韓国:ソウル市に追い出され、10年目の初ストライキ | |||||||
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ソウル市に追い出され、10年目の初ストライキ[インタビュー]クク・スンジョン ソウル常用職支部支部長
アン・ボヨン記者
coon@jinbo.net / 2009年06月09日22時13分
公共労組ソウル常用職支部は6月10日午後4時、ソウル市庁別館前で『ストライ キ出征式』を開く。あと24時間も残していない。ソウル常用職支部はソウル市 の道路と漢江公園などの管理をする常用職労働者が加入している。彼らはソウ ル市の道路や漢江の河岸などで、雨が降れば雨に降られ、雪が降れば雪をかぶ り、黙々と働いてきた。こうした労働者が労組結成から10年で初めてのストラ イキをする。ストライキを前に不安でないかとの質問にクク・スンジョン公共 労組ソウル常用職支部支部長は意外に淡々と話した。 「労組建設から10年で初めてのストライキなので、少し心配だが憂慮するほど の状況ではない」 ▲6月4日ストライキ決意大会で発言中のクク・スンジョン ソウル常用職支部支部長 ソウル常用職支部は初めて労組ができてから10年間、区庁協議会と団体交渉を してきた。昨年ソウル市が使用者分離をしてソウル市所属の事業場に限り独自 の交渉を提案するまで、正常な労使関係を維持してきた。 ソウル市は昨年、直接使用者としてソウル常用職支部と区庁協議会が結んだ 『暫定合意案』を廃棄し、『団体協約改正案』を提示した。団体協約はうまく いかなかった。労使間で意見の差が大きかったためだ。ソウル市は5月13日、 ソウル常用職支部に『団体協約解止』を通知した。 「団体協約は労働者として生きる唯一のしんばり棒だ。労使間の争いがいくら 激しくなっても、越えてはいけない線がある。ソウは市が団体協約解止を通知 し、その限度を越した」 クク・スンジョン支部長は、団体協約解止通知よりさらに腹が立つのは「この 10年間守ってきた歴史を一瞬にして無視するソウル市の態度」と話した。 「この10年間、区庁協議会とも交渉し、ソウル市は交渉委員として同席してい た。昨年までは長い間協議をして『暫定合意』した。ソウル市もいた。ところ が『暫定合意案』は法的効力がないという理由であらゆる事を無にするソウル 市の態度に腹が立つ」 ソウル市が使用者分離をし、ソウル市傘下の事業場に限り団体協約を解約した が、ソウル常用職支部は5月27日、ストライキ賛否投票で組織全体のストライキ を決めた。ソウル常用職支部の区庁支会と区庁協議会が結んだ暫定合意はまだ 有効で、区庁協議会は8月の交渉で、常用職支部との交渉を再開する。クク・ス ンジョン支部長だけでも西大門区庁所属だ。 「ソウル市は使用者分離をしたが、われわれは今でも別の組織だと思っていな い。まさにソウル市に属する常用職組合員の尻に火がついたわけだが、これに 手をこまねいていれば来年は区庁協議会と団体協約があるが、その余波が直接 くるだろう。区庁に属する組合員もその意味でストライキを決意した。むしろ さらに積極的にしている」 ▲6月4日のストライキ宣言大会には1000人の常用職支部組合員たちが参加した。 ソウル常用職支部は、初めから『ストライキ』カードを上げたのではない。 この10年間、労使が対話で問題を解決したように、対話の手綱は放さなかった。 「ソウル市をはじめ、すべての公共機関が現政権の政策により方向が決定され、 その通りに動いている。その影響が大きい。ソウル市が団体協約の内容から削 除しようとする部分は、定員維持、組合活動などで、これらは政府政策と関係 がある。 私たちも官公庁で働いているので、そんな部分を考えないわけではない。ソウ ル市が削除または修正しようとする部分の議論も含め、交渉しようといった。 ソウル市が削除しようとする条項は、われわれ労働者の労働条件と生存権に直 結する問題だ。それでも対話で問題を解こうとしたがソウル市は強硬だ」 ソウル常用職支部は6月10日の午前10時にソウル市企画官と面談をする。