韓国:終わらない話、映画「もうひとつの約束」 | |||||||
Menu
おしらせ
・レイバー映画祭(報告) ・レイバーネットTV(10/30) ・あるくラジオ(10/10) ・川柳班(11/22) ・ブッククラブ(10/12) ・シネクラブ(9/1) ・ねりまの会(10/12) ・フィールドワーク(足尾報告) ・三多摩レイバー映画祭 ・夏期合宿(8/24) ・レイバーネット動画 ●「太田昌国のコラム」第95回(2024/10/10) ●〔週刊 本の発見〕第366回(2024/10/24) ●「根津公子の都教委傍聴記」(2024/10/24) ●川柳「笑い茸」NO.157(2024/9/26) ●フランス発・グローバルニュース第14回(2024/10/20) ●「飛幡祐規 パリの窓から」第95回(2024/9/10) ●「美術館めぐり」第4回(2024/10/28) ★カンパのお願い ■メディア系サイト 原子力資料情報室・たんぽぽ舎・岩上チャンネル(IWJ)・福島事故緊急会議・OurPlanet-TV・経産省前テントひろば・フクロウFoEチャンネル・田中龍作ジャーナル・UPLAN動画・NO HATE TV・なにぬねノンちゃんねる・市民メディア放送局・ニュース打破配信プロジェクト・デモクラシータイムス・The Interschool Journal・湯本雅典HP・アリの一言・デモリサTV・ボトムアップCH・共同テーブル・反貧困ネットワーク・JAL青空チャンネル・川島進ch・独立言論フォーラム・ポリタスTV・choose life project・一月万冊・ArcTimes・ちきゅう座・総がかり行動・市民連合・NPA-TV・こばと通信
|
終わらない話、映画「もうひとつの約束」[寄稿]「痛いからだが証拠でなければ何ですか?」
ユン・ギホ(映画『もうひとつの約束』PD) 2014.08.28 10:51
ソウル高等法院でサムスン白血病控訴審に対する宣告があってから 一週間ほどが経った。 ニュースでは「サムスン白血病勝訴」、 「2審でも労災認定」というヘッドラインで裁判所の判決を知らせた。 一緒に「もうひとつの約束」作ったスタッフや知人がニュースを見て勝訴を喜ぶ連絡をしてきた。 実際の当事者でもなく、パノルリムのようにいつも被害者といつも一緒にしてきたわけでもない私が、 こんな連絡を受けてもいいのかとも思ったが、 そのたびにありがとう、一緒にしてくれて感謝すると挨拶をした。 だが、心の片隅は穏やかではなかった。 恐らくその日、法廷で判決が下された瞬間を思い出したからだろう。 その日、法廷では故ファン・ユミ、故イ・スギョンさんに対し、業務上の労災だという1審判決に続き、 2審も労災と認定されたが、 やはり故ファン・ミヌンさんとソン・チャンホ、キム・ウンギョンさんは、 労災が認定されなかった。 判決文を読み続ける判事の声に重なって、小さな嘆きの声が聞こえた。 振り返ってみると、顔見知りのある活動家が涙を流していた。 映画「もうひとつの約束」では、1審判決が出された瞬間、法廷は歓呼と喜びがいっぱいになったが、現実の法廷は2審だった。 誰かの言葉のように、それでも幸いだと考えることもできるだろう。 とにかく一部勝訴ではないかと、これもひっくり返っていれば、さらに難しくなったという言葉にも一理がある。 だが1審から3年という時間、 200人を越える被害者が情報を提供し、 市民と社会団体の努力でさらに多くの真実が明らかになったのに、 さらに一歩を踏み出せなかったということが、 1審で一緒に勝訴できなかった3人も勝訴して一緒に笑えることを期待した人としては、 今回の判決を完全に喜ぶことはできなかった。 記事を探してみると、 その上に今回の判決で交代制勤務による過労・ストレスが病気の原因の一つとして考慮できるという点、 被害者が業務遂行中にベンゼン、三塩化エチレンなどの有害要因に露出した可能性を認めたということに一歩進んだ側面があるというが、 露出の程度と水位が発病との因果関係と見られる根拠が不足している点を上げて、認められなかった。 使用者側は機密だとして資料も公開しない状況で、個人の労働者がどうすればこれ証明できるのか? 相変らず労働者が労災を立証しなければならない現行法制度の問題が足を引っ張っている。 何も知らない被害者にしきりに証拠を出せという裁判所に、 映画「もうひとつの約束」の最後弁論のセリフを聞かせたかった。 「しかし、私たちにも証拠があります。 ここにいる労働者の体。病気の人々。 これが証拠でなければ、何が証拠ですか?」 ある作業現場があり、その現場で働いた人が病気にかかって死んだ。 調べてみると、その作業場では人体に害になる有害物質をたくさん使っていたという。 これでも足りないのか? 誰が見てもわかるのに。 きちんと立証をしろと言うのだから... 病気にかかった労働者のからだよりもはっきりした証拠がどこにあると言って しきりに証拠が不足するというのか、 法に無知な人として常識に訴えたい気がする。 国民のために存在する裁判所、労働者の権利のために存在すべき勤労福祉公団を相手に、 被害者が控訴をしなければならない現実が悲しい。 1審の判決は維持されたが、気持ちが楽ではなかったのは、 今も国民と労働者を無視する国家機関の一貫性のためだった。 映画では、私たちが望む結果を得ることができるが、現実ではさらに一歩踏み出すことがこれほどまで難しい。 しかし、だからと言って落胆はしない。 記者会見を終えて戻るファン・サンギお父さんの顔から、 次の行動を準備するために足を速めるパノルリム家族の姿から、 希望があることを見たからだ。 映画は終わったが、現実は今も進行中だということを、もっと多くの人々が忘れることなく一緒にすることが、 いつか本当の一歩を踏み出すことになると考える。 その日が来れば、ファン・サンギさんをはじめとする被害者家族、 そしてパノルリムの人たちと笑いながら、ホヤをつまみにして焼酎一杯飲みたい。 一日でもはやくその日がくることを期待する。 翻訳/文責:安田(ゆ)
Created byStaff. Created on 2014-08-30 19:24:38 / Last modified on 2014-08-30 19:24:38 Copyright: Default このフォルダのファイル一覧 | 上の階層へ |