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サムスン、アジアでも…化学物質露出に労組破壊まで

アジア活動家招請討論会...「グローバル・スーパー甲、サムスンを語る」

チョン・ウニ記者 2013.12.13 15:43

アジアのサムスンの工場とサムスン下請工場労働者たちが低賃金不安定労働に苦しみ、作業場では化学物質、ガス漏出、農薬、ベンゼン中毒など各種の危険の中で苦しんでいることがわかった。韓国と同様、やはり労組破壊の工作も報告された。

12月11日午後、インドネシア、インド、ベトナム、中国の労働運動団体の活動家 が「グローバル・スーパー甲、サムスン」の殺人的な搾取を韓国で告発した。 海外韓国企業監視とアジア多国籍企業監視ネットワークが主催したこの日の 討論会で、アジアの活動家たちは自国内のサムスン工場、または下請企業労働者 の劣悪な労働条件と労働運動弾圧の事例を明らかにし、これに対するサムスンの 責任を問うた。

国内5か所のサムスン工場と下請企業労働者たちは、全般的に不安定な労働契約、 殺人的な労働強度、人体に有害な作業場環境で働いていることが明らかになった。 しかし、労働者たちは組合などで自分たちを代表する組織がなかったり労働組合 がある場合は使用者側の弾圧の試練の中にある。

▲インドネシアの労働者が不安定労働を強要する派遣制改善を要求してデモをしている。インドネシアのサムスン電子は労働者の多くを派遣制で雇用している。[出処:http://www.thejakartaglobe.com/画面キャプチャー]

インドネシア...サムスンの労組破壊

サムスン労働者の劣悪な条件は、サムスンがアジアでタイに続いて2番目に工場 を作ったインドネシアで端的にあらわれる。

現地の事例を伝えたインドネシア スダネ労働情報センター(LIPS)のアブ・ムファ キール(Abu Mufakhir)活動家によれば、サムスンは1992年にインドネシア西部 ジャワ州ブカシ市のジャワベータ工業地帯に工場を設立し、翌年は東部ジャワ 州のスラバヤに冷蔵庫工場を設立した。二つの工場はインドネシアの法によっ てPT.マスピオン社と50対50の合弁会社として設立されたが、5年後に両社は二 つの工場を100%持分に分けて所有している。

インドネシアのサムスン電子(SEIN)労働者は合計2800人で、800人は外部の派遣 労働者、他の800人は契約職労働者で、57.1%が非正規職、全労働者の80%は女性 で、派遣職と契約職労働者は正規職との間で多様な差別を受けている。

派遣職と契約職労働者は作業服も違い、正規職との間で低賃金、皆勤ボーナス、 厚生、食事、交通手段などでさまざまな形の差別を受けている。その上サムスン の派遣職労働者はほとんどがサムスン側または派遣業者と労働契約を締結せず 働いている。

また学生の身分で雇用された修習生は、17歳から19歳で事実上、正規職労働者 と同じ業務を遂行する。一日8時間勤務と、しばしば超過勤務を強要されるが、 修習生の賃金は月たった30ドルだ。

サムスンは生産目標システムを導入して毎年目標を上方修正している。生産性 を測定する特殊な機械も使われる。昨年、ブルーレイの生産では、ロボット一 台と労働者12人で構成された生産組一組は、包装の過程を含み、8時間の交代勤務 時間に4千個を生産しなければならなかった。これはワンセットの組み立てに割り 当てられた時間がわずか7.5秒であることを意味する。

労働運動への弾圧も強行されている。インドネシア・サムスン電子の派遣労働者 や契約職労働者は、昨年10月に労働組合を結成し、金属労働者連盟に加入したが、 労組の幹部と労組員は労組結成直後に深刻な解雇の威嚇を受け、労組を解散して しまった。

これ以外にインドネシアでのサムスンの部品供給業者は少なくとも80か所で、 このうち確認できる28の事例のうち、22か所は電子生産専門担当業者(EMS)であ、 残る6か所は非EMS業者だ。供給業者の75%はすべてチカラン工業団地にある韓国 企業なので、サムスンはインドネシア業者ではなく、主に一緒に現地に進出し た韓国企業から部品の供給を受けている。

アブ・ムファキール活動家は28か所のサムスン供給業者のうち17か所にはイン ドネシア金属労働者組合連合(FSPMI)に所属する支部などの労働組合が結成され ているが、サムスン供給企業は弾圧を続けている。

一例として、チカランに5つの労組は派遣制廃止を要求し、工場占拠デモを行っ たが、サムスン供給企業は地域の暴力団を雇用して労組の幹部と労組員を威嚇、 脅迫して暴力を加えており、周辺地域の社会労働者を分裂させ統制する戦略を 使っていたりもする。

またサムスン供給業者に設立された金属労働者組合連合に所属する8つの労働組 合に所属する労働者のほとんどが威嚇、転換配置、解雇など労組破壊攻撃を受 けた。アブ・ムファキール活動家はこうした労組破壊工作の背後にはサムスン がある可能性が高いと見ている。注文削減や、注文契約解止の威嚇をしながら 供給業者に労組を弾圧させるよう圧力を加えたということだ。

しかしサムスンの圧力はすべての供給業者で同じ効果を与えていないと彼は伝 える。これは該当供給業者のサムスンに対する注文依存度と労組の力によって 影響を受けるという。

昨年11月、金属労働者組合連合に所属する労働者約1万人がサムスンの労組破壊 工作に抗議し、サムスン工場占拠デモに立ち上がる一方、その後12月初めには 韓国大使館の前でインドネシア国内法に違反した韓国企業処罰を要求し、抗議 行動を行った。

