本文の先頭へ
LNJ Logo 韓国:本当にフェミニズムのせいか?
Home 検索
 




User Guest
ログイン
情報提供
News Item 1620064938045St...
Status: published
View


本当にフェミニズムのせいか?

[リアの引出し]

リア 2021.04.30 08:07

2017年2月16日、大統領候補だった文在寅(ムン・ジェイン)が話した。 「私はフェミニスト大統領になります」。 彼は演説で「人が優先の世の中」はまさに「性平等な世の中」だと述べ、 多くのアンチ フェミニスト有権者はドン底に落ちてインターネット掲示板を徘徊した。 なぜ…なぜ大統領候補がそんなことを言えるのか。 向こう見ずにも女性を男性と平等に対しようと提案するとは… 女はミネラルウォーターのタンクも持てないのに… 軍隊も行かないのに… そう言おうと言うまいと、 文在寅は3か月後に2位候補と格差を大きく広げ、圧勝して大統領になる。

その時も今も、簡単に憎しみの標的になるフェミニズムの地位はあまり変わっていない。 フェミニズムのために票を入れない人はその時も入れなかった。 フェミニズム単一議題だけで動く票がいったい何票あるだろうか? フェミニズムを前面に打ち出す群小政党の候補はいつも落選するが、 文在寅はまだ大統領でフェミニストではないのに、 相変らず大統領の地位にいる。 フェミニズムはただ一度も誰かの当落を決めるほどの議題になったことがない。 今回のソウル市長補欠選挙で共に民主党の惨敗に、 アンチフェミ情緒が核心的な影響を与えたと分析する主張にあきれる理由だ。

むしろ本当のアンチ フェミニストなら、 共に民主党に票を入れなければならない状況だった。 朴元淳(パク・ウォンスン)前市長が同僚のソウル市民から女性労働者をセクハラした容疑で訴えられた次の日から、 フェミニストがどんな成り行きを見なければならなかったのかを振り返って考えてみなさい。

突然市長が消えた。そして永遠に帰らなかった。 正当に手順を追って性暴力問題を解決しようとした被害者だけが一人で現実に残され、 不当ないじめに対抗する状況に置かれた。 共に民主党は朴元淳庇護に汲々としただけで、 このひどい事態に少しも責任を取らなかった。 青瓦台は「公式の立場はない」と言った。 ソウルのあちこちに「故朴元淳市長の安息を祈ります。あなたの意を記憶します」という横断幕がかけられた。 ソウル特別市葬で葬儀が進められた。5日間も。 遺体安置所に文在寅大統領の謹弔花輪が入るようすを見て、 フェミニストの私は被害者に対する確固たる敵意を感じた。

共に民主党が党憲まで改正しながら無理に候補を立てたおかげで、 被害者は該当候補者がなければ聞かなくても良かった侮辱まで追加で聞かなければならなかった。 共に民主党の支持者は被害者を攻撃し、党はこれを幇助した。 むなしい謝罪文が朴映宣(パク・ヨンソン)候補のFaceBookアカウントに掲示された。 被害事実に対するきちんとした認定も、問題を解決するという具体的な約束もない短い文だった。 候補の代表公約のうち女性関連の公約の存在感は非常に希薄で、 候補は性平等議題に沈黙することを遊説戦略にした。

フェミニズムのために票を失ったと考えるためには、 まずフェミニズムに似たようなたことでもするべきではないだろうか? ここまで来るまでに、どこにフェミニズムがあって、 アンチ フェミニストの反発をかったというのか分からない。

ある人々は民主党がこれまでの女性優待政策が問題だったと主張する。 女性だけに不公正に特典を与えた政策が男性有権者の反発を呼んだというが、 実はこの主張に初めて接した時は少しときめいたりもしたという点を告白する。 女性関連の政策を掘り出してみて、あるいは知らずに優待されていたのではないかと とても期待した。

しかし私は結局、私の期待を充たす朗報を見つけられなかった。 政策の内容を通して把握できる政策対象-女性の人生はときめく気持ちを早く沈めた。 多くの女性政策が女性対象の暴力のために作られた。 暴力とは関係がない政策も暗鬱なのは同じだった。 例えば、加点賦課制度や割当制の存在が意味するのは次の通りだ。

韓国労働市場には同じスペック、同じ会社、同じ職務の時も、 女性には男性より低い賃金を策定したり、 雇用で根拠のない不利益をあたえる傾向が存在する。 女性は子供を生み家庭を世話する役割をしなければならないという固定観念のために、 女性労働者は昇進をはじめさまざまな機会から排除されやすい。 創業を準備する女性代表が受け取る投資は男性代表より少ない。 女性が進出できると見なされる分野は限られていて、 理工系をはじめ、女性の数が少ない分野では新しい女性人材が流入することも、 流入した女性人材が成長することも難しいので、 現象だをみればまるでその限定された席が自然な女性の席のように信じられる。 差別と排除を緩和する制度の介入が必要だ。

既にある構造的不平等を補正するための政策の属性は、「優待」ではなく「公正」だ。 女性、貧困、障害などの交差地点を通り、 持たない側に多く、多く持つ側に少ない分配は、 持つものが少ない側に「特典」を与えようとしているのではない。 もし誰かこうした種類の政策に反発するのなら、 反発するように放っておいたり、説得しなければならない。 進歩的価値を指向する政治家がすることとは、本来そのようなことだ。

最後に、フェミニズムのために選挙で敗北したことが正しいと仮定してみよう。 ではどうだろうか? これから性差別のような物を一度遠慮なくしてみようというのか? もちろんフェミニズムから遠ざかりたい感覚がわからないわけではない。 女たちがあえて従順な様子も見せず性暴行するなと言いながら、 これが間違い、あれが間違いとしつこく言えば、 良い考えで良くしてやろうとしても嫌になるものだから。ハハハ!

2021年4月20日、ソウル市の呉世勲(オ・セフン)市長が元市長の在職時に発生したセクハラ・性暴力事件を正式に謝罪した。 ほとんど完璧な謝罪文だった。 事件発生当時、ソウル市の誤りを正確に指摘し、 被害者の業務復帰問題も具体的に扱い、 セクハラ・性暴力事件の根本原因の組織文化を改善しようとする意志まで見せた。 私は呉世勲の政治を嫌う人だが、 呉世勲よりひどい民主党のせいで、 なすすべもなく呉世勲に拍手を送るようになってしまった。 共に民主党はソウル市の呉世勲市長の謝罪の前に恥を知ってほしい。 今回のソウル市長補欠選挙でフェミニストに近い側が誰だったのか、 しっかり考え直せ。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2021-05-04 03:02:18 / Last modified on 2021-05-04 03:04:25 Copyright: Default

関連記事キーワード



このフォルダのファイル一覧上の階層へ
このページの先頭に戻る

レイバーネット日本 / このサイトに関する連絡は <staff@labornetjp.org> 宛にお願いします。 サイトの記事利用について