ソウル 市長面談を要請したが、ソウル市は企画官面談に回した。ソウル市はストライ キ一週間後の17日に正式交渉を提案した。 「企画官面談に期待はしていない。ソウル市長面談を要請をしたが企画官面談 にする程度なら、ソウル市は意志がないと見なければならない。だが、会って 私たちの真意を伝え、解決を要請する計画だ」 団体協約改悪-〉団体協約解止の手順を踏むソウル市 ソウル市が既存の団体協約から削除を要求した部分は、外注または下請けをす る時に労組との事前協議を明示した条項と、労組活動、専従者賃金などに関す る条項だ。これは労働者の労働条件(外注、下請け)と組合活動に直接関係があ る条項だ。 「2月17日にソウル市が出した『団体協約改正案』は、団体協約解止の予告版だっ た。団体協約の内容に適正人員の確保および定員維持などについて労組と合意 すると明示している部分があるが、これをソウル市が拒否した。これはソウル 市が自然減少で発生した欠員を日雇いで満たすということだ。また労組活動の 保障に関する部分をすべて削除することを要求した。これは労組を無力化し、 長期的に常用職労働者の業務を外注委託するという意図としか考えられない」 アスファルト敷設で脱力も頻繁、雪雨が降れば常時待機 労働条件についてクク・スンジョン支部長は「こんな喩えがあります。野原を 通う獣も雨雪が降れば中に入るという言葉。ところがわれわれは獣よりひどい のです」と話した。 「われわれは仕事の特性上、雪雨が降る時によく出ていきます。真夏の炎天は もちろん、陰一つない漢江の河原に出て行って、水を汲み、マンホールに入り、 汚物を掃除して...」 道路事業所に属する労働者は、アスファルト(道路舗装原料)作業をすると服も 靴もべたべたになります。その状態で食堂に入ると嫌がられるので、車で昼食 を食べて。一日の作業物量を終えなければ控室(事務室)に帰れませんが、その 前はずっとその格好でいなければなりません」 アスファルトをはがす作業自体も苦役だと言う。アスファルトの性質上、高温 で舗装しなければならないので、普通は春や夏にするが、真夏の炎天にアスファ ルト作業をして動けなくなることもよくあると話した。 「退勤しても緊急請願が発生すれば現場に出て行かなければならない。現場で 問題を解決できなくても、安全装置でも用意していかなければならないから。 冬は家族と旅行する意欲も出せない。名節でも週末でも非常待機だ」 クク・スンジョン支部長は仕事はつらく、暮らすためにこの仕事をしているが、 格別に抱いてきた『自負心』について話した。 「私たちがすることは収入を創り出す仕事でなく、生活請願、公共サービスだ。 公共サービスはただ金だけに換算してはいけない。この前、ある地域で環境美 化を民間に委託したが、民間業者が定量制の袋だけ持っていってまさに『環境 美化』はしないらしい。結局その地域は民間委託解止と直営に戻した」 ▲クク・スンジョン支部長は「ストライキは終わりでなく開始、長く見て闘争する」と話した。 小人とゴリアテの戦い クク・スンジョン支部長はソウル常用職支部のストライキを『小人とゴリアテ の戦い』と描写した。 「短期間には解決しないかもしれない。ソウル市は団体協約解止カードを投げ、 私たちを圧迫し続けていて、区庁も8月に交渉を再開すれば、複数労組、専従者 賃金などの施行令作るだろうし。今回のストライキが闘争の始まりだと思う。 長い戦い、私一人の考えでなく、ソウル市230人の組合員と区庁1100人の組合員 を信じて行くしかない。 最後に組合員に、団結! 私たちにはただ『団結』しかないという言葉を必ず伝 えたい」 ソウル常用職支部は10日4時、ソウル市庁別館前で『ストライキ出征式』を持つ。 13日にストライキ隊伍修練会で、今後の日程とストライキの程度などを決める。 翻訳/文責:安田(ゆ)
Created byStaff. Created on 2009-06-11 04:21:20 / Last modified on 2009-06-11 04:21:29 Copyright: Default 世界のニュース | 韓国のニュース | 上の階層へ |