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韓国:双龍車、おにぎりに雨を待つ労働者たち | ||||||
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「雨が降れば走っていく」[メディア忠清]双龍車、おにぎりに雨を待つ労働者たち
特別取材チーム
www.cmedia.or.kr / 2009年07月29日11時53分
労使の屋上パチンコ戦が終わった7月27日午後8時頃、それまで夕食を食べられ なかった労働者たちが久しぶりに屋上でラーメンを煮て、おにぎりを食べてい た。ボルトが飛びかい、催涙液が落とされる緊張の中、しばしの余裕だ。この ように労働者が休んでいる間、双龍車使用者側は大衆歌謡をかけていた。
#1. 放送 「労組のストライキは失敗した。労組のストライキで20万人が死ぬ。民主労総 と金属労組はお前らを助けない。KT労組も民主労総を脱退した。MBC、メディア 忠清、サジャフも期待するな...」 平沢市チルキ洞は、双龍車使用者側と労組の放送合戦で、真夏のセミの声も聞 こえない。過ぎたるは及ばざるが如しだというが、やりすぎはだめだ。自然の 贈り物も、多すぎると人の神経を刺激してかんしゃくを誘発する。まして敵対 的な調子の人間の声があふれるのだから、さぞかし大変だろう。 使用者側は昼夜を問わず場所を移動しながら放送する。直接放送を、時には録 音テープをかける。中には使用者側の集会を録音して放送をし、まるでコンサー トのライブを聞いているようだ。拍手と歓声が工場を沸きかえらせる。昼夜交 代勤務で睡眠障害になった労働者たちが、ストライキの時は警察、使用者側、 用役の工場進入と使用者側の放送で寝られない。意図もなく、何の理由もなく 流される使用者側の放送。労働者は使用者側放送を『対北朝鮮放送』と言う。 「初めはまともな語り口で放送して、落ち着いて敬語を使っているが、頭にく るとぞんざいな言葉と大声を出す。私たちをクビにして今、自分がクビになり そうで、窮地に追い込まれたんだろう。放送を聞いていると、ちょうど対北朝 鮮放送を聞いてるみたいだ。犬、穴から出てこい。ここにくればご飯とタバコ と酒と... 飯は食べてる。おにぎりはまだカビていない。よくまだ残っている ラーメンを煮て、おにぎりを混ぜて食べると絶品だ。もちろん一杯の酒を思い 出すけれど。ちょっと持ってこいよ(笑い)。ところで放送を聞いていると、初 めは頭にきたけど、今はそうだろうと。音楽放送の時は共に聞いて、テントで 寝てる(笑い)。最近は罷業歌が口から出てくるが。」
使用者側放送はストライキ中断を要求する『懐柔と脅迫』、そして双龍車事態 の責任が労働者たちにあるという内容だ。経営上の理由で法定管理に至った双 龍車、労働者に加えられる大量の整理解雇を含む構造調整、これによる労働者 のストライキと部品メーカー、協力会社の倒産の危機の責任が、労働者にある という。売却を強行した政府と上海車の技術流出疑惑、産業銀行の特別約定解 除措置は消えてしまった。「管理者と経営陣は自分たちの責任が何だったのか も知らないようだ」と労働者たちは話す。 「結局お前ら(ストライキ参加者)のおかげで皆死ぬという内容だ。いつも私た ちに責任を負わせる。」 #2. 「生きている者」との対話 対話中、ストライキをしているある労働者に電話がかかってきた。いわゆる 『生きている者』だ。テントでは『死んだ者』の声しか聞けない。 「胸が痛い。何だこれは。パチンコでボルトナットじゃなくペットボトル入り 焼酎でも飛ばせ。パチンコでお金を入れてやるから(笑い)。本当に。タバコと。 何だこれは。38度線をひいて銃撃戦してるわけでもないのに。そして今日打ち 込まれたナットを見たら5つつないで打ち込んでるのだ。