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大学に行って合コンする? 工場に行ってミシン踏む?

[寄稿]上空の現代車非正規職の絶叫… 27日非正規職ない職場10万キャンドル

パク・レグン(人権財団サラム常任理事) 2012.10.22 09:26

見ても怖くてめまいがしそうな状況だ。地上25メートルの上空に、新居でもな く、尻一つをやっと置ける程度の木で椅子を作った二人の現代自動車非正規職 労働者。大法院の判決にもかかわらず、あれこれ言い訳をして社内下請労働者 の正規職化を無視する現代自動車に抗議する闘争の一環として上がった。

韓進重工業のキム・ジンスク氏が309日間、クレーンの上で暮らし、降りてから まだ1年も経たないのに、また非正規職労働者が高圧電流が流れる送電鉄塔高空 籠城に突入した。

ところが考えてみると、現代自動車非正規職労働者が不安げに上がったことが この国の労働者の現実だ。生活の崖に追いやられた人々の死の行列が絶えない 野蛮の社会で、もう労働者たちはこれ以上退く所がなく、空に上がっているの ではないか。あの空にしがみついていたのに、そのまま墜落する労働者の現実 は、私たちの社会のあちこちで目撃されている。

[出処:蔚山ジャーナル]

空にしがみついたのに墜落する労働者の現実

大漢門で双竜自動車整理解雇問題の解決を要求して食を断っているキム・ジョ ンウ支部長の姿に、しばし鳥のように送電塔に上がった労働者が重なる。鳥は 上がっても翼を広げて飛び、爽やかに地上に降りることもできるが、非正規職 労働者たちには、そんな翼もないではないか。

人権の講演をする時、必ず紹介することの一つは、ある女子高3年の教室にかかっ ていた級訓だ。

「大学に行って合コンする? 工場に行ってミシンを踏む?」

とんでもない対句を活用した級訓だ。これを見せればみんな、本当に教室にか かっていた級訓だという言葉だとは信じない。まさかそれほどまでという気持ち だ。これを級訓にかけた先生はどんな気持ちだったのか? 本当に悪い考えで そんなことをしたとは思わない。

むしろその先生のほうが率直だったのではないだろうか? 世の中は、労働者を さげすみ、大学も出ていなければ世の中で生活するのは苦しいということを明 らかに生徒に刻印させてやろうとしたのではないだろうか? かえってこの級訓 を見て驚く私たちのほうが正直ではないような気がする。

労働者をさげすむ社会の現実

韓国社会のどこに行っても労働者は尊厳ある人間として扱われない。900万に迫 る非正規職労働者は、一度の使い捨ての物になってしまって久しい。

昨年始めに社会問題に浮上した弘益大清掃労働者もそうだ。1か月の昼食費用と してたった9千ウォンを要求して、食事の空間も休息の空間もなく、トイレ一間 を使わせたのではないか。それでも携帯メールで明日から出てくるなという 通告一本で簡単に解雇できる社会が韓国社会だ。

賃金も、同じ労働でも正規職の半分しか受け取れないことは、もうよく知られ ている。ところが変わらない。非正規職雇用にノーと言わない求職者が広がっ た世の中で、会社の経営者は低賃金の長時間労働、高強度の労働、危険な労働に 当然のように非正規職を採用する。

信じられない大統領選候補の非正規職解決法

今、大統領候補はみんな非正規職問題を解決するという。解決法はみんな違う が、この問題が持つ深刻性は認めているという点で、一歩踏み出したようだ。 だが、いわゆる有力候補が言う非正規職解決法は、どれも経済民主化に従属 する方式だ。

労働者を人と見て、人として扱うという前提ではない。二極化がとても深刻だ から、気を遣わないわけにはいかずに出した政策だという不信をもって見てい るのが問題なのだろうか? ところが経済危機が来れば、政界は経済を救わなけ ればならないと言って、非正規職の差別も何も眼中になくなるのではないだろうか?

盧武鉉前大統領さえ非正規職の血の涙を拭うと言いながら、非正規職の量産を 加速することを防ぐどころか、権力は市場に渡ったと降参してしまったことを 思い出すと、大統領候補の非正規職問題解決の約束を信じられないのは当然で はないだろうか。

サイのダンスに熱狂するように

結局、非正規職労働者たちがまた立ち上がった。1千万署名運動と10万キャンドル デモ行進。実は妥当ではない目標でもあるが、この数字が集まれば、私は非正規職 問題が解決すると思う。ところが人々はサイのダンスには熱狂しても、非正規職 問題には興味がない。絶叫が聞こえないのか、あるいは苦しいから無視したい という心理だろう。

労働者たちはこう提案する。非正規職のない工場、非正規職のない学校、非正 規職のない病院、非正規職のない官公庁、非正規職のないデパート等等を越え、 非正規職のない地域に進もうという。自分たちの生活の現場で非正規職問題を 解決しようと話だ。

その通り。こうして下からこの問題に関心を持ち、連帯する人々が増えればい い。そうすれば今のように労働が天に上がり、労働者が侮蔑されるような 誤った世の中を変える力が集まるのではないだろうか。

大統領候補だけを見るのではなく、大法院の判決さえ反故にする企業の経営主 だけを見るのではなく、今この問題が重要な問題だと考える市民が立ち上がる 時だ。私たちの生活の場所から、私たちの地域から非正規職をなくす運動を 始めて欲しい。

10月27日、そんな気持ちを持つ人々が、ソウル駅広場をサイのダンス公演の時 のように埋め尽くそう。そして大統領選挙の局面を揺るがそう。本当にそうし てほしい。そこで労働スタイルを踊りながら、非正規職撤廃の叫びをあげて ほしい。10月27日、私たち自ら、そんな場面を作る時になった。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2012-10-23 04:59:13 / Last modified on 2012-10-23 04:59:15 Copyright: Default

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