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没落する世界1位造船業...路上に追い出される労働者たち

経済危機直撃で中小造船所の連鎖倒産...政府は無対策で一貫

ユン・ジヨン記者 2012.04.27 16:05

世界1位の韓国造船業が没落の道を辿っている。

統営地域を中心とする中小零細造船所の連鎖倒産が予告されており、数万人の 造船業労働者が路上に追い出されている。

ヨーロッパ発の経済危機と中国との低価格受注競争で、すでに2010年から造船 産業には赤信号が灯っていたが、政府は今まで明確な対策を出さずにいる。 昨年は韓進重工業の整理解雇事態を味わい、造船業全般の危機が表面化したが、 結局、中小零細造船所の連鎖倒産が現実になり、造船業労働者の悪夢は本格化 している様相だ。

中小零細造船所、連鎖倒産の危機

2月、統営の中小造船会社、サモ造船が清算手続きに入った。全般的な造船景気 の沈滞で、昨年4月、法定管理を申請したが、結局一か月で不渡りになり工場の 門を閉じることになった。

サモ造船は1〜2万トン級タンカーを建造する会社で、2000年代中盤までは500人 ほどの職員が働き、受注残高基準世界100大造船所として好況を享受してきた。 だが最終的に不渡りになった2月、サモ造船で働く労働者は80人だけだった。

サモ造船の不渡りは、統営地域の中小造船所の連鎖倒産を警告する信号弾だっ た。統営地域の別の中小造船所である21世紀造船とシナSB、ソンドン造船など も連鎖倒産を控えてきわどい綱渡りをしている。

21世紀造船は6月で建造物量が枯渇し、清算型法定管理を目前にしている。統営 最大の造船所であるソンドン造船海洋は、構造調整を前提に債権団が資金支援 を検討している。セッコ重工業などは結局作業場を暫定的に閉鎖した。

シナSBも、すでに多くの労働者が現場を離れ、残る労働者も一部仕事を止めた。 シナSBは2008年から4年間、一隻の船も受注できなかった。現在建造作業をして いる船舶4隻も、9月には作業が終わる。12月はウォークアウトが終了する時点 で、破産が目前の状況だ。

シナSB支会のチョン・ギョングク副支会長は「物量が少なくなり、4000人近い 労働者の半分以上が現場を離れ、現場に残っていても仕事がないパートが続出 しており、現在150人ほどの労働者が仕事を止めて待機している」と説明した。 賃金未払いも本格化した。チョン・ギョングク副支会長は「4月25日、管理職の 給与中断を始め、現場職の給与と賞与金中断が行われる見込み」と明らかにした。

シナSBは産業銀行と貿易公社が持分の70%以上を確保している。だから労働者 は産業銀行でのウォークアウト期間延長により、2014年上半期まで支援を続け れば、2014年から受注により負債を返せると期待している。今年末にウォーク アウト期間が終了するので、ウォークアウト期間延長のために早期に話しあわ なければならない状況に置かれたわけだ。

世界1位造船業没落か...政府無対策一貫

現在、造船景気沈滞に直撃されている造船業体は、船舶完成工程で事業を拡張 した中小企業だ。

彼らは既に韓国のビッグ3造船所の周辺にブロックを形成し、部品工程を担当し てきたが、造船産業の好況期に完成工程に事業を拡張した。だからまだビッグ 3を中心としてブロックを形成する部品企業は、酸素呼吸器で延命しているが、 事業を拡張した中小零細完成企業はヨーロッパ経済不況と中国との低価格受注 競争などで工場の門を閉じる状況に置かれた。

中小零細造船所は連鎖倒産の危機に苦しんでいるが、韓国のビッグ3造船所は、 まだ健在だ。サモ造船が清算手続きに入った2月14日、現代重工業とSTX造船海洋 は、大規模液化天然ガス(LNG)船の受注を勝ち取った。

大宇造船労働組合のソン・マノ委員長は、「ビッグ3は中国が作れない海洋プロ ジェクト事業などの技術力を確保している」とし「だが中小事業場はこうした 技術力がなく、中小型船舶で競争をしているので、ヨーロッパの経済危機で物量 の削減と中国との低価格受注競争に押され、破産が続く状況」と診断した。

こうした状況でも政府の対策は何もない。ソン・マノ委員長は「中国は、国家 で造船業を戦略事業として育成し、技術力と財政など多くの支援をしているが、 世界1位をかろうじて守っている韓国政府は造船業の危機の中でも、何の対策も 用意していない」と指摘した。

そのため金属労組造船分科委員会は、3月22日、国務総理室に2012年対政府3大 共同要求とし、△総雇用(非正規職含む)保障、△造船産業発展戦略委員会(労使政 対話機構)、△中小造船所支援対策作りを伝えた。

続いて関連政府部署の知識経済部に面談を要請して、4月12日に果川政府庁舎で 自動車造船課長と金属労組造船分科代表者の参加で面談を開いた。だが政府側 からはまだ公式の回答はない。

ソン・マノ委員長は「韓進重工業のスービック造船所移転により打撃を受けた 労働者とシナSB、サモ造船、ソンドン造船、21世紀造船などの労働者まで数万 の労働者が路上に追い出されている」とし「2010年には予想されていた造船 不況に政府は無対策で一貫してきたので、今は政府と企業が労働者の雇用と 造船危機を打開するための三大要求を即刻施行しろ」と強調した。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2012-04-28 06:52:16 / Last modified on 2012-04-28 06:52:20 Copyright: Default

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