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芸術家たちよ、発言せよ

[寄稿]国立オペラ団合唱団解体関連討論会の取り消しについて

ナヨン(文化連帯) rebel9@hanmail.net / 2009年04月24日17時14分

4月22日、チェ・ムンスン議員室が主管し、国会で開かれる予定だった「国立オ ペラ団合唱団解体の問題点と国公立文化芸術団体の望ましい発展方向」討論会 は、わずか一日前の21日午後6時に突然取り消された。発表者に予定されていた オペラ演出家のイ・ボムノ氏が討論会パネルの指向が偏っているなどの理由を 上げて討論会に参加しない意志を通知してきたためだ。

しかし主催側によれば。すでにイ・ボムノ氏は提案発表文まで作成して送って いた。その上、討論会には音楽評論家のイ・サンマン、文化評論家のチン・ジュ ングォン、イ・テッカン氏だけでなく、文化部芸術局のト・ジェギョン公演芸 術課長、イ・ホンジク国立オペラ団事務局長まで討論者として参加する予定だっ たため、パネルの指向をあえて問題にする理由はなかった。では彼に何か政治 的な外圧でもあったのだろうか? あるいは芸術家として政治的(と見られる)発 言をしたり、政治的(かもしれない)場に出ること自体が負担になったのだろうか?

事実、今回の討論会は、初めから発表者と討論者交渉では多くの困難があった。 筆者はすでに討論者として参加する意思を明らかにした状況だったので、その 後、発表者と違う討論パネルが確定することを待ち、何回か主催側に確認した が、皆すぐには出ないようだった。その上、討論会の主題や性格上、関連分野 のジャンル的、人的、政策的現況をよく知る芸術家が問題提起をしなければな らない状況だった。それにもかかわらず、誰一人彼らの話を明快に語り、自身 の立場を明確に述べる人がいなかったのだ。

もちろん、国立オペラ団合唱団の問題にはさまざまな政治的力学関係も絡むの は事実で、現場の芸術家が特定政党の議員室で主催する討論会に出て、何らか の立場を語るのはかなり負担になることでもあっただろう。それにもかかわら ず、先日の指揮者、チョン・ミョンフン氏の発言をめぐる論争や今回の討論会 の進行過程を見て『芸術家と政治の関係』についてまた悩まなければならなかった。

芸術家と政治、芸術家の政治性について

国立オペラ団合唱団問題を大衆的な関心事に押し上げるために決定的な役割を 果たしたモク・スジョン氏の文は、1か月たった今も相当な論争の種になってい る(個人的にはモク・スジョン氏の文が国立オペラ団合唱団問題そのものの関心 や論争につながらず、別の方向にいったことは非常に残念だと思う)。論争は主 にモク・スジョン氏やチョン・ミョンフン氏の態度と政治性に関することだっ たが、その論争で重要な争点の一つは『芸術家が必ず政治的に正しい必要があ るのか』ということだった。もちろん誰もが必ず政治的に正しい必要はない。 だが芸術家として特別に彼の『政治的正しさ』の評価から自由ではありえない。 彼は世界的な指揮者だけでなく、重要な政治的な位置にある人だからだ。

事実、『芸術家の政治的責任』や『芸術と政治の関係』は、かなり長い間続い てきた論争の種でもある。ところが『政治』とは何か。結局私たちの生自体が 政治ではないだろうか。いずれにせよ、われわれは知らず知らず日常の中でさ え絶えず政治的選択をして暮している。そしてそうした政治的な選択が今の自 分を作ってきたのだ。職業や性格から友人関係、好みに至るまで、何一つ政治 とイデオロギーの影響を受けないものはない。それは正しいかどうかの問題で はなく、厳然たる現実だ。芸術もこうした現実の影響の中で絶えず創造され、 選択され、再構成される。結局こうした意味では芸術家も相当な『政治的存在』 でしかない。したがって私はさらに多くの芸術家が自身の芸術と労働行為をめ ぐる条件と政治的、法/制度的問題に積極的に声を上げることを期待する。

芸術家の連帯を期待して

国立オペラ団合唱団の問題は文化芸術の現場がいかに政治的な場なのか、そし てその現実の中で、芸術労働者たちはいかに束手無策の状況に置かれているの かをはっきり示している。合唱は数十人の声を合わせて完全なハーモニーにな らなければならない芸術だ。それなのに、合唱団員を必要となるたびに一回ず つ使えばいい消耗品程度に思う発想が当然視される現実を、いつまで見つめて いるのだろうか。音楽家が、芸術家が、討論の場に出て権利のために闘い、さ らに積極的に連帯しなければ、誰もこうした現実から自由になれないだろう。 芸術は現実の中で存在するしかないのである。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2009-04-26 08:07:54 / Last modified on 2009-04-26 08:07:57 Copyright: Default

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