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サムスン電子サービス、詩人の新聞コラムも検閲?

ソン・ギョンドン詩人に圧迫性メール

チョン・ジェウン記者 2014.06.18 01:43

詩人のソン・ギョンドン氏が6月2日、サムスン電子サービスから一通のEメールを受け取った。 Eメールはソン・ギョンドン氏が5月22日に京郷新聞の固定コラム欄に掲載した 「これは世の中ではない」という題名のサムスン関連の文に対してだった。

ソン・ギョンドン氏はこの題名のコラムで、 警察が5月18日にサムスン電子サービス労組ヨム・ホソク梁山分会長の葬儀手続きに介入し、 遺体奪取の議論を起こしたのを批判して 「死者の最低の名誉と人権も、サムスンと政府は傷つけた」と書いた。 また、サムスン電子がサービス業務をサムスン電子サービスという子会社に外注し、 また160者の請負業者にこの業務を外注するなどで 「1万人ほどを非正規職で雇用し、1件単位の手数料を払い、労働搾取を行ってきた」と批判した。 このコラムでソン・ギョンドン氏は、サムスン側がサービス技師を「偽装請負」の形で雇用したのは不法だとし、事実上、直接雇用すべきだと主張した。

[出処:京郷新聞2014年5月22日付29面オピニオン面のソン・ギョンドン詩人のコラム]

サムスン電子サービス側は、 このソン・ギョンドン氏のコラムが出て10日後に 「一部の内容について当事務所が知っている事実関係について、 下記の通りメールを差し上げる」とし 「事実関係をおしらせするので参考にしていただきたい」という内容でソン氏に6月2日にEメールを送ったのだ。

会社が指摘した事実関係は主に、 故ヨム・ホソク梁山分会長の遺書の数とサービス費用算出問題など大きく三つだ。 会社はコラムの内容のうち「サムスン電子はAS名目で1年に1兆7千億を得て、 6千億をサムスン電子サービスに支払い、このうち3300億ウォンを協力社に支払うことにより、 サムスン電子が1兆1千億ウォンを着服している」という点を問題にして、 「算出の根拠には誤りがある」と主張した。 だが問題のサービス費用の具体的な算出方式については明らかにしなかった。

また問題になっているサムスン電子サービス労働者の賃金について 「『12.10月〜』13.9月までサムスン電子サービス協力業者職員の年平均月給与は314万ウォン」とし 「工具セットと作業服などが支給されている」と明らかにした。

「論議される事実関係を理由に個人を萎縮させて飼い慣らそうとしている」

ソン・ギョンドン氏はEメールを受け取り、 サムスン電子サービスが作業服などを「支給」しているという点で、 まず元請の使用者性を自ら認めたと思ったという。 彼は「労使交渉にサムスン電子・サムスン電子サービスなどの元請が直接出てこず、 経済人総連が雇われマダムとして出てきても、 工具セットと作業服などをサービス技師に支給している点で、 サムスン電子サービスが元請であることを会社自らが明らかにしたと思った」と話した。

それと共に「Eメールを受け取り、 平凡な市民で文を書く人である私を圧迫しているという感じがした」とし 「事実関係が違えば、会社が公開で明らかにすれば良いのに、 丁重に個人メールアドレスを追跡して個人を萎縮させ、飼い慣らそうとする方式を使うのは、 最大財閥サムスンがする行動ではないと思う」と話した。

続いて「韓国社会はサムスンが労働者を弾圧し、 その家族の人生が破綻するさまざまな事例を見て経験してきた。 韓国社会が知っているサムスンの行動だから、 サムスンについて人々が持つ恐れがある」とし 「一介の詩人にサムスンのEメールが脅迫と感じられるほかはない理由だ」と主張した。

ソン・ギョンドン氏は 「丁重に私に事実関係を問い詰める前に、 労組設立以後、何人もの労働者が死亡し、労働条件改善などを要求して全面ストするサムスン電子サービスの労働者の対話と交渉要求に答えるべきだ」とし 「サムスン側は明らかな交渉主体として出てきて、早く事態を解決してほしい」と頼んだ。

これに関して、Eメール発送者のサムスン電子サービス総務グループのパク某部長は 「サムスン電子サービス会社の立場をEメールに送ったのであって、 ソン・ギョンドン氏のメールアドレスはインターネットで検索した」とし 「会社は事実関係が違う文を確認した場合、そのたびに対応する」と明らかにした。

彼は続いて「ソン・ギョンドン氏に圧力をかけようとしたのではなく、 事実関係を互いに確認して、今後文を書く時に参考にしてほしいという意味」で会社がEメールを送ったと話した。 Eメールの内容のように、サムスン電子サービスが直接サービス技師に工具セットと作業服を支給するのかという記者に質問には 「協力社に確認したところ、支給するというので内容を入れた」と答えた。

記事露出前に文章削除の経験も…「サムスンの言論統制」

ソン・ギョンドン氏は別の事件を伝え、サムスン側のEメールが「脅迫」に感じたとともに、 「サムスンが全方位的に人事管理」をしているようだという疑惑を提起した。

メディアオヌルの3月20日付の記事によれば、 京郷新聞広告局は固定コラム欄にサムスン白血病問題や無労組経営などを批判したコラムを書いたソン・ギョンドン氏に、一部表現を修正してほしいと直接要請した。 「どこかで勝たなければならないのではないか」という題名の3月19日付の京郷新聞コラムだ。 だがこの要請はオンライン記事が出る前に行われ、 京郷新聞編集局はサムスンから連絡を受けた後、 筆者の同意を求めず一部の文章をすべて削除した。

ソン・ギョンドン氏は「サムスンの言論弾圧、言論統制だ」とし、 「政府がKBSなどを言論統制した事実がわかれば大騷ぎになるだろうが、 サムスンの言論統制がわかったこの事件を記事化した所は(主流言論には)なかった」とし、 迂回的に言論の「サムスン状況伺い」を批判した。 続いて彼は「サムスンが記事が出る前にあらかじめ報道機関の文を読んだわけだが、 こうした構造になっていることは心配だ」と伝えた。

言論改革市民連帯のチュ・ヒェソン事務総長はこれについて 「言論がサムスンから自由ではない構造」とし 「サムスンの広告の割合が大きく、広告関連の報復行為もある。 これはサムスンの言論統制の手段だ」と指摘した。 続いて彼は「憲法的価値である言論の自由は、社会的な合意と秩序の中で守られるべきだ」とし 「資本が絶対的な権力を乱用することについて、 言論も自らの限界を越えようとする努力が必要だ」と話した。

付記
チョン・ジェウン記者はメディア忠清の記者です。この記事はメディア忠清にも掲載されます。チャムセサンは筆者が直接書いた文に限り同時掲載を許容します。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2014-06-18 21:43:22 / Last modified on 2014-06-18 21:43:23 Copyright: Default

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