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労災保険50年、下請労働者の労災隠しで金庫に5兆ウォン

勤労福祉公団、労働者と「法廷戦」辞さず...84%の勝訴率

ユン・ジヨン記者 2014.01.21 11:47

今年で労災保険制度導入から50年になるが、各種の制度的問題があらわれ、その意味が失われている。

非正規職労働者たちの労災保険排除と勤労福祉公団の労災保険支給強化などは、 労災保険導入の趣旨を失わせており、労働者たちは労災認定のために勤労福祉 公団との法廷闘争をしなければならない。

しかし勤労福祉公団は、労災保険料の支給が少なく、連日「黒字行進」を記録 している。この5年間、保険料として支払わないままの金だけで約5兆ウォンに 達するという。

[出処:チャムセサン資料写真]

労災保険50年、下請労働者労災隠しで金庫に5兆ウォン

金属労組労働研究院は1月20日、労災保険導入50年をむかえて「労災保険50年、 どこまできたか:労災保険の黒字行進と不安定労働者の構造的排除」イシュー・ ペーパーを発表した。

労働研究院によれば、勤労福祉公団が2008年からこの5年間、労災保険料として 徴収した金額は合計約23兆9850億ウォンと集計された。このうち労働者たちに 労災補償として支払った各種の給付の総額は約17兆8854億ウォンだ。この5年で 約5兆ウォンもの金額が保険料として支払われていないのだ。

しかし作業場の産業安全保健制度が改善され、産業災害率が画期的に下がった と見るのは難しい。むしろ増加する下請労働者の労災隠しと排除現象が著しく 現れ、本来の労災保険制度の意味が歪曲されている傾向だ。

金属労組労働研究院のパク・チョンシク客員研究委員は「同じ事業場内で社内 下請、用役、派遣労働者が広がり、こうした類型の非正規職労働者が作業場内 で危険な仕事を専門で担当している」とし「その結果、非正規職労働者たちの 災害の危険が次第に高まり、労災隠しと公傷処理の慣行は、彼らの雇用形態の 不安定性と重なってさらに深刻になっている」と指摘した。

代表的に、造船産業には正規職の81〜433%もの社内下請労働者が雇用されてい る。作業の特性上、労災が頻繁に発生する業種だが、労災隠しと公傷処理が 蔓延し、労災保険制度の有数の死角地帯と言われている。

労働研究院は「造船産業の社内下請業者で労災処理をすると社内下請労働者は 『労災ブラックリスト』に上がり、他の社内下請業者に再就職することが難し くなる一種の『烙印効果』のため、公傷処理が蔓延しているという」として 「また社内下請労働者たちは、社内下請業者との摩擦を避けて再就職の不利益 を心配し、労災処理ではなく公傷処理を選択していた」と説明した。

その上、大型造船所の社内下請企業は、所属労働者の労災事故が1年に2、3件 発生すれば元請業者と物量再契約ができなくなり、所属労働者に公傷処理を 強要する慣行もあるという。

何よりも一定期間ごとに作業場を移動する社内下請労働者は、筋骨格系疾患で 労災認定を受けにくい条件に置かれている。労働研究院は「筋骨格系の疾患と 同じように、長期間同じ作業により誘発される労働災害は『同一事業場内で』 3年以上働かなければ『疾病有所見者』として判定されないという前提条件があ る」とし「勤続年数が短く、作業場移動が多い社内下請労働者は筋骨格系疾患 のような病気で労災判定を受けるのは非常に難しい」と批判した。

勤労福祉公団、労働者との「法廷戦」辞さず...84%の勝訴率

労災保険は1964年に初めて導入されたが、すべての労働者が労災保険の適用を 受けられるようになったのは、導入36年後の2000年だ。1964年には500人以上の 事業場と一部の業種だけに労災保険が適用されていたが、次第に適用規模が 下がり、業種が拡大して、2000年には1人以上の全ての事業場に拡大した。

だが労災保険制度が普遍的社会保険としての制度整備されたのとは違い、実際 には今も多くの労働者が労災保険の恩恵から除外されている。

[出処:チャムセサン資料写真]

2012年現在、事業体の労災保険適用割合は50.7%で、労働者の労災保険適用率は 約83.7%だ。労働研究院は「従事者より事業体数適用率の方が低く現れているの は、小規模零細事業場の場合、ほとんどが労災保険制度に加入しておらず、 零細事業場の労働者たちも労災保険の死角地帯に存在している可能性が高いから」 と説明した。

労災保険の業種別適用労働者数現況で虚数も発見される。2012年労災保険適用 を受ける建設業労働者数は約278万余人で集計されたが、同じ年全国事業体調査 で建設業総従事者数は約105万人に終わった。労働研究院は「建設業で過多推定 された労災保険適用労働者数を考慮した時、実際韓国で労災保険の適用を受け る労働者数は1千 4百万人以下で、労災保険適用率がさらに低くなると予想され る」と説明した。

難しい労災保険適用要件でも、勤労福祉公団の労災保険支給の強化などで、 労働者と公団の間の法廷戦も頻繁に発生する。

2012年の労災保険関連審査請求受付件数は8529件だが、このうち1132件(13.37%)が 取り消された。労災認定を受けるために労働者は法的訴訟をするが、2012年の 勤労福祉公団の勝訴率は84%で優秀だ。

労災発生時、労働者に立証責任を転嫁して、療養承認の過程で勤労福祉公団が 行政訴訟を行い、業務上病気判定委員会が厳格な判定をすることも労働者を 困難に陥れている。労働研究院は「このような労災保険制度に対する不満が 排除されたまま労災保険50年をただ祝うことはできない。特にこの5年間で5兆 ウォン以上の黒字を記録しているのも全くありがたくない知らせ」と批判した。

続いて「労働者のための社会保険制度であるべき労災保険が費用と効率性だけ を過度に問題にし、さらに労災保険自体を民間部門に渡すために、このように 労災保険審査基準を強化しているのではないかと疑われるほど」と指摘した。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2014-01-21 22:02:52 / Last modified on 2014-01-21 22:02:53 Copyright: Default

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