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キャベツを食べて戦うビーガンフェミニストラッパー

[3・8女性デー特別企画インタビュー(1)] 『地獄から来たフェミニスト』ラッパースリック

パク・タソル記者 2021.03.03 16:03

災害支援金でキャベツを買うのに使った
non veganよ listen キャベツは消化にいい
青い少年が話す 恐慌障害がきた
boy welcome to the hell地獄のワントップ
名前は SLEEQ
お金と女の話が好きだから ちょっとしてやろう
2017 性別賃金格差は36.7
両性平等の話が好きだから ちょっとしてやろう
ジェンダー クィアー non binary 私がMネットに移植
もう分かったか これがreal flexin
次の目標はzero plastic
スリーク『すみません判事さん』より

[出処:ミニョンヨン]

スリークは韓国でフェミニズムを語る唯一のラッパーだ。 女性と性少数者などの弱者嫌悪を繰り返すのがヒップホップなら、 「韓国ヒップホップ」はしないと塀を乗り越えた人でもある。 この新しい顔は2016年にデビューシングルを発売して以来、新鮮な動きを続けている。 2019年には「工場式畜産業を助けない」とし、ビーガンの人生を宣言した。 その後で「GO VEGAN」というスローガンとともにビーガンの人生を広く伝播している。 昨年出演したMネットの番組「クッコル:誰が放送局をはたいたか」(〈クッコル〉)でも毎日ビーガン弁当を歩き回り、 ビーガンの人生をメディアで知らせた。 また彼女はトランスジェンダーを排除するフェミニズムの潮流に 「誰かを嫌悪して排除する学問はない」と明言する。

スリークの新曲「すみません、判事さん」が サウンド クラウドに公開された2月16日、西大門の某所で彼女と会った。

二日に一回ずつ崩れるが、おどおどした人生も一つの人生

「『もう誰も私の歌を聞かないのか』と自信がどん底に落ちた時期がありました。 別の仕事で金を稼いで音楽は趣味にしようとしました。 そのうちに「クッコル」に出演するようになって、 初めて私の音楽を聞いた人たちが肯定的な反応を見せてくれました。 もう音楽で金を稼ぐこともできると考えます。 宝くじを買うことに比喩したいのですが、 まず金を稼ぐ可能性が私に与えられたのでしょう。 まだ宝くじを買ってはいないということです。 しっかり音楽の作業をすれば当選率が上がるのでしょうか?」

「クッコル」の放映終了から半年が経ったが、 彼女はまだ肯定的な影響を受けていると話した。 だが自分に対する疑いは続く。 彼女は相変らず2日に1回ずつ「私はつぶれた」、「私は終わった」と絶望する。 だがスリーク自身も、ファンももう知っている。 揺れ動き続けてもすぐ気を取りなおして本来のテンポを取り戻せるということを。 そんな形の不安な人生も多様な生活の姿の一つだということを。 それで彼女のファンは過度な心配より 「スリークさん、今日梨泰院に行ったけど、うーん、 とてもおいしいクリミアコーヒーがあります」 という言葉で悲しみに陥った彼女を慰労する。

「韓国社会には憂鬱な人を非正常な状態だと感じ、 健康な状態に戻さなければならないという強迫があります。 しかし演劇『病気でも申し訳なくはありません』でも語られるように、 『疾病権』というものがあります。 病気でも生きていかなければならず、 病気の体で暮らし続けることもできて。 完璧な健康はないという事実を、私とファンの人々は理解しています。」

スリークは2011年にアンダーグラウンド活動を始めて、 2012年にミックステープを発表、 2013年にシングル アルバムを発売して公式にデビューした。 2016年と2018年にそれぞれCOLOSSUS、Life Minus F IS Lieという2つの正規アルバムを出した。 デビュー9年目をむかえたスリークに彼女が選んだ成功と失敗の経験を尋ねた。

[出処:ミニョンヨン]

