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「KEC、交渉ではなく罠だった」

野五党、いっせいに李明博大統領と警察の責任を議論

キム・ヨンウク記者 2010.10.31 18:39

亀尾KEC工場での焼身事態を呼んだ原因は、警察の罠だったという情況が続々と 現われ、10月31日、野五党もいっせいに李明博政権の責任論を持ち出し、G20を 前にした労政対決がさらに加速しそうだ。特に、焼身自殺した金属労組亀尾支 部のキム・ジュニル支部長が運ばれた漢江誠心病院には、野五党の代表がいっ せいに訪問し、警察の連行の試みに憤慨した。

キム・ジュニル支部長「交渉内容は全くなく、交渉の姿勢ではなかった」

この日の午後2時に開かれた民主労総緊急記者会見では、焼身事態の転末が公開 された。キム・ジュニル支部長がKEC会社側の交渉代表と会った場所は、労働者 が占拠座り込みをしている第1工場の2階だった。労組は労使代表の会合の前に、 すでに警察に身辺保護要請を行い、身辺保護の約束があったため交渉に出た。

約180人の労組員は、第1工場の1階に座り込んでいて、無理な連行を試みればい くらでも労組員を刺激しかねない状況だったが、警察はキム支部長の連行を試 みた。あらかじめ私服警官まで配置されていたという。キム支部長は2階から降 り、警察に追われて第1工場の地下1階に逃げて身を守った。女子トイレに入り 扉を閉めたが、警察がガラス窓まで破って連行を試みた。

したがってキム・ジュニル支部長が焼身した当時の状況を目撃したのは警察だ けで、最初に亀尾のチャ病院に運んだのも警察だった。労組の関係者は連行さ れたキム支部長を護衛していた死守組から電話でキム支部長焼身の知らせを聞 いた。この過程で、警察も労組側に焼身について伝えた。亀尾のチャ病院に金 支部長を運んだ警察は、その後到着した労組関係者と家族に知らせず金支部長 を大邱に運び、その渦中で金支部長の身元確保を試みた疑いがある。

いち早くチャ病院に到着した民主労総イ・チョルラク慶北本部長によれば病院 の関係者から治療中なので出るようにと言われ、家族と待っていたところ、家 族が確認のために入って警察が連れ出したという事実を知った。警察が金支部 長をどの病院に連れ出したのかを知らせなかったため医者に抗議し、大邱方面 に行ったらしいという話を聞いた。イ本部長は、民主労総大邱本部に可能性の ある病院を確認させた。結局、大邱プルン病院に警察力が配置されたのを見て、 金支部長の位置を確保できた。

また、社側の交渉代表と単独で面談したキム・ジュニル支部長の証言も、社側 と警察の罠だという情況を裏付ける。民主党によればこの日の午後2時30分頃、 民主党のソン・ハッキュ代表など4野党の議員が、漢江誠心病院に入院している キム・ジュニル委員長と面会した席で、ソン代表が「私が罪の意識を感じる。 私がその時に時ずいぶん考えたが、あるいは交渉の時、使用者側は真剣に交渉 に臨んだか、内容があったか」という質問にキム・ジュニル支部長は「全く内 容がなく、交渉の姿勢ではなかった」という意志を表示した。

各野党、「労組交渉に引き込んで連行の試み、独裁政権か」

民主労総のイ・チョルラク慶北地域本部長はこの日の記者会見で「交渉が終わ り、会社側の交渉代表が工場から出るとすぐ警察が侵奪した。当時、警察は交 渉決裂の状況を知るのは難かしいのにすぐ侵奪したのは、会社と警察が事前に 共謀したとしか考えられない。亀尾警察署でも『どうせ決裂すると思い、逮捕 令状を執行するために検挙を試みた』と言った」と強い疑惑を提起した。

イ・チョルラク本部長は「問題は中の組合員たちだ。会社が何度か嘘の宣伝を して、昨日公権力が入り込み、自分たちが死ななければ生きられないという切 迫した気持になっている。工場の中では明日までと最後通告をしている。会社 と警察の回答がなければ責任を取れない事態が起きかねない。第2のキム・ジュ ニル事態を防ぐために交渉をしろ」と伝えた。

金属労組のク・ジァオ首席副委員長は、「KECは13年間、労使紛争がなかった。 唯一、今年だけ労使関係が最悪になり、初めはタイムオフが口実だったが結局、 目的は労組破壊だった。公権力が挑発すればどんな深刻な事故が起きるかわか らないと知れないと数回警告した。その警告を無視した公権力の行為は、殺人 行為だ」と話した。

▲ソン・ハッキュ民主党代表が漢江誠心病院を訪問してキム・ヨンフン民主労総委員長と話を交わした。

チョ・スンス進歩新党代表は「87年でもないのに、交渉代表として出てきた支 部長を連行しようとした。警察が忠実に資本と権力の忠犬役をしている。今回 の事件は、最後まで必ず真相を明らかにして、責任者を必ず処罰しなければな らない」と明らかにした。

民主労働党のイ・ジョンヒ代表は、「これは交渉がではなく、罠だ。警察の公 務執行ではなく、暴力団の指図を受けた突撃」とし「労使間交渉が実現すれば 邪魔をしないのが常識であり鉄則だ。警察はその鉄則を完全に破った。労組を 破壊するつもりがなかったのなら、警察が突撃隊になったような行動をするか」 と強く非難した。

この日の記者会見が終わった直後に病院を訪問した民主党のソン・ハッキュ代 表も、「昨夜、労使交渉があると言うので、明日にも労組の家族と会う予定だっ た。ところが交渉は実現しても、結局は使用者側と警察が労組をだました」と 話した。続いてソン代表は「李明博政権の労働観には問題がある。まだ龍山惨 事の記憶が鮮明なのに、労働者を国民とは思っていないようだ。労組を抹殺す る試みだ。交渉に対する真摯な内容もなく、労組を交渉に引き込んで逮捕し、 連行しようとする試みだったようだ」と規定した。

民主労総はこの日の記者会見で、「キム支部長の容態も心配だが、今座り込み 現場はどんな惨事が起きるかわからない深刻な状況」とし「主要幹部が座り込 み突入時から遺書に近い手紙を家族に残し、生死苦楽を共にした幹部が連行さ れ、支部長が焼身し、生命がけの状態で座り込み組合員は激昂しており、危険 物質が充満する密閉された半導体工場内は火薬庫と同じだ」と憂慮した。

また、「会社と警察が座り込み組合員を刺激したり、政府当局が事態を円満に 解決する努力を示さなければ、亀尾KEC工場は竜山惨事とは比較できないほどの 恐ろしい事態に発展する」とし、△座り込み現場に配置された警察兵力と用役 職員の撤収、△座り込み組合員への医療陣と食糧、生活必需品の提供、△職場 閉鎖撤回など事態解決の具体的な意志表示、△国会次元の真相調査と責任者の 処罰をまず要求した。

民主労総は、「今の状況は反労働政策をとり続けるこの政権が招いた事件であ り、政権次元で解決しろ」とし「こうした極端な状況も欺瞞で言い逃れようと するのなら、われわれの選択は政権との全面戦争しかない。11月7日全国労働者 大会と11月11日G20糾弾闘争など、民主労総次元の大規模集会とイベントを前に した今、選択は政府当局の役割だ」と強く警告した。民主労総はこの日、漢江 誠心病院前で座り込みに突入し、午後7時からキム・ジュニル支部長快癒のため のキャンドル集会を開く。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2010-11-01 03:24:49 / Last modified on 2010-11-02 20:13:15 Copyright: Default

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