「張成沢の粛清を活用した強硬論を警戒しろ」

張成沢の粛清にセヌリは国家情報院改革制動、日本は自衛隊強化の憂慮

チョン・ウニ記者 2013.12.15 18:05

国防委員会の張成沢前副委員長の粛清を活用して広がっている韓国内での保守強硬論理を警戒すべきだという指摘が提起されている。

保守言論は確認もされていない北朝鮮消息筋発のニュースで連日溢れかえらせ、北朝鮮の状況を誇張し、韓国の強硬対応を要求している。また、張成沢処刑の前後、セヌリ党は国家情報院改革に制約を加えている。

セヌリ党の崔炅煥(チェ・ギョンファン)院内代表は12月13日、国会院内対策会議で「張成沢の処刑などで北朝鮮の事態が急変している」とし、国家情報院の「改革に埋没して北朝鮮情報を見のがす愚を冒しては決してならない」と述べ、張成沢の粛清を国家情報院改革を弱める契機に活用している。

［出処:TV朝鮮画面キャプチャー］

これに対して韓神大のペ・ソンイン教授は「韓国の保守勢力は、国防委員会の張成沢前副委員長を北の体制に脅迫的な存在だったと強調し、センセーショナルに報道して政治的な活用度を高めている」と警告した。ペ教授は軍部など強硬派中心の金正恩(キム・ジョンウン)体制強化の流れは認めつつ、張成沢の粛清はすでにかなり前から露呈していたと指摘した。

ペ教授は「張成沢は3年前に金正日(キム・ジョンイル)が倒れた時、金正男 (キム・ジョンナム)と手を握って権力を掌握しよう試みるなどし、金正日に嫌われた」とし「その後、核心から押し出されたが、金正日の死後、強引に再起を進めて中国から資金を取ってこようとしたが、これも成功しなかった」とし、すでに権力から押し出された人物だったと強調した。

ペ教授は続いて「張成沢が静かにしていれば処刑まではなかっただろうが、軍部などの強硬派が勢力を伸ばした後も自分の限界を突破しようと努力した」と張成沢が処刑された背景を分析した。

ペ・ソンイン教授はまた「張成沢に対する中国の信頼度が高ければ、彼が中国を訪問した時に手ぶらでは戻らなかっただろう」とし「すでに中国は崔竜海 (チェ・リョンヘ)チャンネルに同調している」と付け加えた。

「日本、軍国主義強化の論理への活用を警戒しろ」

張成沢の粛清に対する国内保守勢力の活用だけでなく、日本の軍国主義に対する警戒の声も聞こえる。

12月14日、「ロシアの声」は来週、日本の自衛隊に対する新しい指針の承認を控え、北朝鮮の不安定がその根拠に使われていると報道した。「ロシアの声」でロシア極東研究所のコンスタンチン・アスモロフ研究員は、「日本と韓国の言論は、北朝鮮の状況は不安定だと報道している」とし、「そのために北朝鮮は国家の安全を強めるために、また核実験やミサイル発射のような挑発を実施するかもしれないが、しかし日本のこうした立場の裏には平和憲法を変更し、集団的自衛権を得ようとする深刻な指向が隠れている」と指摘した。

彼はまた、「張成沢が権力をにぎっていた時、日本のマスコミは彼が北朝鮮で最も腐敗した政治家で、北朝鮮政権のリシュリューだとし、北朝鮮のミサイル発射と開城工団閉鎖の黒幕だったと報道した」と指摘した。しかし「張成沢が逮捕された後、日本のマスコミは彼が改革派で、開城工団閉鎖とロケット発射に反対していたと書き始めた」と明らかにした。

一方、中国通と言われる張成沢の粛清後、中国と北朝鮮との関係に対する関心が高まっている中で、中国は張成沢処刑後の両国の経済協力発展に対する希望意見を表明し、憂慮を一蹴した。

人民日報によれば、中国は14日の外交部定例ブリーフィングで「中国と北朝鮮の間には正常な経済貿易協力が進行している」と知らせる一方、「北中間経済貿易協力の発展は、双方の共同の利益に符合しており、中国側は友好と相互の利益の精神を基本として朝鮮との経済貿易の面での往来を展開して、実務的な協力を進めたい」とし「北中間の経済貿易協力関係が、健全で安定した発展を続けることを望む」と希望した。

中国外交部はまた、最近朝鮮日報などが提起した北朝鮮副総理2人の中国逃避説については「知らない」とし「マスコミの責任ある報道を望む」と論評した。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
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