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韓国:ノキア没落の中に映る絶対企業サムスンと韓国 | ||||||
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フィンランド、ノキア没落の中に映る絶対企業「サムスン」と韓国[ソーシャルパワー]企業国家か、社会化か、それが問題だ
ソン・ミョングァン(企画委員) 2015.04.29 18:58
中道党の総選挙勝利とビジネス・フレンドリー私たちにとっては北欧福祉国家の一つとして知られるフィンランド。 しかし2012年からマイナス成長を繰り返し、深刻な経済不況の中にいる。 これに疲れたフィンランド国民は、4月19日の総選挙で50代の政治新人で、IT百万長者出身のユハ・シピラを新総理に選んだ。 彼が率いる中道党は200議席のうち49議席を取り、4年ぶりに政権を取り戻した。 反ヨーロッパ連合指向の極右政党、フィン人党も38議席で2位に上がった。 政府与党だった中道右派指向の国民連合党と、連立政権パートナーだった中道左派の社会民主党はそれぞれ37議席、34議席を獲得し、3位と4位に転落した。 いわゆる「経済審判論」に食われたのだ。 今回の選挙の最大の議題は「経済」だった。 シピラは「フィンランドを第2のギリシャにしてはならない」とし、 企業経営のように政府を効率的に運営すると公約した。 まるでビジネスフレンドリーを叫んだ以前のMB(李明博)政府を思わせるポイントだ。 また彼は、予算を削減して社会保障費用を節減し、 支出と負債を減らしていくと公約した。 労働市場規制を緩和するなどの市場親和的な政策も約束した。 しかしフィンランド経済がこの状況になった原因は、国民代表企業、ノキアの没落だ。 フィンランド社会の社会保障費用が多いからでもなく、労働市場に親和的でないわけでもない。 フィンランドの企業活動の自由度は米国や英国と匹敵するほどで、デンマークのように労働柔軟性も非常に高い。 すでに企業寄りの国家だ。 フィンランド国民が彼を選択した理由は、IT業界で成功した彼の財力が没落したノキアに対する郷愁を呼んだためだ。 俗に「我が国の人々が外国に行ってサムスンの看板を見ると愛国心を感じる」と自評していることと比べられる。 ノキア没落の中に見られた「絶対企業サムスン」と韓国の現実ノキアがフィンランド経済に占める割合は非常に大きかった。 2007年まではフィンランドの経済成長の25%以上を占めていた。 ノキアはフィンランドの全輸出の20%、フィンランド全体R&D投資の30%、法人税の23%を占めていた。 しかしノキアはアップルのスマートフォンの登場で新規市場への進入が遅れ、急激に没落し始めた。 結局、ノキアの携帯電話部門は2013年、マイクロソフト社に売られた。 こうしたノキアの没落は、フィンランド経済の同伴沈滞を呼んだが、これはノキアがフィンランド経済で非常に大きな比重を占めていたためだ。 現在、フィンランドは4年間マイナス成長が続き、また失業率も10%を超えるほどに悪化している。 フィンランドがこうした経済状況に追いこまれたのは、ノキアの失敗ばかりでなく、対外依存の経済構造のためでもある。 フィンランドの主な産業の一つである製紙産業は、モバイル機器の発達により世界の紙消費量が減少し、ますます萎縮が続いている。 フィンランドのアレクサンデル・ストゥブ前総理が 「われわれはIT産業と山林業という二つの柱を持っていた」とし 「iPhoneがノキアを追い出し、iPadが紙の需要を減少させ、山林業を退潮させた」とスティーブ・ジョブスを恨んだというエピソードは、まだ人々の間で広く知られている。 また最近のEUの対ロシア経済制裁によりロシアとの貿易が減ったことも、低迷するフィンランド経済に致命打を抱かせた。 エネルギー資源が殆どないフィンランドは、エネルギー消費量の70%を海外から輸入しているが、 そのうち石油と天然ガスの輸入量の半分以上と電気の輸入量の3分の2をロシアから輸入していた。 しかもヨーロッパで最も速く高齢化している人口構造のため、労働人口が減少しているという根本的な問題も共に抱えている。 こうしたフィンランドの経済状況を見ると、韓国の経済の現実と似た面が意外に多いことを発見できる。 サムスンのような特定の企業に対する経済偏重、輸出中心の産業構造、高いエネルギー対外依存度、急激な老齢化の速度などなど、 そのためノキアの没落の中に見える韓国経済の未来についての話が多い。 規制緩和か「生産の社会化」かついこの前まで、フィンランドはノキアがいなくなった空席を中小企業が埋めているとし、中小企業国家論の模範のように言われていた。 いっそノキアがつぶれたことが幸いなほどだという話まであった。 だがノキアの空席を中小企業が埋めるというのは単なる希望事項でしかない。 その上、フィンランド政府の政策方向も、中小企業の強化よりもさらに多くの企業活動の自由を与えることにあった。 フィンランドも韓国も、企業活動を極大化させることに「オールイン」している。 前に紹介したフィンランドのシピラ新任総理の規制緩和k選挙公約は韓国でもとてもよく聞く言葉だ。 朴槿恵政権は規制によるすべての積弊をえぐり取ると公言した。 しかし誰もが知る通り、企業の規制によりこの国が経済危機の心配をしているのではない。 輸出中心の産業偏重、対外依存的経済構造、高齢化による労働人口の変化のためだ。 これは、規制を緩和しても解決するものではない。 サービス産業の育成というのは強い内需市場を基盤とする。 しかし家計負債で苦しむ韓国では、サービス需要を創出する余力は殆どない。 金のない庶民の財布をはたいても、低賃金の雇用が量産されるだけだ。 それで何年もサービス産業活性化を叫んでいるが特別な効果がないのだ。 今日のフィンランドの姿を見ていると、「サムスン共和国」という言葉にさえ余裕が感じられる。 サムスンも「共和国」だが、今は絶対王政のような「絶対企業国家」に陥るのではないのか思われるからだ。 これからサムスンの売り上げが少し減っただけでも、事業の不振が少し深刻になるだけでも、 サムスンのため全国家的な動員体制が作動するだろう。 いわゆる「サムスン生かす」の狂風が吹き付けてくる。 「サムスンのない韓国経済がいかに苦しくなるのか、 だからサムスンが困難に陥らないように、もっと多くの国家的支援をしなければならない」、 「私たちがフィンランドのようになりたくなければ、サムスンを守らなければならない」、 サムスンの没落はまさに国家の没落であり、「朕が国家」だという絶対王政の叫びのように、 サムスンがまさに国家の絶対企業である「企業国家」を目撃している。 規制をしても規制もされず、妥協しても妥協もできない財閥だ。 財閥は単なる企業構造ではなく韓国の経済体制であり、生産体系だ。 今こそ財閥大企業が掌握している生産体系をどのように社会化するのか、真剣な議論を始めよう。 ますます不況が深まる今、企業国家に進む道ではなく、財閥を国有化して市場収益を社会化する第一歩を踏みだそう。 絶体絶命から一歩前進しよう!
翻訳/文責:安田(ゆ)
Created byStaff. Created on 2015-04-30 18:37:55 / Last modified on 2015-04-30 18:37:57 Copyright: Default 世界のニュース | 韓国のニュース | 上の階層へ |