「音楽を作れる人になったということが私の最大の成功です。 専門の教育を受けておらず、楽器も扱えません。 楽器を扱うには落ち着いて我慢強く訓練しなければいけませんが、 私はそれができないんです。 でもコンピュータでも音楽を作れる良い時代が開かれたでしょう。 私自身を音楽を作る人、歌を作る人と思えることがとても幸せです。」

フェミニズム リブートは各分野で一連の変化を引き出した。 表面的であっても性平等は重要な課題で、 性差別と女性嫌悪は袋叩きにされるイシューに拡大した。 だが代表的な女性嫌悪の場とされる韓国ヒップホップでは、 相変らず女性嫌悪があふれる。 韓国ヒップホップの大衆的支持を引き出した「ショーミーザマネー」では、 シーズンごとに女性嫌悪ラッパーを登場させた。 2019年11月、民主言論市民連合(民言連)はショーミーザマネーの歌詞を集めて嫌悪表現を分析した。 シーズン2からシーズン7まで、国内の音源サイトに登録された111曲を分析した結果、 半分(56曲・50.45%)に問題の表現を発見した。 多く指摘された「女性卑下」の表現は19(17.11%)の歌で発見された。 民言連は「女性を男性よりも劣等な存在で描写したり、 成功した男性が争奪する対象と表現し、性的対象化した。 ひどいときは女性を性を販売したり浮気をする主体と描写した」と説明した。 後者の場合、問題になるのは「女性は性的に純潔で、受動的でなければならない」 という固定観念に始まる特定の性に向けた嫌悪表現だからだ。

スリークはフェミニズムをいんちき思想と罵倒して女性を嫌悪する男性ラッパーをディスり、 ショーミーザマネーを筆頭とする韓国のヒップポップ・シーンの文化を指摘してきた。 この他にも行政自治部が「可妊期女性」の分布図を書き込んだ「産地図」を発表した時は、 歌「私のもの」を出して 「空回りしていく国では女を工場と見ておきながら、月給は一銭も払わない」と、 女性のからだを統制する国家の家父長性を批判した。 スリークに韓国ヒップホップは変わったかと聞くと、 「韓国ヒップホップについて話せる程関心を持っていない」と淡々と話した。 しかし相変らず嫌悪と資本主義的な特定価値が優先する 韓国ヒップポップ・シーンに代案的な流れは出ていないと付け加えた。

「私のクラブハウス(オーディオ基盤の新しいSNS)IDは 「ヒップホップクァンドゥム」なんです。 私は韓国ヒップポップ・シーン、 そして韓国ヒップホップ コミュニティと絶縁しました。 ショーミーザマネーに出てきたり主流メディアに登場する韓国ヒップホップ アーティストと、 自らリスナーを自称する人々と絶縁をしたので何が起きているのかよく知りません。 きっぱり切って暮らしています。 最近、アールフェス事件ぐらいは知っています。 それでもヒップホップをするといいながら、なぜ一つも聞かないのかと誰かに非難されるかと思って、 公文学習誌をするように何とか聞いてあわてて消すことを繰り返しています。 もちろん、ブラックノット、サンの音楽は「公文」しませんでしたけどね。

しかし「ショーミーザマネー」、「高等ラッパー」シリーズが停滞しているようですが、 また大きく興行する姿を見ると、 既存のヒップホップの方程式は相変らず有効ではないかと思います。 それにもかかわらず希望を探すとしたら、 イ・ヨンジさんのような怒りがこみ上げているということでしょう。」

トランスジェンダー嫌悪に「それはフェミニズムではない」と厳しい声も

インタビューの何日か前、スリークは自分のインスタグラム ストーリーに 「最近、トランスジェンダーの存在を否定する人との長い縁を切りました」で始まる文を載せた。 スリークによれば、こうした交差フェミニズム的メッセージを含む彼女の発言は 「3千回目」程だ。 スリークの文にあるツイッターユーザーは、 「ただ曇った目で応援してきただけ」という文を掲示した。 この他にもスリークは似た内容の多くのDMを受けた。 スリークはそうしたDMに答えたメッセージを見せて、 最近、彼は愛だけを話していると笑った。

