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「女性の議題、政府の新自由主義政策とかみ合って」

[38女性の日] 闘争企画団・討論会『2006年女性運動の課題』

チョスビン記者

98周年を迎える3.8世界女性の日を記念する行事が進められる中、当日の8日に は韓国労総と女性連盟、『98周年3.8世界女性の日共同闘争企画団(闘争企画団)』 などの女性労働者大会と決意大会がソウル所々で開かれる。

闘争企画団は、民主労総ソウル本部、全国不安定労働撤廃連帯(撤廃連帯)、社 会進歩連帯、労働者の力、全北平和人権連帯、光州民衆行動、38学生企画団で 構成され、「新自由主義が引き起こす貧困と暴力に対抗した共同行動」と題し て「女性家族部の発足と5.31地方選挙など、女性界の関心が制度圏内に留まっ ているという点」を指摘して「世界女性の日の制定の趣旨とKTX女性乗務員、 キリュン電子女性労働者などの闘争をみると、女性の日の主人公はまさに闘争 の先頭に立つ女性労働者」だと構成の趣旨を明らかにした。闘争企画団は去る 3日、キリュン電子映像文化祭を始めとして7日には『2006年女性運動の課題』 という主題で討論会を開催した。

この日の討論会では、女性の議題が新自由主義政府政策とかみ合って展開され ているとして、問題になっている女性議題が主流の女性運動の流れに合流して いると指摘した。これに伴い、女性運動は女性労働の不安定化と貧困を深める 新自由主義に対応し、再生産への女性の権利、労働者としての女性の権利、女 性のからだに対する統制権を勝ち取る闘争に焦点が合わせるべきだということ に意見が集約された。これは、労働者運動と女性運動が結合して闘争する過程 で、女性労働者が主流女性界の流れに編入されている一連の動きに問題を提起 しつつ、新自由主義世界化に対抗して労組運動と女性運動の結合と同時に 女性労働者と社会運動の連帯の拡張を女性運動の課題として提示する。

社会進歩連帯のチェイェリュン活動家と撤廃連帯のムンソルフィ活動家、労働 者の力の李ファンヒョンア会員が参加し、女性の現実に基盤しない政府の低出 産・高齢化対策と、非正規職保護立法案が女性労働の不安定化と貧困を深めて いることを指摘し、それによる労働組合での女性運動の課題を調べた。また、 ソウル大病院介護人労組のチョンクムジャ支部長と女性連盟のイトクスン副委 員長が討論者に参加し、現場での実質的な非正規職女性労働者の現実を説明した。

政府の出産統制政策、労働柔軟化戦略とかみ合う

チェイェリュン社会進歩連帯活動家

チェイェリュン活動家は、出産統制政策が労働柔軟化戦略とかみ合い重要な争 点になっていることを指摘した。「政府が言う職場と家庭の両立策は、今の新 自由主義政策を維持しようとする階級管理戦略を内包している」とし「新自由 主義支配勢力は、家族内介護の一次的責任者を女性と規定、女性の社会活動と 賃金労働を副次化する条件を作っている。むしろ世界化による不安定性と危険 の緩衝地帯としての家族の機能を強調し、いわゆる正常家族イデオロギーを強 化している」と主張した。

チェイェリュン活動家はまた「低出産・高齢化危機論理は、高齢化問題の社会 的責任を女性に回している」とし、「この過程で女性は『家族の危機』状況と からみ、社会的責任を一手に引き受ける一方、最も柔軟な形態で働く非正規職 労働者に転落する」と明らかにした。これについてチェイェリュン活動家は 「労働者運動、社会運動は、現在の危機論理が700万貧困大衆と女性を排除す る現実であることを直視し、女性の権利を拡張する連帯と闘争に出るべき」と し「資本主義危機解消の便宜主義的空間になっている『家族』を転化させ、 二極化の解消と低出産・高齢化対策という新自由主義支配勢力の動員を拒否し 再生産に対する女性の権利を拡張する闘争を展開すべきだ」と付け加えた。