これは殺人兵器だよ… 昨日の夜中、(使用者側の)テントに明かりがついてたけど、あるいはこの作業 だったんじゃないか? なんで職長さんがあやまるんだ。あいつらが悪いんだ。」 『生きている者』は横のラインが職場だ。テントに集まった労働者たちはみん な口をそろえて『良い人だ』と話した。また『戦争』に出れば前でパチンコを 撃つのではなく、会社の顔色を見て裏で助けているといった。労働者たちはそ うして信じあっていた。お互いにパチンコを撃っても、共に働いた同僚への信 頼は簡単にこわれなかった。それを『憎い情け』とも話す。 「生きている者の間でも、『パチンコ』はやめようという人がたくさんいる。 だが中には自分が生き残るために会社についた悪質管理者や生きている者がい る。生きている者のほとんどは労組と対話しようというんだって。決裂すると しても、まず対話するべきだと。先後輩、家族どうしの親密な関係がすべてこ われている。そこでも半々に分かれて、集りもこわれた。」 『また一緒に働けるか』と尋ねると、労働者たちはしばらく迷って口をそろえ て「働かなきゃ」と言う。『会社の正常化』のためには仕方ないといった。使 用者側が主張する『会社正常化』の内容が、労働者がストライキを中止して正 常操業に突入することなら、テントに集まった労働者の考える『会社正常化』 の内容は、労働者間の信頼を回復することが先だった。 「初めは生きている者が憎かった。会社の定規で見れば、私より仕事もできな い人が生き残って… でもあいつも会社に言われてしているんだ。今は黙ってる。 だけど専務は悪い奴だ。」 #3. 人権 使用者側は、7月16日から食物を遮断し、22日には水とガスの供給を中断した。 一週間ごとに正門で2-3時間、警察、使用者側と小競合の末にやっと入ってきた 医療陣も出入禁止だ。ただ医薬品の一部が警察と使用者側の統制の下で入って くるだけだ。人のからだは薬で調節して病気になるものではない。だから支援 された薬が足りなかったり怪我をすれば、彼らは警察の連行を突破してでも平 沢工場の正門から出なければならない。「それでも(病気になっても)闘い抜く」 と粘る人もいるが『生きるために闘おう』と同僚を説得して外に送りだす。
水もないのに汗が出て催涙液をかぶったからだを洗う意欲も出ない。断水措置 の初期には消火栓の水で解決したが、使用者側は消火栓も切った。工場を歩き 回って水を集め、筒にためてもいつのまに催涙液がまじって『辛い水』になっ てしまう。催涙液混じりの水とも知らず、喜んで頭からかぶればすぐ目と膚の 痛みで苦労する。スチロールも溶かす催涙液を経験した労働者に『催涙』は恐 怖だ。 「体も洗えず着替えもできないのが一番つらい。服とくつしたを拾って着たり する。知らずにそうしたのではなく、何日も同じ靴下と服では工場から出てき た人だとわかるから着る。消火栓の水が一度出たことあるが、髪を洗った水で 靴下を洗った。その水は捨てずに集めてトイレの水に使った。他の人々に見ら れたくない恥部を見せるようであれだ。タバコ一本を回して吸ったりもする。 ところで知ってるか? その一本が蜜の味だ(笑い)。ご飯もそうして食べるだけ のことはある。おいしい。ところで暑くてべたべたして… そうだ、そして工場 進入に備えて交代で屋上で寝るが、眠たくて、寝床が不便で。昨日は雨が降り 続けて寒かった。冬のジャンパーを出して着たり、寝袋がある人はその中で寝 た。それもない人は歩きまわる。寒ければ動かなければならないから。」 27日の夜は湿っぽく暑かった。雨が降るかも知れないというので労働者たちは 期待に膨らんだ。長ければ10日間もシャワーを浴びていない労働者は、雨が降 れば服を脱いで飛び出して洗うと、笑いながら冗談半分、本気半分で話した。 「いくら2MB(李明博)でも雨は防げないだろう。すぐ暴雨になるだろうけど…」 #4. 