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ソウル大病院大規模CCTV設置計画に労組反発

「患者と保護者の個人情報侵害、労働者現場監視には問題がある」

チェ・イニ記者 flyhigh@jinbo.net / 2007年09月13日19時16分

ソウル大病院でCCTV設置をめぐり労使間で意見が対立している。

ソウル大病院側は、△盗難予防と事後管理、△暴力・騒動などから教職員を守 るための予防と事後管理、△火災および浸水など災難発生時現況識別および統 制・案内などの目的で、病院内にCCTVを設置する予定だ。設置位置は、階段、 廊下、患者控室、来院客が多い外来などで、設置予定台数は108台に達する。

この計画は現場を巡回した労働組合によって発見され、8月16日の団体交渉で 問題提起された。ソウル大病院にはすでに駐車場、応急室、精神病棟などに 90台のCCTVが設置されている。

▲ソウル大病院CCTV設置計画書[出処:公共労組医療連帯ソウル大病院分会提供]

ソウル大病院の今回のCCTV設置推進方針は「勤労者参加および協力増進に関す る法律」と労使団体協約に違反しており、問題になる素地がある。該当の法律 には「新機械・技術の導入や事業場内勤労者監視設備の設置時は労働組合と協 議」すると明示されている。ソウル大病院労使の団体協約はこれに関して「労 働組合と合意」することになっている。

これに対してソウル大病院側は「勤労者監視を目的にするものではなく『盗難 防止』が目的」という立場だが、労働組合は「盗難防止が主目的なら患者と職 員の人権侵害の可能性があるCCTVの設置ではなく『患者・職員長と更衣室への 外部からの侵入防止のための出入り口開閉装置設置』を提案したが病院側は労 働組合の見解を無視している」と反論した。

公共労組医療連帯ソウル大病院分会は、憲法第17条「私生活の秘密と自由を侵 害されない権利」と、憲法第10条「人間の尊厳と価値、幸福を追求する権利」 などをあげて「患者が入院している病棟、来院客が多い外来、患者控室、保護 者控室などのCCTV設置運営は、すべての人々の肖像権と個人情報自己決定権の 侵害問題を惹起し、私生活の秘密と自由を侵害しかねない」と明らかにした。

合わせて病院が「盗難予防」の目的でCCTVを設置するとしても「労働者監視機 構に転落」する事例が多く、現在国家人権委員会で調整されている嶺南大医療 院のCCTV事例を挙げた。CCTV設置が「ソウル大病院のEMR(電子医療記録)、ERP (全社的資源管理)に続く労働者現場統制システム」と主張している。

実際にさまざまな事業場で犯罪の予防を口実として設置されたCCTV、が従業員 を監視する用途に使われ、長い間労使対立の主な原因と指定されている。ハイ テックRCDコリアでは、作業場内のCCTVで監視された労働組合組合員全員が憂 鬱症などの集団精神疾患の判定を受けている。作業場ばかりでなく、街頭や住 居地域のあちこちに設置されたCCTVは、私生活侵害などで社会的に問題になっ ている。

しかも今年の11月18日からは、5月17日に改正された「公共機関個人情報保護 に関する法律」が施行される予定だ。ソウル大病院側が大々的なCCTV設置を急 いでいるのは、この法を避けるためという主張も提起されている。改正案には 公共機関での無分別なCCTV設置と乱用を法的に規制する内容が含まれている。

ソウル大病院分会はこれらの理由を上げてCCTV設置に反対する立場を明確にし ており「労働者を監視しようとする不純な意図と患者、保護者、職員に対する 非常識で非人権的態度」と病院側を批判した。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンス:営利利用不可・改変許容仮訳)に従います。


Created byStaff. Created on 2007-09-20 20:56:01 / Last modified on 2007-09-20 20:56:02 Copyright: Default

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