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発電労組はなぜストライキを選択したのか

発電会社民営化政策で 電力大乱の憂慮

イコンマム記者 iliberty@jinbo.net / 2006年09月03日22時18分

94年から進められてきた政府の発電所分割売却政策

発電労組は電力大乱を防ぐためにストライキを選択した。

発電労組の核心要求はすべての国民が安定して電気が使えるように、公共性を 強化しようということだ。

政府は94年から発電部門への競争の導入で発電会社をいくつかに分割し、段階 的な民営化を進めてきた。その後、98年に政府は韓電を水力原子力1社と5つの 発電会社(南東発電、西部発電、中部発電、南部発電など)に分離、売却を進め た。これに対して発電労組は2002年に38日間のストライキ闘争で分割売却を暫 定的に中断させた。しかし政府は売却政策と意志を持ち続けている。

結局、統合的かつ安定的に構築されるべき電力供給システムは、効率化を打ち 出した民営化政策により崩壊している。これに対して発電労組は「電力産業は 規模の経済、範囲の経済の長所を生かし、公共財としての特性に合わせて安く 安定した供給を確保するために、垂直統合的な公企業体制を維持する必要があ る」と主張している。

民営化による電力大乱が現実に

世界の各地で発電会社民営化の問題点はあらわれている。発電労組によれば、 米国カリフォルニア州では2001年に電力大乱を経験し、発電会社を再度国家の 所有に転換した。英国も民営化後、全国民の16%がエネルギー貧困層に転落し、 また電力会社を国家所有に変えた。

こうした発電会社民営化の弊害は韓国でも現れている。4月には済州島全域で 停電事故が起き、麗水とコリでも原電事故があった。この時に事件現場を調べ た産業資源部は「連係線が外国企業により設備され、維持管理技術に不足があっ た」と明らかにした。結局、民営化で電力システムの運営主体が完全に解体分 散したために危機対応能力が喪失し、安全事故と設備事故などが大きくなって いる。また民営化政策は、エネルギーの二極化も加速化している。昨年7月に は4月分の電気料金が払えずにろうそくで生活していた中学生が火災で死亡す る事故も起きていた。

外国の電力大乱事態が韓国でも現実のものに近寄ってきているのだ。

発電労組、「大規模な停戦で苦しむ国民の前で、われわれは何を言えるか」

これに対して発電労組は「死んだ女子中学生の前で、大規模な停電で苦しんだ 国民の前で、電力産業構造改編と発電所分割も防げないわれわれは何が言える か」とし「産業資源部は相変らずろうそくで死ぬ第2、第3の女子中学生と、大 規模停電事態を呼ぶ発電所売却政策の未練を断ち切れない」と今回のストライ キの意味を明らかにした。

しかしこうした発電労組の要求に対して「発電会社統合は国会で議決、公布さ れ進められている政府の政策的な事項であり、労使間で議論する対象ではない と考えられる。社会の公共性については雇用創出と地域発電などについての認 識を共にして無人化運転を止揚」すると述べ、結局すべての公共労働者の罠に なっている政府の政策が発電労働者にとっても罠になっている。

これに対して政府は、争点を狭めようとせずに代替人材の投入と職権仲裁で労 組のストライキを不法化することだけに血眼になっている。

結局、問題の解決は政府の発電会社民営化政策の全面的な再検討と、使用側の 積極的な交渉にかかっている。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンス:営利利用不可・改変許容仮訳)に従います。


Created byStaff. Created on 2006-09-04 04:21:26 / Last modified on 2006-09-04 04:21:26 Copyright: Default

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