホームページ情報への押収捜索を行った。

この過程で建設産業連盟ホームページが置かれている韓国労働ネットワーク協議会 (代表チャン・チャンウォン、以下労働ネット)サーバーの運営を約8時間程度 中断させた。このサーバーを使ってインターネットにサービスをしていた他の 労働組合・社会団体のホームページまで閉鎖されるという被害を受け、当事者が 強く反発しており、波紋が拡大するものと予想される。

今回の押収捜索は、ストライキと集会に対する捜査を根拠としてホームページ 運営サーバー全体を押収捜索したことも異例であるのに加え、押収捜索の過程で 当事者への告知や入会など、最低限の手続きも無視して無断で行われた。

さらに、サーバーを正常に運営していても、情報の捜索と押収が可能であるに もかかわらず、このホームページと全く無関係の他の社会団体のホームページ とインターネットサービスを長時間マヒさせ、正常な『押収捜索』の範囲を越 えていたという点で、検察の押収捜索過程の不法性と公権力の過剰行使が大き な問題になるものと展望される。

検察が提示した令状の「別紙1」写本。この令状内容を見ると押収捜索の対象が「サーバー」そのものではなく「保存情報」なのに、検察はサーバーそのものの運営を中断させ、全てのデータに対する押収捜索を試みしようとして強い反発をかった。

特に、押収捜索令状には『全面ストライキおよび集会』に関する『各種の文書 および会議資料に該当する保存情報』と明確に明示されているにもかかわらず、 最初、サーバー運営者(労働ネット)に何の通知もなく『保存情報』(資料)では ない『サーバー』(ハードディスク)全体をコピーして押収捜索しようと試みた ことは、労働組合の組織現況や各種の文書など機密を要する資料が多数含まれ ているという点で、新しい社会運動の査察手段となるのではないかという憂慮 が提起されている。

公権力が押収捜索により社会運動のサーバー全体を査察したことは、事実上、 今回が初めて。この機会に検察・警察の捜査と押収捜索の慣行、そしてインター ネット・データセンターの暗黙の協力慣行に釘を打てという世論が提起されている。

この事件について、労働ネットは今回被害にあった労働組合・社会団体と共に 『公権力の不法・過剰執行による権利侵害』の問題を国家人権委員会に提訴し、 損害賠償請求などあらゆる可能な法律的救済活動を行うと共に、検察の不法行 為に強く抗議する行動を展開する計画を明らかにしている。また今後、これと 同様の被害を受ける可能性のある予備被害者とネチズンを集め、情報通信関連 国家機関の監視・検閲を防げる法的・制度的な代案を用意するために努力する 計画で、これに関する争点は続くものと展望される。

[声明書]検察は公権力前面に出した暴力を中断しろ!

  • 建設産業連盟ホームページ押収捜索を糾弾する

検察は、全国建設産業連盟ホームページ運営コンピュータ(サーバー)に対して 押収捜索を行った。

検察は6日午後3時頃、連盟に電話で「ホームページ業務関連の担当者に替って ほしい」と言ったが、「担当者がいない」と言うと電話を切った。そして同時 にサーバーがある瑞草洞のKインターネットデータセンター(IDC)に入ってきて、 連盟関係者やサーバー運営者の立ち会いなく、サーバーの押収捜索を始めた。

連盟のホームページは、韓国労働ネットワーク協議会(労働ネット)が運営する サーバーに一定の空間を賃貸して使っていた。そのサーバーには、労働ネット の主要資料(データベース)と他の労働組合、社会団体のホームページも共に 入っており、インターネットを通じてサービスされていた。

しかし検察はIDCに入ってきて、令状に明示された『連盟地域業種協議会会議 および公文書資料に対する押収捜索』を逸脱し、サーバーにあるすべての資料 を押収しようとした。この過程でサーバー運営を中断させ、押収捜索と無関係 の他のホームページまで8時間運営ができないように妨害した。