人も…ガス漏出事故と農薬中毒

インドでは労働教育センター(CWE)のスレンドラ・プラタプ(Surendra Pratap) 活動家がサムスンインディア・エレクトロニクス(SIEL)工場労働者の労働条件 も劣悪だと伝える。

SIELの携帯電話製造工場の事例によれば、修習生が生産労働者の約半分を占め、 2-3か月で150-200人が交代する。修習で2年間配置されるがだいたい4%以下の 修習生しか職員に残らない。ほとんどの労働者は移住民だ。

労働者たちはタクトタイム設定で製品を生産し、この時間はたった3.5-4秒だ。 水を飲む時間やトイレに行く時間もなく、労働者たちは放射能に対する恐れを 持っているが、化学製品に対する認知度は低い。

毎日約100人の労働者が頭痛、熱と痛みを訴えて診療所を訪問しているが、会社 はたった1か所の診療所と病院と契約しただけだ。2009年にはガスの漏出事故と 農薬中毒で69人の労働者が入院した。

正規職労働者の場合、基本給、インセンティブと時間他手当てを入れて1万-1万 2000ルピー(1万6500円-2万円)だ。しかし修習生労働者はこの約70%に該当する 7000-8000ルピー(1万1000円-1万3000円程度)しか受け取れない。労働組合や 労働者の公式の代表はない。

ベトナム…長時間労働、女性労働者は流産

ベトナムのサムスン工場では、長時間労働、女性労働者の流産の問題が集中的 に照明された。

非政府団体CDIのヴィエト・アン活動家によれば、ベトナムには1996年サムスン 電子ベトナムの法人(SEV)が設立、携帯電話、LCDとカラーTVなどを生産している。 約2万8千人の労働者が働き、多くの場合一日10-12時間の長時間労働、平均12-15 時間働くこともあるが、これだけ働いても月給は約2万円(日本円換算)から 3万6千円程度にしかならない。

80%の労働者は2年経つ前に仕事を辞め、80%の女性労働者は流産、死産、先天的 奇形などの現象が驚くほどよく起きるという。筋骨格体系にも影響しており、 眼球の痛みや視力低下、聴覚にも影響を与えている。職業的精神的ストレスも 激しい状況だ。

しかし危険への教育は何もなく、定期的健康診断は労働者の作業環境とは 無関係で、特に健康記録の記録は不透明だ。

労働者の循環率が非常に高く、企業と地域当局は危険な勤務環境問題が引続き 起きているということを知っているが、これらの情報を隠そうとする。労働権 を保護する法的な制度も不足しているのが現実だ。

2011年に労働組合が設立されたが、事実上機能できない状況だとベトナムの 活動家は伝えた。

中国、サムスン下請工場でベンゼン中毒が疑われる患者4人発生

中国では、サムスン下請工場の労働者が化学物質の中で働いていると明らかに なった。

中国でのサムスン工場と供給業者に対してはグローバルモニター(Global Monitor)のメイ・ワン(May Wong)が中国内のサムスン工場1か所とサムスン下請 企業2か所に調査団を派遣してインタビューし、現場の問題を伝えた。

恵州サムスン電子、サムスン下請企業で韓国人が所有する恵州プーディエン電子、 山清ホンジ化学ではそれぞれ7千-8千人、千人そして150人が働く。恵州サムスン 電子と下請企業プーディエン電子では、8時間交代勤務の場合、実質的な月給は 日本円換算で約4万3千円程度で、ホンジ化学は6万8千円程度で相対的に高額だ。

すべての工場の労働者は15日間の賃金を保証金として控除され、多数の再加工 労働者は業務上の過失を理由に罰金を払うこともある。

メイ・ワン活動家によれば、サムスン下請工場の作業場では化学物質に露出し、 悪臭がして、換気ファンからは黒い煙が出ている。労働者たちは作業の途中に 吐き気を訴える。しかし職場での化学物質に対する知識などの職業健康および 安全に対する労働者たちの知識や、これに対する教育はなく、法により保障さ れた毎年の健康診断も受けられない。

特にサムスン納品業者の山清ホンジ化学ではベンゼン中毒が疑われる事例4件が 発生して問題になった。被害労働者は健康診断で何度も白血球数の低下と診断 されて入院治療を受け、このうち2人は回復したが他の2人は検査中だ。検査は 指定された恵州の病院で行われるが、労働者は病院の診断結果を信頼せず、 自費で他の広州の人民病院で検査を行った。この結果、白血球数値がさらに 低いことがわかり、労働者たちは転院した。

この日の討論会では、韓国の事例報告と提案も発議された。金属労組サムスン 支会のチョ・ジャンヒ副支会長は、サムスン労働組合の結成の過程を紹介し、 パノルリムのコンユ・ジョンオク活動家は、半導体労働者の健康とパノルリム の活動を伝えた。サムスン労働人権守備隊のチョ・デファンはフランス、ブラジル で行われているサムスンに抗議する国際キャンペーンを紹介してオンライン 写真キャンペーンなどを提案した。

討論会は、国際民主連帯、社会進歩連帯など9団体が参加する海外韓国企業監視 とアジア多国籍企業監視ネットワークが共同で主催した。海外韓国企業監視は 世界5か国で韓国企業の労働権弾圧に対応しており、世界の70か国が参加するア ジア多国籍企業監視ネットワークは、アジア13か国でサムスンとトヨタを集中 監視している。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2013-12-14 15:43:11 / Last modified on 2013-12-14 15:43:12 Copyright: Default

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