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反女性性を民主労総に訴える

[記者の目] 全国労働者大会前夜祭での出来事

イ・コンマム記者 iliberty@jinbo.net / 2006年11月24日20時46分

目を閉じていられなかった理由

そのまま目を閉じていたかった。そうして2週間以上の時が過ぎていった。み んな一緒に闘争しているのに、なぜまた文句を言うのかという声を聞きたくな かった。「君はその状況を知っていたのに、なぜ問題を提起しなかったのか」 という声が耳から離れなかったが、疲れたというべきか。提起しても変わらな い状況が重苦しかったというべきか。だからやり過ごそうと思った。しかし、 また提起する決心をした。なぜなら、この問題を公式に提起した勇敢な同志が いたから。

公共連盟女性委員会は22日、民主労総に一枚の文書を送った。文書の題名は 「全国労働者大会前夜祭の反女性的状況劇に対する立場通知」だった。この一 枚の文書は、ただやり過ごそうとしていた記者の目を見開かせ、また勇気を出 して文を書こうと思わせた。

虎の登場

問題は、前夜祭の第2部で進められた韓米FTA関連劇の公演で発生した。2部の 主題は、韓米FTAが民衆の生にどんな影響を及ぼすのかについての公演と発言 が続いた。この時の劇の主人公は、学生、農民、労働者であった。彼らは共に やりとりしながら、韓米FTAが自分たちの暮しにどんな影響を及ぼすのかを表 現していた。登場した「人」はすべて「男性」だった。この時までは「ふむ、 そんなこともあるだろう」、「劇団に女性がいないのかな」とやり過ごした。 女性の私がそこにいなかったのが苦しかったが。

その時、韓米FTAの凄じさを表す虎が登場した。

この虎は尻尾を脚の間にはさんで振り回し「私はジョージ・ピビゴだ」と自己 紹介した。事実、この場面を見ていた記者は視線を反らしてしまった。そして その後の状況が進められた。凄じい虎は、また尻尾を脚の間から出して「君た ちの競争力を高めることを大切にしてきた」と、労働者、農民、学生たちを脅 迫する場面が演じられた。彼らが言う競争力は男性の競争力であり、男性の性 器によるものだった。

私が笑えなかった理由

彼らは記者の問題提起にこう話すだろう。「笑いのために風刺したのだ」と。 しかし記者は笑えなかった。私のそばにいた別の女性記者は互いに顔を見あわ せて、むなしい笑いしか出なかった。私だけがそうではなかったのだ。笑いた い。おもしろい劇を見て、現実で強大な力で労働者を殺す資本家を卑しいもの に転落させるのを見て、私が言えなかった言葉を政権と資本に言い放つ俳優の 公演を見て、ただ笑いたかった。しかし記者は笑えなかった。

公共連盟は民主労総に送った文書で「前夜祭では、多くの労働者がいた。女性、 男性を別として、同じ労働者として一緒に前夜祭に参加していたが、この状況 劇は労働者を離れて『性』を感じさせた。女性労働者に、また一部の男性労働 者にも、羞恥心と当惑を感じさせた」とこの状況を説明している。

これに対してクォン・スジョン公共連盟副委員長の話を聞いた。クォン・スジョ ン副委員長は「その場面を見てとても驚いた。そばに座っていた男性の同志も 私を見て、これ性暴力ではないかと話した」とし、「劇の内容にはみんな共感 する。しかしその内容とは全く関係なく、面白くしようと性的な言葉を入れた ようだが、男性は性器で自然に笑えるのかもしれないが、女性に男性の性器は 暴力的に迫ってくるのが現実だ」と指摘した。

民主労総女性委員会が前夜祭で進行した劇

あまりにも日常的で、構造的なことなので、続けて提起しなければならないものなど

こうした場面は、集会、文化祭空間で日常的に登場する。「こんにちは。労働 者、農民兄弟たち」と挨拶する発言者の言葉の中で、男たちの顔だけで埋めら れた行事のポスターで、集会のたびに怒りを爆発させろとみんな同じように叫 べという悪口で、女性が登場すれば無条件にエプロンを巻かなければならず、 食卓を整えて夫を起こさなければならない劇で... 女性はない。

クォン・スジョン公共連盟副委員長は「男性中心的な文化は、集会、文化祭な どなどの空間で日常的に現れる。民主労総は、空間に女性が存在することを忘 れているようだ」と話した。今は慣用句になってしまった統計の非正規職の 70%が女性という、全労働者の半分が女性だという言葉が色を失う瞬間だ。

問題提起はいつもあったという。そのためか、今回の前夜祭の始まりは民主労 総女性委員会が準備した劇で始まった。これまでの問題提起の成果だと思う。 女性が主人公である劇が、全国労働者大会前夜祭の最初の公演に配置されたこ とだけでも、民主労総女性委員会がいかに多くの努力をしたのかを感じること ができた。(女性委員会が作った劇の内容はまた提起する契機があると思う)

変化はある

変化はある。何度も何度も提起すれば見る人がいて、考えた人たちはもっと熱 心に提起して、それで変化するのだ。

クォン・スジョン副委員長は、民主労総の反女性的な態度は「構造的だ」と指 摘した。そう、これは「兄弟」という言葉を「姉妹」に変えて解決する問題で はない。運動社会を含むすべての社会の男性中心的な文化を変えなければ、あ るいは不可能かもしれない。

しかし重要なことは、そうした変化を作っていくために、もっと多くの問題提 起が必要だということだ。公共連盟は文書で「さらに深刻なことは、前夜祭が 終わって十日ほどが過ぎた今でも、民主労総がこの問題を公論化したり評価し ていないこと」という問題提起をしている。そうだ。こうした事件があるたび に、民主労総はあまりにも静かだ。

公共連盟が民主労総に送った文書には、まだ答が返ってきていない。明らかに、 多くの人々が悩んでいると信じる。今回の問題提起が最後になることを望む。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンス:営利利用不可・改変許容仮訳)に従います。


Created byStaff. Created on 2006-11-26 18:37:12 / Last modified on 2006-11-26 18:37:16 Copyright: Default

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