「私がいつ男を扱ったのか、 果たして私にどんな性別を扱う権利があるのか、 先生のメンションの中の男性に当たる人の中で なぜトランスジェンダーが自動で含まれるのか、 なぜフェミニズムを性別両極端的に、世の中に女性と男性だけが存在して、 そのうちに女性を扱う学問としか考えていないから。 気になることが多いですが、答はくれなくてもかまいません。 私が熱心に勉強してみます。」

トランスジェンダー、ゲイなどの性少数者の人権に排除的な立場を取る TERF(ターフ:トランスジェンダー排除的フェミニズム)は、 女性運動の勢力を構築している。 彼らは差別と抑圧の複合性を認識しなければならないという交差フェミニズムを 「スカフェミ(女性問題を他の少数者問題と一緒に解決しようとする立場を低くして称する俗語。スカ=ごちゃまぜ・フェミ=フェミニズム)」と非難する。 これに反して交差フェミニズムを支持する人々は 「フェミニズムは女性も人間だという急進的思想から出発したが、 フェミニズムの到着点は女性だけでなく『すべての人』が人間だという急進的思想でなければならない」と強調する。 そしてTERFこそ自ら「ラジカル フェミニズム」を標榜するが、 生物学的女性談論を通して家父長制の基盤である性別二分法を事実上、 受け入れることになるという点で矛盾だと指摘する。

スリークは性少数者を嫌悪するフェミニズムはフェミニズムではないと話す理由について 「誰かを嫌悪して排除する学問はないから」と話した。 多層的抑圧、差別を照明すべきだという考えを持つスリークが2019年にビーガンになったのは驚くことではない。 ドキュメンタリー「からだを殺す資本の食卓」(What the Health、2017)を見たことが 直接の契機になった。 このドキュメンタリーは食習慣と健康の関係を明らかにすることから始まって、 政府と畜産、および製薬業界の結託が結局、大衆の肉食を操縦していると暴露する。 ドキュメンタリーによれば、政府-酪農業界-肉類業界-医療界-製薬業界は、 腐敗したカルテルでつながっている。 スリークはビーガンになった後、 「矛盾なく生きているという気持ちをよく感じるようになった」と話した。

[出処:ミニョンヨン]

「私が愛する人たちが一人二人とビーガンになりました。 しかし私は実践力がないのでずっと先送りしていたときに このドキュメンタリーを見ました。 工場式畜産業とそれの一助となる肉類産業、製薬産業を見て衝撃を受けました。 『私を貧しく、私を病気にかからせているのがあいつらなんだ』と思いました。 人間に肉食を強要して肉食は当然だというメッセージをまき散らしていて、 肉を食べて病気にかかったからだを、肉で金を稼ぐ会社が治癒して、 本当に衝撃的でした。 とてもその体系の一助になるのは嫌でした。」

スリークは失敗を語るのは憂鬱だという。 スリークは自分が夢見る世の中での変化は、 そんなに早く進まないことを知っているという。 「世の中に変化を期待するのはため息が出るだけ」と。 だがスリークには目を輝やかせる興味深いことが続いている。 400人が参加した1日一食菜食プロジェクト、 ゴマ粒のような文字で1日4時間ずつする筆写、 誠意をつくして参加する弱者との連帯、 彼女が書いた歌詞で埋まるコンサート。 変化を待つことは退屈だが、変化の主体になることは 新しい人生が広がる興奮することだ。

「もっと厚かましくなれないのが残念です。 『韓国にこんな音楽をする人は自分だけではなく、 こうした私の価値をさげすむことなく、称賛もして真剣に考察もします』と言えませんでした。 非難ではなく批判をしてくれということを言えませんでした。 がんばれば、誰かに認められればと思いながら、 一人で部屋のすみで洗濯棒を削っていたようです。 私は幸いこの失敗を挽回するために 尊敬するミュージシャンの方々に用心深く礼儀正しく私の音楽を差し上げています。」

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2021-03-13 14:37:14 / Last modified on 2021-03-13 14:37:16 Copyright: Default

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