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鉄塔座り込み32日目... キャンドルは消えない

全州野球場照明塔、タクシー労働者高空籠城の現場

ムン・ジュヒョン記者 2013.02.05 11:34

『連帯の旗を上げろ。総進軍だ』

2月4日午後6時、闇が静かに道端に重い身を下ろす。一日の仕事を終えた彼らが タクシー労働者、キム・ジェジュ分会長が高空籠城をしている全州市徳津区の 野球場照明塔があるペクチェ路を矢のように走る。す早く通り過ぎる自動車の 音が冷たく聞こえる。闇は早く彼らに行けと促すが、キム・ジェジュ分会長の 高空籠城現場には一人二人と集まってくる。ここでは闇はキャンドル文化祭の 時間になったことを知らせる目覚ましだ。

▲キム・ジェジュ分会長がいる全州市徳津区の野球場照明塔に闇がおりる。[出処:チャムソリ]

公共輸送労組タクシー支部チョニル交通分会のキム・ジェジュ分会長が『不当 解雇撤回、労組認定』等を要求し、野球場照明塔に上がったのは1月4日。ちょ うど1か月が過ぎた。午後6時になる頃から退勤する人を乗せた車両が増えるの が変わらないように、今もキム・ジェジュ分会長は40mの野球場照明塔で座り込 みをしている。変わったことは、上がった時より、ずいぶんひげが伸びたこと だ。ひげのあちこちの白さが彼の年齢を物語ってくれる。昨年、五十歳を越え、 今年は五十一歳。彼は五十歳になった2012年、生まれて初めて解雇を経験した。

▲40m高さで高空籠城をするキム・ジェジュ分会長[出処:キム・ジェジュ分会長]

6時になると連帯闘争歌が聞こえ、赤いチョッキを着たタクシー労働者が一人 二人とペクチェ路に集まる。

「耐える程耐え、忍耐する程忍耐しました。しかし、不当労働行為を監視して 不当解雇を審判してほしいという私たちの要求に、全州市は無気力なだけです。 さあ! 集まりましょう。32日目のキャンドル文化祭を始めます」。

1月4日から一日も欠かさず開かれる6時のキャンドル文化祭はもう32回目。今日 は現代車非正規職労働者と全北高速労働者が参加する。彼らも現場で労働者と 認められない。誰よりもタクシー労働者の痛みを理解する人々が共にしている。 そして遠く韓神大からも神学生12人が共にキャンドルを持った。

韓神大神学大学院に通うカン・ジンス(仮名、37歳)氏は「マスコミでタクシー 労働者が全州で高空籠城をしているという知らせを聞いた」とし、「これまで 学校でストライキをしている労働者のためのキャンドル祈祷会を開いたが、 休みになり、全国の現場を回りながら祈祷をしている」とこの日、現場を訪問 した理由を説明した。

カン氏は「韓国社会では、労働者の人生はとても悪い」とし「労働者が認めら れないのは深刻な問題で、この土地の陰を見るようで胸が痛い」と気持ちを伝 えた。続いて「神様の言葉のように、低姿勢で苦しむ人々と共にしなければな らない」とし「資本と権力の横暴も変化してほしい」と考えを伝えた。

▲この日は韓神大神学生が現場を訪れて心を分けあった。[出処:チャムソリ]

この日は短く集会を終えて、韓神大神学生とタクシー労働者が共に祈る時間を 持った。これまで全北地域の輸送労働者の闘争に連帯してきたイ・セウ牧師は 「私たちの闘争と声が必ず神様にも聞こえ、その声に答えてくれる」とタクシー 労働者に勇気を失うなという言葉を伝えた。

「鉄塔で孤独に戦うキム・ジェジュ同志に暖かい心を伝えたい」

毎日のように現場を訪問する人の中には、昨年12月に同じ場所で高空籠城をし た民主労総全北高速分会のチョン・ホングン争議部長が眼につく。チョン部長 は「キム・ジェジュ同志のひげがとても伸びた。キム同志の顔はとても変わっ たが、32日間実践する心は変わらないようだ」とし「あの高い鉄塔で孤独に戦 うキム・ジェジュ同志に暖かい心を伝えるためにも、毎日ここにくるほかはな い」とタクシー労働者に連帯の気持ちを伝えた。

このように、全州市徳津区の野球場照明塔の下には暖かい連帯の心がある。チョ ン部長は「これが99%の労働者が生きる道で、労働者の犠牲を止めるために懸命 に現場闘争をしなければならない理由」と説明した。

▲32日間、毎日キャンドルを持って現場に来るタクシー労働者たち[出処:チャムソリ]

だからだろうか? 30日近く動かなかった全州市が動いているという知らせが聞 こえる。イ・サムョン民主労総公共輸送労組タクシー支部長がキャンドルを持っ て、最近の知らせを労働者に伝えた。イ支部長は「今朝、非公開で全州市とチョ ニル交通、ワンサン交通の事業主と私たちが面談をした」と話した。イ支部長 は「旧正月前までに全州市がもっと積極的に問題解決に動くことを期待する」 とし「もし旧正月前までに解決しなければ、その後、さらに大きな闘争を組織 する」と全州市の努力を要求した。

この日の集会とキャンドル祈祷会が終わるとタクシー支部はタクシー問題解決 を願う野宿座り込みを旧正月まで続けると宣言した。タクシー労働者たちは、 照明塔のすぐそばの道端に3m程度の座込場を設置して、交代で24時間、野宿座 り込みをする予定だ。まず最初にタクシー支部のヤン・ヨンモ全北支会長が3m の高さの座込場に上がった。テントもなく、とても冷たい明け方の露を防ぐ何 物もなく、ふとん一枚で座り込みをするという。

ヤン支会長は「タクシー労働者たちの闘争は正当だ」とし「私たちの意向を見 せる」と意志を明らかにした。

▲タクシー労働者たちは、この日から旧正月までリレー野宿座り込みをする。[出処:チャムソリ]

「連帯で胸がいっぱい、事業主も私たちを認めてほしい」

キャンドル文化祭と神学生のキャンドル祈祷会、そしてタクシー労働者の24時間 野宿座り込み。高空籠城32日目、キム・ジェジュ分会長の鉄塔座り込み現場は 忙しい。40mの高さからこの様子を見るキム・ジェジュ分会長の気持ちはどうか?

キム・ジェジュ分会長は記者との通話で「私がここにいることだけでも仲間た ちは胸が痛いだろうに、仲間たちが野宿座り込みをするというので残念だ」と し「単にわれわれは労組を認め、不当解雇を撤回しろと言っているだけだ。金 を要求しているのでもなく、一人でも行政官庁と事業主が守ってほしい」と話 した。

そして「下でキャンドルが灯る姿を見るととても力になる。今日のように多く の人々が連帯してくれると胸がいっぱいになる」と気持ちを伝える。風の音が スマートフォンを越えて、私の耳に入ってくる。どれほど寒いのだろうか? と ころがキム・ジェジュ分会長は寒いという言葉は一言も言わない。そして最後 に全州市と事業主に一言を伝える。「われわれ労働者がいかに苦しい生活をし ているのか、行政官庁が知らないわけはないだろう。不当解雇をただ見ていて はいけない」とし「私たちも会社があってこそ労働者がいるということを知っ ている。会社も労働者がいてこそ会社があるということを知ってほしい。そし て、私たちを対話の相手と考えてほしい」と素朴な望みを伝えた。(記事提携= チャムソリ)

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2013-02-06 04:55:26 / Last modified on 2013-02-06 04:55:27 Copyright: Default

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