検察は「昨年の大邱地域建設労組ストライキ闘争に関する追加調査の次元」と 言っている。しかし事前に連盟への十分な協力要請手続きと説明なく、突発的 に押収捜索が執行された。

以前、2002年の発電産業労組ストライキ当時に警察が押収捜索によりホームペー ジを閉鎖しようと試みたが、市民社会団体の強い抗議で捜索を放棄したことは あったが、今回のように労働組合活動に関してIDCを直接押収捜索したのは 初めての出来事だ。

検察はIDC関係者の立会いの下に押収捜索を実施したと主張しているが、IDCは 労働ネットのサーバーに対して何の責任も権限もない。労働ネットはIDCから インターネット網とサーバー設置空間を提供されているにすぎず、IDCにサー バー管理や運営は委託していない。検察が建設産業連盟または労働ネット関係 者を立ち会わせることができたにもかかわらず、IDC関係者を立てて押収捜索 をしたのは、明白な不法行為だ。

また押収捜索の対象が『サーバー』ではなくサーバーに保存されたストライキ 関連の『保存情報』であったにもかかわらず、インターネットでリアルタイム でサービスされているサーバーを無断に停止させ、サーバー全体を捜索してす べての資料を押収しようとした。

このような検察の行為は、令状に明示された範囲を逸脱した過剰捜査だ。検察 は、押収対象ではないホームページまでマヒさせ、団体活動を防ぐという越権 行為を行った。これは公権力による弾圧であり暴力である。

今回の押収捜索に明示された大邱慶北地域建設労働組合のストライキは2006年 6月1日から33日間、「適正賃金への値上げ、施工参加者制度撤廃、多段階下請 け撤廃、組合員優先雇用、ツメキリ(未払い賃金、留保賃金)根絶」という5つ の要求を掲げて行われた正当なストライキだった。

当時、検察・警察は合法的な大邱地域建設労組のストライキを不法暴力と罵倒 する『協力文』を現場に配布し、合法的な集会での暴力、参席者の車両照会に よる大量召喚状発給、屋外集会禁止通知、幹部への大量逮捕令状発給および拘 束など、建設労組の正当なストライキに対する弾圧を行っていた。

今も建設現場の労働者は最低限の勤労基準法と四大保険からさえ徹底的に疎外 され、法と制度の死角地帯で苦しんでいる。元請から下請け、下請けから再下 請けと、少なくとも4、5段階を経る多段階下請けの過程で互いに責任を転嫁し あい、使用者義務を負わないようになっており、その被害はそっくり建設労働 者に行っている。

政府が情報通信関連の各種の法制度を悪用し、民衆勢力のインターネット掲示 物に対して違法を理由に問題としていることで非難されているが、労働組合の ホームページに対しても押収捜索を執行するなどの公安弾圧が行われているこ とに対して、われわれはこれ以上傍観はしない。またこのような検察の越権行 為、職権乱用、不当な捜査を強く糾弾し、建設労働組合と労働者に対する不当 な介入と労働弾圧を中断することを要求する。

2007年9月7日

全国建設産業労働組合連盟、進歩ネットワークセンター、韓国労働ネットワーク協議会

検察の押収捜索進行過程

  • 9月6日午後2時30分頃、サーバーがある瑞草洞の韓国インターネットデータ センター(KIDC)に入ってきて、IDC関係者に押収捜索令状を提示
  • 午後3時頃、建設連盟に電話で「ホームページ業務関連担当者にかわれ」と 言い、「担当者がいない」と言うと電話を切る
  • 午後3時頃、連盟関係者やサーバー運営者(労働ネット)の立ち会いなくサーバー 運営を中止させ、押収捜索を開始
  • 午後3時10分頃、労働ネットのサーバー運営が停止したことが確認され、IDCに 緊急点検を要請
  • 午後3時15分頃、IDCが点検した結果「検察の押収捜索執行でサーバーを停止 した。現在押収捜索が行なわれている」と連絡

