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裁判所、サムスン半導体「脳腫瘍」労災で初の認定判決

サムスン半導体脳腫瘍・再生不良性貧血被害者の故イ・ユンジョン、ユ・ミョンファ氏に労災認定

ユン・ジヨン記者 2014.11.07 16:50

サムスンの半導体工場で働き、脳腫瘍で死亡した労働者の労災を認める 初の判決が出された。

ソウル行政法院行政7単独イ・サンドク判事は、 サムスンの半導体工場で働き脳腫瘍で死亡した故イ・ユンジョン(32)氏の遺族が 勤労福祉公団に対して出した療養不承認処分取り消し訴訟で原告勝訴を判決した。 また故イ・ユンジョン氏と同じ工程で働き、 再生不良性貧血にかかり闘病しているユ・ミョンファ(32)氏の労災も認めた。

裁判所は「ベンゼンや鉛、ホルムアルデヒドといった有害化学物質と 『極低周波磁場』に一定期間、継続的かつ複合的に露出したことで脳腫瘍、再生不良性貧血が発病し、 業務との関連性が認められる」と判決した。 続いて「昼夜間交代勤務による累積した疲労とストレスなどが身体の免疫力の低下を招き、 発病や進行を促進した原因として作用した」と明らかにした。

特に裁判所は、勤労福祉公団の依頼で産業安全保健研究院が実施した疫学調査の問題も指摘した。 疫学調査機関が一部の化学物質に対する調査しただけで排出ガスとススにどのような物質が含まれていていたのかを究明せずに調査を終えたという。 勤労福祉公団は疫学調査により病気と業務の関連は認められないという結論を出していた。

裁判所は「勤労者の責任ではない理由で、事実関係がしっかり究明されないというような事情は、 相当な因果関係を推測判断するにあたり、勤労者に有利な間接情況を参酌するのが当然だ」とし 「特定の化学物質と病気の関連がまだ研究されていない状態である点を 『関連性がない』、または『低い』という判断の根拠としてはいけない」と明らかにした。

故イ・ユンジョン氏は高校2年に在学していた1997年、 サムスン電子温陽工場に入社し、高温テスト(MBT)工程で働いてきた。 退職後の2010年5月、悪性の脳腫瘍が発病して2012年に死亡した。 今回の判決で故イ・ユンジョン氏が労災申請を提起してから3年7か月ぶりに労働災害を認められることになった。 ユ・ミョンファ氏もイ氏と同じ工程で働き、1年後に再生不良性貧血にかかり、10年以上闘病を続けている。

半導体労働者の健康と権利を守る会(パノルリム)によれば、 半導体、LCD工場で働いて脳腫瘍を発病した情報提供者は、現在まで20人あまりにのぼる。 このうち労災を申請した人は5人で、脳腫瘍を労災と認められたのは今回が初めてだ。 サムスン半導体の労働者のうち、再生不良性貧血を労災と認められた事例は今回が三回目だ。

パノルリムは論評を発表し 「これ以上、勤労福祉公団は労働者や被害家族に対抗して控訴を提起しないことを心から望む」とし 「国民が期待する勤労福祉公団と政府の役割は、 災害労働者に迅速な補償を行い、二度とこうした災害が発生しないように徹底的に事業主管理監督をすること」と強調した。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2014-11-08 06:41:39 / Last modified on 2014-11-08 06:41:40 Copyright: Default

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