懐柔と脅迫 ストライキ68日が過ぎても、会社の懐柔性、脅迫性の濃い電話と携帯メールは 絶えず続く。それも誰もが受け取れるのではない。ある労働者が「私はストラ イキしても一度も連絡が来なかった。完全に捨てられたようだ」と話し、むし ろあどけなく微笑した。時には使用者側管理者、職員でなく、全く無関係の高 校の先輩から電話がきて、『要請だ』と言って工場の外に出てこいという。 「先輩から電話を受けて、本当にあきれた。その先輩が管理者の1人だと知って いるが、私が『先輩、000に言われたんだろう?』と聞くと、何も話せなかった。 それでもうそんなことで連絡しないでくれと言って切った。それから、申し訳 ないと、元気だと携帯メールがきたんだ。」 『懐柔と脅迫』の連絡と携帯メールを受け取ると、労働者たちはまだ気分が悪 いという。もちろん黙っている労働者もいたが労働者には口にできない傷のよ うに見えた。 「どうも会社が外にいる同僚を洗脳しているらしい。通話するとここの状況と 違う話をよくする。『会社で聞いたが、電話もさせないんだって。監視が激し いって』等。それは違う。誤解だよ。苦しくても頑張る理由は、生存権を守る から。労組から出て行くなと言われて出て行かないのではない。この前、朝鮮 日報で、工場の外に出た人のインタビューを見て笑って死ぬかと思ったよ。出 て行くと殺すって? 記者がとんでもない奴だ。内容も知らず... 率直に電話を 取らないのは、毎日『出て来い』という話だけだから。それを聞きたくないか ら、受けない時もある。」 #5. 政府 労働者たちにはパク・ヨンテ、イ・ユイル共同管理人は、あまり『重要な』人 ではない。彼らは管理人が政府、上海車の『代理人』だと考えていた。労働者 たちが相手にする対象は、『政府』だと考える。売却推進の責任がある所、資 金圧迫を受ける双龍車に公的資金を投入する所、上海車の株式を償却する所、 技術流出と未収金を明らかにして上海車を処罰する所。すべて政府の役 だと言 う。しかし政府は双龍車問題に関しては『ストライキ』中だ。工場のラインが 止まったように、双龍車事態解決のために積極的に動こうともしない。その代 わりに政府が選んだのは、『警察兵力投入』による強制鎮圧だ。 「結局、政府が鍵を握っているから仕方ない。生きている者たちもそう考えて るんだ。『生きている者』-『死んだ者』だけが違うが、この考えは同じだよ。 管理職は自分の欲でそうしてるんだ。私たちも税金を払う国民だ。政府が公的 資金を投入しなくちゃ。地域企業、社会企業にして、もっとちゃんと暮らそう というのになぜ耳を塞ぐのか。」
そして政界の動きにも言及した。事態解決のために動かないより、動く方が良 いが、世論を意識したポーズのようで苦々しい気がする。京畿道のキム・ムン ス知事が、事実関係は別として「双龍車スト参加者は200人残っている」という 内容の発言をしたと憤慨した。 「動くなら早く動け。平沢市民を苦労させて今になって何をしてるんだ。キム・ ムンス道知事は資格剥奪だ」 労働者たちは「大便をした奴が片づけろ」と言った。『大便をした』奴は、 『政府』だ。渡り鳥上海車に双龍車を渡したのも政府は、熱心に働いた罪しか ない労働者を切るだけ、だからくやしい。韓国の国民が政府から捨てられて、 使用者側から攻撃され、さらにくやしいという。彼らのくやしさはどこに訴え ればいいのか? 70日にもなる双龍車労働者のストライキは労働者の声に耳をふ さぎ、ストライキをしている政府に向けた直訴の鐘かもしれない。双龍車事態 の責任と解決は、すべて政府の役割のようだ。 翻訳/文責:安田(ゆ)
Created byStaff. Created on 2009-08-01 09:16:17 / Last modified on 2009-08-01 09:16:21 Copyright: Default 世界のニュース | 韓国のニュース | 上の階層へ |