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青少年性少数者イベントへの貸館拒絶は「表現の自由侵害」

ソウル青少年メディアセンター、「扇情性」を理由にイベントへの貸館を拒否

カル・ホンシク記者 2015.08.13 11:02

ソウル市が運営する公共施設が扇情性を理由に青少年性少数者のイベントに貸館を拒否したことについて、 ソウル市民人権保護官は表現の自由を侵害したと判断した。

行動する性少数者人権連帯(以下、行性人)青少年人権チームは昨年11月、 ソウル市立青少年メディアセンター(以下、メディアセンター)に貸館を申請した。 10代の青少年を対象とするセクシュアリティ関連のイベントを開催するためだった。 しかしその年の11月末、メディアセンター側は貸館不許可を行性人に通知した。 青少年が健全な人格体として成長するのにイベントのビラの文句とイベントの内容が支障を与えるという理由だった。 メディアセンターが問題にしたビラの主要文句は 「キスから避妊まで、ロマンスからアダルトビデオまで、同性愛者からトランスジェンダーまで」だ。

▲行性人青少年人権チームが主催したイベントのポスター。メディアセンター側はイベントの内容と「キスから避妊まで、ロマンスからアダルトビデオまで、同性愛者からトランスジェンダーまで」というビラ内容が扇情的だとして貸館を拒否した。

これについて行性人は昨年12月、 メディアセンターのこのような方針は青少年の知る権利の侵害だとし、 ソウル市人権センターに申告した。 以後、ソウル市市民人権保護官は翌年の今年7月22日、 メディアセンターの貸館不許可決定は青少年表現の自由を侵害すると決定した。 たとえビラの文句が扇情的だとしても、憲法が規定する表現の自由により保護されなければならないということだ。

加えて、市民人権保護官はイベントの内容とビラが女性家族部青少年保護委員会による青少年有害メディア物審議基準からみても、扇情的ではないと判断した。 審議基準によれば、性行為の過度な描写、 社会通念上許されない性行為助長などの場合には扇情性があると見なす。

市民人権保護官は 「自己のアイデンティティを形成し、性的自己決定権を行使するための力量を強化する青少年期は、 こうした基本的な性関連の情報に接近し、正確な情報を獲得できなければならない」とし 「したがって、ビラ文句が扇情的だという判断で青少年の基本権を制限することは妥当ではない」と明らかにした。

そのため市民人権保護官は、 ソウル市長に再発防止のためにセンター職員に人権教育を施行して、 ソウル市管轄施設の貸館に際して表現の自由が侵害されないように、 必要な措置を講じることを勧告した。

これに対して行性人側は、 青少年表現の自由を保障する決定だという点で歓迎の意向を見せた。 しかしこの事件を性少数者差別の面からは扱わなかったとし、 「中途半端な決定」だと評した。

行性人は「性少数者差別を助長する勢力の苦情や圧力を口実にして公共機関と国家機構が性少数者差別行為を繰り返している。 このような現実で、公共機関が性少数者を差別するべきではないという決定と是正勧告が行われる必要がある」とし 「この事件を性少数者からかけ離れたこととして扱っていては、 本質的な問題の解決に接近できない」と指摘した。

行性人は「青少年の表現の自由という面で決定が行われたとしても、 是正勧告を履行する過程で青少年が性少数者関連の情報に接近できなければならない」とし 「性的指向、性別アイデンティティをはじめとするセクシュアリティの問題について、 自由に議論する権利を享受しなければならないという内容がぜひ含まれなければならない」と強調した。

付記
カル・ホンシク記者はビーマイナーの記者です。この記事はビーマイナーにも掲載されます。チャムセサンは筆者が直接書いた文に限り同時掲載を許容します。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2015-08-14 05:53:48 / Last modified on 2015-08-14 05:53:49 Copyright: Default

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