    これに労働ネットではIDCの担当者に「サーバーの実質的な運営者である労 働ネットにいかなる通知もなく押収捜索に協力したことは遺憾」を示す一方、 検察捜査官との通話で「現在のサーバーはさまざまなホームページとデータ ベースサイトをサービスしているサーバーなので、重大な問題がある」と伝 え、直ちにサービスを正常化させることを強く要請したが、検察はこれを無 視して押収捜索を続けた

  • 午後4時30分頃、サービスが復旧しないため、IDCに再度現在の進行状況を確 認するよう要請すると、「押収捜索が行なわれており、サーバーのハードディ スク全体をコピーするためにシステムを構築中」という状況を伝えてくる。 労働ネットは検察の捜査官に「令状に提示されているデータ以外のデータは 絶対に閲覧したり複写してはならない」と通知して、労働ネットの担当者が IDCに到着するまで押収捜索行為を中止するよう要請
  • 午後5時30分頃、労働ネットのサーバー運営者がIDCに到着し、労働ネットの サーバー運営者立ち会いの下に令状に提示された保存情報を探して選別する 作業を進行
  • 午後8時頃、建設連盟の関係者がIDCに到着し、検察捜査官が選別した保存情 報が令状内容から逸脱した建設連盟全体への査察と違わないデータであると 強く抗議し、再度厳格に選別する作業を進行
  • 午後10時30分頃、令状に提示された保存情報の選別作業を終わり、封印およ び押収作業を終了
  • 午後10時40分頃、労働ネットのサーバー運営復旧(該当サーバーが運営中断 した時間は約7時間40分程度)

押収捜索対象サーバーで運営されているサービス

-労働ネット'center'サーバー(IPアドレス 211.234.106.119;Linuxサーバー)

○労働ネットのデータベースおよび各種サービス

  • 連合労働ニュース(http://news.nodong.net):労働ネット ホームページ (http://www.nodong.net)にリンクしており、特に『連合労働ニュース電光掲示板(ティコノドンニュース)』は公共運輸連盟(http://public.nodong.org)、 ソウル地下鉄労組(http://www.sslu.or.kr)等多くの労働組合・社会団体ホームページのメイン画面に挿入されてサービスされている
  • 労働ディレクトリ(http://dir.nodong.net):労働・社会運動関連ホームページ検索サービス
  • 団体協約情報DB:数年間労働組合-会社間で結ばれた団体協約情報を総合検索できるページ(さまざまな連盟サイトにリンク)
  • 労組組織現況DB:労働組合の各種組織現況を総合検索できるサービス(さまざまな連盟サイトにリンク)

-労働メディアサーバー管理ページ(http://center.cast.or.kr)

-労働ネット放送局インターネット生中継管理ページ

○主なホームページ運営サービス

  • 建設産業連盟ホームページ(http://www.kfcitu.org)
  • 社会連帯年金労働組合ホームページ(http://www.pptu.or.kr)
  • 文化連帯文化遺産委員会ホームページ(http://www.cachc.net)
  • Labor Asia Network(http://www.laborasia.net)
  • 労働文化放送局ジョイサルム(http://www.joy3.net)
  • デジタル労働文学館ホームページ(http://www.nomun.org)
  • 全国労働者映像グループネットワーク ホームページ(http://video.nodong.net)
  • メディア広場ホームページ(http://www.strike.or.kr)
  • 労働歴史館1987ホームページ(http://remember1987.net)
  • 労働ネット会員および活動家の個人ホームページ多数運営中

○メディア(写真/音楽/映像など)支援サービス

;民主労総(kctu)、金属労組(metal)、公共連盟(public)、保健医療労組 (bogun)、事務金融連盟(samugol)、鉄道労組(krwu)、起亜自動車労組(kmwu)など、 49の労組・社会団体にメディアデータを簡単に管理するサービスを提供

建設産業連盟ホームページ 2007年09月07日21:16:28

原文

翻訳/文責:安田(ゆ)


Created by Staff. Last modified on 2007-09-08 06:35:04 Copyright: Default

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