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サムスン-パノルリム交渉急進展? まだ「幾重にも重なった山の中」

再発防止対策など異見相変らず、「対話を始めただけ」...「補償」争点に交渉団の意見交錯

ユン・ジヨン記者 2014.08.14 16:50

8月13日、サムスン電子とパノルリム(半導体労働者の健康と権利を守る会)の6次交渉以後、 ほとんどのメディアは「議論が急進展した」という報道を送りだした。 サムスンとパノルリムが補償問題と再発防止対策の一部について意見を接近させたという内容だ。

だが具体的な要求案を調べると、まだ合意に至らない争点や、 まだ議論も始まらっていない問題がほとんどだ。 パノルリム側でも「まだ急進展したと言えるような内容は殆どない」と説明した。

[出処:パノルリム]

争点の一つである補償問題について、 これまでサムスンは「交渉に参加する8人に対して先に補償、後で他の関連者に拡大」という方式を主張し、 パノルリムは「労災申請者全員に補償」案を要求してきた。

この日の交渉では、被害者家族8人のうち5人が 「8人優先補償の議論を受け入れ、パノルリム交渉団と別途に協議してもいい」という意向を明らかにし、 パノルリム交渉団内部に意見の温度差があることを表わした。 交渉団の団長を受け持っている故ファン・ユミ氏の父、ファン・サンギ氏をはじめ、 被害者3人は相変らず「労災申請者全員補償案」を要求している。

パノルリム側は、サムスンが「8人先補償」を受け入れなければ議論できないと言って被害者を圧迫し、意見の違いが発生したものと見ている。 パノルリム交渉団の関係者は 「サムスンは初めから『被害者8人に対する補償議論を優先的に行う』、 『一か月以内に終わらせたい』、 『8人先補償案を受け入れなければ補償基準について話さない』という態度を取り、 被害者たちが圧迫を受けてきた」と説明した。

ただし、この日の交渉でサムスンは「まず8人補償合意し、後で補償基準を用意する」という従来の主張から一歩退いて、 所属会社、病気の種類、在職期間、在職中の担当業務、退職時期、発病時期の6項目を補償基準として提示した。 パノルリムは、サムスン側に労働災害申請者33人のリストを渡した。 パノルリム交渉団の関係者は 「今後、サムスンが提出した6つの補償基準に関して話す契機が用意された」と説明した。

もうひとつの争点である「再発防止対策」についてもやはり意見の差が存在する。 6次交渉でサムスンは、パノルリムの要求案の「総合診断実施」を受け入れるという立場を明らかにしたが、 これはすでに5月に権五鉉(クォン・オヒョン)代表が言及した内容だ。 特に、総合診断機構の構成に関しては双方の意見の衝突が続いている。 この外の再発防止対策である △化学物質などの情報公開、 △化学物質安全保健委員会および外部監査設置および参加権保障、 △労働組合設立および活動妨害禁止は、 サムスン側が拒否しているか、まだ議論が行われていない。

サムスンの「謝罪」問題についても合意はなされていない。 パノルリムは、サムスンが被害者に誤りを認めて謝罪することを要求しているが、 サムスンは「交渉終了段階」で謝罪するという立場だ。

交渉団の関係者は「謝罪や再発防止対策について、 あまり議論は進んでいない。 総合診断を実施するためには、営業秘密や化学物質などの公開が必要だが、 サムスンは明確な回答をしていない。 残りの要求案についても意見を明らかにしていない」と説明した。

続いて「事実上、交渉進展とは言えない。 ただし今までサムスンが『8人先補償からしよう』という主張を繰り返して時間を引き延ばしてきたので、 今後、(補償基準、再発防止対策などに関する)話が進む可能性がある」と明らかにした。

なおパノルリム交渉団は8月14日、6次交渉関連の立場を発表し 「今後も『内容ある』謝罪と『実効性ある』再発防止対策が取られるように、 さらに団結して交渉に臨む」とし 「また、交渉に参加していないが当然謝罪と補償を受けるべき被害者と一緒にやっていける交渉をしていく」と明らかにした。 パノルリムは8月18日午前11時、瑞草洞のサムスン本館前で、 交渉に参加していない被害者家族と記者会見を行い、 サムスン側に「被害者全員補償」の要求を明らかにする予定だ。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2014-08-15 02:01:05 / Last modified on 2014-08-15 02:01:06 Copyright: Default

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