性差別的雇用構造の中に非正規職保護法案の虚構性

ムンソルフィ全国不安定労働撤廃連帯活動家

ムンソルフィ撤廃連帯活動家は去る27日に政府が処理した非正規保護法案に対 して「女性非正規労働者が雇用不安と労働統制強化、労働基本権の無力化と低 賃金長時間などに苦しんでいる現状況を解決するためには全く役立たない」と し「実際の派遣女性労働者は、勤労基準法と男女雇用平等法の適用を受けるこ とが容易ではない。差別の判断にはその基準をどこに置くのかが重要な状況で、 事業主が違えば比較の対象にもならないからだ」と指摘した。

またムンソルフィ活動家は「ごく少数の男性正規職管理者と彼らの指揮監督を 受ける多数の女性非正規職労働者の間で、勤労条件の差別は性差別的雇用構造 の典型」と指摘、「非正規職保護法案は決して次善ではない。非正規法案の強 行通過を糾弾し、法案撤回の立場を明確にすることがなにより重要だ」と主張 した。

ムンソルフィ活動家は「新自由主義構造調整と非正規職保護改悪過程で発生し た性差別的な整理解雇と女性の非正規職化は、使用者の一方的な決定によるも のではなく、制度化した労使間、労政間妥協の結果だということを思い出す必 要がある」として「非正規職保護法案の実状を知らせ、労働者としての女性の 権利を積極的に擁護することに女性運動の役割があるという事実もまた確認す べきだ」と主張した。

労働運動の対応は、女性主義運動の不屈の抵抗イデオロギーと接合すべき

イファンヒョンア労働者の力活動家

労働者の力のイファンヒョンア活動家は「女性労働運動は、生存権、労働権闘 争という現実の問題に対して運動社会の連帯が可能だが、女性運動の問題のう ち核心の争点事項に対しては、主流女性界のイデオロギーが作動するという矛 盾を見せている」と指摘、労働組合運動での女性運動の課題と、これをどのよ うに解いていくかに対する意見を述べた。

イファンヒョンア活動家は、労組運動での女性運動の争点を△女性独自労組の 出現と成果、△女性労働者運動と主流女性界の連帯問題、△労組運動での女性 運動戦略、△貧困の女性化と相対して戦う労組運動、△女性のからだに対する 統制権、△女性の政治勢力化の6つをあげ、「女性労働者は新しく提起される 社会文化的セクシュアリティの問題、女性のからだに対する国家統制、科学技 術進歩の犠牲される女性の身体ない器官、貧困と暴力、家族形態への問題提起 にさらに大きな関心を傾けなければならない」と主張した。

イファンヒョンア活動家は「女性主義運動は、根本的な抑圧に対する抵抗、新 自由主義世界化に対する労働運動の対応はこのような女性主義運動の不屈の抵 抗イデオロギーと接合しなければならないと同時に、新しい女性主体を形成し ていくべきだ」と主張した。

これに伴い李ファンヒョンア活動家は△新自由主義女性政策批判、△女性のか らだに対する自己統制権、△女性労働権争奪と再生産労働の社会化戦略、△労 組運動と女性運動の結合、△女性労働者運動と社会運動の連帯拡張を総論的な 課題として提示し、△運動社会の性暴力撤廃、△女性労働者運動の性主流化戦 略の克服、△国家と資本の労働力管理に対する持続的な介入と闘争、△多様な 家族形態、性労働者、移住労働者、非正規職労働者などの認定闘争を具体的な 要求内容としてまとめた。

一方、討論を行ったチョンクムジャ支部長は「介護人は、特殊雇用という理由 で最低賃金も適用されずに労働力を搾取されている」とし、「雇用創出が問題 なのではなく、適切な待遇を受けられるように政府の政策を進るべきなのに、 政策の直接の当事者からの意見は考慮されないまま進められているため、政策 の実質的な効果が疑わしい」と指摘した。

またイトクスン副委員長は昨年の最低賃金闘争での所感を語り、「女性だから 最低賃金も受けられないことが多い」とし「闘争するにあたり、最低賃金闘争 の当事者は、非正規職・低賃金女性労働者がほとんどだったのに、これに対す る正規職労働者の態度は対岸の火事を見物するような感じを受ける。そのよう な面で、民主労総の闘争も不十分だった」と指摘した。

2006年03月08日0時22分

http://media.jinbo.net/news/view.php?board=news&id=35505

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンス:営利利用不可・改変許容仮訳)に従います。


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