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「トイレさえ見れば行きたくなる習慣になりました」

テントで春を迎える韓国科学技術情報研究院非正規職

チョン・ジェウン記者 2011.04.24 09:51

10年以上働いたのに突然集団で追い出された施設管理非正規職労働者がある。 毎日昼夜出勤した職場の扉の暗証番号はいつのまに変わり、20メートル先の トイレに行けない身分になった。

「おかしな習慣ができました。KAISTでトイレが遠いので何度も我慢しているう ちに、トイレさえ見ると行きたくなりました」

不確かな未来、悪いうわさ

大田市儒城区の韓国科学技術情報研究院(KISTI・キスティ)非正規職労働者が、 研究院の前でテント座り込みを始めてからもう2か月半を越えた。それにしても 『昼昼夜非』、昼間-昼間-夜間-非番を繰り返し、家族がいつも心配したが、座 り込みで家にも帰れない。41歳で妻が初めての妊娠をして、9月に出産を控えて いるが、妻にストレスを抱かせているようでキム・ギホン副分会長は申し訳な いだけだ。

「妻は止めろと言います。初めて座り込みをしてみて、不便なこともあります が、未来への確信がなく、心理的に不便なのが一番大変です。約束のない闘い でしょう。しばらく不便なことは耐えられますが、不確かな未来、生計への 不安でいっぱいです」

チョン・ミンチェ分会長も同じだ。労組を初めて作って一緒に戦った同僚三人 が『この会社には愛想がつきた』と離れたが、まだ二人が雇用を見つけられな い。キスティ非正規職闘争が知られ、大田地域の事業主が採用を憚っているの だ。法では労組が作れると言うので作っただけなのに、『闘争主導者』緋文字 を刻まれた社会的烙印は不便さを越え不確かな未来の不安につながる。

「ここで12年働いたのによそに就職しろって? もし闘争止めてよそに就職して も、うまくできないし、私の12年の人生が嘘になってしまいます。私たちが宣 伝戦と、闘争をして歩き回っているので、もう大田市民も知っています。大田 を離れて暮せますか。この仕事しかしたことがないのに自営業をしますか?」

労組活動も初めて、闘争も初めての彼に、重ねてかぶせられたさまざまなうわ さもテントで寝るより不便なことだ。

「果川で闘争を終えて偶然、サービスエリアで研究所の正規職労働者と会った のですが、私とは考えが違ったようです。いつまでこうして闘争してキスティ に悪口を言うのかというのです。初めて闘争をして、会社は非正規職がキスティ に悪口を言うといいました。そして私が元の職場で働くつもりがない、民主労 総や進歩新党で仕事一つを得るために闘争する等等の噂が多いんですよ。われ われは保護してくれるところがなくて探して探して、くやしくて労組を作って 公共研究労組に加入したのですが... その上、非正規職が研究所の中の機械バ ルブを操作して使えなくして出て行ったなど、私たちを悪者にする悪い噂が盛 んでした。妻もとても心配しています。妻は生計問題もそうですが、私が復職 できるという希望を抱いて暮していますが、間違えば虚妄感から抜け出せなく なるのではないかと心配しています」。

研究団地内で初の施設管理非正規職労組...業者変更で解雇、監視

非正規職は、研究所の役員と研究員が退勤した後、各種の機械設備を整備しな がら24時間守った。溶接、変電室の電気、簡単な電気配線作業、塗装、冷暖房 設置など、仕事も多様だった。労働界は『必須維持業務』と呼ばれる仕事をす る労働者を正規職に転換しろと主張するが、会社は業者を通じ非正規職として 採用した。

1年ごとに反復契約をして、一部賃金が未払いになる劣悪な労働環境で、非正規 職は昨年10月に労組(公共研究労組傘下韓国科学技術情報研究院分会)を作った。 研究団地内で初の施設管理非正規職労働者の労組結成だ。

だが労組結成から4か月で契約満了により集団で解雇された。キスティが用役業 者を変更して非正規職を切り、新規業者の『ナイスカム』が個別に面談して 組合員5人だけの雇用を継承し、後の8人は1月31日付で解雇した。新しい業者が 非正規職を全員『雇用継承の義務はない』と研究員の玄関の前に採用された人の リストを貼り出し、非正規職は2月1日に出勤して解雇されことを知った。

解雇者元職復職、非正規職雇用継承を主張して非正規職が戦い始めると、キス ティ側は2月に労組と労組員5人に対して『住居侵入、退去拒絶、業務妨害』の 容疑で刑事告訴した。『テントと横断幕撤去、KISTIが組合員を解雇したという 虚偽の内容の主張と流布禁止』等を内容とする仮処分も申請した。

「私たちが虚偽の事実を言論に情報提供したというのは本当に... 裁判の途中 ですが、生まれて初めて裁判を受けます。弁護士とも初めて会って、使用者側 は弁護士を二人も連れて来ます。尋問も初めて受けて、警察署で調査も初めて 受けましたが、違和感がありませんでした。拘束されていないためでしょう。 私たちの戦いが正当だから、むしろ堂々とした感じがしました」

労組も3月末に国家人権委員会に陳情書を入れた。以前の用役業者を対象に労働 部に賃金未払い陳情もした。公共研究労組によれば、キスティ非正規職が年間 換算3513時間勤務、月平均292.8時間働き、1人当り延長と夜間勤労手当が毎月 約50万ウォンの不払いで、3年間の不払い賃金は1億4千万余ウォンになる。

「われわれは人権を侵害されています。研究院内のトイレ、労働組合事務室、 銀行、売店など、どこにも出入できません。研究院はCCTVを設置して私たちを 24時間監視しています」

▲「キスティ事態を考えるKAIST学生の会」の横断幕。春はきたが事態は解決の兆しを見せない。

キスティ非正規職の集団解雇事態はなぜ長びくのか?

このようにキスティ使用者側と非正規職労組の対立が長期化する原因について、 公共研究労組のチョ・ヨングク組織局長は「研究団地の中に施設管理非正規職 労組ができて、初めて間接雇用の問題が提起された。反労働政策で一貫する李 明博政権の下で前例がなく、キスティのパク・ヨンソ院長が今年連任するとい う話があるが、それとからんで非正規職労組を認めないようだ」と伝えた。

また公共研究労組は、根本的に非正規職労働者の労働基本権を保障・拡大すべ きで、政府外郭研究機関の非正規職問題に対する根本的な対策が必要だと強調 した。労組が分析した資料によれば、2010年10月現在、13の基礎技術研究会に 出資し1709人の期間制労働者が雇用されている。2009年より423人増加、2008年 より483人増加した。

労組は「キスティを含む出資研究所非正規職労働者の規模は増加し続けている が、常時的で必須の業務には非正規職の使用を制限しなければならない。間接 雇用労働者の雇用継承を義務化しなければならず、やむをえず非正規職を使う 場合も同一労働・同一賃金の原則を守らなければならない」とし「そのような 方案を施行するには政府の意志がなければならず、法と制度が変わらなければ ならない」と指摘した。(記事提携=メディア忠清)

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2011-04-26 08:39:29 / Last modified on 2011-04-26 08:39:31 Copyright: Default

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