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ソウル大病院ストライキ6日目、明日が峠

チーム制、年俸制導入などの構造調整案をめぐり交渉は難航

イ・コンマム記者 iliberty@jinbo.net / 2007年10月15日13時40分

公共機関に襲いかかる構造調整を防げるか

公共労組ソウル大病院分会のストライキが6日目に入った。5月から、ソウル大 病院分会は30回ほど交渉を行ってきたが、構造調整と非正規職正規職化などの 核心的な争点で合意できず、ストライキに突入した。

ソウル大病院の労使は明日(16日)の午後3時から始まる本交渉を前に、徹夜の実 務交渉を行うなど、合意に努力している。争点は、現在ソウル大病院会社側が 『エルリオ&カンパニー』との契約で導入しようとしているチーム制、成果給制 と年俸制といった構造調整に関する事項と選択診療制の廃止を含む公共医療拡 大に関する事項だ。

チーム制と年俸制などの導入については、2005年に現在の医院長の任期中は導 入しないと労使が合意している。医院長の任期はあと2年7か月程度残っている。 労使が一度合意した事項なので、会社側が一方的に構造調整案を全面施行すれ ば合意の破棄になり、労使関係はさらに悪化しかねない。

労組は、会社が進めようとしている構造調整に対して「エルリオ&カンパニーが 提示する構造調整方案は、病院を医療院に変え、診療科別に発展戦略をたてて 目標の達成度で診療科長(以後チーム長)のインセンティブと雇用を決めるとい うもの」とし「本格的に教授や全職員を単に金だけで評価するということ」と 明らかにした。

これに対して一部のマスコミが、「ソウル大病院はチーム制と成果給制を医院 長の任期内に導入し、年俸制と賃金ピーク制の導入を先送りする」と報道し、 労組は強く反発している。これは労使合意の全面破棄をしたくない会社側が、 構造調整の半分を医院長の任期中に達成したいという意志と見られる。労組は 「労働組合と文書で合意しないまま、組合員を含む職員に構造調整をしないと 断言した病院が、マスコミを使って自分の意図を表わしたもの」と指摘した。

これに対して公共労組のイ・ジョンホ教宣室長は、「現在、公共機関の半分以 上がチーム制と成果給、年俸制と賃金ピーク制などを導入しており、日常的な 監視に苦しんでいる」とし「これを阻止するのは公共機関に襲いかかっている 構造調整に厳しい忠告を与えることだ」と説明した。

「医療の質を高めるためのストライキ」

選択診療制についても、これをなくす形で合意する可能性は低いが、選択診療 制で得られる利益を最大限公平に分配する形で合意される可能性は高い。

6日間のストライキで進められた労使交渉で、ある程度合意できた部分もあると いう。労使は現在、ソウル大病院が直接雇用している非正規職のうち、現在2年 以上勤めている非正規職労働者200人あまりの正規職化に合意し、CCTVの追加設 置もしないと合意した。また、間接雇用非正規職の場合、応急室の利用費用に ついての恩恵などで合意し、賃金も4%の値上げで合意をするものと見られる。

ソウル大病院は、10月17日が100周年記念日にあたる。医療機関評価などを控え ており、明日の本交渉の前に行われる実務交渉で劇的に合意する可能性も考え られている。

労組は「病院は裏で構造調整を準備し、一方では医療サービス評価で1等を取る ために血眼になっている。これを契機に評価システムの強化に必死だ」とし、 「患者にきちんとしたサービスを提供する医療機関サービス評価本来の意義を 生かそうとせず、個人的な褒賞や該当部処へのペナルティなどで、個人と部所 間の競争をあおっている」と指摘し、「われわれは『親切強要』と『業務強化』 ではなく、人材補充により医療サービスの質を高め、患者とともに笑える現場 を守るためにストライキをする」と明らかにした。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンス:営利利用不可・改変許容仮訳)に従います。


Created byStaff. Created on 2007-11-05 03:33:21 / Last modified on 2007-11-05 03:33:23 Copyright: Default

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